吉田法晴の発言 (内閣委員会)

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○吉田法晴君 それじゃ伺いますけれども、これは自民党、まあ自由党と民主党が一つになられて自民党、その自民党が内閣を組織しておる実情でありますから与党であります。その国会で半分以上を占めております自民党で憲法改正ということを考えておる。これも御承知だと思う。その内容の中に、天皇を元首にする、象徴という言葉から元首にしたい、それから天皇の国事行為をふやしていきたい。そこでたとえば現在の憲法では認証という言葉が使われておりますが、そういうのをやめて、たとえば宣戦、講和の布告、これは元首になられた、天皇が宣戦、講和を布告される、あるいは国会の停会にしても天皇がやられる、条約の批准にしてもそうであります。また大臣その他の認証及び大公使の信任状の授与とかあるいは外国使臣の信任状の接受といいますか受理、大赦特赦等の復権等も書いてございますが、要するに天皇を元首にして――これは旧憲法と対比して見ますというと、二つか三つしか違わない。言い落しましたが緊急勅令、緊急の場合に命令を公布することができる、こういうことが書いてあります。これについてどう考えられるか、あなたは、私はそれらの点について判断し得る地位にないとこうおっしゃられるかもしれませんが、今の憲法ができます際の実際の経緯を読んで見ますと、最後には天皇の判断によって、今の憲法であれでいいじゃないか、こういうお話で、この憲法ができたといういきさつがございます。これは瓜生さんもそのときはおられなかったとしても、今は御存じになっておると思う。そして今憲法を改正したいあるいは改正するについては、こういう工合に天皇を元首にし、その国事行為をふやしたい、もしそういうことになりますならば、天皇の地位というものも大きく変るわけです。それからあるいは宣戦、講和の布告ということも、これはなさるようになる。今後できて参ります軍隊との関係は、今の総理大臣が最高指揮権を持っておるということでは、政局の変動等によって軍に不安、動揺を与えるのを考慮して、天皇が軍の名誉的な地位にあって、その精神的な中心となるという構想を主張される。これは決定的ではありませんけれども、そういう強い主張があったということも書いてあります。私はこういう動向が、一つはあらためて天皇の政治的な責任という問題を起して参ったゆえんだと思うのであります。人間天皇あるいは象徴としての天皇だということで今落ちついている――私は落ちついていると思う。ところがそれを逆コースにして、もとの憲法の時代に直そうといたしますならば、これは天皇の戦争責任という問題も起って参りましょう。それから天皇の憲法上の地位というものも、もし昔の憲法の時代のようなあれになりますれば、私はやはり反対の相当強い意見も出て参ると思うのであります。従ってそういうあれと関連してお伺いをしたいのでありますが、私はこういう点について、天皇の御意見をお聞きになるならば、おそらくそういうことについては反対だと言われると思うのでありますが、これらの点について、お聞き及びの点がありますならば、御意思をお漏らし願いたいと思う。あるいは瓜生さんのお考えでもけっこうでございます。宮内庁の責任者としてここに出られました瓜生さんの御意見を承りたい。

発言情報

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発言者: 吉田法晴

speaker_id: 22988

日付: 1956-05-25

院: 参議院

会議名: 内閣委員会