八木一男の発言 (文教委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○八木(一男)委員 今の委員長、事務局長の御答弁で非常に安心したわけでございますが、さらに強力に進めていただきたいのでございます。今の言葉じりをつかまえるわけではございませんけれども、いろいろとめんどうなことが起ると事務局長が言われましたけれども、めんどうなことが起るというその問題についての配慮は、たとえばそれについての防衛庁の関係とか、たとえばそれについての軍需工業の関係で、通産省の関係とか、そういう人たちが言う問題でございまして、文化財保護委員会の関係といたされましては、これが一番大事である、特にこれを推進しなければならないという立場で強力に進めていただきませんことには、防衛庁の関係者の、ここに自衛隊を置きたいんだ、あるいは通産省の関係の人の、ここは立地条件上軍需産業に工合がいいというような意見に押されてしまいます。ですから、文化財保護委員会は文化財保護の立場から強力に押していただく、またほかの諸関係者は、諸関係者の立場から主張して、初めてそこに一番よい結論が出るのでありますから、文化財保護委員会自体がめんどうなことというようなことをお考えになると、この問題は推進できないと思う。それで御答弁は要りませんけれども、この点ほんとうに日本の文化財を守るという立場から、文化財保護委員会の使命を果す意味で、強力に委員長も事務局長も推進していただきたいと思います。事務局長の先ほどの御答弁について、私が幾分反駁的なことも申し上げましたけれども、事務局長が文化財保護について熱心にやっていただけることを信じまして、この問題については一応これで打ち切りたいと存じますので、これから具体的な問題について御質問をいたしたいと存じます。
 実は、奈良市の少し北の方でございますが、史跡でございまして、磐之姫命の御陵のある近くでウワナベ、コナベと申します非常に代表的な古墳のある、そして御陵の伝説のあるところに、現在アメリカの駐留軍がおるわけであります。これは法華寺のすぐ北でありまして、法華寺町か佐紀町か、どっちかの町名にわたっておると思いますけれども、そこに現在駐留軍がおります。ところが駐留軍の計画によって七月に接収解除をする予定になっておる。そうしてこのあとに自衛隊の航空学校の幹部訓練所ができまして、千五百名の自衛隊の学生が入ることになるという御計画を進めておられるようであります。そのような場合に、この保護条約によりますと、その四条の文化財の尊重というところに、「締約国は、武力紛争の際に破壊され、又は損傷を受ける危険がある目的に自国及び他の締約国の領域内に所在する文化財、その直接の周辺及びその保護のために使用される施設を使用しないようにすることにより、並びにその文化財に向けていかなる敵対行為をも行わないようにすることにより、その文化財を尊重することを約束する。」という条文がございます。こういうふうな条文がございますので、ここに自衛隊が入っていってしまいますと、この文化財保護条約を進めました場合に、これを撤去しなければならないことになるわけであります。奈良というところは御承知の通り文化的なところであり、そしてまた教育的なところでありますから、その問題と関連なしに軍隊あるいはそれに類似するものが入ることは好ましくないわけでございます。現状においてそういうものが入らない方が教育上、文化上よろしいわけでございますが、それとともに、もしここに入ってしまった場合に、との条約を批准した場合に、そうして国内法を整備したときに撤去しなければならないということが起るわけでございます。でございますので、この問題は自衛隊の計画を一部変えて、ここに航空自衛隊の幹部訓練所を設置しない方が文化財保護の立場としてよいのではないかと私ども思いますし、特に奈良市の周辺に住みまして奈良市の古文化財のことによく関心を持っておられる学者の諸君とか文化人の諸君とか、その関係者はこの問題に猛烈に反対しておるわけでございます。その点につきまして文化財保護委員長は、ここに自衛隊が参ります点について好ましくない、自衛隊の設備、使用を避ける方がいいとお考えになると思うわけでございますが、これについて保護委員長のお考えを伺いたいと思います。

発言情報

speech_id: 102405077X04619560603_013

発言者: 八木一男

speaker_id: 11888

日付: 1956-06-03

院: 衆議院

会議名: 文教委員会