大石武一の発言 (農林水産委員会)
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○政府委員(大石武一君) ただいま上程せられました森林開発公団法案の提案理由を御説明申し上げます。
わが国の林野面積は、国土のおよそ七割を占め、森林の立木蓄積は六十億石をこえるのでありますが、すでに開発利用されております森林は面積で約六割、蓄積におきまして四割、約二十四億石にとどまっておりまして、年間二億石をこえる木材の需要はほとんどこの既開発林からその毎年の生長量をこえて供給せられているのであります。従ってこのまま推移しますれば、森林資源が枯渇するに至るおそれがあるにもかかわらず、他方木材の需要は、国民経済の発展に伴い年々増加の一途をたどっておりまして、この現状を打開して森林資源の保護をはかるためには、造林事業の推進にあわせて林道網を整備することによって、奥地未開発林を積極的かつ集中的に開発して参る必要があると存ずるのであります。かかる観点から全国の森林を概観いたしまするに、残されている未開発林地の中で、熊野川水系の流域及び剣山周辺地域は、森林資源がきわめて豊富であり、針葉樹用材の割合が高く、跡地造林に対しても適当な条件を備えているにもかかわらず、その開発が著しくおくれている現状でありますので、特にこれらの地域を対象としてその森林の急速かつ計画的な開発を行うことといたしたものでありまして、この事業に必要な資金といたしましては、余剰農産物見返り資金を借り入れることとし、事業を合理的かつ効率的に行うために、森林開発公団を設立することといたした次第であります。以上が森林開発公団法案を提出いたしましたゆえんであります。以下法案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。
まず、公団の行う業務といたしましては、林道の開設、改良及び災害復旧事業、並びにできました林道の管理を行うこと、それらの林道の利用地域において委託による造林事業を行うことがおもなるものでございます。なお林道事業の費用については、おおむね現行の公共事業の例に準じ、国は公団に補助金を交付し、また受益者及び県は公団に負担金を納入することにいたしたのであります。
次に、公団の組織につきましては、愛知用水公団その他の公団の例にならい、理事長及び監事は農林大臣が任免し、その他の役員については理事長が農林大臣の認可を受けて任免することとし、業務につきましては、その適正な運営を確保するために、林道の基本計画は農林大臣が定め、その実施計画、林道の管理規程その他重要な業務の実施の方法につきましては、公団は、農林大臣の認可を受けて定めなければならないことといたしたのであります。さらに公団の財務及び会計につきましても、予算、業務計画及び資金計画については農林大臣が認可することといたし、借入金、余裕金の運用につきましても一定の制限を付する等、その経理の公正を期した次第であります。
以上が同法案の内容のおもな点でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。