廣瀬久忠の発言 (本会議)
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○廣瀬久忠君 ただいま議題となりました五つの法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
産業投資特別会計は、経済の再建、産業の開発及び貿易の振興の目的をもって設置されたものでありますが、その財源は、きわめて弾力性に乏しく、今後の経済の情勢に適応した投資を行うに際して、財源の不足が見込まれますので、その財源の一部を補足すべき原資の確保をはかるため、この会計に資金を設け、一般会計からの繰入金等をもってこれに充てることとし、昭和三十一年度補正予算において、三百億円を限り、この会計の資金に繰り入れようとするものであります。なお資金は、設置の目的から、この会計の歳入歳出を通じて使用することとし、また、その資金を投資に使用しない場合には、資金運用部に預託し、その利子は資金に組み入れることとしております。
委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、平林委員より、「剰余金と公債、借入金の償還財源に関する財政法第六条の精神から見て疑問があること、また、三十一年度の自然増収は、まず緊急性のある食管会計の赤字を補てんすべきであること、また自然増収は低額所得者の減税に充てるべきであるということ、さらにまた、三十三年度の繰入額百五十億円の使途は不明であるから、行き過ぎの措置と思われること、これらの理由によって本法案に反対する」との反対意見が述べられました。
採決の結果、多数をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、とん税法案について申し上げます。
今回、諸般の事情よりいたしまして、現行のとん税一本の制度を改め、とん税と特別とん税との二つの法案に分ち、その税率を引き上げようとするものであります。
とん税法案の内容の概略を申し上げますと、税率については、現行の純トン数一トンごとに五円を八円に、一年分を一時に納付する場合は一トンごとに十五円から二十四円に引き上げようとするものであります。その他、納税義務者、納付の時期、納税の告知、罰則の改正等所要の改正を行い、全文を書き改めております。なお、この税率引き上げにより、昭和三十二年度において約一億七千六百万円の増収が見込まれております。
委員会の審議におきましては、とん税と特別とん税に分けた理由いかん、とん税を地方に譲与しない理由ほどういうわけか、また、港湾施設の費用等について質疑応答がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、大矢委員より、「とん税についても地方自治体に譲与すべきであること、また、立法形式はむしろ一本化すべきである」との反対意見が述べられました。
採決の結果、多数をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、特別とん税法案について申し上げます。
本案は、別途提出されております地方税の外航船舶の固定資産税引き下げ措置とも関連いたしまして、開港所在の市町村等に財源を譲与するため、外国貿易船の開港への入港について特別とん税を新たに設けようとするものであります。
内容の概略を申し上げますと、第一に、税率は、その純トン数一トンごとに十円、一年分を一時に納付する場合には三十円としております。第二は、その徴収は、税関がとん税と合わせて徴収することとし、その納税義務者、納期等については、とん税の場合と同様とする等、所要事項を規定いたしております。なお、この特別とん税による昭和三十二年度の収入は約五億八千六百万円と見込まれ、これは別途、他の法律で、開港所在の市町村等に譲与することになっております。
委員会の審議におきましては、固定資産税との関係等について質疑応答がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論、採決の結果、多数をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、日本国有鉄道に対する政府貸付金の償還期限の延期に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
まず、提案の理由並びに内容について申し上げます。政府は、昭和二十四年度において、日本国有鉄道の歳入不足を補てんするため、三十億五千二百三十六万三千円の貸付をなし、その償還期限を、当初、昭和二十八年三月一日と定めたのであります。その後、日本国有鉄道の財政状況にかんがみ、二回にわたり、その償還期限の延長の措置を講じてきたのでありますが、本年四月三十日にその償還期限が到来することとなっておるのであります。しかし、日本国有鉄道の財政状況からして、予定通り政府貸付金の全額を償還することが困難な状況にありますので、日本国有鉄道の弁済能力を考慮して、右の政府貸付金をさらに延長し、分割償還の方法によって返済せしめようとするものであります。すなわち、昭和三十二年度においては六億五千二百三十六万三千円を償還し、残余二十四億円を、昭和三十三年度から三十六年度までの各年度において六億円ずつ分割償還しようというものであります。
委員会における審議におきましては、国鉄借入金の総額及びその内訳いかん、運賃改訂と債務償還との関係いかん、経営合理化の問題、財政再建の方針等について質疑応答がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、平林委員より、「今回の償還計画は、運賃値上げを前提とするものであるがゆえに反対する」との反対意見が述べられ、採決の結果、多数をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
最後に、印紙税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、為替手形、約束手形に関する税率の改正等を行おうとするものであります。その内容の概略を申し上げますと、現行税率は、記載金高にかかわらず定額十円となっておりますのを、借用証書との関連等を勘案いたしまして、最低、記載金高十万円以下のもの二十円より、最高、記載金高一千万円超のもの千円までの六段階の階級別定額税率に改めようとするものであります。ただし、一覧払、外貨表示、金融機関相互間の手形については、その性格等にかんがみ、定額二十円の税率としております。その他、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
なお、衆議院において、記載金高三十万円以下のもの三十円の税率一段階を新設する修正が行われたのであります。
委員会の審議におきましては、階級別定額に改める理由いかん、税率の引き上げが急激過ぎるのではないかという点、予算収入の見積りが過少ではないか等の質疑応答がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、八木委員より、「今回の改正案は、信用取引を著しく圧迫するものである。中小企業の利用する手形については、現状のままに据え置くべきである。税率の引き上げは、もっと緩和した段階によるべきものである。政府の実態調査については、非常に不十分な点がある。また歳入見積りは過少に過ぎる」との反対意見が述べられ、採決の結果、多数をもって、衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)