灘尾弘吉の発言 (地方行政委員協議会)
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○灘尾弘吉君 この協議会におきましては、先般来地方財政の問題を中心といたしましていろいろ検討を重ねて参った次第でありますが、現在の状況にかんがみまして、われわれといたしましては一つの意思を決定いたしまして、これを政府に申し入れる必要があるのではないか、さように判断せらるるのであります。そこで私は一つ動議を提出いたしまして、政府に対しましてこの協議会として申し入れを行いたいと存ずるのであります。
一応申し入れの案につきまして朗読いたしたいと思います。
申入書
地方行政委員会においては、つとに地方財政の窮状を指摘し、すみやかにその打開策を確立して実行に移すべきことを強く要望してきた。しかるに政府は過去の赤字に対し、地方財政再建促進特別措置法案を提出したにとどまり、地方財政計画の適正化による赤字原因の解消その他地方財政の抜本的刷新、確立については、いまだ案の見るべきものがないのは遺憾である。よって政府は最近における事態の重要性と緊急性に思いをいたし、地方財政の窮状を打開するため、すみやかに臨時国会を開き、地方交付税率の引き上げその他適切なる方途の実現に必要なる予算案及び法律案を提出せられたい。
昭和三十年十月十四日
衆議院地方行政委員協議会
内閣総理大臣鳩山一郎殿
以上のような案によりまして申し入れを行いたいと存ずるのであります。
この趣旨につきましては、かれこれ御説明申し上げる必要はこの協議会においてはすでにないと私は考えるのであります。現在の地方財政の実情につきまして、くどくどしいことを申し上げる必要もございません。これにつきましては、政府においても、すでに去る特別国会において、地方財政はまことに困っておって、地方団体はその重圧のもとに呻吟しておるとさえおっしゃったのであります。しかしながらこれに対する政府の施策は、決して十分ではないと私どもは考えたのであります。先の国会におきまして、過去の赤字を解消する策につきましては、一応の案が出たのであります。われわれもこれが成立に協力いたしましたが、遺憾ながら継続審議になった次第であります。同時にわれわれといたしましては、過去の赤字ももちろん解消してもらわなくてはなりませんが、今後の赤字原因をなくすることが、もっともっと緊急であり、大切である、かように考えております。そのために、社会党におかれましても、またわれわれといたしましても、地方交付税率の引き上げに関する案を提案いたしたような次第であります。これも不幸にして審議未了に終ったのでありますが、しかし地方の実情ないしはこの委員会が何を求めておるかということにつきましては、政府当局におかれましても十分に御認識のはずだと思うのであります。自来今日に至るまでいろいろ推移をわれわれもながめておった次第であります。地方団体の財政状況が日に日に逼迫を告げておることは、今さら申し上げる必要もない。まことにあわや崩壊の寸前にあると申し上げてもさしっかえない、さような状態にあるわけであります。われわれといたしましては、すみやかに臨時国会を開いて、この問題について善処していただきたいということを強く要望しておりましたが、今日に至るまで政府はその措置をせられないのであります。のみならず考え方によりましては、あるいは政府はこの事態にもかかわらず、調査に藉口して日をおくらしておられるのではなかろうかというような感じさえするのであります。さらにまた一歩進めて言えば、政府の中の財政当局におかれましては、この問においていろいろな動きをしておられるのではなかろうか。地方行政の実態について十分な認識もなく、また国政が実際地方の端々においてどういうふうに行われておるかということについての認識もなく、ひたすら数字の出入り、数字の計算にのみ没頭しておりまして、国の金庫さえ健全であればそれでよろしいというような頭のもとに、いろいろな動きをなさっておるのじゃなかろうかということすらうかがえるのでありまして、われわれといたしましても、この政府の動き方に対しましては大いに警戒する必要がある、かように考えるのであります。さようなことを私ども思いますにつきましても、すでに、自由党におきましても、また社会党におかれましても、臨時国会の要求はいたしておる。何を一体ぐずぐずしておられるか、こう申し上げたいのであります。今日の事態につきましては実に心配でなりませんので、この機会にわれわれといたしましては、われわれの意のあるところをあらためて表明をいたしまして、これを政府に申し入れまして、政府の猛省を促して、急速に臨時国会を開いて適切なる措置を講じていただきたいと存ずるのであります。以上の趣旨をもちまして私はこの動議を提出いたしました次第であります。何とぞ満場一致で皆さんの御賛成あらんことを切望いたします。