文教委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十一年六月三日(日曜日)
午前十一時四十六分開議
出席委員
委員長 佐藤觀次郎君
理事 赤城 宗徳君 理事 加藤 精三君
理事 坂田 道太君 理事 米田 吉盛君
理事 辻原 弘市君 理事 山崎 始男君
伊藤 郷一君 稻葉 修君
杉浦 武雄君 田中 久雄君
町村 金五君 山口 好一君
小牧 次生君 高津 正道君
野原 覺君 平田 ヒデ君
八木 一男君 小林 信一君
出席政府委員
防衛庁政務次官 永山 忠則君
文部政務次官 竹尾 弌君
文化財保護委員
会委員長 高橋誠一郎君
文部事務官
(文化財保護委
員会事務局長) 岡田 孝平君
専 門 員 石井 勗君
—————————————
六月三日
委員小松幹君辞任につき、その補欠として八木
一男君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
文化財保護に関する件
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この発言だけを見る →午前十一時四十六分開議
出席委員
委員長 佐藤觀次郎君
理事 赤城 宗徳君 理事 加藤 精三君
理事 坂田 道太君 理事 米田 吉盛君
理事 辻原 弘市君 理事 山崎 始男君
伊藤 郷一君 稻葉 修君
杉浦 武雄君 田中 久雄君
町村 金五君 山口 好一君
小牧 次生君 高津 正道君
野原 覺君 平田 ヒデ君
八木 一男君 小林 信一君
出席政府委員
防衛庁政務次官 永山 忠則君
文部政務次官 竹尾 弌君
文化財保護委員
会委員長 高橋誠一郎君
文部事務官
(文化財保護委
員会事務局長) 岡田 孝平君
専 門 員 石井 勗君
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六月三日
委員小松幹君辞任につき、その補欠として八木
一男君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
文化財保護に関する件
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佐
佐藤觀次郎#1
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
本日は文化財保護に関し調査を進めます。なお、調査の便宜上、文教行政に関する質疑もあわせ行うことといたします。質疑の通告がありますので、これを許します。八木一男君。
この発言だけを見る →本日は文化財保護に関し調査を進めます。なお、調査の便宜上、文教行政に関する質疑もあわせ行うことといたします。質疑の通告がありますので、これを許します。八木一男君。
八
八木一男#2
○八木(一男)委員 本日の質疑については、外務省関係と、それから文化財保護委員会関係、文部省関係、それから防衛庁関係の方の御出席を求めているわけでございますが、文化財保護関係以外の方はいつごろおいでいただけるでしょうか。
この発言だけを見る →佐
八
八木一男#4
○八木(一男)委員 それでは文化財保護委員長に御質問を申し上げたいと存じます。武力紛争の際の文化財保護のための条約というものが、多分条約が、各国で結ばれまして、わが国も仮調印いたしました。現在批准の準備中でございます。またそれの国内法の準備中であるわけでございます。この内容につきましては、委員長十分に御承知の通りでございますけれども、こういうことは特にわが国のような、文化財をたくさん持っておって、そしてそれを保護しなければならない立場にある国としたら、非常に歓迎すべき条約であると思いますが、委員長のお考えはどうでございましょうか。
この発言だけを見る →高
高橋誠一郎#5
○高橋(誠)政府委員 むろん文化財保護委員会におきましてもかような条約が成立いたし、実施せられますことを歓迎いたしておるのでございまして、文化財保護委員会からも関野課長があちらに出張いたしまして、いろいろ意見などを述べて参ったのであります。ただいまお話のありましたように、やがてこの条約が批准せられ、国内法が制定せられますことを祈っておる次第でございます。
この発言だけを見る →八
八木一男#6
○八木(一男)委員 保護委員長が私どもと同じお考えであることを伺いまして大へんけっこうであります。ただ、この条約が結ばれてから批准が大へんおくれておることについて、私どもは非常に遺憾に思っておるのでありまして、批准並びに国内法の準備というものをもっと促進しなければならないと考えております。この点について、批准については外務省、それから国内法の制定については文部省関係に、その促進を強力に要求しなければならないと思っておるわけでございますが、特に文化財の問題について中心的な立場におられる文化財保護委員会で、これらの関係当局との連絡を緊密にせられて、強力にこの運動、この批准及び国内法の制定を促進していただきたいと思いますが、それについて伺います。
この発言だけを見る →高
八
八木一男#8
○八木(一男)委員 少し言葉が過ぎるかもしれませんけれども、わが国の政治において、今まで経済関係や何かの問題については、非常にてきぱきと早く処理されることが多いのでありますが、このような文化関係のものについては、問題の処理が非常にゆっくり過ぎるように思うわけでございまするから、その点について、特に文化財保護委員会が、通常の状態よりももっと強い決心で強力に推進していただくようにお願いいたしたいと思いますが、それについての御決意をもう一回はっきり聞かしていただきたい。
この発言だけを見る →岡
岡田孝平#9
○岡田政府委員 お話しの通り、できるだけすみやかに条約を批准し、その条約に加入いたしたいと考えておりますが、ただいまのところこの条約に調印いたしました国は約五十カ国に及んでおりますけれども、批准いたしました国はわずか四カ国ないし五カ国と聞いております。ユーゴスラビア、ビルマ、エジプト、インド等と聞いておるのであります。いましばらくたって、大国がこれを批准いたしますならば、この条約もやがて実施の段階になりますので、その他国の状況をもややしばらくにらみ合せまして、適当な機会になるべくすみやかにこれに加入いたしたい、外務省方面とも、その時期等につきましていろいろ打ち合せいたしておる次第であります。
この発言だけを見る →八
八木一男#10
○八木(一男)委員 今の事務局長の御答弁でははなはだ不満でございます。このような、先ほど委員長の言われましたように、好ましいものである、歓迎すべきものであるという信念があったら、他国はどうであっても、まず第一にでも日本の国が批准に邁進しなけばれならないものと考えるわけでございます。よいものとわかっていながら、ほかの大国がどうだからこうだからということで、これの促進に熱心でないということでは、文化財保護委員会の使命をほんとうに果してはいないと思う。また、文化国家としての日本の立場を推進する気持が薄いように思われます。わが国は、国民的に、文化国家として進む気持でおるわけでございます。またそのほかに、憲法で示されておるように、平和という問題、戦争の被害を避けると同時に、平和全体を強力に確保するために進むような国家になっているわけでございます。ですから、他の国が一つも批准しなくても、日本は率先して文化財保護、さらに広くこのよいものを拡大いたしまして、戦争の絶滅まで進めていかなければならない立場にありますのに、すでに四カ国が批准しているのに、まだこれから大国の動向を考えて、そして進めていくというような手ぬるい態度では、実に遺憾であります。
国の政治面にはいろいろ担当がありまして、たとえば、われわは反対でありまするけれども、防衛その他の関係の主張をする人もございます。しかしながら、少くとも文化財保護という仕事をしておられる方は、その問題に集中して、その問題を第一義的に考えて推進しなければ、国の全体の政治において文化財保護というものが非常に軽く見られ、バランスを失することになるわけでございます。文化財保護委員会の中枢である事務局長がそういうお考えでは、私どもはなはだ心もとないのであります。今御答弁の言葉が少いために、私どもの考え方と同じ考えを持っておられても、私どもそれを誤解したのかもしれませんけれども、それでありましたら仕合せでございまするから、どうかその意味では委員長も事務局長も、強力にこの問題の批准を進め、国内法の整備を進めるように、関係当局と強力に交渉されることを要望したいわけでございますが、もう一回委員長と事務局長の御両人の御答弁を願いたい。
この発言だけを見る →国の政治面にはいろいろ担当がありまして、たとえば、われわは反対でありまするけれども、防衛その他の関係の主張をする人もございます。しかしながら、少くとも文化財保護という仕事をしておられる方は、その問題に集中して、その問題を第一義的に考えて推進しなければ、国の全体の政治において文化財保護というものが非常に軽く見られ、バランスを失することになるわけでございます。文化財保護委員会の中枢である事務局長がそういうお考えでは、私どもはなはだ心もとないのであります。今御答弁の言葉が少いために、私どもの考え方と同じ考えを持っておられても、私どもそれを誤解したのかもしれませんけれども、それでありましたら仕合せでございまするから、どうかその意味では委員長も事務局長も、強力にこの問題の批准を進め、国内法の整備を進めるように、関係当局と強力に交渉されることを要望したいわけでございますが、もう一回委員長と事務局長の御両人の御答弁を願いたい。
高
高橋誠一郎#11
○高橋(誠)政府委員 むろんこれがすみやかに批准せられ、国内法によりまして整備せられますることを、われわれ先ほど申しましたように祈っておりますので、先ほど岡田局長からの答弁がございましたが、委員会といたしましては、一日も早くこれが批准せられますることを希望いたして、その意見を表明いたして、外務省そのほかと連絡いたしておるのでございます。
この発言だけを見る →岡
岡田孝平#12
○岡田政府委員 先ほどちょっと言葉が足りないためにあるいは誤解を招くようなことになりましたら大へん恐縮でございますが、ただいま委員長の御答弁の通り、私どもできるだけすみやかにこの条約に入りたいと考えておりますがこれには、国内法を整備しなければなりません。この国内法の整備の仕方につきましては、実はわが国はわが国の独自の考えで進みたいとは思っておりますけれども、この条約は、加入いたしますと加入国相互に非常にめんどうな権利義務関係ができますので、他国がこの国内体制をいかにするかということも、実は大きな問題になって参りまして、この国内体制の、国と国との間の態勢によりましても、いろいろめんどうな問題が起って参りますので、できるならば、たとえばこの条約に非常に熱心でありましたフランス、スイス、ベルギー等のヨーロッパの諸国、それからアメリカ等が国内体制をいかにするかということも実は非常に参考にいたしたいと考えておるのでございます。現在これらの資料もいろいろ集めておりますけれども、まだ十分でございません。しかしながら、他国がどうだからといって、決して、私どもこれを忌避するわけではありませんが、いろいろ非常にめんどうな権利義務が起って参りますので、そういう点もなお慎重にして、十分な国内体制を作り、国内法の完全なるものを作りたいということで、関係各省ともいろいろ打ち合せておる次第であります。精神といたしましては、全く御質問の通りに、できるだけ早く加入いたしたいと思います。
この発言だけを見る →八
八木一男#13
○八木(一男)委員 今の委員長、事務局長の御答弁で非常に安心したわけでございますが、さらに強力に進めていただきたいのでございます。今の言葉じりをつかまえるわけではございませんけれども、いろいろとめんどうなことが起ると事務局長が言われましたけれども、めんどうなことが起るというその問題についての配慮は、たとえばそれについての防衛庁の関係とか、たとえばそれについての軍需工業の関係で、通産省の関係とか、そういう人たちが言う問題でございまして、文化財保護委員会の関係といたされましては、これが一番大事である、特にこれを推進しなければならないという立場で強力に進めていただきませんことには、防衛庁の関係者の、ここに自衛隊を置きたいんだ、あるいは通産省の関係の人の、ここは立地条件上軍需産業に工合がいいというような意見に押されてしまいます。ですから、文化財保護委員会は文化財保護の立場から強力に押していただく、またほかの諸関係者は、諸関係者の立場から主張して、初めてそこに一番よい結論が出るのでありますから、文化財保護委員会自体がめんどうなことというようなことをお考えになると、この問題は推進できないと思う。それで御答弁は要りませんけれども、この点ほんとうに日本の文化財を守るという立場から、文化財保護委員会の使命を果す意味で、強力に委員長も事務局長も推進していただきたいと思います。事務局長の先ほどの御答弁について、私が幾分反駁的なことも申し上げましたけれども、事務局長が文化財保護について熱心にやっていただけることを信じまして、この問題については一応これで打ち切りたいと存じますので、これから具体的な問題について御質問をいたしたいと存じます。
実は、奈良市の少し北の方でございますが、史跡でございまして、磐之姫命の御陵のある近くでウワナベ、コナベと申します非常に代表的な古墳のある、そして御陵の伝説のあるところに、現在アメリカの駐留軍がおるわけであります。これは法華寺のすぐ北でありまして、法華寺町か佐紀町か、どっちかの町名にわたっておると思いますけれども、そこに現在駐留軍がおります。ところが駐留軍の計画によって七月に接収解除をする予定になっておる。そうしてこのあとに自衛隊の航空学校の幹部訓練所ができまして、千五百名の自衛隊の学生が入ることになるという御計画を進めておられるようであります。そのような場合に、この保護条約によりますと、その四条の文化財の尊重というところに、「締約国は、武力紛争の際に破壊され、又は損傷を受ける危険がある目的に自国及び他の締約国の領域内に所在する文化財、その直接の周辺及びその保護のために使用される施設を使用しないようにすることにより、並びにその文化財に向けていかなる敵対行為をも行わないようにすることにより、その文化財を尊重することを約束する。」という条文がございます。こういうふうな条文がございますので、ここに自衛隊が入っていってしまいますと、この文化財保護条約を進めました場合に、これを撤去しなければならないことになるわけであります。奈良というところは御承知の通り文化的なところであり、そしてまた教育的なところでありますから、その問題と関連なしに軍隊あるいはそれに類似するものが入ることは好ましくないわけでございます。現状においてそういうものが入らない方が教育上、文化上よろしいわけでございますが、それとともに、もしここに入ってしまった場合に、との条約を批准した場合に、そうして国内法を整備したときに撤去しなければならないということが起るわけでございます。でございますので、この問題は自衛隊の計画を一部変えて、ここに航空自衛隊の幹部訓練所を設置しない方が文化財保護の立場としてよいのではないかと私ども思いますし、特に奈良市の周辺に住みまして奈良市の古文化財のことによく関心を持っておられる学者の諸君とか文化人の諸君とか、その関係者はこの問題に猛烈に反対しておるわけでございます。その点につきまして文化財保護委員長は、ここに自衛隊が参ります点について好ましくない、自衛隊の設備、使用を避ける方がいいとお考えになると思うわけでございますが、これについて保護委員長のお考えを伺いたいと思います。
この発言だけを見る →実は、奈良市の少し北の方でございますが、史跡でございまして、磐之姫命の御陵のある近くでウワナベ、コナベと申します非常に代表的な古墳のある、そして御陵の伝説のあるところに、現在アメリカの駐留軍がおるわけであります。これは法華寺のすぐ北でありまして、法華寺町か佐紀町か、どっちかの町名にわたっておると思いますけれども、そこに現在駐留軍がおります。ところが駐留軍の計画によって七月に接収解除をする予定になっておる。そうしてこのあとに自衛隊の航空学校の幹部訓練所ができまして、千五百名の自衛隊の学生が入ることになるという御計画を進めておられるようであります。そのような場合に、この保護条約によりますと、その四条の文化財の尊重というところに、「締約国は、武力紛争の際に破壊され、又は損傷を受ける危険がある目的に自国及び他の締約国の領域内に所在する文化財、その直接の周辺及びその保護のために使用される施設を使用しないようにすることにより、並びにその文化財に向けていかなる敵対行為をも行わないようにすることにより、その文化財を尊重することを約束する。」という条文がございます。こういうふうな条文がございますので、ここに自衛隊が入っていってしまいますと、この文化財保護条約を進めました場合に、これを撤去しなければならないことになるわけであります。奈良というところは御承知の通り文化的なところであり、そしてまた教育的なところでありますから、その問題と関連なしに軍隊あるいはそれに類似するものが入ることは好ましくないわけでございます。現状においてそういうものが入らない方が教育上、文化上よろしいわけでございますが、それとともに、もしここに入ってしまった場合に、との条約を批准した場合に、そうして国内法を整備したときに撤去しなければならないということが起るわけでございます。でございますので、この問題は自衛隊の計画を一部変えて、ここに航空自衛隊の幹部訓練所を設置しない方が文化財保護の立場としてよいのではないかと私ども思いますし、特に奈良市の周辺に住みまして奈良市の古文化財のことによく関心を持っておられる学者の諸君とか文化人の諸君とか、その関係者はこの問題に猛烈に反対しておるわけでございます。その点につきまして文化財保護委員長は、ここに自衛隊が参ります点について好ましくない、自衛隊の設備、使用を避ける方がいいとお考えになると思うわけでございますが、これについて保護委員長のお考えを伺いたいと思います。
高
高橋誠一郎#14
○高橋(誠)政府委員 この問題はかなり前、何日ほど前でございましたかから承知いたしておるのでありまして、ただいまお話のありました自衛隊の訓練所を法華寺の近くに設けますることは、まことに文化財保護の上におきまして好ましくないことと存じまして、防衛庁方面に申し入れをいたしておるのでございます。ただこの法華寺には非常に尊い国宝がたくさんに保存されておるのでございますが、万一武力紛争の起りました場合にこういうものは他に移転させることができるものでありまして、その点から申しますると幾分安心ができるのであります。それから建物は重要文化財に指定せられておりますので、建物防衛の上から申しまするならば、むろん先ほど申しましたこれらの訓練所のありますることははなはだ望ましくないことなのでございます。法文上これがどういうことになるのでありますか、いささか懸念なきを得ないのでありますが、初めこの武力紛争に関しまする条約の問題が起りました際に、文化財保護委員会は特に先ほど申しました関野課長を派遣いたしまして、奈良、京都、できれば鎌倉までも全体を広地域にわたりまして保護の対象としたいものである、この希望を強く主張したのでありますが、これが通りませんでございまして、それでこの特別保護の対象となりまするものはきわめて狭く解釈せられてしまったのでありまして、これはまことに遺憾なことでございます。先ほど申し上げました法華寺の仏像そのほかのものは特別保護の対象となることと存じますが、あの建物は比較的新しいものと聞いておりますので、これまでが特別保護の対象となりまするかどうか、たしか法華寺から今度の訓練所までは約五百メートル離れておるそうでありますが、たとい五百メートル離れておりましても危険は十分認めなければならぬのでありますから、こういうもののできないことをむろんわれわれは望んでおりますので、防衛庁に申し入れをいたしておるのでございますが、一そうこの点につきまして努力いたしたいと存じております。
この発言だけを見る →八
八木一男#15
○八木(一男)委員 今のことでちょっとこまかいことを伺いたい。奈良と京都と鎌倉の地域全体を非武装都市か何かにしようという提案をなすったわけでございますか、その点もう一回お答え願いたい。
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岡田孝平#16
○岡田政府委員 ただいま委員長の御説明は、都市全体を非武装都市にするとか、あるいは文化財として都市全体そのものを指定するというようなお話でございまして、これは日本側といたしましては奈良、京都等あるいは日光等も入ると思いますが、そういうところは文化財の集団都市として、全体としてそのものを文化財として指定してもらいたいという主張を強力にいたしました。これは一昨年ヘーグにこの条約の採択会議がございましたときに私が参りまして、そういうことにいたしたのでございますが、これは遺憾ながら文化財条約の草案が、そういう都市全体を保護するという趣旨ではできておりません。個々の文化財もしくは文化財の集団を対象としており、その他のいろいろな要素がある町全体というようなことにはしていない、こういうことでございまして、それは通りませんでございました。従ってきわめて重要な文化財がありますところは、その個個の文化財をそれぞれ条約の対象として指定するか、あるいは非常に多いところは集団としてその文化財を都市の一つにまとめまして保護の対象にするということになっておる次第でございます。
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八木一男#17
○八木(一男)委員 文化財保護委員会の方で条約のときに京都、奈良あるいは鎌倉等を地域的に指定して、保護地帯、非武装都市と申しますか、そういうものを主張されたことは非常によいことでございまして、私どもはかねがねその主張を持っておったわけでございます。ところでこの条約でその問題がくみ入れられなかったといたしましても、日本人の考え方として、それから世界中の文化財を愛し、また平和を愛する人々の考え方としては、そういう方向に条約を進めていくという考え方に立たなければならないと思うわけでございます。現在の条約がはなはだ不十分なものでございまして、将来はこれを拡大していくという立場に立たなければいけないと思うわけでございます。その点で、特にこれは外務省の方にも申し上げなければなりませんけれども、文化財保護委員会の非常に熱心な、そして粘り強い御推進をお願いしたいと思うわけでございます。それにいたしましても、たとえばそういう地域的の非武装地帯、保護地帯が認められるような条約ができました場合に、わが国において主張するものは方方にありますけれども、まず第一には、今言われました通り奈良とか京都とか鎌倉が第一に主張のおもな点になると思うわけでございます。まだほかにもございますからそれを拾いたいのでございますが、少くともはっきりわれわれの主張すべきものとわかっているものにつきましては、その条件を整えておかなければならないと思うわけでございます。その地域的な問題が条約にくみ入れられなかった原因を私は推察いたしますると、イタリアのローマという都会は古文化財が集中いたしております。しかしながらこれは首都であって交通の中心である。あるいは私つまびらかには存じませんけれども、おそらくそこに軍事的施設を撤去しがたいものがあるということが一つの原因ではないかと思うわけであります。でございますから、そのような文化的都市はそのような条件をできるだけはずしていった現状を作り上げて、だからもういいんだ、地域的に全部を指定しよう、指定すべきであるという主張を積み上げていかなければならないと思うわけでございます。その意味において、わが国においてはたとえば奈良、京都、鎌倉またその他の重要な文化地点において、軍事的施設がないという条件を積み上げることによって、地域指定も広くすべきだという立場が生まれ、また各国の同調を得ると思うわけでございます。その広い立場から、このような文化地帯には、特にそのような軍事施設とか軍需工業施設とか、あるいはまたそれに類したものがないように持っていくのが、わが国の文化財保護の立場であると思うわけでございます。この広い意味において、現在起っております奈良の自衛隊の問題から考えていただきまするならば、大きくわが国の文化を保存するという立場から、この問題について強力に反対をしていただかなければならないと私は思うわけでございます。その広い立場と同時に、また先ほど委員長の言われました実際的な立場から考えましても、このことが言えると思うわけでございます。たとえば特許地においていなかの文化財がところどころに指定される、そうして建物が指定されないかもしれないといわれます。しかしながら現在の軍事的な非常にわれわれの好ましくない進歩はめざましいものがございます。爆弾の種類も、その効力も偉大なものがございます。また原爆、水爆という問題を考えますると、そこに一つのちょっとした軍事施設があったために、奈良の文化財が全部、あるいは水爆の場合には、奈良、京都の文化財が尊い人命とともに粉砕されることは、予測されないわけではないわけでございます。水爆を免れ得たとしても、そのような巨大な爆弾の照準が狂えば、たとえば落した爆弾があるいは正倉院の真上に命中することも考えられるわけでございます。その意味であらゆるそういう危険性を排除する必要があると思うわけでございます。ですから条約はたといそのうちの特許地の中の文化財だけが対象になりましても、わが国としてはそういう立場をとって、そのような自衛隊のために特許地の文化財だけでなしに、その家も焼かれる。さらにその周辺のたとえば正倉院、東大寺、二月堂、三月堂、新薬師寺あるいは興福寺、あるいはまた薬師寺、またさらに越えて法隆寺というようなものが破壊されるような原因を作るべきではないと思うわけでございます。もしここで自衛隊の建物が、ほかに振りかえがつきにくいからとか、すでに計画書を作ったからとか——作っているかどうか知りませんが、そのくらいの理由でもし文化財保護委員会が押されてこれを許しまするならば、ほんとうに日本の文化財保護のために、将来ほぞをかむような危険性が起るわけでございます。文化財保護委員長といたされましては、どうかこの場合、どんなことがあっても、身を挺してでもこれを食いとめるという勢いで、防衛庁あるいはすべての諸官庁に当っていただきたいと思うわけでございまするが、それについて強い御決意をお示し願いたいと思うわけでございます。
この発言だけを見る →高
高橋誠一郎#18
○高橋(誠)政府委員 われわれもむろん強い決意を持っておる次第でございます。どうぞさよう御承知願いたいと思います。
それから先ほど私御答弁申し上げました際に、記憶違いと申しますか言い間違いと申しますか、誤まりを犯しましたので訂正いたしますことをお許し願いたい。一昨年ヘーグに文化財保護委員会から参られましたのは関野君と私申したのでございまするが、これは京都博物館長神田喜一郎博士でございます。それにこちらの岡田事務局長が一緒に参られたのでございます。その点訂正さしていただきます。
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岡
岡田孝平#19
○岡田政府委員 ちょっと補足を申し上げますが、都市全体を文化財にするということにつきましては、先ほど御答弁申し上げた通りでございますが、この条約ではこれは取り上げませんで、個々の文化財を対象にする。その際に条約によりますと、一般保護と特別保護とございまして、一般保護の場合には、文化財及びその直接の周辺とする。それから特別保護の場合には、これはきわめて数を限りまして、非常に重要なる文化財に限るわけでございます。それに限って国際的にユネスコ本部に登録する、そのかわり完全な保護を受ける、こういうものでございます。これは直接の周辺ではございませんで、やや広い距離をとりまして、その文化財の周辺には、いろいろの軍事施設を設けてはいけない、設けるならば文化財は保護されないということになるのであります。その距離はしからば何メートルかということは、これは条約には書いてございません。この条約ができます前に、各国の専門家会議がございまして、その際に先ほどの関野課長が参ったわけでございますが、その際には、特別保護の場合には約千メートルくらいのところということでございまして、はっきりした距離はその際にもきまらなかったのでございます。その後条約会議の際にも別に距離の問題は出ませんでした。しかしながら約千メートル内外は離れていなければ、特別保護の条件は備えない。そういう点で今回の学校の問題は、なお五百メートルから離れておりますので、かりに千メートルが条件ということになりますれば、まあまあ条件には当てはまるということになりますけれども、しかしながらこの千メートルということが、実際問題といたしまして、各国によってもいろいろ違うのではなかろうか。これは私先ほど申し上げました国内態勢が各国によって違うということの一つでもございますが、ある国はもう少し幅を広くとるというようなことにもなりますと、どうも千メートルでは危ないということも言えますので、できるならば幅を広くとりたいというのが私どもの考えでございます。
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八木一男#20
○八木(一男)委員 簡単に防衛庁の永山政務次官に御質問と御要望をいたしたいと思います。ただいま文化財保護委員長にいろいろ質疑あるいはご要望申し上げておったわけでございますが、政務次官には、そばで聞いておられまして事情をおわかりかと存じます。一応簡単に申しますと、この間ヘーグにおいて、武力紛争の際の文化財保護のための条約ということが各国で討議されまして、でき上りました。わが国においても仮調印をいたしまして、現在これが批准並びに国内法の整備の準備中でございます。これによりますと、この第四条で、そういう文化財のそばには他国から武力紛争のために破壊されるようなものを置かない、そういうようなものに使わないというような条項があるわけでございます。端的に申し上げますると、文化財のそばには軍隊を置いたり、あるいは軍需産業を置いたり、そういうことをしないという条項があるわけでございます。それで文化財保護委員長にお伺いしたところではっきりいたしましたことは、そのようなことのために、たとえば奈良とかあるいは京都とか鎌倉というようなところに重点を置いて考えておられるようでございます。現在実は奈良市の北辺におきまして史跡があり、また有名な古墳のある場所に駐留軍がおるわけでございまするが、七月に撤退いたしまして、そのあとに自衛隊の航空学校幹部訓練所の設置が計画されておるようでございます。そうして千五百名の自衛隊の学生がそこに入るというような計画があるように承わっておるわけでございますが、それについて政務次官御承知でいらっしゃいますか。
この発言だけを見る →永
八
八木一男#22
○八木(一男)委員 担当の局課長の方はおられませんから、全体として御要望申し上げておきます。このような、わが国が仮調印して批准の準備をしている条約が発効いたしました場合には、そこにもし自衛隊が入りました場合には、当然それをどこかに移さなければならないということが起るわけでございます。それからその条約が発効しない前においても、やはりどんな非常事態が急速に起るかもしれませんが、起った場合に、事実上そういう軍事施設がございますると、そこに爆撃等の危惧が生まれれば、日本人の一番大事な精神的遺産であるたとえば正倉院における御物あるいはまた東大寺、薬師寺、少し離れておりますが法隆寺、それから直接そばにある法華寺の文化財が非常に危殆に陥るわけでございます。でありますから、条約が発効するといなとを問わず、そういう爆撃を受けるおそれのあるようなものをそこに持って参らないことが、文化財保護の立場から非常に大事であると私どもは考えておりまするし、文化財保護委員長もわれわれと同様な考えを持っておられるわけでございます。そうして文化財保護委員会といたされましては、防衛庁に、そこに航空学校幹部訓練所を置かないように要望されているようでございます。防衛庁としてはいろいろなお立場があると存じますけれども、特にこの文化財の集中しているところにそのような訓練所をお置きにならなくても、防衛庁の御努力によって、ほかに計画を変えられる余地が十分あると私どもは思うのでございます。ほんとうにわれわれの精神的遺産であるこの文化財を守るという立場から、防衛庁としても、御計画ができておりませんでしたら幸いでございますが、計画進行中でございましたらそれをとめられて、組み直されて、そこに自衛隊が来ないようにしていただきたいと思うわけでございますが、それについて政務次官の好意ある御答弁をお願いしたい。
この発言だけを見る →永
八
八木一男#24
○八木(一男)委員 文化財保護に御熱心な御答弁をいただきまして非常に私ども満足でございます。しかし計画は現在進行しつつあるようでございますし、駐留軍の撤退するのが七月、現在はもう六月になっております。特に政治関係では参議院選挙等でこの問題を忘れがちになるおそれもございます。でございますから、特に政務次官は即刻この問題について関係の方にお話いただきまして、日本の精神的遺産の文化財を守ることができるよう強力な御措置を下さいますことを重ねて御要望しまして、重ねて御好意ある御答弁をもう一言だけ承わりたいと思うのです。
この発言だけを見る →永
八
八木一男#26
○八木(一男)委員 御検討ということでは困るのでございます。自衛隊は日本全国にたくさんありますから、ただ一部分のこの学校だけの問題は、ほんとうに自衛隊の場合なら計画を変えられたら実現できるものだと思うのです。ただもう紙に書いてしまった、事務当局の人はめんどうだからこれを変えにくいでしょう。けれどもほんとうに自由民主党の方が、あるいは鳩山内閣の方がわれわれと同様文化財保護に熱心でおありになれば、必ず変えられる問題です。ただ一言おっしゃっただけでは事務当局はめんどうくさいし、またほかを探すのに手数が要るからできませんと言うにきまっています。できませんというのをできるようにしていただくのが大臣であり、それを補佐される政務次官でおありになる人の責任であると思うわけでございます。その点一つそういうふうにやってやるというはっきりした御答弁を願いたいのでございます。
この発言だけを見る →永
八
八木一男#28
○八木(一男)委員 おっしゃった御意思は、政務次官として政治力を全部発揮してそれを阻止することに尽していただくという意味に解釈して、私ども希望をお託し申し上げたいと思いますが、それでよろしゅうございます。
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