春日一幸の発言 (本会議)

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○春日一幸君 ただいま議題となりました財団法人日本海員会館に対する国有の財産の譲与に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、昨二十八日大蔵委員会において全会一致をもって起草提出いたしました法律案であります。
 すなわち、日本海員会館は船員の福利厚生事業を行なっている財団法人でありますが、この団体の沿革につきまして申し上げますと、明治二十九年高級船員の団体である船員倶楽部が結成され、これは後に社団法人海員協会に改組されたのでありますが、一方、普通船員も大正十年に日本海員組合を結成し、この組合員は、昭和四年から毎月組合費と同額の一円を醸金して、普通船員のための厚生施設を作ったのであります。次いで、昭和七年財団法人日本海員会館を設立して、これにこれらの施設の所有権を移すとともに、その経営をも一切まかせ、海員組合と表裏一体の関係のもとに運営することとなったのであります。しかして、さきの大戦が始まるに及び、海員協会及び日本海員組合は解散して日本海運報国団が設立され、その所有する財産を財団法人日本海運報国団財団に寄付いたしたのであります。その後、昭和二十年八月戦争の終結に伴い日本海運報国団は解散し、翌年十一月には解散団体に指定され、その付属団体としての財団法人日本海運報国団財団も昭和二十三年政令第二三八号の適用を受けて解散団体とみなされ、その財産は国庫に帰属し、一般に売却されることとなったのであります。しかし、これらの施設がこのように処分せられることになりますと、船員の福利厚生施設は全滅となり、日本海運にとっても重大な支障を来たすことになりますので、種々折衝の結果、これらの施設は国庫に帰属せしめるが、一般に売却はしないで運輸省に移管し、現状通り船員の宿泊休憩施設等として日本海員財団に無償で使用せしめることとなり、運輸省が厳重な監督をして今日に及んでいる次第であります。なお、財団法人日本海員財団は、昭和二十六年、財団法人日本海員会館と改称いたしました。
 以上がこの法律案の対象となっている財産の起源及び沿革の大要でありますが、この財産は、平均して二十年以上経過しておりますが、修繕等により整備改善を要するものが多いのでありますが、国としてもその予算がなく、また、日本海員会館の方でも、国有財産であるために十分な資金を出すことができない事情にあります。従って、この際、真に船員の福利厚生施設として十分その効果を上げるためには、この財産を日本海員会館に譲与し、施設の整備拡充をはかる必要があると考えるのであります。
 大蔵委員会は、右法律案の提案を決定するに際しまして、政府に対し質疑をなし、その所見を求めたところ、政府においては異存なき旨の意見が開陳せられました。
 以上がこの法律案を提出いたした理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成賜わらんことをお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 102205254X03519550629_019

発言者: 春日一幸

speaker_id: 27998

日付: 1955-06-29

院: 衆議院

会議名: 本会議