廣瀬久忠の発言 (内閣委員会)
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○廣瀬久忠君 それでは一つ、そういうお話であると非常にはっきりしないので、いつどこでおっしゃったかということがはっきりしないと、あの推定だけは、御推定になっておるのですが、非常に困ったことは、重大なことは、当時の閣僚のある人の意見、並びにことに憲法担当であった松本国務大臣が自由党の憲法調査会において発言されておる。その言葉を見ますというと、全く自分は一ぺんも幣原さんからはそういうことを伺ったことはないと、これは自由党の調査会の仕事でありますが、そのときにここにおる青木委員長が、やはり憲法調査会の席上において松木国務大臣に対して、幣原さんがその第九条についてヒントを与えたということをいうが、どうかということを言ったら、これに対して松本烝治氏はこういうことを言った。私が書いた小さい説明書、これは憲法の説明書、これは司令部に提出した説明書ですが、私が書いた小さい説明書を出すときには、幣原さんはもちろん賛成して出せというので出しておると、そのときにそういう考えを持たれる道理はないのです。でありますから後日、つまりマッカーサーの憲法が出てから後で、おせじか何かに、軍隊のことは自分も最初から考えていたというぐらいのことは言ったかもわからないが、しかしそれはおせじであって、決してそういうことは幣原さんはマッカーサーに言ったとは思われないということを、幣原総理が最も信任しておって、そして憲法を担当するところの松本国務大臣がこういうように、幣原さんはそういうことは自分にも一度も言ったことはないし、そんなことは考えておらなかった、こういうことを言っておる。そればかりでなく、もう一つここに芦田均君、現在衆議院の芦田均君ですが、これは当時の閣僚です。当時の閣僚が中央公論に出しておるのを見ましても、やはり幣原さんはそういうことを言っておったんではないかと、こういうことを考えておったんではないということをはっきり書いておるのであります。そこで幣原さんが向うの憲法の草案を受け取って、そしてそれに対する幣原さんの言が、言葉が書いてあるのですが、二月十八日に、白洲君がホイットニーから二月十八日に受けた言葉を政府に伝えておる。そのときに幣原総理は、こんな案を直ちに受諾することはできないと言って非常に憤慨しておられた。で、そのときにやはり三土内務大臣、岩田司法大臣も総理と同一意見であるということを言っておった。それからなおこういうことも言っておるのですよ。マッカーサーが日本の軍備を廃止しろということを言うた。そのときに幣原さんはたしか十八日に会いにいっておるようですが、そのときにマッカーサーは日本の軍備は廃止しろ、そうして日本は道義的指導権を握るべきだと思うということを言ったことに対して、幣原さんは、そんなリーダー・シップというけれども、指導権を握れというけれども、どの国も日本についてこないというようなことを言っておる。それから大体当時の閣僚諸公の話をわれわれが聞くところでも、閣僚諸公は一度も総理からさようなことを聞いたことはないというようなことを言っておる。そうすると幣原さんはマッカーサーには戦争放棄を主張することを言うたが、しかし閣僚には言わなかった。のみならず、御自分が信任せられておる憲法担当の松本国務大臣にも一度も言わなかったということは、どうしてもわれわれには信じられない。そこでこれはどうも間違いじゃないかと私どもは思うのです。その点についてはあなたはどういう工合にそこの関係を御解釈になるか。ことに私が特にお伺いしたのは、幣原総理の外交五十年史の中に堂々とこの問題が入っておる。今私きょう持ってきませんでしたが、してみればこの問題についてはどういう工合にそこを、つまり閣議並びに憲法担当の大臣に対しても一度もおっしゃったことはないということは、これはいかがなものであろうか。それなのにマッカーサーには話しをした。そのほかに憲法五十年史に書いてあるということは、私にはどういうわけかよくわからない。これらの点はどういう工合に解釈せられるのか。外交五十年史の問題も私は重要だと思うのですが、その間のいきさつをどういう工合にあなたはお考えになりますか、非常にむずかしい。