太田正孝の発言 (本会議)

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○太田正孝君 私は、ここに、政府与党たる自由民主党を代表し、政府の施政方針に対して質疑をいたしますとともに、政府をして、施政方針演説の足らざるを補って、国会を通じて国民に対する説明の機会を得るようにいたしたいと思うのであります。
 申すまでもなく、内外の情勢は目まぐるしいほど動いております。問題も山積しております。すなわち、外に対しては、世界情勢の推移に対処する適切なる自主外交を推進すべく、内に向っては、いわゆる神武景気といわれるうちにあって、この恩恵に漏れたるものをも含みつつ、財政経済の施策に遺算なきを期せねばなりません。
 この意味において、質問の第は外交問題であります。質問の第二は財政経済問題であります。質問の第三は、二大政党発展のためにする議会政治の根本理念についてでございます。私は、民主政治は、国民をして、その生業に対し、その生活に対し、その政治意欲を遂行するに対し、安心感を高めるにあると信じているのであります。この見地に立ちまして、外交と、財政経済と、政治運営問題について質疑を進めるのでございます。
 まず、外交問題について質問をいたします。
 昨年の秋、スエズ運河の閉鎖以来、いわゆる中東問題やハンガリー問題を中心として、米ソの対立は一段と深刻なるものがあります。一方に、アイゼンハワーは、その強硬政策を意味する、いわゆるアイク・ドクトリンを推進せんとし、他方に、ソ連は、中共の周恩来と結んで、再びスターリン主義へ転回せんとする傾向を示しています。この間、イギリスにおけるイーデン内閣の退陣や、中東諸国の動きなどを見ますると、底気味の悪い、四海波穏やかならざるものもあるやに見受けられるのでございます。外務大臣は世界情勢の底に流れる緊張の度がゆるやかになっておると判断せられておりますが、その根拠を御説明願いたいのであります。
 また、わが国として国連加入を足場としてなすべき重大なる義務があり、外務大臣も国連外交を強調されていますが、この世界外交に対する所信を承わりたいのであります。
 それにつけましても、アメリカがわが国に原子力支援部隊を設けたいとの海外報道が、昨日、鈴木委員長に対する外務大臣の答弁において、そのしからざることを聞いて、国民も安心されたことと存じます。同時に、イギリスが近く太平洋上クリスマス島において原爆実験を行わんとすることについては、それが直接に漁業者の利益に重大な関係を持つ上におきましても、広く人道主義の見地からいたしましても、いかなる交渉をされていますか、その経緯を示されたいと思うのでございます。
 外交施策のうちにあって特に力を置くべきは、経済外交の線を推し進めることでございます。世のいわゆる神武景気といわれるものの主力は、貿易の好調なることにあります。このときに当りまして、アメリカにおける景気の推移は、国防予算の増加等により一段の好況を続けることと思いますが、最近アメリカがわが国よりする別珍等の綿織物輸出を制限することは、わが国の中小企業等に少からざる打撃を与えておりまするし、また共産主義国に対するいわゆるココム方式による輸出制限を強化せんとする現われなど、まことに寒心にたえざるものがあります。外務大臣は、自由陣営との協調を推進すると申しておりまするが、対ソ外交の開始とも関連して、最も重視さるべき対米外交をいかに推進せんとするのでございますか。外交はわが国の立場を相手国に向って率直に反映せしめるにありと言われましたが、これらの問題につき、果してアメリカをして納得せしめていますかを伺いたいのであります。
 また、中共貿易の促進は経済外交の重点でもありますが、貿易の実体が民間にあるにいたしましても、輸出品目の拡充と通商代表部の設置と支払い決済の三点は、民間を離れ、外交の線を通じて行うべきものであると信じますが、これまた、アメリカの態度等に顧みまして、よくわが国の立場を納得せしめつり、その目的達成に遺算なきを期しておられるかどうか、外務大臣の施策をお伺いするのでございます。
 さらに、スエズ運河は向う五、六カ月にして開通せんとし、欧州共同市場は、この二月中旬、すなわち旬日にして結成が行われ、関税同盟も出現を見んとしておるのであります。そうなりますると、わが国の対欧州貿易はもちろん、ヨーロッパ諸国よりする東南アジア並びに中東貿易との関係にも影響するところ少くないと思われます。このとき通商貿易対策と並んで打つべき外交施策はいかがあるべきでございましようか。
 なお、日ソ漁業交渉は、出漁準備の問題もあり、取り急ぐべきものでありますが、その交渉の経緯を示していただきたいのであります。
 さらに、日韓国交の回復は、わが漁民等の送還という切実なる問題にもからみまして、いかに解決せんとするのでありますか。
 これらの諸点につきまして答弁を煩わしたいのであります。
 ここに一言いたしたいのは、外務大臣が外交方針として外交と国内政治の一本化を強調せられておることは、私も双手をあげて賛成するところでございます。(拍手)これによって官僚外交を排除されまして、国民をして外交に近づけしめます。国民をして、平和の維持に、経済の発展に、安心感を抱かしめるからであります。ひたすらその実現を期待してやみません。
 次に、財政経済問題の質疑に入ります。大蔵大臣、その演説におきまして、過去三カ年にわたる健全化の政策と、世界経済の空前の繁栄とにささえられて、わが国の経済の基調が安定し、ここに拡大経済を推進するに至ったことを述べられております。思えば、この三年間粒々辛苦して財政作業を続けられた世のいわゆる一兆円予算時代を、ここに拡大予算時代に切りかえ、一方に一千億円の減税を行い、相並んで一千億円の積極施策を行い、ややもすれば相矛盾せんとする減税と積極政策との二つの目的を達成せんとするのでございます。いわば、一度谷の底まで下って固めた足場から高い山に登らんとするにもたとうべきものと思われるのでございます。(拍手)それが、わが党にとり、わが政府にとり、愉快きわまる目標であることはいうまでもございません。(拍手)同時に、この目的を達成するには万全の用意を持ってするのでなければ、その意図する健全財政を台なしにしないとも限らないのでございます。この意味におきまして昭和三十二年度予算の本質を検討し、国民をして信頼感を得せしめるために、次の三点に留意して答弁せられんことを願うのでございます。
 すなわち、その一つは、歳入における自然増収と景気の見通しでございます。その二は、主として歳出に関連いたしまして、世のいわゆるインフレ要因に対し、断じてこれに陥らざる対策ありやということでございます。その三は、国家財政と地方財政とが相待って一体となって推進されなければならぬということでございます。
 まず、歳入の見積りが妥当であるかの問題は、財政問題審議の第一前提であります。しかるに、近来この点に関する論議がとかく一般におろそかにされていることは、私の遺憾にたえないところでございます。かつて、昭和六年度の有名なる井上準之助氏による財政がその点を閑却いたしましたため、ついに財政上の赤字なる新しい言葉さえ生み出されているのでございまして、今日に至るまで、これが通語となっている次第であります。明年度の財政が、一方に減税、他方に積極施策を行わんといたしますのも、その財源といたしまして、財政投融資関係は別とし、二千億円に近い自然増収を見込み得るものとしたからでございます。この自然増収は、とりもなおさず、向う一カ年間における経済の動向、すなわち、俗にいう景気判断を基調として算出されたものであります。また、予算そのものにおきましても、向う一カ年間物価は横ばいをするという立場をとっており、わずかに人件費の単価において六・二%、物件費におきまして五・二%のわずかなる引き上げを見込み、おおむね前年度の見積りに準じて作成されたものでございます。申すまでもなく、景気判断の作業は困難なるものと思います。また困難であったと思います。世のいわゆる神武景気を築き上げているものは、貿易の好調であること、豊作が二年も続いたということ、設備投資の盛んであることの三点に集約され、また指摘されておるのでございます。果して今日の好況が持続するやいなやの判断もまたこの三点に置かれねばなりません。(拍手)
 まず、貿易関係はどうでございましょうか。貿易が好調を続けるためには、特に輸入に関連する国際収支とも関係いたしますが、内にあっては、物価が上らない、技術が向上する、よく国際間の競争に耐え得る力のあるとともに、関係諸外国のわが国に対する態度いかんにかかっておるのでございます。しかるに、アメリカにおいて、依然として農産物を初めわが国に関係のある国内産業保護の声が消えておりません。また、ヨーロッパ諸国におきましても、特恵関税による共同市場が築かれんとしております。中共貿易またこれを拡大することの容易でないことなどを考えますると、大蔵大臣は、外交施策なり通商施策なりとにらみ合せて貿易の好調が続くものとされた、その根拠を示されたいのであります。
 次に、農作物に関しましてほどうでございましょうか。豊作は二年以上続かないと昔から伝えられておりますが、今日における農業技術の非常なる進歩といい、肥料や農薬などの高度の発達などを考えますと、古い人たちの言われた言葉を直ちに今日に移すことはできませんが、もし不作となりましたときは、昭和二十八年度に食糧の緊急輸入のやむなきに至ったことも思い出され、これまた景気観測上の困難なる作業であると思います。もしそれ設備投資による景気に至りましては、資金の放出と融通を主力といたしておりますが、隘路を開かんとして新たなる隘路を生ずるなどのことを考えますと、これまた景気判断の困難なるものがあります。よって、大蔵大臣は、以上の三点に留意され、自然増収を算出された基本観を申し述べていただきたいのであります。もとより、財政における自然増収の多いということは、苛斂誅求をするというような場合は別といたしまして、私たちの望むところであり、大蔵大臣もこれが国民の努力によるものとして感謝されているのでございます。言うまでもなく、二千億円の自然増収は、これまでの制度のままで、減税のないときに比べましてのことでございます。二割見当の増収といいましたならば、わが国はもとより、諸外国にもその例に乏しいほどであります。また、三十一年度の、現年度の自然増収が一千億円であるということを考えましても、その倍率に当る大きいもので売ります。私は、万が一にもこの見積りに誤算を生ずることがありましたならば、予定の収入を得られないときに、税務官吏が予算上の収入を得んとして苛斂誅求となることを憂えるのでございます。(拍手)一方において減税を受くる者がある反面に、他方において苛斂誅求を受け、しかも、それが減税の恩典を受くることの薄い中小企業者等に及ぼすことのないように念願してやまないのでございます。(拍手)従って、景気観測を出発点として、この自然増収の確実なることを国民に知らしめるために、国民をして安定感を得せしめるために、御説明を願いたいと思うのでございます。
 なお、この自然増収の中には、従来の滞納が、景気の上昇につれまして、国庫に入ったものがあるではないかと思いまするが、もししかりといたしましたならば、徴収の公平という立場、税を納めた正直者がばかを見てはならないという意味からも、滞納の整理成績を示されたいのであります。もっとも、滞納による収入の回復は、その年限り一年度限りのものであることは注意されなければなりません。
 もう一つ申したいことは、この自然増収の予想が予算編成中に次第に高められたと記憶しております。また、同じ租税収入の見積りにつきまして、国税と地方税との間に同じ方向で行われたかということであります。国税の見積りは次第に増大してきました。しかるに、地方税の見積りは、大蔵省が一千億円と見たことが、自治庁当局との交渉により、七百億円に減ぜられておるということは、いかなる理由によるものでございましょうか。地方税において、政府の設備を拡大する政策などによって、当然増大すべき船舶や家屋などの固定資産税等の見込みに双方の間に差があったからではないかと思いますが、一方に国税は見積りを増し、他方に地方税の見積りを減額したというその経過もあわせて示されて、自然増収見積りの断じて過大にならざることを御説明願いたいのであります。(拍手)
 次は、歳出とインフレ対策の問題であります。ここに提出された予算案に対し、これがインフレを刺激するのではないかという世間の批評があります。これまでの財政施策は、インフレに対して中正であった。物価を高めずに貨幣価値を維持したというのに対する新予算に関する世間の批判であります。しかして、そのインフレ要因として指摘せらるるものは、おおむね次の点、すなわち、減税や給与引き上げによる消費力の増加によってインフレを招くのではないか、鉄道運賃やガソリン税の引き上げによってインフレに導くのではないか、さらに、積極施策による歳出の放出によってインフレとならぬかなどの問題であります。この点については、学者の間にも実際家の間にも観測を異にしていますが、経済財政施策の局に当る政府として万全の措置を講ずべきことを期待し、あくまでインフレを紡ぎつつ健全財政を堅持し得ることにつきまして、国民に信頼感を得せしめるようにありたいと存ずるのであります。(拍手)
 積極政策と申しますが、一千億円中、給料の引き上げ等の増加を別にすれば、半額の五百億円以下であります。わが党の要求する積極施策は、政府との交渉過程に見る通り、いまだ満たされざるものが巨額であります。すなわち、社会保障における生活保護関係や、農林業、中小企業対策や、完全雇用のいわゆるフィジカル・ポリシーの具現化など、満たされざるものが巨額にあるのでございます。わが党による積極施策をこの上とも進めていく上においても、インフレに断じて陥らざるよう切に期待してやまないのでございます。(拍手)ことに、この点は、職として財政と金融との調整に当るべき大蔵大臣の精進を願わなければならぬのであります。
 それにしても、経済企画庁の一月の経済月報におきまして、さしあたりはインフレを警戒すべく、行く先はデフレを警戒すべき旨を公けにされております。その臨機の措置に出ずべきことは、これは正しいことでございますが、表現が刺激的ではないかと思います。ことに、二月という租税納期の関係や、輸入関係で、財政の引き揚げ超過が二千二百億円にも及ぶであろうと考えられますときに、現に、金融機関の窓口にかけつけて、早く借りたい、金利の安いうちに借りたい、買いだめもできるならばしたいという金融の忙しい昨今、刺激的の文句は差し控えられたく、特に職として金融調整の任に当る大蔵大臣に御注意を促す次第であります。雨が降るなら、かさを持つべきであります。それはどの雨でもないのに、外套を持て、長ぐつをはけというのも考えものではないかと私は思うのでございます。(拍手)要は、インフレを防止することについて国民の信頼感を高めしめたいということにあります。もちろん、インフレ対策は政府のみの力で及ばぬ点があります。事業界や、金融界や、一般消費階級の全面的の協力を要することであります。大蔵大臣の演説中にも、この点に関する言葉を差しはさまれておりまするが、この点については、広く民間に対し一段の要望を強調されるのがしかるべきことかと存じます。あえてつけ加えて申し上げる次第でございます。
 大蔵大臣に対する質問は、国家財政と地方財政との調整についてでございます。よく中央、地方を通ずる財政とか税制とかいわれますが、実は国家財政本位に事が進められまして、いつもいつも地方財政のことがおろそかにされてきたということは、私の残念しごくに思うところであります。(拍手)明けて一昨年末の臨時国会が、地方財政の運営がどうにもならず、百八十億円に及ぶ巨額の交付税交付金を国家財政から穴埋めしてしのいだことも考えねばなりません。申すまでもなく、国家予算の一兆円余に対し、地方財政もそれをこす同じく一兆円余でありまして、しかも、国の予算の四、五割というものが地方を通じて行われるのでございます。かくのごとくに、地方財政は、自治体のみずからの力、自治体の自主性によって運行されるとは申しながら、国家財政と並ぶ車の両輪にたとうべき重要な役割を占めておるのでございます。総理大臣や大蔵大臣は、その演説におきまして、地方財政も健全に向っていると言われておりまするが、また、新規に公営企業に対する金融公庫を作らんといたしまするのは、数年来の地方の要望に沿うものとして、私の賛意を表するところでありまするけれども、全体としてこれを見るときには、少からず地方財政の安定性もしくは健全性について疑義を抱くのでございます。すなわち、この予算は、国税を減税するために地方財政にはね返る点を深く考えられていないのではないかと思われるのでございます。私は、現在、所得税と法人税と酒税という三大国税の四分の一に当る二割五分を国が交付税として地方団体に出しているということには、ある意味の限界に来ているのではないかとさえ思っておりますが、しかし、それは、国税を減税した場合に、現在額を低下することはいけないという意味でございまして、地方交付税へのはね返りを満たすことを考えずに、交付税を一分増して二割六分としただけで事を済ますべきものではないと思うのでございます。これは、せっかく立ち直りつつある自治体のために考うべきことではないでしょうか。私は、決して、地方財政に対して甘い考えで、これを放漫に導こうとするものではございません。それどころではない。地方自治体にあっては、人員も整理し、昇給もせず、昇給を見送るものが少くないなど、まことに涙ぐましい状況を現実に見ておるからであります。
 もう一つは、地方債整理の問題であります。それも、明年度分については、交付税を通じ、給料関係や公共事業関係などの地方債に対する利子補給をするとのことでございますが、かかる金繰りだけで一時をしのぐことをせず、きっぱりと根本的に地方債問題を解決すべきものではないかと思うのでございます。(拍手)地方団体といたしましては、とまどいすることになるのではないでしょうか。また、新市町村の建設促進のことは、政府の予算編成方針にも出ている唯一の項目でありますが、前年度が町村合併費と合せて十億円でありましたものが、促進費として少し増額して十四億円となっているのであります。一町村に対する事業費をわずか四百万円に査定し、その半額を補助するということでございますが、今の新市町村の基準人口を構成している一万四、五千人と相対してみますると、事業費が一人当り三百円にも満たないのでありまして、その半額を国庫から出すということであります。御承知のごとく、この三月を期して、新市町村計画は一段落をいたします。これは明治二十一年以来七十年近い同にわたる自治制度の大改革であります。これを出発点として、郡制、府県制、あるいは道州制にも及ぶ地方制度の改革が進められんとする重大時期であります。しかも、現在は、町村が合併し、区域を広げたというだけであります。新たに町村のなわ張りができただけでありまして、その中身は整っていないのであります。消防自動車の通らないような道路の整備や、学校の統合や、通信連絡機関の拡充など、それもこれもと目を見てやらなければならぬことが多いのであります。それとも、この点については私の知らない予算措置でもあるというのでございますか、承わりたい。私は、民主政治の発達は地方自治体を基調とする見地からも、以上の諸点はとくと考えられたいと思うのでございます。
 ちなみに申し上げます。大蔵省の事務当局の財政技術は巧妙であるかもしれませんが、もともと、予算は、国民から税を取り、これを支出するという、入った金と出る金を明示すべきものであります。すべては国民の金であります。国民のわからない予算や収支はあるべきはずのものではございません。この意味におきまして、今回食糧管理特別会計が赤字のまま提出されたこと、三十一年度に予定する剰余金による財源のあること、少くとも三十年度の決算は確定し、その赤字も明らかであることなどから見まして、了解に苦しむ次第であります。いわんや、問題が政治問題化されんとしておるからでございます。これらの点は、減税施策における間接税に関する考え方等、残されたる幾多の問題とともに、同僚の方々なり、予算委員会等において、ただされることと存じます。
 終りに、政治問題について内閣総理大臣に質問いたします、総理の施政方針の第一は、国会運営の正常化であります。両党が互いに話し合い、政治に対する国民の信用を回復せんとすると言われています。最近における国会運営の経過に見て、当然過ぎるほど当然なことであります。また、国会運営は、国会法の改正を中心といたしまして、国会みずから処理すべき問題であります。また、わが党が、みずからも、世評にかんがみ、改むべきことを改むることについては、きわめて謙虚でなければなりません。しかし、ここに日本社会党と話し合ってと申していますが、その中心となるべき課題は、議会政治の確立、さらに議会中心主義の堅持ということであると信じます。(拍手)私は他党の運動方針などかれこれ申すものではありませんが、わが党として、政府として、議会政治を守り抜き、議会中心主義を高揚すべきことは、いかに強調しても足らないとさえ思うのでございます。(拍手)議会政治は暴力を排します。議会中心主義は革命的行動を絶対に排除するのであります。(拍手)言論によって外交、政治、経済に関する施策を批判し、国会をして文字通り国政の最高峰に推進しなければならぬのであります。私は、二大政党の発展を期待する意味におきまして、政府の話し合いの中心となるべきものが、徹頭徹尾議会政治を守り抜く議会中心主義であるべきことの、政府としての信念を抱いておるかをただしたいのであります。とりもなおさず、議会政治を守り抜き、議会中心によって政治を運行していくことこそ、国民に対し政治上の安心感を与える第一義であると信ずるからであります。(拍手)
 要するに、外交に、経済に、政治に、国民の安心感を高めしめる意味において、私の質問を貫いたのでございます。(拍手)

発言情報

speech_id: 102605254X00519570205_007

発言者: 太田正孝

speaker_id: 9903

日付: 1957-02-05

院: 衆議院

会議名: 本会議