永田昌綽の発言 (国土総合開発特別委員会)
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○永田参考人 基礎調査ができていないということは、お説の通りで、まことに遺憾であります。こういう公庫のごとき機関が、ある一つの事柄を取り上げますためには、基礎調査は参考になると私は考えております。私どもの従来の経験もまたそうでございます。しかし、こういうものを運営されます理事者の方々は、たとい、いかなる基礎調査がありましても、みずからの機関、みずからの目で見、みずからの手でもって一つの調査をしなければ、判断はできないのであります。従って基礎調査があるということは、非常に能率を高め、具体的の調査を早からしめるという点におきましては、大へんに効果のあるものであるが、ただ、それがないために、今後公庫の理事者がこれを運営するというのには、大へん時間と手間がかかるだろうとは思います。その点で基礎調査がないということは、非常に遺憾なことでありまして、あればあるほどいいが、しかし、あっても、やはり直接の自分の調査というものがなければ、結論が出ないのであります。しかし能率は非常に下るということになると思います。
それから、いわゆる利権の問題でありますが、これは私の体験を申し上げておるのであります。どうもいろいろと御懸念がおありのようであります。そういうことは私どもも考えましたが、先ほど黒沢さんからもお話がありましたように、審議会が建議をいたしましたものには、特別の管理委員会とか経営委員会というものがつけてあります。それはどういうことであったかと申しますと、先ほども申し上げましたように、出資に重点を置く考え方というものは、下手をすると利権が入るおそれがある。金融の点においては、何ぼ公庫が普通の金融ベースよりは幾らかグレートを下げたものをやると言いましても、金融のことだけはそう懸念はないと思いますが、しかし出資ということにおいては、事と場合によっては、これは結論が早く出ない仕事でありますから、そういうこともあるいはなきにしもあらずであります。そういう考えもわずかにありまして、この委員会というものが考えられました。しかし、この経営委員会とか管理委員会というものをつけることを構想いたしましたのは、出資によって北海道にそういう産業を新しく興そう、あるいは振興開発をやろうという場合には、理事者だけの考えよりも——あの委員会に参加を願う人は、日本の産業界において最もすぐれた産業人であり、北海道の開発ということにつき非常に明察達識の人の知識をあそこにつぎ込もうという考えで、あの委員会を考えております。この委員会というものは、一面には非常に積極性を持っておるが、二面においては、三宅さんの仰せられますような出資に関する多少の懸念に対して、これをチェックする力もあるかと考えたのであります。しかし今日ここに出ております出資というのは、もちろん今後も行われましょうが、この案によれば重さが非常に小さくなっておるようであります。どちらかというと、金融機関的のものであります。金融機関の性格におきましては、それほどのものをおつけにならなくても、要するに問題は、この理事になる人であります。理事になる人があやふやでは、どうかと考えております。
それからもう一つ、これを銀行経験者がやるということになれば、産業のことは何もわからない、かように御断定になりましたが、これが果して正しいかどうかということにつきましては、私は多少の疑問を持っております。これをみずから執行しなくても、金融機関の人間はたくさんの産業に触れまして、産業に対する批判力を持っております。産業の批判力を持っておれば、この仕事はできるのでありますから、そういう点においては、必ずしも御説の通りには賛成をいたしかねるのでありまして、この公庫に関する限りは御心配はなかろうと思います。