黒沢酉蔵の発言 (国土総合開発特別委員会)
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○黒沢参考人 北海道開発公庫法案が上程されましたにつきまして、私どもに意見を徴されるのは、まことに光栄と存じております。
この法案は、実は開発審議会において一昨年来——北海道開発の健全なる遂行を期するために、非常に欠けている点が一つあるのであります。それは何かというと、基本的施設であるところの道路、河川、港湾とか電力開発だとか、土地改良というような方面には、毎年ある程度の公共事業費を投じておりますが、それと当然並行して進まなければならぬ第一次産業、すなわち鉱工業の面に対しては何らの直接の施策がないのであります。これは長い間北海道の開発に関係しておる者としては、みな遺憾に思って、要望しておったものであります。そこで開発庁におきましても、若干の試案はありましたが、まとまったものは実はできてなかったのであります。そこで審議会としては、何とかこの非常に欠けている面を補いたい、こういうことから、理事会を開きまして、いろいろ相談をして、とにかくこの問題を取り上げようじゃないか、こういうことになりまして、一昨年、審議会みずからの考え方で掘り下げようという打ち合せをいたしたのであります。そこで審議会は、金融財政の小委員会がありますので、その委員会に委嘱をいたしまして、これの調査研究、立案をお願いしたような次第でございます。小委員会は、長い間かかりまして、いろいろの専門家がこれに加わりまして、そうしてでき上ったのが北海道産業振興開発公社案というのであります。これを審議会が、さらに全員で総会において審議をいたしまして、そうして満場一致可決して、政府に建議した。政府はこれを取り上げて、これが実現をはかるべく、開発庁が一つの案を作りました。それが北海道開発公庫法案となったような次第であります。
そこで私どもが要望しておる——これは私どもの要望というよりは、開発に関連するすべての人々——審議会には各政党からも出ております。衆参両院からも出ておりますし、学識経験者、各層の人が出ておるのでありまするが、これらはことごとくその必要性を力説しておるのでありまして、いわば国民全体がこの問題に対しては支持、共鳴をしておる問題なんであります。ところで、政府の成案、これが、だんだんいろいろの変化はありましたが、今日この委員会で審議されることになったことは御承知の通りであります。
ただ私はこの機会に、非常に遺憾だと思う点を一点申し上げて、そうして各位の御尽力を願いたい、こう思うのであります。それは何かというと、審議会におきましてもだいぶ論議されたのでありまするが、この十億円という政府財政出資では、どうもあまりにも少な過ぎるということであります。北海道の産業開発に対して低利長期の資金を投入する上において、わずかに政府財政出資が十億円であっては、これはわれわれの建議し、われわれの要望しておった点から見ると、はるかに遠いのであります。この点が私ども非常に残念に思うのであります。ここまでこぎつけたことに対しては深く感謝をいたしますけれども、いま一歩進んで、せめて五十億くらいの財政投資があったならば、この法案の要求している趣旨であるところの低利長期の投融資ができるのではなかろうか。十億ぐらいのところでは、これはとうていまかないができませんから、結局預金部資金を入れるとか、公債を発行するとかいう結果にならざるを得ない。けれども、そうなりますと、金利が非常に高くなるのであります。それでは、このわれわれの要望しているところの低利長期の融資というのには、どうかと思う。これは日本の財政状態としては、ここまで奮発したのですら、なかなか容易ならぬことであったとは思いますけれども、しかし日本としては、ただ一つ残されているところの北海道の資源の開発、この産業面の開発をするという政府の財政投資に、わずかに十億円では、これは何としても情ない金額なのであります。この点は私どもとしてははなはだ遺憾である。今議会においては一日も早くこれの成案を見ることを希望するのでありますが、来年の議会におきましては、どうか一つ、ほんとうに低利長期の資金になり得るような額を、政府は財政投資をしいただきたい。これが私どもの要望であります。
以上、私はこの法案全体に対して賛成いたすわけでありますが、ただその点に対しては遺憾の意を表し、さらに一段の御尽力をお願いしたい、審議会としてはこれだけをお願いいたしたい、こういうように思うのであります。はなはだ簡単でありますが、これだけを申し上げて私の意見を終ります。廣川委員長 議事の進行上、参考人の方々に全部お願いいたして、それから質問に入りたいと思います。
次は永田さんにお願いいたします。