農林水産委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十一年三月二十七日(火曜日)
午後二時十五分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 棚橋 小虎君
理事
青山 正一君
重政 庸徳君
戸叶 武君
三浦 辰雄君
委員
秋山俊一郎君
池田宇右衞門君
佐藤清一郎君
横川 信夫君
東 隆君
河合 義一君
清澤 俊英君
三橋八次郎君
森 八三一君
千田 正君
委員外議員 森崎 隆君
衆議院議員 足立 篤郎君
政府委員
農林政務次官 大石 武一君
農林省農林経済
局長 安田善一郎君
林野庁長官 石谷 憲男君
通商産業省通商
局次長 樋詰 誠明君
水産庁次長 岡井 正男君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
—————————————
本日の会議に付した案件
○森林開発公団法案(内閣送付、予備
審査)
○有益鳥獣の保護増殖及び狩猟の適正
化等に関する特別措置法案(衆議院
送付、予備審査)
○飼料需給安定法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○農林水産政策に関する調査の件
(韓国ノリに関する件)
○農業協同組合整備特別措置法案(内
閣送付、予備審査)
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この発言だけを見る →午後二時十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 棚橋 小虎君
理事
青山 正一君
重政 庸徳君
戸叶 武君
三浦 辰雄君
委員
秋山俊一郎君
池田宇右衞門君
佐藤清一郎君
横川 信夫君
東 隆君
河合 義一君
清澤 俊英君
三橋八次郎君
森 八三一君
千田 正君
委員外議員 森崎 隆君
衆議院議員 足立 篤郎君
政府委員
農林政務次官 大石 武一君
農林省農林経済
局長 安田善一郎君
林野庁長官 石谷 憲男君
通商産業省通商
局次長 樋詰 誠明君
水産庁次長 岡井 正男君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○森林開発公団法案(内閣送付、予備
審査)
○有益鳥獣の保護増殖及び狩猟の適正
化等に関する特別措置法案(衆議院
送付、予備審査)
○飼料需給安定法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○農林水産政策に関する調査の件
(韓国ノリに関する件)
○農業協同組合整備特別措置法案(内
閣送付、予備審査)
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棚
棚橋小虎#1
○委員長(棚橋小虎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
森林開発公団法案を議題にいたします。
本法律案は、去る三月二十三日内閣から閣法第百四十五号をもって予備審査のため送付、同日当委員会に予備付託となったものであります。まず、提案理由の説明を聞くことにいたします。
この発言だけを見る →森林開発公団法案を議題にいたします。
本法律案は、去る三月二十三日内閣から閣法第百四十五号をもって予備審査のため送付、同日当委員会に予備付託となったものであります。まず、提案理由の説明を聞くことにいたします。
大
大石武一#2
○政府委員(大石武一君) ただいま上程せられました森林開発公団法案の提案理由を御説明申し上げます。
わが国の林野面積は、国土のおよそ七割を占め、森林の立木蓄積は六十億石をこえるのでありますが、すでに開発利用されております森林は面積で約六割、蓄積におきまして四割、約二十四億石にとどまっておりまして、年間二億石をこえる木材の需要はほとんどこの既開発林からその毎年の生長量をこえて供給せられているのであります。従ってこのまま推移しますれば、森林資源が枯渇するに至るおそれがあるにもかかわらず、他方木材の需要は、国民経済の発展に伴い年々増加の一途をたどっておりまして、この現状を打開して森林資源の保護をはかるためには、造林事業の推進にあわせて林道網を整備することによって、奥地未開発林を積極的かつ集中的に開発して参る必要があると存ずるのであります。かかる観点から全国の森林を概観いたしまするに、残されている未開発林地の中で、熊野川水系の流域及び剣山周辺地域は、森林資源がきわめて豊富であり、針葉樹用材の割合が高く、跡地造林に対しても適当な条件を備えているにもかかわらず、その開発が著しくおくれている現状でありますので、特にこれらの地域を対象としてその森林の急速かつ計画的な開発を行うことといたしたものでありまして、この事業に必要な資金といたしましては、余剰農産物見返り資金を借り入れることとし、事業を合理的かつ効率的に行うために、森林開発公団を設立することといたした次第であります。以上が森林開発公団法案を提出いたしましたゆえんであります。以下法案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。
まず、公団の行う業務といたしましては、林道の開設、改良及び災害復旧事業、並びにできました林道の管理を行うこと、それらの林道の利用地域において委託による造林事業を行うことがおもなるものでございます。なお林道事業の費用については、おおむね現行の公共事業の例に準じ、国は公団に補助金を交付し、また受益者及び県は公団に負担金を納入することにいたしたのであります。
次に、公団の組織につきましては、愛知用水公団その他の公団の例にならい、理事長及び監事は農林大臣が任免し、その他の役員については理事長が農林大臣の認可を受けて任免することとし、業務につきましては、その適正な運営を確保するために、林道の基本計画は農林大臣が定め、その実施計画、林道の管理規程その他重要な業務の実施の方法につきましては、公団は、農林大臣の認可を受けて定めなければならないことといたしたのであります。さらに公団の財務及び会計につきましても、予算、業務計画及び資金計画については農林大臣が認可することといたし、借入金、余裕金の運用につきましても一定の制限を付する等、その経理の公正を期した次第であります。
以上が同法案の内容のおもな点でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
この発言だけを見る →わが国の林野面積は、国土のおよそ七割を占め、森林の立木蓄積は六十億石をこえるのでありますが、すでに開発利用されております森林は面積で約六割、蓄積におきまして四割、約二十四億石にとどまっておりまして、年間二億石をこえる木材の需要はほとんどこの既開発林からその毎年の生長量をこえて供給せられているのであります。従ってこのまま推移しますれば、森林資源が枯渇するに至るおそれがあるにもかかわらず、他方木材の需要は、国民経済の発展に伴い年々増加の一途をたどっておりまして、この現状を打開して森林資源の保護をはかるためには、造林事業の推進にあわせて林道網を整備することによって、奥地未開発林を積極的かつ集中的に開発して参る必要があると存ずるのであります。かかる観点から全国の森林を概観いたしまするに、残されている未開発林地の中で、熊野川水系の流域及び剣山周辺地域は、森林資源がきわめて豊富であり、針葉樹用材の割合が高く、跡地造林に対しても適当な条件を備えているにもかかわらず、その開発が著しくおくれている現状でありますので、特にこれらの地域を対象としてその森林の急速かつ計画的な開発を行うことといたしたものでありまして、この事業に必要な資金といたしましては、余剰農産物見返り資金を借り入れることとし、事業を合理的かつ効率的に行うために、森林開発公団を設立することといたした次第であります。以上が森林開発公団法案を提出いたしましたゆえんであります。以下法案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。
まず、公団の行う業務といたしましては、林道の開設、改良及び災害復旧事業、並びにできました林道の管理を行うこと、それらの林道の利用地域において委託による造林事業を行うことがおもなるものでございます。なお林道事業の費用については、おおむね現行の公共事業の例に準じ、国は公団に補助金を交付し、また受益者及び県は公団に負担金を納入することにいたしたのであります。
次に、公団の組織につきましては、愛知用水公団その他の公団の例にならい、理事長及び監事は農林大臣が任免し、その他の役員については理事長が農林大臣の認可を受けて任免することとし、業務につきましては、その適正な運営を確保するために、林道の基本計画は農林大臣が定め、その実施計画、林道の管理規程その他重要な業務の実施の方法につきましては、公団は、農林大臣の認可を受けて定めなければならないことといたしたのであります。さらに公団の財務及び会計につきましても、予算、業務計画及び資金計画については農林大臣が認可することといたし、借入金、余裕金の運用につきましても一定の制限を付する等、その経理の公正を期した次第であります。
以上が同法案の内容のおもな点でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
棚
棚
棚橋小虎#4
○委員長(棚橋小虎君) 有益鳥獣の保護増殖及び狩猟の適正化等に関する特別措置法案を議題にいたします。
本法律案は、衆議院議員足立篤郎君外三名提出にかかるもので、去る三月二十三日衆議院より予備審査のため送付、同日当委員会に予備付託となったものであります。まず、提案理由の説明を聞くことにいたします。
この発言だけを見る →本法律案は、衆議院議員足立篤郎君外三名提出にかかるもので、去る三月二十三日衆議院より予備審査のため送付、同日当委員会に予備付託となったものであります。まず、提案理由の説明を聞くことにいたします。
足
足立篤郎#5
○衆議院議員(足立篤郎君) ただいま議題と相なりました、有益鳥獣の保護増殖及び狩猟の適正化等に関する特別措置法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
狩猟に関する基本制度を定めております狩猟法は、大正七年に制定をみました後、今日まで数回にわたって改正せられておりますが。最近では昭和二十五年に大幅な改正が行われ、鳥獣の漸減傾向に対処しまして、狩猟鳥獣の捕獲に関する農林大臣または都道府県知事の一般的な禁止または制限の権能、キジ、ヤマドリ等、本邦独自の鳥類につき、その捕獲数の制限と販売禁止等の法的強制をはかることにより、鳥獣の捕獲を適正なものとするように努めるとともに、他方では、鳥獣保護区の設定と保護区内における営巣、給水、給餌等の保護施設の設置等、鳥獣の保護育成のための施設を講じ得まするように措置いたしましたことは、各位のすでに十分に御承知のところでございます。
しかるに現状を観察いたしますに、これらの措置にかかわらず鳥獣減少の趨勢は一向に衰えないのみならず、このままに推移いたしますならば、鳥獣資源の枯渇は結局おそるべき事態にまで立ち至るであろうことが憂えられるのでありまして、この際鳥獣保護行政の上におきまして、新生面を開くことが必要であると痛感いたすものでございます。しかして、このように鳥獣が激減しました原因を探究いたしますに、近年の天候異変、農薬による被害または過去における森林の過伐乱伐や、都市の膨脹に基く棲息条件の変化等、人為の及ばない事情、または経済、文化の発達に伴って真にやむを得ない事情によるところもあるのではありますが、一面、中央、地方における総合的かつ計画的な保護増殖計画の樹立とこれに対する予算措置等、積極的な実行面にも欠くる点がありましたことを否定できないと思いますし、他面、鳥獣ないしは狩猟についての教育、普及宣伝、啓蒙等の指導面の努力の不足があり、あるいは法令上の不備または取締りの不徹底に乗じて乱獲が行われておりますこともまた事実であると存ずるのであります。
よってわれわれといたしましては、自然界における鳥獣の減少が、国民生活の内容を貧しくいたしますと同時に、農林水産資源に与える影響も少くない点に思いをいたし、この悪化した事態をすみやかに改善いたしますために、国、地方公共団体及び鳥獣の関係のある諸団体が、独自にあるいは相互に協力して有益鳥獣の保護増殖と狩猟の適正化、狩猟道義の高揚等を推進すべく、これがために必要な措置及び制度を整備いたさんとして、ここにこの法律案を提出したのであります。以下要約してその内容を御説明申し上げたいと存ずるのであります。
まず、農林大臣及び都道府県知事は、それぞれ鳥獣保護審議会の意見を聞いて、有益鳥獣の保護増殖、狩猟の適正化、愛鳥思想の普及発達、有害鳥獣の駆除等を内容とする鳥獣保護計画を定め、国及び地方公共団体は、その実現に努めますとともに、これらの計画の実施に必要とする経費について規定いたしております。このこととも関連いたしまして、鳥獣及び狩猟に関する重要事項を調査審議するために、農林省に中央鳥獣保護審議会を、都道府県に都道府県鳥獣保護審議会を設けることにいたしました。
次に、狩猟の適正化をはかりますために、現行狩猟法に対して.この際若干の特例的な規定を設けることにいたしておりますが、そのおもなるものを申し上げまするならば、次のごとくであります。
その一つは、初めて狩猟免許及び狩猟登録を受ける者に対しまして、教育的意味をもつ狩猟者試験を課することとした点であります。
その二は、農林大臣は、都道府県知事に対して、狩猟免許または狩猟登録の数の制限を勧告し、都道府県知事は、勧告の範囲内で免許または登録の制限を行うことができることとした点であります。
その三は、猟友会をして国または地方公共団体の行う猟政に協力させ、その専門的知識の活用をはかりますために、猟区の管理経営の委任、法令の普及、その違反防止への協力、狩猟免許の下付等の事務の委任等ができる道を開いた点であります。
最後に、猟友会員の自主的組織によりまして、有益鳥獣の保護増殖と狩猟の適正化に努めさせますとともに、会員の品位の保持、指導連絡をはかり、もって狩猟行政の円滑な実施に資せしめる目的をもって、全国猟友会及び都道府県猟友会の設置、及びその定款、業務等について規定することにいたしたのであります。なお猟友会以外の団体に対しても愛鳥思想の普及等の事業を委嘱し、助成することが出来ることといたしております。
以上がこの法律案を提出した理由及び内容の概略であります。
この際、委員長のお許しを得まして、この法案が議員提案としてここに提出されるに至りました経緯の概要を追加説明として申し上げさせていただきたいと存じます。
実は、昨年春より全国猟友団体より熱心な請願がございまして、狩猟者団体法を制定し、猟友会を法制化するとともに、現在都道府県の収入となっております狩猟税四億円余りがございますが、これを目的税として、有益鳥獣の保護政策を積極的に講ずべきであるとの意見があったのでございます。当時は保守合同以前でございまして、当時与党でございました民主党におきましては、政務調査会において立法の方針を決定いたしたのでありますが、自由党におきまして党議決定をみないまま保守合同になったのであります。かようないきさつにかんがみまして、合同実現後あらためて調査研究をいたしたのでありますが、狩猟者団体の組織法にあわせて有益鳥獣の保護増殖をはかるという原案につきましては、主客転倒のきらいがありますので、衆議院法制局、農林水産専門調査室、林野庁当局等に調査研究を依頼し、三カ月余にわたって検討を重ねました結果、本来の目的であります有益鳥獣の保護増殖を主題といたしまして、その目的を達する手段、方法の一つとしてこの際狩猟者団体を法制化し、これを規制して猟友会の責任と義務をも明らかにし、乱獲、密猟の防止等に徹底を期したいという方針にいたしたのでございます。
なお、立案当初農薬に関する鳥獣の被害を考慮いたしまして、農薬使用についての若干の規制を考慮いたしたのでありますが、関係者の反対意見もございましたので、農薬に関する条文をすべて削除しまして、森林病害駆除の場合、現在政令で定められている注意事項を順守せしむることによって、害虫の天敵であるところの有益鳥獣の不測の損害を防止したいという方針でございます。
なおまた、日本鳥類保護連盟等より愛鳥思想の普及事業等につきまして、その委託を受け、必要な助成を受けることができるようにすべきであるとの意見もございましたので、この部分を修正いたしまして、本案にございます通りその「猟友会その他の団体」という字句を追加いたしたような次第でございます。日本鳥類保護連盟等のいわゆる鳥獣愛護団体から、本法案の内容につきまして、猟友会の規定をのみいたしているのは不当であるとの意見もございますが、提案者といたしましては、有益鳥獣激減の理由でありますところの農薬あるいは気象条件等の真にやむを得ざる面は別といたしまして、人為による乱獲または狩猟法の規定を無視する密猟を防止し、あわせて積極的に有益鳥獣の保護増殖をはかるためには、狩猟者団体を規制し、狩猟者をして相互に道義的責任を持たせてその目的を達する以外に実効ある措置はないと信じているのでありますが、従来の実績に徴しますように、単に官憲による取締りのみでは全く実効の上らないことは幾多の事例によって実証されていると存じます。本法案に狩猟者団体の組織法を加えましたことは、主として以上の理由によるものでございまして、猟友会は若干の権限を得る半面、大きな責任と義務を課せられる結果になるのでありまして、将来必要によっては鳥獣保護団体等をも正式に本法案に加えることは決してやぶさかではありません。
思いまするに、終戦後十年間、いろいろの事情がございますが、ともあれわが国に生息する鳥獣がおよそ三分の一に激減したと言われておりますことは、まことにゆゆしき問題でございまして、人類の歴史とともに共存共栄して参りました有益鳥獣が、異常な減少の趨勢をみますることはさびしき限りでございますが、この際有益鳥獣の保護政策を国家的施策として大きく取り上げ、まずその一歩を進めますように、ぜひとも本法案が成立いたしますように、委員各位の御理解を賜わりまして、慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わりますよう、お願いいたす次第でございます。
この発言だけを見る →狩猟に関する基本制度を定めております狩猟法は、大正七年に制定をみました後、今日まで数回にわたって改正せられておりますが。最近では昭和二十五年に大幅な改正が行われ、鳥獣の漸減傾向に対処しまして、狩猟鳥獣の捕獲に関する農林大臣または都道府県知事の一般的な禁止または制限の権能、キジ、ヤマドリ等、本邦独自の鳥類につき、その捕獲数の制限と販売禁止等の法的強制をはかることにより、鳥獣の捕獲を適正なものとするように努めるとともに、他方では、鳥獣保護区の設定と保護区内における営巣、給水、給餌等の保護施設の設置等、鳥獣の保護育成のための施設を講じ得まするように措置いたしましたことは、各位のすでに十分に御承知のところでございます。
しかるに現状を観察いたしますに、これらの措置にかかわらず鳥獣減少の趨勢は一向に衰えないのみならず、このままに推移いたしますならば、鳥獣資源の枯渇は結局おそるべき事態にまで立ち至るであろうことが憂えられるのでありまして、この際鳥獣保護行政の上におきまして、新生面を開くことが必要であると痛感いたすものでございます。しかして、このように鳥獣が激減しました原因を探究いたしますに、近年の天候異変、農薬による被害または過去における森林の過伐乱伐や、都市の膨脹に基く棲息条件の変化等、人為の及ばない事情、または経済、文化の発達に伴って真にやむを得ない事情によるところもあるのではありますが、一面、中央、地方における総合的かつ計画的な保護増殖計画の樹立とこれに対する予算措置等、積極的な実行面にも欠くる点がありましたことを否定できないと思いますし、他面、鳥獣ないしは狩猟についての教育、普及宣伝、啓蒙等の指導面の努力の不足があり、あるいは法令上の不備または取締りの不徹底に乗じて乱獲が行われておりますこともまた事実であると存ずるのであります。
よってわれわれといたしましては、自然界における鳥獣の減少が、国民生活の内容を貧しくいたしますと同時に、農林水産資源に与える影響も少くない点に思いをいたし、この悪化した事態をすみやかに改善いたしますために、国、地方公共団体及び鳥獣の関係のある諸団体が、独自にあるいは相互に協力して有益鳥獣の保護増殖と狩猟の適正化、狩猟道義の高揚等を推進すべく、これがために必要な措置及び制度を整備いたさんとして、ここにこの法律案を提出したのであります。以下要約してその内容を御説明申し上げたいと存ずるのであります。
まず、農林大臣及び都道府県知事は、それぞれ鳥獣保護審議会の意見を聞いて、有益鳥獣の保護増殖、狩猟の適正化、愛鳥思想の普及発達、有害鳥獣の駆除等を内容とする鳥獣保護計画を定め、国及び地方公共団体は、その実現に努めますとともに、これらの計画の実施に必要とする経費について規定いたしております。このこととも関連いたしまして、鳥獣及び狩猟に関する重要事項を調査審議するために、農林省に中央鳥獣保護審議会を、都道府県に都道府県鳥獣保護審議会を設けることにいたしました。
次に、狩猟の適正化をはかりますために、現行狩猟法に対して.この際若干の特例的な規定を設けることにいたしておりますが、そのおもなるものを申し上げまするならば、次のごとくであります。
その一つは、初めて狩猟免許及び狩猟登録を受ける者に対しまして、教育的意味をもつ狩猟者試験を課することとした点であります。
その二は、農林大臣は、都道府県知事に対して、狩猟免許または狩猟登録の数の制限を勧告し、都道府県知事は、勧告の範囲内で免許または登録の制限を行うことができることとした点であります。
その三は、猟友会をして国または地方公共団体の行う猟政に協力させ、その専門的知識の活用をはかりますために、猟区の管理経営の委任、法令の普及、その違反防止への協力、狩猟免許の下付等の事務の委任等ができる道を開いた点であります。
最後に、猟友会員の自主的組織によりまして、有益鳥獣の保護増殖と狩猟の適正化に努めさせますとともに、会員の品位の保持、指導連絡をはかり、もって狩猟行政の円滑な実施に資せしめる目的をもって、全国猟友会及び都道府県猟友会の設置、及びその定款、業務等について規定することにいたしたのであります。なお猟友会以外の団体に対しても愛鳥思想の普及等の事業を委嘱し、助成することが出来ることといたしております。
以上がこの法律案を提出した理由及び内容の概略であります。
この際、委員長のお許しを得まして、この法案が議員提案としてここに提出されるに至りました経緯の概要を追加説明として申し上げさせていただきたいと存じます。
実は、昨年春より全国猟友団体より熱心な請願がございまして、狩猟者団体法を制定し、猟友会を法制化するとともに、現在都道府県の収入となっております狩猟税四億円余りがございますが、これを目的税として、有益鳥獣の保護政策を積極的に講ずべきであるとの意見があったのでございます。当時は保守合同以前でございまして、当時与党でございました民主党におきましては、政務調査会において立法の方針を決定いたしたのでありますが、自由党におきまして党議決定をみないまま保守合同になったのであります。かようないきさつにかんがみまして、合同実現後あらためて調査研究をいたしたのでありますが、狩猟者団体の組織法にあわせて有益鳥獣の保護増殖をはかるという原案につきましては、主客転倒のきらいがありますので、衆議院法制局、農林水産専門調査室、林野庁当局等に調査研究を依頼し、三カ月余にわたって検討を重ねました結果、本来の目的であります有益鳥獣の保護増殖を主題といたしまして、その目的を達する手段、方法の一つとしてこの際狩猟者団体を法制化し、これを規制して猟友会の責任と義務をも明らかにし、乱獲、密猟の防止等に徹底を期したいという方針にいたしたのでございます。
なお、立案当初農薬に関する鳥獣の被害を考慮いたしまして、農薬使用についての若干の規制を考慮いたしたのでありますが、関係者の反対意見もございましたので、農薬に関する条文をすべて削除しまして、森林病害駆除の場合、現在政令で定められている注意事項を順守せしむることによって、害虫の天敵であるところの有益鳥獣の不測の損害を防止したいという方針でございます。
なおまた、日本鳥類保護連盟等より愛鳥思想の普及事業等につきまして、その委託を受け、必要な助成を受けることができるようにすべきであるとの意見もございましたので、この部分を修正いたしまして、本案にございます通りその「猟友会その他の団体」という字句を追加いたしたような次第でございます。日本鳥類保護連盟等のいわゆる鳥獣愛護団体から、本法案の内容につきまして、猟友会の規定をのみいたしているのは不当であるとの意見もございますが、提案者といたしましては、有益鳥獣激減の理由でありますところの農薬あるいは気象条件等の真にやむを得ざる面は別といたしまして、人為による乱獲または狩猟法の規定を無視する密猟を防止し、あわせて積極的に有益鳥獣の保護増殖をはかるためには、狩猟者団体を規制し、狩猟者をして相互に道義的責任を持たせてその目的を達する以外に実効ある措置はないと信じているのでありますが、従来の実績に徴しますように、単に官憲による取締りのみでは全く実効の上らないことは幾多の事例によって実証されていると存じます。本法案に狩猟者団体の組織法を加えましたことは、主として以上の理由によるものでございまして、猟友会は若干の権限を得る半面、大きな責任と義務を課せられる結果になるのでありまして、将来必要によっては鳥獣保護団体等をも正式に本法案に加えることは決してやぶさかではありません。
思いまするに、終戦後十年間、いろいろの事情がございますが、ともあれわが国に生息する鳥獣がおよそ三分の一に激減したと言われておりますことは、まことにゆゆしき問題でございまして、人類の歴史とともに共存共栄して参りました有益鳥獣が、異常な減少の趨勢をみますることはさびしき限りでございますが、この際有益鳥獣の保護政策を国家的施策として大きく取り上げ、まずその一歩を進めますように、ぜひとも本法案が成立いたしますように、委員各位の御理解を賜わりまして、慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わりますよう、お願いいたす次第でございます。
棚
棚
棚橋小虎#7
○委員長(棚橋小虎君) この際、飼料需給安定法の一部を改正する法律案についてお諮りいたします。
本法律案につきましては、去る三月一日予備審査を終ったのでありますが、本付託になった場合は、明後二十九日の委員会において残余の質疑を終り、直ちに討論採決を行なって差しつかえございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →本法律案につきましては、去る三月一日予備審査を終ったのでありますが、本付託になった場合は、明後二十九日の委員会において残余の質疑を終り、直ちに討論採決を行なって差しつかえございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
棚
棚
棚橋小虎#9
○委員長(棚橋小虎君) 韓国ノリに関する件を議題にいたします。この件につきましては、去る三月二十日の委員会に、先だって陳情をお聞き取り願ったのでありますが、この件について各委員から発言が求められておりますので、この際御発言を願うことにいたします。
なお森崎委員から委員外発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →なお森崎委員から委員外発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
棚
棚橋小虎#10
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないものと認めます。この件について政府から水産庁長官、水産庁次長及び通商局次長の御出席を得ております。ただいまから順次御発言を願います。
この発言だけを見る →森
森八三一#11
○森八三一君 ただいま議題になりました韓国ノリの輸入につきましては、たしか昭和二十九年に本件が問題になりまして、その当時本院の水産委員会におきましては、国内の沿岸における零細ノリ漁民を保護するという立場、並びに国内の資源を開発するというような観点からしまして、原則としては韓国ノリの輸入は禁止すべきである、しかしながら、諸般の事情を勘案いたしまして、やむを得ざる事由、たとえて申しますれば、国内生産量と需要量との関係において不足をいたしますような場合等におきましては、その最小限度を定めて輸入をすることもやむを得ない、しかしながら、その場合といえどもあくまで生産者の納得する方法によって輸入さるべきである、というような趣旨の決議を行なったのでございます。この決議に基きまして、通産当局におきましても、水産庁の当局におきましても、自来善処を願ってきておることは存じておるのでありますが、三十年に至りまして、さらに本件が問題になりまして、当委員会におきましても前後三、四回の審議を重ねまして.昭和三十年における輸入数量は一億枚以内において実施さるべきである、当然その一億枚の輸入につきましても、生産者団体の納得のできる方法によってそのことが推進されなければならぬということの決定をいたしまして、当局にその取扱いを求めて参ったのでありますが、その後における経過は一体どうなっておりますのか。通産当局及び水産庁当局から、第二十臨時国会において論議されましたその論議の結論というものは十分御承知になっているはずでありますので、その論議の結論に基いてそれぞれの手続が推進されておるものと存じますが、経過は一体どうなっているのか、その点をまず最初にお伺いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →樋
樋詰誠明#12
○政府委員(樋詰誠明君) 三十年度におきましては、御承知のように二十九年度にすでに現物が到着いたしまして、価格の関係で割当量は到着量の一部で一応一ぱいになったということのために、通関できずに税関でとどめておかれたというものが約三千七百万枚あったわけでありますが、これは三十年度に入りまして割当をいたしましたあとで、三十年度の割当に基きまして、それだけの通関を認めております。で残りの約六千三百万枚でございますが、このうち十月の末に韓国を船出いたしまして、十一月上旬に日本に到着したものが大体三千二百万枚あるわけでございます。でわれわれといたしましては、生産期には通関輸入しないという方針で進んできておりましたために、かねてから早く韓国のノリは生産期にかからないように入れるべきであるということで指導してきたのでありますが、御承知のように八月十八日に韓国の対日経済断交というようなことがあったりいたしまして、夏の間一番輸入に適する時期に入れることができなかったわけでございます。その後十月になりましてそれが解除されたわけでございますが、われわれといたしましては、十一月からは一応生産期として輸入させないから、とにかく早く入れろ、入れるなら早く持ってこいということで、再三韓国側にも、あるいは商社にもその点を注意してきたわけでございますが、ついに十一月にならなければ入らないということがはっきりいたしましたために、十一月に入ってから通関を求めてくるというものは、これは翌年の生産期が終る——大体三月の末で終るというふうに一応了承しておりますが、いずれにいたしましても、生産期が終るまでは通関させないからということで、税関の方に通関差しとめを依頼したわけでございます。その際、韓国側からすでに船積みして、生産期とはいいながら、一週間や十日のことで絶対にその品物を通関させないというようなことは、はなはだ国際的に見ても不信義である、これは十一月になって入ったものであっても当然十月に船積みしている、しかもその船積みがおくれたということは、いろの理由で業者そのものの貴めに百パーセント帰すべきものではないというような点から、それの通関をぜひ認めろというような要求が非常に強く韓国側からあったわけでございます。しかしそれに対しまして、われわれの方では生産期にとにかく韓国ノリが入ってきて市販されるということでは非常に困る、こう考えましたために、かりに通関する——通関しなければ一応韓国に対して支払いができないわけでございますが、韓国の商社がどうしてもこの積み出したものに対する支払いを受けたいということであるならば、来年の春になって生産期が終ったというときに初めて市販をさせるという条件を双方に入れまして、そうしてその倉荷証券を銀行に寄託する、原物を流さないといったような措置をとるというのであれば、これは一応国内の生産業者に迷惑を及ぼさないと思われるから、その程度までは国としても一応国と国との関係であるいは妥協すべきではないか、こう思うけれども、どうだというようなことの交渉があったわけでございますが、いつ解除されるかわからないというノリの値段をあらかじめきめるということはできないという先方からの申し出があったわけでございます。そこでわれわれといたしましては、その決済が今できないというのであれば、これはもう絶対通関させるという方法がないので、それならばもうやむを得ないから、いよいよ国内に入れてもいいという時期まで待っていただくほかないということで待っていただきました。で、これにつきましては、韓国の参事官あるいは総領事の方々もみえまして、非常に国際的に不信義であるというようなことで、日本側はだいぶ攻撃も受けたのでありますが、われわれといたしましては、一応対外的には通関したければ、通関だけは認めて、市販を認めないということであれば、国内の業者にはそう御迷惑をかけないのではないかということで交渉した結果、ついにそれがだめになって、今日に至るまでそのまま税関にとめられておるというような状況になっておるのです。
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森八三一#13
○森八三一君 ただいまの通商当局の御説明によりますると、かねがね通商当局が当委員会において言明せられておりまする通り、内地におけるノリの生産期中は韓国ノリの輸入は通関手続を行わないという趣旨が、今日も堅持されておるというように御説明になったようでありますが、その通りで間違いないということに了解してよろしいかどうかという点が一つ。
それからもう一つは、そういうような通関がないといたしますれば、直ちに問題が起きるわけではございませんが、韓国ノリの輸入を取り扱いまする場合の形式として、かねがね生産者の納得のできる方法ということに基きまして、通商当局の御指導によって関係業者の協議会が成立をいたしております。この成立をいたしております通産当局の御指導に基く組織は法的な根拠を持っているものではございません。そこでその組織をいかに活用していくかということがこの委員会のしばしばの論議であったのであります。当時の次長大堀氏は、法的な根拠は持っておりませんが、通産当局といたしましては、その組織に取扱者が全員参加するということを、行政指導をもって実現するようにいたしますということをはっきり明言されておったのでありますが、そのことは一体どうなっておるかということを次に御説明をいただきたい。二点をまずお伺いいたします。
この発言だけを見る →それからもう一つは、そういうような通関がないといたしますれば、直ちに問題が起きるわけではございませんが、韓国ノリの輸入を取り扱いまする場合の形式として、かねがね生産者の納得のできる方法ということに基きまして、通商当局の御指導によって関係業者の協議会が成立をいたしております。この成立をいたしております通産当局の御指導に基く組織は法的な根拠を持っているものではございません。そこでその組織をいかに活用していくかということがこの委員会のしばしばの論議であったのであります。当時の次長大堀氏は、法的な根拠は持っておりませんが、通産当局といたしましては、その組織に取扱者が全員参加するということを、行政指導をもって実現するようにいたしますということをはっきり明言されておったのでありますが、そのことは一体どうなっておるかということを次に御説明をいただきたい。二点をまずお伺いいたします。
樋
樋詰誠明#14
○政府委員(樋詰誠明君) まず第一点でございますが、われわれの方では生産期中に輸入しないというのは先ほども申し上げましたが、生産期中に輸入して、それを市販に供して国内の生産業者の販売価格等に影響を及ぼすということはしないという趣旨に、通産省としてはこう了解しておったわけでございます。その点でその趣旨は今日もなお堅持いたしております。
それから第二点の協議会につきましては、これはわれわれの方といたしまして、できるだけこの協議会に全員参加して、そうして生産業者、国内の問屋、インポーターという三者がこのノリの輸入並びに国内の配給というようなことについて、最もトラブルのないようにやっていくようにということで、今日までも再三その関係者には伝えて来たわけでございますが、実際問題といたしまして、とてもその生産期中のノリの輸入ということは見込みないといったようなことから、今日までにこれに参加したというものは非常に数が少いということになっております点は、これは事実でございまして、この点はわれわれの行政指導はなはだ不十分であったと申しわけなく感じております。ただ最近になりまして、相当有力な二十五社が新規加入をいたしましたし、さらに韓国ノリが、生産期が明けて輸入見通しがつくということになりますれば、加入したいと言っておるものも数社ございますので、大体これらのものを合せますと、全体の取扱いの八〇%以上のものが組合に参加するということを正式に意思表示し、あるいは参加しておるわけでございますから、われわれといたしましては、できるだけ早く全員参加という——今まで再々政府として参加するようにということを要請してきたにもかかわらず、参加しないというのであれば、これは生産者あるいは問屋と協力して、インポーターと協調してやっていくというこの資格において不十分であると認めざるを得ないので、今後割当が、どの程度の輸入ということが今後行われるかというようなことはもちろんまだきまっておりませんが、かりに今後輸入し、外貨の割当を行うといったような場合には、この入らないという人間にはもうやらないからということを、これははっきり全員に伝えてございます。
この発言だけを見る →それから第二点の協議会につきましては、これはわれわれの方といたしまして、できるだけこの協議会に全員参加して、そうして生産業者、国内の問屋、インポーターという三者がこのノリの輸入並びに国内の配給というようなことについて、最もトラブルのないようにやっていくようにということで、今日までも再三その関係者には伝えて来たわけでございますが、実際問題といたしまして、とてもその生産期中のノリの輸入ということは見込みないといったようなことから、今日までにこれに参加したというものは非常に数が少いということになっております点は、これは事実でございまして、この点はわれわれの行政指導はなはだ不十分であったと申しわけなく感じております。ただ最近になりまして、相当有力な二十五社が新規加入をいたしましたし、さらに韓国ノリが、生産期が明けて輸入見通しがつくということになりますれば、加入したいと言っておるものも数社ございますので、大体これらのものを合せますと、全体の取扱いの八〇%以上のものが組合に参加するということを正式に意思表示し、あるいは参加しておるわけでございますから、われわれといたしましては、できるだけ早く全員参加という——今まで再々政府として参加するようにということを要請してきたにもかかわらず、参加しないというのであれば、これは生産者あるいは問屋と協力して、インポーターと協調してやっていくというこの資格において不十分であると認めざるを得ないので、今後割当が、どの程度の輸入ということが今後行われるかというようなことはもちろんまだきまっておりませんが、かりに今後輸入し、外貨の割当を行うといったような場合には、この入らないという人間にはもうやらないからということを、これははっきり全員に伝えてございます。
森
森八三一#15
○森八三一君 前段の方の御説明の、生産期中に輸入することは生産者に悪影響を与えるので、そういうような悪影響を与えることのないようにするという趣旨については、今日も堅持しておるという御説明は、きわめてデリケートな説明だと思うのですが、もっと率直に、先刻御説明のございましたように、韓国側から決済がつかないような形における通関というものは意味がないということを言って来られた、このことはごもっともだと思うのであります。そういう趣旨からいきますれば、生産期中に通関手続をするということは何ら意味をもたないということになるわけでありますが、そう理解されるとすれば、生産期中に通関の手続は行わないということにならなければならないと思いまするが、そういうようにとり進められているかどうか、生産期中には通関手続をしなかったということに理解していいかどうかという点をお伺いいたします。
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樋詰誠明#16
○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど申し上げましたように、生産期中には輸入しないということで措置していくというときに、輸入しなかったという本当の趣旨というものは、現物を国内に流すというようなことによって、国内の生産業者に損害を与えるというようなことのないようにという趣旨に通産省としては理解したわけでありまして、従いまして、先ほどの韓国からの申し出がありました際に、生産業者に迷惑を及ぼすような市販をしないということであれば、一応信用状に基いて送金してそうして通関させる、そうしてその通関したものは倉庫に入れて、その倉庫証券を銀行に寄託させる、こういったような措置をとる限り、これは政府として認めてもしかるべきじゃないかということを先方にも申した次第でございます。これに関連いたしまして、そういう値ぎめとかといったような問題がないというものにつきまして、たとえば債権の回収ということのために、特にこのノリは幾らだということについて、あらかじめインポーターとシッパーとの間にネゴシェションをいたしまして、そうしてその値段をきめた上で通関させるというような手続の必要のないもの、とにかく現物を引き取って下さいということで向うが送った物については、これは市販しないという条件のもとで通関を認めた件があります。
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樋
樋詰誠明#18
○政府委員(樋詰誠明君) この件は昭和二十七年の十月に東和商事という会社が小麦粉と鉱石その他のバーター契約を結んだわけでありますが、このバーター契約の許可に基きまして、小麦粉三百八十トン、六万四千六百ドルというものを輸出したわけでございます。ところがこの輸出に対しまする見返りで鉱石その他を買うということでおったわけでございますが、この鉱石が買えないということで、この見返り品の内容を変更いたしまして、この会社は自分が受けたノリの外貨割当資金、これを放棄いたしまして、無為替輸入をするということをいたしたわけでございます。こうやりまして、昭和二十九年の末までに大体六万四千六百ドルといううち三万六千百ドルは回収したわけでございますが、残額二万八千五百ドルのうち一万三千七百八十四ドル二十五セントというものにつきまして、これは白子商店というものと薩摩木材、この二社がノリの輸入の外貨割当を受けておったわけでございますが、その二社のもらいました外貨割当、その権利を放棄する、結局白子あるいは薩摩木材という会社は自分が受けた外貨割当に基いて自分で向うのシッパーと新しく契約してノリを引くかわりに、自分の受けた割当の範囲内において東和商事が無為替輸入で債権を回収しようとしておるそのものをかわりに輸入する。従いまして、これは正式の外貨割当をその分だけ放棄するということで一万三千七百八十四ドル二十五セントというものを無為替輸入によって輸入したいという申請を許可したわけでございます。
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森八三一#19
○森八三一君 その東和商事に無為替で輸入を許可し、通関されたものは、前段御説明のような措置が講じられておらなければならぬと思いますが、その措置は具体的にどう進められておるのか、その形式上の措置を私は聞いておるのではなしに、あくまでも国内の生産者に悪影響を及ぼさないという精神がどこまで確保されておるかという点についての、通産省当局はいかなる処置をとられたかということを具体的に御説明願いたいと思います。
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樋詰誠明#20
○政府委員(樋詰誠明君) この無為替輸入は四日にわかれて行われたのでございまして、まず、昨年十二月十六日に神戸税関に百八十箱、小倉税関に七十七箱、これが到着いたしました。これにつきましては、この入れたノリというものが乾燥不十分で、そのままでは生産期があけるまで貯蔵して、いつ解除になるかわからないので、貯蔵中に変質するといったようなおそれがあるといったようなことから、一応通関した上であらためて火入れ加工をいたしまして、その火入れ加工したものをこれを瀬川倉庫株式会社という瀬川倉庫に倉入れしたというので、この倉荷証券を銀行に寄託し、この寄託書が役所に届けられておりますので、この分につきましては、通関されましたノリは約束通り倉庫の中に入って、そうして市販されていない、そういうふうに了解いたしておるわけでございます。それからなお、途中で非常に悪質の、腐ったようなノリが来たということで、そのノリは朝鮮の方に送り返したといったようなことがございまして、あらためて、ことしの二月二十七日及び二十八日の両日にわたりまして、小倉の税関に百七十三箱、それから本月九日に小倉の税関に八十一箱というものが到着いたしております。そうしてこれは先ほど申上げましたように火入れ加工の要があるということで、目下一枚々々はがして乾燥さしておる。そこで貯蔵に耐えるという格好になった上で明日までに、必ず倉庫に入れたという寄託証明書を銀行経由通産省に提出する、そういうことになっておりますので、われわれの方といたしましては、約束通り市販ということはないものと、そういうふうに一応了解いたしております。
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森八三一#21
○森八三一君 無為替で通関の手続だけをして取扱ったという数量につきましては、市販されないという条件として倉荷証券を銀行に寄託し、銀行がその寄託されたことを実証する書面を通産省に提出しておるという御説明でありますが、その現物については倉入れ管理されておるということを確認をされたかどうか。そういうようなことはもちろん倉荷証券の性質が性質でありますので、その証券を本来の姿のものとして信用しておるという程度で済まされておるのかどうかという点については、どういうような具体的な調査が行われたかを御説明いただきたいと思うのです。
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樋詰誠明#22
○政府委員(樋詰誠明君) この倉荷証券に明示されているものと果してその倉庫に入ったものとが、間違いなく完全に同一のものであるかどうかということの具体的な調査については、今までのところは一応この倉荷証券を預けたということを信用いたしまして、具体的に果して現物がその通りのものが入っているかどうかということについては、今までのところは特に調査したということはございません。
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森八三一#23
○森八三一君 そうしますると、そういうような形式的な審査によって通関が行われたという結果として、もし不幸にしてそのものが市販されておるという事実が存在する場合に、通産当局はいかなる処置をおとりになるのか、それが一つ。
それから第二点はインポーターが需給協議会に八〇%ぐらいは参加するであろう、無参加のものが二〇%あるという場合、その二〇%のものについて今後いかなる処置をおとりになるのか。あくまで法的な根拠を持ちませんために、未加入で推移するという場合には、大堀次長の議会における説明の趣旨は、割当の取り消し等のことを言外に意味された答弁がございましたので、われわれはそのことを信用し、了承したのでございますが、そういうような手続まで行われる決意があるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
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樋
樋詰誠明#24
○政府委員(樋詰誠明君) 事実問題といたしまして、われわれの方では市販しないということを信じてやったわけでございますが、これについて市販をしたというもし事実がありましたならば、これは政府を欺き、また生産者にも実害を及ぼした、こういうことになりますので、その点につきましては至急具体的に調査を、地元の通産局等を通じまして行いました上で、もし不幸にしてそういう事実がありました場合には、われわれとしても重大決意と申しますか適当な措置をとるように慎重にかつ至急検討したい、そう考えております。
それからもう一点の協議会未加入者というものにつきましては、これは協議会に加入しないという人間はもう今後割当をしないぞということを、一応協会の方からも、各まだ入っていない人間に加入を勧める際にわれわれの方の役所の一応の決意として、こういうふうに不協力な方には今後の割当ということは非常にむずかしくなりますというふうに申し上げてございますので、この点につきましても協議会を作った趣旨にのっとりまして、最も適当な措置をとりたい。そういうふうに考えております。
この発言だけを見る →それからもう一点の協議会未加入者というものにつきましては、これは協議会に加入しないという人間はもう今後割当をしないぞということを、一応協会の方からも、各まだ入っていない人間に加入を勧める際にわれわれの方の役所の一応の決意として、こういうふうに不協力な方には今後の割当ということは非常にむずかしくなりますというふうに申し上げてございますので、この点につきましても協議会を作った趣旨にのっとりまして、最も適当な措置をとりたい。そういうふうに考えております。
青
青山正一#25
○青山正一君 水産庁次長にお伺いしたのですが、ただいま通産局の次長からいろいろ御説明があったわけですが、その通関を認めた際に通産省からこの水産庁の方へ、つまり国内生産者の元締めであるところの水産庁へ相談があったかどうか。この点をお伺いしたいと思います。
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青
岡
岡井正男#28
○政府委員(岡井正男君) 先ほど来通産省の次長から御答弁がありましたが、究極において生産者の御要望にこたえるような精神をもって通産省は善処されているということでございますので、一応過去のことでございまするので、この際、それを深く私の方が事務当局同士としてとかくは言いたくないのでございますが、将来一そう緊密な連絡を保ちまして、たとえ結果におきまして、さしたる間違いがないといたしましても、事前に御連絡を願うように十分私の方は連絡をとりたいと思っております。
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青山正一#29
○青山正一君 昭和三十年、昨年の十一月二日に通産省は、つまり農林省とかあるいは大蔵省あるいはその他の関係者と御相談になって、本日以降輸入通関の打ち切り、こういうものを決定した覚えはないのですか、どうなのですか、その点をお聞きしたい。
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