吉田法晴の発言 (内閣委員会)

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○吉田法晴君 その辺はもう少し問題が残ります。「内閣を通じて国会に報告する」と書いてありますから、内閣及び国会に、ではないと思うのですが、それはあとで一つお尋ねをいたします。
 鳩山総理にお尋ねをするのでありますが、総理は占領中に憲法改正を論議されたと、こう言われますが、なるほど占領中ではございました。しかし先ほど同僚亀田君からも申し上げましたように、日本政府では従来の憲法の部分的な修正、これはあるいは天皇の問題についても、あるいは統帥権の問題、軍の問題についても、そこでGHQのサゼストが行われたということは、これは明らかでありますが、その際に政府としては、じんぜん日を送るならば、極東委員会を通じて天皇制の廃止という傾向が強く出てくる。そこであるいは当時の政府としては、松本案のような従来の憲法の部分的な修正を考えられておられたけれども、しかしこのサゼストを全面的に受け入れなければならぬ、こういう工合に考えられたのかもしれません。それについてはどうもそうのようであります。その間の事情は過去の事実を検討すればわかることですが、ところが今憲法改正問題が起って参っておりますのは、日本の再軍備、自衛隊の増強、これ以上の増強は徴兵制を布くにいたしましても、あるいは今の純然たる志願兵制度から出るにいたしましても、あるいは海外派兵というものを、要望を実現するにも、憲法の改正ということは必要になってくる。こういうことで、明らかにいろんな人たちがアメリカ側で言っておられますけれども、憲法改正の要請が向うからあったということは、これはいろんな人の話、あるいは昨年の日米折衝を通じても明らかでありますが、なお、たとえば従来の憲法問題からしますならば、非常に重大であった日本の領土の問題、これはあるいは沖繩、小笠原等について日本の主権が完全に回復されておらぬということも、これも事実であります。それから日本の中に数百個所の基地があるということも事実です。あるいは予算を組むにしても、防衛分担金から始ってどれだけ自衛力をふやすかということが、アメリカ側と話をしなければ予算が組めない。こういう実態は、これは完全に独立した日本でないということは言えると思う。過去において鳩山首相は独立を達成しなければならぬと言われました。これはその通りであります。従って言われるような理由が改正の一つの理由であるとするならば、私どもはその当時はその当時の日本人の判断に従って、憲法をきめたと思うのですけれども、しかし今、憲法を改正せよと言われる理由の一つに言われるような点があるとしても、日本の現状はなお完全に独立をしておりませんで、そしてアメリカ側から要請をされて、憲法改正する、こういう事態ではないかと思うのであります。従って憲法改正問題を論議すべき時期としては不適当であると私ども考えるし、多くの者は言うのですが、総理はその点についてどういう工合にお考えになるか。

発言情報

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発言者: 吉田法晴

speaker_id: 22988

日付: 1956-04-30

院: 参議院

会議名: 内閣委員会