川野芳滿の発言 (予算委員会第三分科会)

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○川野政府委員 ただいま議題となっております通商産業省予算各案について御説明を申し上げます。
 まず三十一年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は八十三億六千三百七万七千円でありまして、これを三十年度総額七十四億四千九百五十五万五千円に比較いたしますと、九億一千三百五十二万二千円の増額となるわけであります。
 次に三十一年度予定経費中重要なものについて御説明を申し上げますと、第一に、貿易振興対策といたしまして総計十億七千九百十六万七千円を計上いたしましたが、これを前年度予算額九億七千九百十六万七千円と比較いたしますと、一億円の増額を見ております。
 増額の重点は、わが国貿易商社等がいまだ弱体であり、従ってその海外における活動も十分とは申せない現状にかんがみ、海外市場の開拓と販路の拡張とをはかるため、主として貿易情報機関の整備、市場調査の充実及び輸出見本船の派遣等をはかったものであります。
 まずわが国商品の展示、紹介及び貿易あっせんを行う貿易斡旋所については、前年度に引き続き、既設のニューヨーク、サンフランシスコ、カイロ及びトロントの四カ所を維持いたすとともに、その活動を活発化せんといたすものであります。
 次に国際見本市参加等補助については、二億五十七万円を計上し、イラク、コロンビア、セイロン、アメリカ等七カ所の見本市への参加を予定いたすとともに、五千万円をさいて、中近東、東南アジア方面へ機械類の輸出見本船を派遣して、新規市場の開拓をはかりたいと存じます。
 次にプラント輸出の促進対策といたしましては、現地における機械設計、技術相談等の便宜を供与する重機械輸出プラント協会の活動を活発化するため、一億八千二百万円を計上するとともに、事業内容の充実をはかりたいと存じます。
 なお海外における土建事業に協力しあわせて建設機械の輸出を促進するため、既設のビルマに加えて新しくフィリピンに関係の駐在員を派遣いたしたいと存じておりますし、また農水産物の輸出増進をはかるため、農水産物輸出振興費を大幅に増額いたすとともに、電気機械・医薬品の輸出増進のための措置をそれぞれ講ずることといたしております。
 海外市場を開拓し、わが国商品の販路の拡張をはかることは輸出を振興するための根本でありますので、海外市場調査のため、前年度額に二千六百七万二千円を増加し、一億三百八十七万円を計上いたしまして、海外における諸情報の迅速なる収集をはかるとともに、わが国商品および産業経済の実態を海外へ紹介宣伝するための、海外広報宣伝費を一億五千二百五十三万二千円計上いたした次第であります。
 さらにわが国中小企業製品が輸出に占める役割はきわめて重要でありますので、その輸出商品の品質の向上をはかるため、前年度額に一千三十二万九千円を増加して、新規試作品の奨励、技術研究の推進等を活発に実施いたしたいと存じております。また現在先進国に比較し立ちおくれの目立つ輸出意匠の品質改善費として、前年度の約三倍である三千一百九十七万円を計上して、これが進歩をはかりたいと存じます。
 その他、日本国際見本市補助、国際商事仲裁委員会補助等については、前年度に引き続きまして、それぞれほぼ同額を計上いたしました。
 第二に、技術振興対策でありますが、これは前年度対比四億三千二百八十七万六千円の大幅増加で十四億九千五百七十四万六千円を計上いたしております。
 まず鉱工業技術研究助成費については、四億五千万円を計上いたし、昨年一億円の国庫補助を計上した株式会社科学研究所につきましては、本年度よりこれを一般会計の出資に切りかえることとし、従って三十一年度分は大蔵省に計上することといたしております。
 次に原子力予算のうち当省関係試験研究費及び原子燃料探鉱費補助金等を含めて二億五千一百二十二万円が当省分として計上されております。
 なおわが国諸産業振興の基礎をなす金属材料の重要性にかんがみ、新しく金属材料研究所の設置のため一億円を計上いたしました。
 次に発明奨励費につきましては、前年度とほぼ同額の三千万円を計上し、発明実施化試験、外国特許出願、発明協会の補助を行うことといたしております。なお発明行政の重要性にかんがみ、本年度は特許庁の人員並びに事務費の充実をはかりました。
 また当省所属の試験研究機関につきましては、それぞれの基礎的研究に必要な研究費のほか、特別のテーマにかかわる特別研究費として、総計六億二千四百九十八万六千円を計上いたしました。これは技術の急速なる振興を要する現下の情勢にかんがみ、前年度のほぼ二倍に当る金額を計上いたしたものであります。これにより、工作機械オートメーション、海水利用、有機合成化学、新材料製造等、わが国経済にとって喫緊の重要事項に関する研究の促進をはかる所存でございます。
 第三に、中小企業振興対策であります。まず中小企業に対する金融対策でありますが、中小企業金融公庫につきましては、資金運用部よりの借入金百三十五億円に、回収金等の自己資金等百六十五億円を加えますと、運用資金総額は三百億円と相なり、三十年度における運用計画二百五十五億円に比し相当程度の増額となるわけであります。
 さらに商工組合中央金庫につきましては、中小企業金融公庫を通じ資金運用部よりの借入十億円と余剰農産物見返り資金を生産性本部を通じて十億円計二十億円を計上し、これによって資金の充実と金利の引き下げをはかりたいと存じております。
 中小企業振興対策の第二は、中小企業協同組合等補助でありますが、これは前年度に五千万円を増加し四億七千万円を計上し、引き続き中小企業共同化並びに近代化等を推進いたす方針であります。
 次に中小企業相談所補助についてでありますが、中小企業にとりまして、懇切なる指導と、よき相談相手とが必要なことは今さら申し述べるまでもないところであります。かかる見地から、各地にすでに中小企業相談所が設置せられ、相当の成果をおさめている現状でありますが、より一そうその機能を強化し、中小企業の要望にこたえるため三十年度に二千七十一万円を増加し、五千一百九十一万円を計上いたした次第であります。
 また都道府県に対する中小企業振興費補助については、前年度同額を中小企業診断指導を中心として計上いたしており、さらに先年からの風水害に伴う小企業者に対する復旧資金利子補給につきましては、前年に引き続き本年度所要額三百九十四万二千円を計上いたした次第であります。
 なお中小繊維工業の産業規模を合理化し、過当競争を避けて輸出市場の安定確保をはかるための補助金として新たに一億二千万円を計上いたしました。
 第四に、産業基盤の強化対策であります。まずわが国諸産業の生産性の向上を前年度に引き続きさらに強力に推進するため、三十年度額に二千五百万円増加して七千五百万円を計上いたしました。新規施策としては、工業用水の確保が今後における工業生産伸張のため重要不可欠な基盤である点にかんがみ、これが確保に必要な補助金として初年度一億八千二百五十万円を計上いたしました。
 次に砂鉄、磁硫化鉄鉱等重要鉱物の生産維持をはかるための探鉱費補助は、天然ガスも含めて、四千万円となっております。
 なお前年度二億八千万円を計上いたしました。石油試堀費等補助については、本年度より出資金に切りかえることとし、産業投資特別会計より七億円を出資することとといたしたく、従って一般会計より除外いたしました。
 次に当省所管の特別会計について、その歳入歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。
 まずアルコール専売事業特別会計でございますが、三十一年度の歳入予定額は三十二億七千三百三十四万四千円、歳出予定額は二十八億六千三百六十四万六千円でありまして、資産、売掛金等の関係を加減しますと、三十一年度の益金予定額は二億九千百七十二万四千円となります。
 第二に、輸出保険特別会計について御説明申し上げます。三十一年度歳入歳出予定額は、ともに四十二億五千一百十五万九千円でありまして、歳入のおもなるものは保険料収入六億三千一百七十八万五千円、資金運用収入一億四千八百五十万円、雑収入二千七百六十万八千円、前年度剰余金三十四億四千三百二十六万六千円等であり、歳出のおもなるものは支払保険金五億七千五百二万六千円、予備費三十六億四千八百二十二万二千円等であります。
 なお本特別会計に新しく海外との経済協力を促進するため、海外投資保険を新設することといたしました。
 第三に、中小企業信用保険特別会計について御説明を申し上げます。三十一年度歳入歳出予定額は、ともに三十一億二千四百三十八万二千円でありまして、歳入のおもなるものは、保険料収入三億三千七百四十九万六千円、資金運用収入一億二千六百二十五万円、雑収入九百七十五万九千円、前年度剰余金二十六億五千八十七万七千円等であり、歳出のおもなるものは支払い保険金四億五千四百四十六万四千円、予備費二十六億二千四百二十万八千円等であります。なお三十一年度より新しく指定法人を相手方とする包括保険制度を創設いたしますとともに、小品保証保険の貸付限度の引き上げを行なって中小企業信用保険制度の運用の円滑化をはかることといたしております。
 第四に、特別鉱害復旧特別会計について御説明申し上げます。本特別会計は、戦時中の石炭増産に伴う特別鉱害を復旧することを目的とするものでありまして、三十一年度の歳入歳出予定額は、ともに七億八千三百二十万二千円でありますが、歳入のおもなるものは納付金収入、六億一千七百九十八万八千円であり、歳出は、その大部分が鉱害復旧事業費であります。なお、本特別会計とともに、鉱害復旧事業全般としては、国庫補助金十三億一千三百二十八万四千円を建設、農林等の各主務省に計上し、総額二十六億一千百七十一万一千円に上る復旧事業費を予定し、鉱害地帯における失業対策にも万全を期しております。
 第五に、特定物資納付金処理特別会計について御説明申し上げます。本会計は別に御審議をお願いいたしております特定物資輸入臨時措置法の施行に伴う事務を処理するため新しく設置いたすものでございまして、その歳入歳出予定額はおのおの十六億二百七十六万円で、歳入のおもなるものは納付金十六億二百七十五万一千円であり、歳出のおもなるものは他会計繰り入れ十五億円等であります。
 以上をもちまして一般会計及び特別会計予算の概要について御説明いたしましたが、この際当省関係の財政投融資計画について簡単に御説明いたしたいと存じます。
 まず開発銀行でございますが、これに対する投融資額としては自己資金を合せ三百六十億円を計上いたしまして、重要産業の合理化の促進と資源の開発及び自給度の向上に努めるとともに、その資金の運用に当っては極力重点的効率的運用に留意するとともに、民間資金の大幅な利用を考慮いたしております。
 次に輸出入銀行につきましては、プラント輸出の振興に必要な資金として自己資金を合せ五百四十八億円を計上し、昨年度額に比し百四十億円の増加をはかり、所要資金の円滑なる供給をはかっております。
 次に電源開発会社につきましては、電源開発促進のための所要資金として財政資金三百一億八千万円を計上したほか、公募債の発行等七十億円を確保して電源開発計画の達成に努めたいと存ずる次第であります。
 中小企業関係金融機関につきましては、すでに中小企業対策のところで触れましたので、ここでは省略させていただきます。
 以上で通商産業省所管の一般会計及び特別会計の予算の御説明を終りますが、なお御質問に応じて詳細に御説明申し上げたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議の上可決せられんことをお願いする次第であります。
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発言情報

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発言者: 川野芳滿

speaker_id: 4742

日付: 1956-02-20

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第三分科会