大村清一の発言 (内閣委員会公聴会)

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○大村委員 和歌森教授の御公述の中に、建国記念日またはこれに類する祝祭日の点につきまして、諸外国の例のお話があったのでありますが、そのうちで建国日を持っている国は多くは若い国であって、英国のごとき古い国は建国日が定まっていないというお話があったのであります。私は英国が建国日を持っていないのは、古いから持っていないというわけではなくて、ほかに理由があるのではないかという疑問を持つのであります。これについての私の疑問を解いてほしいと思うのであります。
 その疑問と申しますのは、私は英国が建国日を持たないのは、持たないだけの理由があるのではないかと思うのであります。私詳しく記憶はしておりませんが、聞き覚えによりますと、英国はあのイングランド、アイルランド等の諸島に住む英国民族は、歴史的に申しまして王朝が分れておった。そうして英国としての統一が歴史上なかった場合が相当長かった、ことに現在の英国王朝も、ヨーロッパ大陸から征服的な関係で国を建てているというような特殊事情がございますので、建国記念日を作ることが英国には適当でないというような事情があったのでありまして、古い国だから建国日は持たなかったというように考えられないと思うのであります。わが国は英国以上の古い歴史を持っており、しかも二千年も前に大和王朝が国を建てまして、自来連綿として日本民族及び大和王朝というものは今日まで続いてきておるのであります。このような古い歴史を持っておりますわが国民性といたしまして、祖先を尊び家の歴史を重んずるという風習は大いに存在しておると思うのであります。歌舞伎を見ましても、命をかけての太刀合いをする際におきましては、祖先以来の名誉ある家の経歴を述べてそうして家の名誉を傷つけないような行動をしようということで命のやりとりをするというようなことも、子供のじぶんから見せつけられておるのでありまして、家を尊ぶという風習が日本に古来あると私は固く信ずるものであります。そういうような国、民族におきまして、建国記念日を作りたいという欲求のあることは、民族の要求であるように思うのであります。すなわち歴史が古いから建国記念日を持たないということで片づけてしまうわけにいかないのじゃないかという点に多大の疑問を持っておるわけであります。願わくばこの点について学問的御解説を伺えればはなはだ仕合せだと思うのであります。

発言情報

speech_id: 102604914X00119570508_011

発言者: 大村清一

speaker_id: 21649

日付: 1957-05-08

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会公聴会