菊川孝夫の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○菊川孝夫君 私どもも、総理の今言われる最もいい方法、最善の道を選ぶということについては、決して異議を言うのではなしに、けっこうなことだと思うのであります。ところが、眺めておりますと、なかなか簡単に総理の今お考えになっているような方向に進まない。相手ば、何と言いましても外交交渉についてはきわめてねばり強いスラブ民族であります。従いましてその民族性も考えて、こちらもやはり腰を落ちつけて折衝に当らなければならぬと思います。従ってまず次善の策を講じておいて、少くともこの人道問題、特に戦犯、抑留邦人の帰還につきましては、総理もやはりこれとは違ったような――もちろん全然比較にはなりませんけれども、敗戦という苦しみは特に痛切に感じられておるはずであります。戦後追放処分を受けられまして、音羽のお屋敷に立てこもっておられましただけでさえも、やはり焦慮のあまりに、われわれの見るところでは、健康を害された苦い経験をお持ちになっているはずであります。まして戦犯抑留邦人の諸君は、それと比べましたら、比べものにならない苦しみと焦慮の念に駆られておることはもう推察にかたくございません。より以上に、もう言葉では表わし得ない気の毒な立場にあると思います。また重光外務大臣も、自民党の幹事長の岸信介氏も、ともにやっぱり戦犯として巣鴨で苦しい経験をお持ちであって、これらのつながれておる諸君の身の上については、よくおわかりのはずであります。これらの抑留者の心境は十分わかっておられるはずでありまするから、このように航空機の発達によって、もう現在は大公使を派遣しての訓令外交時代は過ぎまして、巨頭外交の時代に移行しつつあると思います。この際思い切って、一つ御苦労でも、総理または重光外相、代行委員の一人ぐらいはっき添って行って、モスコーへ乗り込んで、ブルガーニンやフルシチョフとひざを交えて、暫定協定の話し合いをやってみるか、あるいは日ソ交渉の促進について話し合ってみる、こういうお考えはあるかどうか、一つ伺っておきたいと思います。

発言情報

speech_id: 102315261X00319551208_026

発言者: 菊川孝夫

speaker_id: 10617

日付: 1955-12-08

院: 参議院

会議名: 予算委員会