吉田法晴の発言 (内閣委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○吉田法晴君 田上先生にお尋ねいたしますが、実は先ほど来の御陳述を聞いておりまして、私まあ疑問を持つのですが、というのは、数年前に田上先生の書かれましたもの、行政法関係あるいは地方自治なんかにについて書かれたものを読ましていただいて、大へん教えられるところがありました。民主的な行政制度あるいは地方制度等について教えを受けていて、自主憲法研究会というのですか、その研究会に先生の名前を拝見して実は多少意外に思いながらあれして参りましたけれども、陳述を伺っておって、そういう点からも正直に申し上げまして頭を傾けながら実は聞いておるのですが、そこで今の点も多少疑問を持ちます。疑問を持ちますが、自主憲法研究会というのですか、その中で議論をせられておりました議論について、果して先生も同じような意見なのかどうかということをまずお尋ねをいたしたいと思います。で、中には明治憲法が、まあ前の憲法を明治憲法と言いますから、明治憲法という言葉でするのですが、それがあの憲法の改正手続きをそのまま踏んでおらぬ、あるいは全く違った憲法になったという点もあろうかと思いますが、そこで今の憲法が無効だ、全面的に無効だというので、明治憲法復元に関する詔書というようなものを出して、そしてやっていったらという意見があったということでありますが、そういう御議論をお聞きになったかどうか知りませんが、そういう考え方について、どういう工合にお考えになりますのですか。今の憲法は、講義をしている者からすると、一応適法に成立をしたものだとしてそれを説明しなければならぬというお言葉がございましたけれども、根本的に今の憲法というものについて、まあ自主憲法研究会というのですか、そういうところであった議論のようでありますから、そういうものについてどういうふうにお考えになりますかという点が一つ。
それから、これはまあ御指摘になりましたような点もございましょう。が、それを全面的に否定をする、あるいは軍隊を解体をした、あるいは軍隊を持つことができなくなった、戦争ができなくなった、そういう条文なり、あるいは家族制度がなくなった、家族制度が否定せられる、こういうことによって、日本が弱体化されたのだ、そこでもとに戻さなければいかぬ、こういうことになりますと、逆コースと申しますか、それは、民主主義は持続するけれどもという言葉がありましょうとも、民主主義はやはり逆の指導原理というものが支配的になっていくのじゃないか、こういうことを感じますので、そういう点についてどういう工合にお考えになりますか。
それから、今の述べられました点から言いますというと、これは根本的な点になると思いますが、憲法改正の提案権がどこにあるかという場合に、憲法を制定する権限、あるいはそれから改正する権限というものが出てくると思いますけれども、国民にのみそれがあるのだという考え方になりますと、憲法改正原案というものを作るというのは、あるいは世論の中から出てきて、それを国会が取り上げてやる。その国会が国民の意思を反映するという手続きも必要になりましょうけれども、それはとにかくとして、国民の中から出てきて初めて憲法改正というのはでき得るのだと、これは民主主義をとる限り間違いないと思います。そうすると、まあそれが内閣から独立をしているかしておらぬかということ、多少お触れになりましたのですけれども、何といっても内閣に置くということは。やはり内閣で憲法改正原案を作るということになるのじゃないでしょうか。それはあるいは野党も入れる云々ということがありますけれども、内閣に置く。しかも、それは改正するかせぬかも検討するということですけれども、あるいは自民党においても、あるいはその前の自由党、民主党においても、改正原案は、これだけできているわけであります。従って問題点としてあげられておりますけれども、その問題点がやはり案になるだろうということは、これは間違いないだろうと思います。そうすると、政府で、内閣で憲法改正原案を作るということになる。そこが国民主権という建前をとっておる今の憲法からするならば、その精神に違反するのではないか、こういう議論も出てくるのだと思うのでありますけれども、その辺の憲法原則に関連をして、どういう工合にお考えになりますか。