石井秀平の発言 (商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○石井説明員 これから、私の方で長期のエネルギーの見通しはどうなるか、これに対してどういう点が問題点であろうかという点、最近、特に三十二年度におきますエネルギー全般の問題につきましての問題点を御説明申し上げます。
 お手元に二つ資料をお配りいたしておきましたが、一つは縦の資料でございまして、「長期エネルギー需給見通し」というのと、もう一つは三枚刷りの「三十二年度エネルギー需給見通し」という、一番あとからお配りいたしました資料でございます。
 まず順序としまして、簡単に長期的にどういう点を考えておるかという点からお話し申し上げます。御承知のようにエネルギーの問題は相当長期に考 えなければいけないのじゃないかと思っております。少くとも二十年先の特に原子力発電のことを考えていきますと、どうしても二十年先の確固たるエネルギー見通し並びに対策が必要ではないかと思っております。そこでお手元に配りましたので若干見ていただきますと、これに対しまして最近までのところ、わが国におきましては総合的にまとめた、公け的にまとめました資料はなかったのでございますが、つい最近、昨年の十二月末に各界の権威を集めまして通産省の産業合理化審議会というところが中心になりましてまとめましたのがこの見通しでございます。
 時間もございませんので、簡単に要点だけ申し上げますと、まず第一ページに、将来におけるエネルギーの需要見通しをどういう方法でやればいいか、エネルギーの見通しを述べますときには方法論が一番問題でございます。過去の実績を土台にしまして年率どのくらい伸びていくかというマクロ的な、大ざっぱな大数観察的な方法、これが従来世界各国で採用されておりましたものであります。しかし最近のように科学技術の進歩が目ざましく、エネルギーの使い方も非常に変転いたしますときには、これは不完全な方法ではないか、往々にして誤まるのではないかということが内外の学者で心配されておるところでございます。そこで本資料はまるきり従来の方法とは違いまして、現在におきます科学技術その他の将来における見通しを土台にしまして、一番効率よくまた日本として一番妥当な産業構造を将来描きまして、どういうエネルギーをどれだけ必要とするかという点を、いわゆる積み上げ的にはじきましたのがこの答申でございます。その一部について第一ページに御披露申し上げたわけでありますが、品目は百業種、百四十品目でございまして、ほとんど皆さん方頭にお浮びになります産業は全部網羅いたしたのでございます。その表一はそのうちの若干のものについて御披露申し上げたものでございます。
 それから第二ページを見ていただきますと、そういうやり方にしまして、それでは将来十年先、二十年先に果してどれだけのエネルギーを必要とし、またどういう種類のエネルギーを必要とするのかという点をただ単に一時的に集計いたしましたのが表二でございます。そうしますと、最近一番やかましい問題でございます電力でございますが、この表二の初めにございますように、電力は三十年度をべースとしまして二十年先、いわゆる昭和五十年度には二・八倍弱になるわけでございます。もっともこの見通しにつきましては、最近のここ一、二年の電力の需用の伸びから想定しまして大数観察的にごらんになりますと、業界ではあるいはもっとふえるのではないかへ二十年先には二千億キロワット・アワーくらいになるのじゃないかという見通しもあるわけでございますが、一応この答申書では二・八倍弱になっておるわけでございます。
 それから石炭でございますが、その下に書いてございますが、現在に対しまして二・三倍、大体一億トン以上将来も要求する、この問題がわれわれとしましては非常に考えさせられる点であるのでございます。巷間石炭はもうあまり掘る必要がないのじゃないかという意見もあるのでありますが、各業界の将来の見通しを集計いたしますと、依然として現在の二倍程度は必要であるという数字が出ておるわけでございます。各業界のこの事情から見ましても、石炭は今後相当長い間やはりエネルギーの中心をなす重要な産業であるということも考えさせられるわけでございます。
 その下に石油がございます。石油はやはり世界のエネルギーがだんだん流体化するということと歩調を合せまして、この第一次集計でも大体三倍になっております。後ほど触れますように、石炭はとても一億トンはまかなえませんので、結局油で補充いたします結果、石油は現在の五倍の供給が必要になってくるという結果が出て参りますが、最初の集計はこういう数字が出ております。
 それから問題は、最近非常にエネルギー業界にデビューしてきました天然ガスの問題でございます。特に化学工業方面に天然ガスの活用が盛んになって参りまして、その技術の進歩と考え合せまして各業界の将来における要望が非常に多いのでございます。その表にございますように、三十年度に対しまして将来は五・四倍の天然ガスを必要とするという要求書が出たわけでございます。
 それから日本で特有な家庭燃料のべースとなっております木炭、薪炭でございますが、これは政府の方でも木材利用合理化という面からいきましても、できるだけ節約して、練炭、都市ガスの普及に努めております傾向も現われてきておりまして、ほとんど横ばい、木炭についてはこの表にございますように二十年先にはやはり若干下る、使い方が現状よりも少くなるという見通しになっておるわけでございます。
 それではこういった事情を通して、将来の供給力の点からいって、日本のエネルギーがまかなえるのかどうかということが三ページ目の表でございます。そのことを考えます前に、まず三ページ目の終りの方に、エネルギーの資源という表を出しておいたのでございますが、その表三には現在わかっておりますわが国のエネルギー資源は、どういったものがどれだけあるだろうかということを示したわけでございます。現在のところやはり水力が半分ちょっとでございます。あとの四%は石炭でございます。その他油におきましてはほとんどないといってもよろしい貧弱な状況でございます。後ほど申し上げます将来のエネルギー対策上、非常に大きな問題をここで現わしておるわけでございます。
 そういう資源を頭に置きまして、次のページ以降で電力、石炭、油のおもだったものにつきまして、どういう需給バランスになるかということを御説明申し上げておるわけでございます。次のページの終りから七、八行目に、一、電力というところに書いてございますが、電力は先ほども申し上げましたように、かりにこの各界の答申書のように、三十年度に対しまして二・八倍になった場合、果して自給自足できるかどうかという検討をいたしたわけでございます。その終りから七、八行目のところに書いておきましたが、三十年度の水力は八百九十万キロワット、火力は五百六十万キロワット、合計千四百五十万キロワットでございますが、先ほどの需用量をまかなうためにはその下の行にございますように、五十年度において水力千九百六十二万キロワット、火力千九百七十七万キロワット、合せて三千九百三十九万キロワットにする必要があるわけでございます。ここで特にわれわれが注意しなければいけませんことは、現在は大体水力が二に対して火力が一の設備を持っておる、結局水主火従というのが現状でございますが、この表でわかりますように、二十年先には大体火力と水力の設備はとんとんになります。だから発電も水力の発電量と火力の発電量はとんとんとなる、どちらかというと若干火力の方が多くなります。また運転の仕方も火力はできるだけ年中操業をする、操業をするというとおかしゅうございますが、動かしていく、水力は現在とは逆に電力が一番要りますときに補充に使う、いわゆる火主水従の形に将来は持っていかざるを得ないのでございますが、これはすべてできるだけ発電コストを小きくする、安い発電コストでやっていくような組み合せを考えた結果、こういう工合になるわけでございます。一応この際にはまだ原子力発電のコストその他の点におきまして、はっきりしない点もございましたので、一応すべて重油・石炭による火力発電でまかなうという想定をとっておりますが、特に原子力発電の点等を大いに考えなければいけませんのは、その下の行に書いてございますが、将来これくらい火力発電が多くなってきますと、火力発電用の燃料が大きな問題となるわけでございます。現に昨年の下半期の異常渇水のときに火力発電用の石炭の確保について大きな問題をかもしたのでございます。こういった傾向は将来も起るわけでございます。と申しますのは、三十年度に対しまして五十年度には四・七倍の火力発電用の燃料が要るわけでございます。石炭で換算しますと、三千六百六十万トンという石炭が要るわけでございます。非常に膨大な数字でございまして、これをいかにして確保するかという問題が起るわけでございます。その次のページの表の4の上に若干そこらのことも書いておきましたが、後ほど触れますように石炭の国内の将来の出炭量が制約されておりますので、どうしても石炭では三千六百六十万トンの半分、千七百万トン程度しかまかなえない。そうしますと、あげて残りの燃料は油あるいは原子力によるわけでございます。かりに油によるとしますと、大体大ざっぱに計算しまして石炭が二千万トン要りますときには、油にかえますと一千万キロリットルの油でいいわけでございますが、一千万キロリットルという油を一産業に必要とするわけでございます。現在御承知のように、三十二年度でございますが、海上の油その他すべて全産業をまかなう日本の重油の総量は一千万キロリットルないわけでございまして、これを一電力業界で一千万キロリットルを将来確保しないと、これだけの電力をまかなえないという問題が起るわけでございます。一方石炭の千七百万トンという数字も非常に膨大な数字と考えられます。特に御承知のように、日本の石炭の出ますところは北海道、九州、特に北海道のように非常に鉱工業地帯から遠く離れたところに産するわけでございます。しかも電力その他を必要としますのは本州でございまして、そこまで運んでくる運賃の問題も相当大きな問題になるわけであります。重油と違いまして、石炭は御承知のように重油の大体半分のカロリーでございます。極端なことを言いますと、半分は灰になって、また捨てなければならない、非常に運賃上のロスもあるわけであります。そういう場合に、本州の千七百万トンの炭を確保する、そして輸送の積み込み施設その他の点について相当大きな問題を将来起すのではないかという気がするわけでございます。また一方油でございますが、先ほど申し上げましたように、現在全国で使っている以上の油を一電力業界に確保するタンクの設備その他についても相当大きな問題が起るのではないか、そこでどうしても早急に原子力発電によってこの燃料の、特に輸送の問題その他を解決することが緊急の要請となっておるわけでございます。一応原子力のことは後ほど申し上げるとしまして、そういった状況で、まあしかし何とかまかなっていこうと思えばいけるというのがこの数字でございます。
 次に問題は石炭でございます。このページの表の4の下に2石炭として石炭のことを当青いてございますが、このときの、業界を中心としましたときの作業では、昭和四十年度に六千百万トンまで堀っていく、二十年後すなわち昭和五十年度には六千五百万トンまで掘るという計算が提出されたわけでございますが、しかしそれもあげて北海道地区が中心となって増産になるわけでございます。やはり九州も増産にはなりますが、すでに相当炭田も老朽化いたしておりますわけで、あげて今後の増産の増加割合は、北海道地区に多くを期待するわけでございます。
 もう一つこの際にこの作業で得ましたのは、昭和四十年度くらいまでは、大体五千八百万トンくらいまで現状の炭鉱のままでも掘っていける。しかし現状の炭鉱のままで増産を進めますと、一昭和四十年度から下り坂になっていく、だんだん減ってくる。だから結局ここに書いておきましたように、八百六十万トン余りはあげて新鉱を開発する必要がある。しかもその半分余りは北海道の処女炭田を期待するという結論が出ているわけでございます。ただこれに対しまして、最近石炭業界その他では昭和四十年度にもっと掘る、六千六百万トンまで掘る、昭和五十年度には七千二百万トンまで掘るという計算もある方面に提出されておるわけでございますが、現在政府の方でも関係者が寄りまして、この答申をもととして一体六千五百万トンなり七千二百万トンを掘った場合に、一番問題の石炭のコストはどうなるかという点について研究いたしておるわけでございます。今後、先ほど申し上げましたエネルギーの需給問題からいいまして、石炭の必要性はますます多いわけでございますが、問題はやはり値段の問題でございます。石炭の増産に対しましては、投資その他の点から考えましてコストをどう見るべきか、これに対してどの程度まで増産させるがいいかという点が根本になってくるのではないかと存じております。しかしかりにこの答申のように、昭和五十年度に六千五百万トン内地の生産を遂行するとしましても、次のページの表5に掲げておきましたように、それでもやはり先ほど申し上げました一億トン以上の需要には追っつかないわけでございます。そこに差引不足量と書きまして二千九百二十六万トン、大体三千万トンほどの石炭が足らないという結果が出て参るわけでございます。そこで結局先ほど申し上げましたように、この分の大体半分は油に換算しまして重油で補てんするという一応の結果を出したわけでございます。しかもこの石炭の中で一番問題は、その表の5に輸入という欄がございまして、千八百三十五万トン昭和五十年度に輸入する。これはほとんどが原料用炭とそれから無煙炭でございます。日本の石炭界で一番残念なことは、いわゆる鉄鋼用、ガス用としてどうしても必要な原料用炭の出炭割合が非常に少いということでございます。現在でも大体一九%前後しか掘れないわけでございますが、この作業のときにも、選炭を相当強化いたしましても将来は総出炭の二〇%程度しか掘れないというわけで、結局原料炭が不足する。これはあげて海外に依存するということになるわけでございます。現在でも数百万トンの原料用炭はアメリカを中心として輸入しておるわけでございます。最近のように運賃が下ってきますと非常に幸いでございますが、昨年末のようなスエズ動乱のときのように運賃が現在の倍のようになりますと、それだけ鉄鋼用の原料用炭が高くなる。将来国際間で鉄鋼が競争いたしますときにも非常にその点はマイナスになってくるわけでございます。いかにしてこの原料用炭を安く買うか、またどこから買うかという点が最終的には非常に大きな問題でございます。最近鉄鋼では鉄鋼専用船の問題もございますが、これと並んで、あるいはそれ以上に必要なのは、石炭専用船で、安定した運賃で大量に確保するという方法が引き続いて問題になってくるのではないかと思う次第でございます。
 それから最後に油の問題でございます。結局この作業ではそういった石炭の不足をすべて石油で補うという結果にいたしたわけでございます。その結果、終りから二枚目の表を見ていただきますと、表6というのがございます。終りから二枚目の紙でありまして、表6に現在及び将来の原油処理及び石油製品需給という数字がございます。そこの原油処理量、三十年度を見ていただきますと九百四十四万一千キロリットルの処理を三十年度はいたしておるのですが、先ほどのような石炭の不足も油でカバーするとしますと、五十年度に四千五百七十六万キロリットルの油を処理しなければいけない。大体三十年度の五倍近い数字の量を油で供給しなければいかぬということになるわけでございます。従いまして、後ほど中東の油についても御検討下さるわけでございますが、将来この原油をいかにして安定した値段で確保するかという問題が一番大きな問題になるわけでございます。日本の将来のエネルギー対策としてすべて油で帳じりを合せておりますので、将来ここ十年あるいは十数年の間は原油をいかにして確保するかという問題が大きな問題になってくると思う次第でございます。その表でカッコ書きに書いてございますのは、いわゆる国産原油であります。三十年度は三十五万キロリッターしか国内では出ておりませんが、われわれは何とかしてこの十年、二十年先には、百五十万キロリッターまで国内の生産を持っていきたいと思っておりますが、よしんばそれだけ出ましても、相当の原油を海外から輸入しなければいかぬわけであります。もちろん原油は世界の埋蔵量あるいは供給量の点からいいますと、日本のこれくらいの原油の輸入は微々たるもので、大したことはございませんが、安定した値段で安定した時期にどうして入れるかという点が一番問題でございます。そのためには、原油の供給源をどこの国にどういう方法で求めるかという問題が、大きな問題ではないかと思います。
 それからその表の中の供給の欄で輸入という欄がございますが、重油について四十年度、五十年度も製品の輸入をいたしておるわけでございます。石油行政の面から申しますと、原油を輸入いたしまして、すべてそれを国内で精製して、必要な灯油なり、軽油なり、ガソリンなり、重油を仰ぐというのが、一番理想的な方法でございますが、どうしてもこれだけの重油を製品輸入しなければいけない。コストの面からいっても、、相当の不利を忍んで入れなければならないということは、結局ガソリンとの関係でございまして、原油を処理しますときにどうしても一定のガソリンが出るわけでございまして、将来の自動車その他の伸びから考えますと、どうしても全部重油を国内でまかないますと、ガソリンが余るというわけで、やむを得ず重油を製品輸入するわけであります。現在でも製品で重油を輸入いたしました場合と、原油を入れまして国内で重油を作りました場合と、一キロリッター当りで大体二千円から三千円違うということを言われておるわけでございます。これについて、石油業界もこの点を大いに考えなければいけないわけでございます。もう一つの問題は、世界の傾向としまして、原油はもちろんいいのですが、ガソリンも入手しようと思えば輸入はしやすいのですが、重油の伸びの方がガソリンの伸びよりも世界的に早く伸びるわけでございますので、早くこれだけ大きな重油を製品として輸入することができるかどうかという問題も、あわせて研究しなければいかぬわけでございます。そういった点も考えまして、少くともある一定量は早目に原子力発電ということを考え、できるだけ電力用の重油の負担を軽くするということもあわせて考えたらどうかということをこの答申書でも検討されたわけでございます。大体大ざっぱにいって、重油五百万キロリッターを使いまして火力発電をするかわりに、原子力発電に変えたらどれだけの原子力発電設備が要るか、天然ウランでやりますと、大体この種の計算では三百四十万キロワット前後の原子力発電を必要とするという計算が一応出ておるわけでございますが、これは原子力発電の操業率というとおかしいのですが、運転の率をどうするかによって、もっと少くて済むかもわかりませんですが、大体そういった計算が、こういう重油の製品輸入をするという不合理な点をなくする意味からいっても、早急に考えなければいかぬのではないかと思われるのであります。
 次のページに、大ざっぱに、それでは日本のエネルギー全体は将来どういった種類の構成になってくるかというのを、一番最後の表に書いておいたわけでございまして、先ほどから御説明申し上げましたように、一番ふえますのがやはり石油類であります。石油系統は、全エネルギーのうちで三十年度一七%であったのが、将来三三%、二倍になるわけでございます。大体世界の傾向と同じようにふえるわけでございます。それよりも一番問題なのは、表の七にお示し申し上げましたように、国産エネルギーと輸入エネルギーの割合が非常に変ってくる。昭和三十年度には八割まで国産でまかなっておりましたのが、昭和五十年度、二十年先には六割しかまかなえない、四割は海外に依存する、それも大部分は石油である。結局日本の産業の拡大のために一番必要な原動力となりますエネルギーの四割までが海外に依存しなければならない、エネルギーの面からいって、非常に不安定な経済構造になってくるわけであります。ここらの点もわれわれ将来エネルギー対策を考えます際に、大きく言えば、国際間におきまする経済上、政治的な日本の地位の確立もあわせて要求されるのであります。
 次にもう一つの表で簡単に最近の見通しを申し上げますと、三十二年度エネルギー需給見通しという表がございますが、一番最初の表は、これを全部各エネルギーを石炭に換算いたしまして、石炭換算で総エネルギーがどのように三十年度以降推移してきたかということを表わしてございます。終りから四行目に石炭換算計というのがございまして、三十年度は大体一億九百四十六万トン程度でありますが、それが三十一年度には一億二千四百六十五万トンにふえ、また先般経済企画庁の方で発表しましたように、三十二年度はさらに三十一年度に対しまして鉱工業生産一二・五%増を遂行するためには、一億三千五百四十四万八千トンの石炭が要るわけでございます。前年度に対しまする伸び率をそこに書いておきましたが、三十一年度は三十年度に対しまして一四%も伸び、三十二年度は三十一年度に対して一八%も伸びるわけでございます。
 ここで一つ大きな問題が、将来のエネルギー需給見通しの算定に関して起るわけでございますが、大体世界でも、あるいはわが国の過去におきましても、エネルギーの伸びと国民総生産の伸びとの割合には一つの関連があるわけでございます。抽象的に申しますと、国民総生産の伸び率よりもエネルギーの伸び率の方が下回っておるわけでございます。現にまだはっきりした三十一年度の国民総生産の実績が出ませんが、大体現在の見込みでは、三十年度に対する三十一年度の国民総生産の伸び率は一一・二%と推定されておるわけでございます。三十一年度から三十二年度に対する国民総生産の伸び率は七・六%でございます。それはいずれも三十一年度、三十二年において
 エネルギーがこれをオーバーするという見通しになっておるわけでございます。これをどう見るか。過去においてあり得なかったことでございます。ある人に言わせますと、これはエネルギーの使い方が異常であるという見方もあるわけでございます。そういう点もここをべースにしてあとをマクロ的にやったのでは、将来二十年、三十年先の見通しを相当大きく誤まるのじゃないかという見方もあるわけでございます。そこらは今後の足取りをよくわれわれとしても検討していく必要があるのじゃないか。あるいは科学技術の進歩に伴いまして、エネルギーの消費効率はよくなるとともに、またエネルギーの使い方も多くなってくるのじゃないか。過去の伸び以上に使い方も多くなってくるのじゃないかという見方もあるわけでございますが、いずれにしましてもそういう点に問題があるわけでございます。
 その次の二ページに、電力の需給見通しを出してあるわけでございまして、ただいま申しましたエネルギーの伸び率の中でも、一番伸びておりますのが電力でございまして、電力が一番伸びておりますのは、国内の各産業の伸びが非常に伸びました点もございますが、特に電解電炉の伸びが非常に激しかったわけでございます。カーバイド、電気銑その他の伸びが非常に多いわけでございます。そうしまして片一方遺憾ながら、電源開発の方が伴いませんので、やむを得ず、三十一年度も非常に苦しい状況でございましたが、現在繰り上げその他の開発をやっておるわけでございます。どうしましても時期的に三十二年度はあらゆる谷間になるわけでございます。そういう結果昭和三十二年度におきましても遺憾ながら一応各業界の需要見通しに対しまして、二十七億キロワット・アワー不足するわけでございます。もちろんこれは平水べースでございますが、その不足する地域は御承知のように主として東北、北陸でございます。これにつきましては過般来できるだけ電力融通その他の手を打ちまして確保するようにいたしておる次第でございます。またそれと関連しましてできるだけ不足を補うためにその右の表にございますように、現在の火力発電所をフルに動かしてやる必要があるわけでございます。従いまして火力発電用の燃料も非常に膨大に必要になってくる次第でございます。三十一年度はそこに書いておきましたように異常渇水もございまして、大体石炭換算で一千万トン近い燃料を必要としたのでございますが、三十二年度におきましてはさらにそれを上回りまして千四百五十万トン余りの石炭を必要とするわけでございます。この点につきましては次に述べます石炭の需給その他から考えまして、できるだけ油を使っていくようにしまして、何とか電力の供給を確保しようということに努めておるわけでございます。
 次の三枚目のところに三十二年度の石炭の需給見通しを書いてございますが、これにつきましては後ほどまた石炭局長から詳しく御説明申し上げると思いますが、まず問題の生産につきましては、最近の異常な石炭の伸びに対応しまして、先般五千二百七十万トンという出炭計画を立てまして、現在これに邁進いたしておるわけでございますが、最近の四月、五月の出炭状況から考えますと、今のところではこのままでいけば優にこれ以上の出炭が確保し得るような見通しを持っておるような次第でございます。
 一番最後に重油を中心としました石油関係の需給見通しをお示ししてございます。そこで特にごらんいただきたいのは、三十、三十一、三十二年を通じまして、需要の欄の重油の内需が非常に伸びてきておるわけでございます。たとえば三十年度の重油の内需五百八十一万六千キロリットルでありましたのが、三十一年度は七百三十万キロリットル、それから本年度はもしも平水でございますと電力が相当の油をたきますので、九百五十一万ほど必要となってくる。非常に重油の伸び方が顕著になってきておる次第でございます。通じまして、三十二年度、一応石炭、重油その他について極力確保するようにいたしておりますが、やはり相当の豊水がございませんと、電力につきましては本年度だけは一番谷間になっておりますので、なかなか苦しいという状況になっておる次第でございます。

発言情報

speech_id: 102604514X00119570610_002

発言者: 石井秀平

speaker_id: 15654

日付: 1957-06-10

院: 衆議院

会議名: 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会