稲葉秀三の発言 (国土総合開発特別委員会)

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○稲葉参考人 実ははなはだ重要な問題であり、また私は黒沢さんなどのように、この問題に全然タッチもしていない。今いろいろ御論議を聞いて、かすかにわかり出したので、こういったような問題について権威のある国会でお答えをするのは、参考人として、幾ら経済評論家でも、むずかしいと思うのであります。それで一応今聞きましたことを、一般的な角度から、私自分の経験を生かして申し上げたいと思います。
 まず御質問は二点に要約されると思います。一点は、国土総合開発的な観点から北海道のあり方をどうきめるかということなんですけれども、私はできるだけ国土開発的な観点を考慮していただきたいと思います。ぜひ今後この委員会で御考慮を願わねばならない問題は、日本でも経済六カ年計画を初め、いろいろ計画ができておりますけれども、行政機構の関係あるいはその他から申しまして、その実行可能な計画は、地域計画ではなくて、産業別計画という形になっておるということです。大体建設省は建設関係の予算を握って、それをいろいろな方面に回していく、そういう形になっております。従って、地域的な計画をする場合におきましては、よほど縦と横の関係について具体的な考慮が必要だろうというふうに思います。それが実はなされていない間におきましては、幾ら地域計画ができましても、それはペーパー・プランになってしまう。ですから、私が一番お勧めしたいことは、それは北海道の方にとっては不満足かもしれないけれども、現実に北海道に投げられておる各省の公共事業予算、あるいは財政投融資から流れているお金、こういったものを、一ぺん北海道の立場で総合的に考えた場合に、どういう割り方が一番合理的かということについて、専門家その他を御動員になって作って、今度それを上積みにして、こういう事業をしていこう、ああいう事業をしていこうという形にやっていただくことが、今の情勢から見て、地域的な総合開発をほんとうに発展せしめる一つの道だろう。やはり今の形においては、幾ら国土開発がいわれ、特定地域計画がいわれ、全国計画ができたって、結局ペーパー・プランです。経済六カ年計画だって、私はペーパー・プランだと思います。だから、ほんとうにできる計画を作っていただくなら、現実から出発してどういうようなことをしていく、また縦と横の関係を御考慮になって、この公庫の問題をどういうふうにしていこう。また東北で今いろいろと私どもも基礎的な調査を進めておりますが、そういったような場合に、そのような点を十分考えたものにし、またそれを公庫と結びつけていただくということが、ほんとうの民主化された計画を進めていく上に重要だと思います。これは一ぺんに行かないかもしれませんけれども、ぜびともこの委員会でお考え願いたいと思います。
 それから第二の問題は、現実に北海道を中心にしてこの公庫というものを運営していくときに、理事長、理事機関だけではなくして、もっと広範に、いろいろな方々の意見を聞いて、貸し出しをしたり、受け入れ勘定をしていくということについてどうかという御意見であります。そうして現に、開発審議会でこういったようなことを審議中には、そういうことにまとまったんだけれども、この法律ではそれが明示されていない、こういうようなことが問題だと思いますが、大体そのように了解してよろしゅうございますか——そこで私が申し上げたい点は、まず第一に、二つの面のかね合いだと思います。一つは、私は政府のいろいろな委員会の委員をしております。またいろいろ外部の公的な機関の諮問委員会の委員をしておりますが、現にこの間も、国鉄のあり方といったものについて経営調査会で半年以上この問題を論議し、そうして国鉄の機構の問題、それから諮問機関のあり方とかいうようなものについて、いろいろ検討いたしました。それが、私は遺憾ながら北海道にそのまま当てはまると思いませんけれども、原則としては、今後こういう形でやっていくという形が合理的だと思います。つまり衆議を聞くということは非常に重要なことであります。しかし、私はどうも最近の各政府や委員会のあり方を見ておりますと、実は委員会そのものが、責任転嫁や、かくれみのになるというような形跡がやはりあるという現実は、これはまた否定はできません。従って、ほんとうに理事長や理事の方が公平であれとするなれば、私は別に貸し出しをどこどこにするかということと、それから、出された貸し出しが正当に使われているかという件につきましては、諮問委員会を作る必要はないと思います。しかし実情がよくわかりませんので、もしもそういったようなことが政治的に悪用されるということがありまするならば、それは作った方が合理的だと思います。それから第二に、それではいろいろ広範な方々の意見を聞くということが必要かどうかということになりますと、これは私はきわめて必要だと思います。そこで、いわゆる法的によらないような、もっと軽い意味のいろいろな諮問機関を現地とか東京でお設けになってやっていく、そうしてもしも理事さんのやり方やあるいはいろいろなやり方が悪いとするならば、やはり理事長が責任をとる、理事が責任をとる。これは理事長や理事がいわゆるほんとうに民主主義的な行動をするかどうか、そこにやはり責任を集中する、その限りにおいて諮問的な役割りをやっていくという形が、合理的である。最悪の場合は、私は三宅さんの意見に同感で、必ずしもこの公庫がうまく発足してくれるかどうかということはわかりません。東京の評判というものは、どの程度当てになるかわかりませんけれども、いろいろ悪口を言う方の意見も聞きました。また悪口を言われる方には、むしろ東京の銀行家や実業家が多い。これは割引きして聞かなければならぬという点も、私はよくわかります。しかし最悪の場合においては、諮問委員会を作ったって、事態は同じことだと思います。その点はよく御考慮になって、おきめをいただきたい。これは一般論でございまして、必ずしもこの公庫に当てはまるか、どうかということはわかりません。しかし私に、この公庫を中心にして一つお前の意見をもっと徹底的にやれ、それを一つ皆さんの方の決議の参考にしてやろうというなら、私に約一週間の日時をおかし願いたいと思います。

発言情報

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発言者: 稲葉秀三

speaker_id: 12575

日付: 1956-03-30

院: 衆議院

会議名: 国土総合開発特別委員会