岸倉松の発言 (内閣委員会)

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○参考人(岸倉松君) 今、廣瀬さんのお話の、関係各大臣や何かのお述べになったことは、それは全部事実だと思います。その関係各大臣などがそう信じておられてそう申したのだと思います。ところがそれが事実にしても、一方マッカーサー元帥の言われた、この九条というものが、幣原総理が私にそういうことを言ったので、自分がそういうふうにしたのだというふうに、第九条をこしらえ上げる前にそれを、私の推測ですよ。こしらえ上げる前に、ちょうど一月の二十四日に総理がマッカーサーに会ったときに、戦争の惨害の非常なことを言った。もうこれじゃ、日本の国民がこの戦争のためにどんなに重大な被害を受けておるか、その戦争の被害の甚大なることを言っておる。それでことに原子爆弾や何かが武器として発明された今日では、しかも敗戦の日本でそういうものを作るなんていうことは絶対不可能なんです。だから戦争というものは、これから絶対もうなくしなければならぬ。従って日本が国際法上のいろいろな問題が起ってきた場合に、戦争によって解決するなんということは絶対にやめなければいかんという信念を、それもマッカーサーのところへ行って初めて言ったのじゃなしに、そういうかたい信念はもう行く前からずっと、組閣のときから持っておられた。だからそれをマッカーサーに会ったときに、一般の自分の所信を述べたということは、私何も不思議じゃないと思う。だからそのときに憲法問題が出ないのですから、憲法九条にこういうことを書きなさいと言ったわけじゃないのですけれども、日本の国民として戦争の被害の甚大なることによって、これからの戦争というものはやめたいということは、それは一人じゃないのです。もういかなる人といえども、そういうことは思っておったに違いないのですよ。だからそれをマッカーサーに会ったときに言ったということは、何も不思議はない。
 それで、それからもう一つは、廣瀬さんのおっしゃった関係各閣僚がそういうことを知らなかったのは、それはもっともでしょう。しかし自分が一般論としてマッカーサーにそういうことを、かたく自分の信念を、言っただけで、これは何本憲法の問題のときに閣僚に話さなかったのじゃないのです。だからそこは閣僚諸君の言ったことも事実だろうと思うのです。

発言情報

speech_id: 102414889X03819560507_018

発言者: 岸倉松

speaker_id: 227

日付: 1956-05-07

院: 参議院

会議名: 内閣委員会