小林亦治の発言 (決算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○小林亦治君 私は社会党第二控室を代表いたしまして、昭和二十八年度決算三件に対して承認に御同意したいと存じます。
 それはただいまのこの警告を発せられました通り、各省庁及び各政府関係機関に対する警告並びに各省、公社それぞれの警告に対しまして責任者から神妙なるごあいさつがございましたので、やむを得ず承認するということなんでありまして、決して喜んで承認をするのではございません。私は決算委員であることが五年、しかも第十九国会から二十国会にかけて決算委員長の職について、この決算に関してはあとう限りの努力を払って参ったっもりなんであります。ところが年々繰り返されるこの決算の審査、それに関するところの当局の御弁明、あるいは特段の決議をもって警告を与えたこともありまするが、同じことが繰り返されておるのであります。検査院の機構の拡充をはかり、政府に対しては厳重なる警告を発して、それが新しい憲法制定以来、ほとんど八回にわたる決算にもかかわらず、一向改まらない。発問も答弁も同じような繰り返し、かようになって参りますると、今日の決算の機構ではすでにだめだということに相なってくるのではないか、これをおそれるのであります。毎年同じ警告を発して同じような答弁をいただいて、しかもなお改まらない、批難事項は年々増加する一途をたどっている。ことに昭和二十八年度におきましては、二千二百三十二件、かようになって参ると、いかに決算に努力をしてもふえるのみである。こういう結論になると、委員各位からも仰せられました通り、これはもはや会計検査院と国会の決算委員会では不適当である。少くとも力が及ばない、こういう結論になったのであります。次にくるものは何であるかということをよく考えていただかなければならない。われわれも考えます。これではだめであるから、一大改革の断行をしなければならない、強い言葉でいえば、革命といいましょうか、もっとほんとうに申し上げれば大改革の断行ということになる。国の決算を爼上にのせ得るものは会計検査院と衆参両院の決算委員会のみなんであります。これをもって満足な決算の審査がだめだとするならば、これはよほど考えてもらわなければならない。だめであるにしても、官僚に対して私どもが望むものは、責任を持ってもらいたいということなんであります。不可能を検査院は責めておらない、不可能なことを決算委員は責めておるのではないのであります。可能なるものに対して、しかも批難に値するところの結果が出たというゆえんのものは、不注意であることと、怠慢であることと、しからずんばずさんであること、この三点に尽きるのであります。しからば不注意、怠慢、ずさんによって国に損害を与えたる者の責任はどうかといいますると、これは諸外国の立法例にもありまする通り、先ず民事上の賠償なんであります。賠償が適当でない場合にはその職を辞する、これ以外にない。この綱紀の締めくくりの二点がゆるんでいるから毎年同じような批難事項ができる。しかもお茶を濁したような結末に終っておる。国民はこれに対して怨嗟の声を放っておる、こういうことなんであります。先国会におきましても、懲戒処分の厳正ということを求めて、院議をもって決定したのでありまするが、依然としてその懲戒が厳正に行われておらない、こういうことなんでありまして、どうか政府部内、それから担当する各官僚諸君においても、この点を深くお考え願って、この次にはおそるべき事態が参るんだということを深く御留意願ったならば、私どもの憂うるところの革命あるいは一大改革の断行などという荒々しい事態が参らずして済むと思うのでありまして、自分一家の家庭を処理するの気持で国費の使用に当っていただかなければならぬと、今日よりこれを痛感する次第なんであります。前の国会の本会議で私も申し上げました通り、もうこのままの状態では官僚国を亡ぼすと言われても仕方がないのであります。一兆億予算、政府関係機関、特別会計、こういうものを合せれば三兆億を越える国の予算なのであります。その使い途が厳正に、アメリカのように一個の支出に対して特別にそれだけの会計検査をなすということで爼上に上げて検討しましたならば、不当支出、あるいは不経済なる支出というものの額は、これは想像ではなはだ恐縮なんでありますが、おそらく三、四千億を越えるのではないか、こう思われる。皆さんも御想像下さい。ぴんとくるものが必ずあるはずです。かようなことではとうていこれは現在の官僚機構、現在の国家機構をもつてしては、国民の血税を円満に使うということは不可能なんであります。ひとのやったことである、あるいは機構上の責任だけだ、こういう安きに甘んじて眠っておるのが今日の官僚の状態なんであります。民主党内閣も長い間の野党の努力が結ばれて、せっかく今内閣のひな壇におられるのですが、諸君が野党時代に叫んだところの抱負を一つ断行していただいて、われわれの心配するところを除かれたならば、これは国民のかっさいを得られるに違いないのであります。そのことをまず政府に希望しておきたい。
 最後に、昭和二十七年度の決算が、昨年の十二月に結びをつけて、それからわずか半年あまりの間、膨大な二千二百三十二件というものを遺憾なく処理せられて、本日承認の段階に達しましたことは、山田委員長の熱心さはもちろん、各委員諸君の御努力と御熱意、これまたもちろんであります。なおまた事務当局、専門員を初めとする事務当局、委員部諸君の御努力に対しては、国民に代って本席あらためて感謝の意を表したいと存じます。
 以上所懐を述べまして本日の決算三件にやむを得ず今回限り承認をしたいと存ずるのであります。

発言情報

speech_id: 102214103X03219550726_021

発言者: 小林亦治

speaker_id: 26452

日付: 1955-07-26

院: 参議院

会議名: 決算委員会