灘尾弘吉の発言 (文教委員会)
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○灘尾国務大臣 ただいま議題となりました社会教育法の一部を改正する法律案についてその提案の理由を御説明申し上げます。
昭和二十四年社会教育法制定以来、わが国の社会教育は、これに基いて展開されて参っているのでありますが、もともと社会教育活動の領域は非常に広く、これに関する事業を行うことを目的とする団体もきわめて多岐にわたるのであります。
従来こうした社会教育関係団体については、その団体が自主的組織による民間団体であることにかんがみ、国及び地方公共団体は、これらの社会教育関係団体に対して補助を行わない方針のもとに、社会教育法にもその旨の規定が設けられているのであります。
しかしながら社会教育法制定当時とは異なり、現在ではすべての社会教育関係団体に対して一律に以上の方針で臨むことについては必ずしも実情に即さないものがあるのであります。
特に運動競技に関して全国的及び国際的な事業を行うことを主たる目的とする団体においては、当該団体のみの自主的活動にすべてを依存してしまうことはほとんど不可能な状態であり、現在このことが社会体育の振興上大きな問題となっているのであります。
このような団体については、その事業の性質及び規模等にかんがみ、当面の問題として、国は国家的見地からこれを援助する必要があると思われるのでありますが、これら民間スポーツ団体の活動を助成するため、国は緊急に必要な措置を講ずるよう各方面からも強い要望が起っているのであります。
以上のような理由により、社会教育関係団体のうちで運動競技に関する全国的及び国際的な事業を行うことを主たる目的とする団体に対しては、当分の間、国はその事業遂行に必要な経費について助成できる道を開き、これらの団体が円滑に事業を遂行できるようにいたしたいのであります。
以上がこの法律案の提案理由であります。
次に公立小学校不正常授業解消促進臨時措置法の一部を改正する法律案について、提案の理由と内容の概要を御説明いたします。
御承知の通り、この法律は、戦後の急激な小学校の児童数の増加によって発生した二部授業、詰め込み授業、あるいは講堂、屋内運動場の間仕切り教室や、仮校舎等で行われている授業等、いわゆる不正常授業の解消を促進するために制定されたのであります。
しかしながら、この法律も他のこれと同種の法令と同様に、国の補助金算定の基準日を当該年度の五月一日としているために、従来五月二日以降に発生する不正常授業については、当該年度中にこの法律に基く国庫補助金を交付することができなかったのであります。
近年、国、地方公共団体及び日本住宅公団等の行う住宅の建設により、一つのまとまった地域に相当多数の住宅が集団的に建築される例が多くなってきましたが、このような地域では、一時的にかつ多数の児童が増加しますので、その近隣の学校では極度の校舎不足に陥り、校舎の増築を必要とする例が多くなったのであります。
以上御説明申し上げましたような事情から、集団住宅の建設に伴い発生する不正常授業のうち、毎年度五月二日以降に発生するものにつきましても国庫補助金を交付することができるようにし、小学校教育の円滑な運営を期したいと考えるのでございます。これがこの改正案を提案する理由でございます。
法案の内容といたしましては、国、地方公共団体、日本住宅公団等が建設する集団的な住宅の建設に伴い、発生する公立小学校の不正常授業のすみやかな解消をはかるため、補助金算定の基礎として、当該年度の五月一日現在の児童数をとる現行法の建前に対して五月二日以降の日における児童数をとり得るよう特別の規定を設けるものであります。
以上がこの法律案の提案の理由と内容の概要であります。
次に今回政府から提出いたしました理科教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申しあげます。
現在、わが国の急務とされている科学水準の向上をはかるためには、初等教育及び中等教育における理科教育を一段と充実させ振興させる必要があるのであります。
このため従来、理科教育振興法に基き、公立学校に対しては、相当の援助を行なってきたのでありますが、さらに私立学校に対しても公立学校と同様の措置を行うことが適当であると考えるのであります。
この法律案は、以上の理由によりまして、国の補助を私立学校に及ぼすとともに関係規定の整備をいたしたものであります。
次に私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
私立大学がわが国の高等教育において重要な地位を占めており、人材の養成はもちろんのこと、学術の研究においても、わが国学術の振興上重要な使命をになっていることは申すまでもありません。
このような私立大学の使命とその研究設備の状況にかんがみ、昭和二十八年度以来、私立大学の基礎的な研究設備の整備について助成の措置を講じてきたのでありますが、政府はその重要性にかんがみ、この際私立大学の研究設備に対する国の補助に関する制度を確立することがきわめて適当であると認めまして、本法律案を提出した次第であります。
次に、法律案の内容の概略を申し上げます。
第一は、私立大学を設置する学校法人に対し、予算の範囲内で、その学校法人の設置する大学が行う学術の基礎的研究に通常必要な設備の購入費の二分の一以内を補助することを規定いたしたことであります。
第二は、補助に関する配分の方針または交付の決定を適正に行うために、私立大学研究設備審議会を設け、その意見を聞くべきことを規定するとともに、関係法律の規定の整備をいたしたことであります。
以上各案につきまして何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御賛同あらんことを希望いたします。