林道雄の発言 (決算委員会)
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○調査員(林道雄君) 本件を審査した結果、
1、会計検査院の検査確認又は検査完了した一般会計、特別会計及び政府関係機関決算のうち決算検査報告に指摘された不当事項及び是正事項については会計検査院と意見を同じくする。
2、右決算のその他の部分については異議がない。
3、今回の決算審査の結果明らかになったことは、会計検査院の批難事項が累増しており、適正経理に対する政府当局者の配慮努力が足らないことである。
決算委員会において従来論議のあった徴収措置、予算経理、の施工、物件及び役務の調達、補助金等の経理等につき、その後も同様の不当事態が発生しているのはまことに遺憾である。特に防衛庁の物資調達に関する著しい不当事例、農林、運輸、建設各省の公共事業費補助金等に関する多数の不当経理、日本国有鉄道における不当契約等は注目すべき事項である。補助金等の問題については、決算委員会において昭和二十六年度決算にっき特に審議しその是正方を内閣に要望したところであり、又防衛庁の物資調達及び日本国有鉄道の不当契約についてもすでに昭和二十七年度決算において批難の対象となったものである。よって内閣に対して次の通り警告を与える必要があると認める。
昭和二十八年度決算においては、会計検査院が検査報告に不当事項又は是正事項として掲げたものだけでも合計二千二百三十二件、その批難金額は百四十八億円に達しており、不当経理の実体はその数倍に上るものと推定される。決算委員会においてその内容を審査した結果、会計横査院の批判と意見を同じくするとの結論に達した。内閣はこのような事態について深くその原因を究明し、関係者の反省を求めるとともにすみやかに是正改善の措置をとることを要望する。
次に特に内閣の注意を喚起したいのは、会計検査院によって指摘され、決算委員会においても問題となり、政府当局もその不当性を認めた事項について、その後政府側のこれに関する改善措置が遅々として進まず同種の不当事項が繰り返されているばかりでなく、個々の事項についての善後処置も適確に実行されていないものが多いことである。これらば政府当局者が会計検査院の批難及び国会の警告に対して反省と努力が足らない結果であり、又不当事項の関係責任者に対して適切な処分が行われていないことにも一因があると認められる。もちろん処罰だけで事態の改善をはかることはできないが、今日のように公務員として職務の遂行に当然払うべき努力を払わず安易な方途についたため積極的又は消極的に国損を来たしているにかかわらず、温和な処置にとどめる状態のもとにおいては、綱紀の粛正、事態の改善は到底望まれず、国民の不信は深まるほかはない。内閣はすみやかに国家公務員法による懲戒処分を励行して右のような弊風を打破し、公務員の正しい規律を確立することに努める必要がある。
次に、補助金等に関する不当事項が年々多数に上っているが、これらのうちには補助金等を受ける事業主体の側の不実な申請又は不当な使用に基くものが多い事実にかんがみ、内閣はこのような道義を無視する傾向のびまんを防止するため、事業主体の当事者にも処罰をもって臨むべきである。また各省庁の業務及び経理の是正刷新は、会計検査院の検査に依存するところ大ではあるが各省庁の内部指導、内部監査により常時推進されることが望ましく、決算委員会において昭和二十八年度決算審査に当り特に各省庁の内部監査に検討を加えた結果、その機構、構成員及びその運用については、なお改善を要するものがあることを認めた。