小山邦太郎の発言 (予算委員会)
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○小山邦太郎君 私は北海道の視察について報告申し上げたいと思います。
北海道班は、第一班及び第二班の二つに分れて行くことに予定しておりましたが、現地の事情等、諸般の都合によりまして、吉田、仲原、岡田、佐多、小山の五委員が合流してこれを調査することといたしました。期間は六月十二日から二十二日にわたる十一日間でございましたが、北海道に滞在いたしました日数は九日間でございます。北海道はちょうど御承知の総合開発の第一次五カ年計画がこの三月をもって終ったばかりでありまして、その成果をめぐって公共事業調査特別委員会の答申あるいは産業計画会議の勧告、また北大教授中谷宇吉郎氏が「文芸春秋」に発表いたしました「北海道開発に消えた八百億円」という論文等によりまして、いろいろな批判が加えられておりました直後でありましたので、私たちは、特にこの北海道の総合開発に重点を置いて視察をいたして参りました。批判は、人口吸収、食糧増産、港湾等、いろいろな問題にわたっておりますが、要は、北海道開発のねらいとした人口吸収も食糧増産も全然成果が上っていないんじゃないか、極端に言えば、北海道開発に今まで使われた金はどぶに捨てたと同じだというようなことが言われておったのであります。国の予算を審査する立場から、これが事実であるとすればゆゆしき問題だと思いまして、これらの批判点を、関係当局の提出による資料、これに基く質疑、あるいは直接現地を見る等のことによりまして調査を進めたのであります。
しかし、私どもの調査しました限りにおきましては、やはり第一次五カ年計画は相当な成果を上げておることを確認いたしました。詳細なことは、別に報告書を作ってありますから、それを見ていただくことにいたしまして、開発事業費の実績でございまするが、開発計画額一千三百億円に対しまして、その実施額は七百七十七億円で、その実施率は約六〇%に達しております。特に道路のごときは七〇%の実施率を示しておりました。また第一次五カ年計画に掲げられておりました開発目標は、耕地において五七%、乳牛におきましては七二%、主食におきまして六〇%、水産におきまして八〇%、電力におきまして実に一〇五%、人口におきまして三四%という達成率を示しておりました。しかしながら、全体計画から見ればまだまだという状況であったことは事実であります。これも北海道開発の歴史が浅いことからきたるやむを得ない過程ではないかと感じたのであります。しかしながら、北海道の資源の豊富さ、面積の広さから申しまして、北海道開発は洋々たる未来が約束されているもので、さらに強力に開発を推進すべきものであると感じたのでございます。
次に、地方財政でございまするが、道の財政は、三十一年度は単年度一億五千万円の黒字でございまして、前年度からの繰り越し赤字を一億五千万円解消しておりました。また三十二年度の財政規模は四百四十八億円で、大体前年度と横ばいであります。歳出面で目立ちますのは公債費であり、二十四億四千万円の多額に上っておりまして、起債額の十五億円をはるかにこえておりました。
道の三十二年度財政の見通しといたしましては、約六億円の赤字が見込まれているというありさまであります。市町村財政は、やはり全体の収支で見ました場合は、単年度黒字でありまして、前年度からの繰り越し赤字を約十二億円解消しておりました。また、三十二年度の市町村財政全体としての規模は約三百三十六億円でありまして、前年度より二十一億円の減少となっております。また北海道は、昨年度は冷害によって地方財政の受けた影響も大きいのでありまして、これに伴う歳出増と税収入減の合計は、道においては四億九千七百万円、市町村においては実に十七億六千四百万円となっておりました。従って冷害がなかったならばさらに黒字が出ていたわけであります。しかしながら、この地方財政の健全化も、公債費の累増状況、あるいは冷害等の対策を放置しておくならば、また赤字に転落するのではないかという印象を受けた次第でございます。一般経済情勢は、好景気による明るい面と、凶作、不漁による暗い面と、二つの面がありますが、好景気が暗い面をカバーしているというような印象でございます。
電力は、北海道は昨年度も本年度も需給はバランスしておりますが、料金は関西方面より約一割高くなっております。
鉄道は、輸送の成績をあげておりますが、青函が非常な隘路をなしておりまして、青函連絡船の貨物運賃は、普通の三倍高く擬制料金を取っており、これが電力料金の高いのと相待ちまして、北海道開発、鉱工業の発展を妨げていると言わなければなりますまい。三十一年度の北海道支社の損益は四十三億円の赤字の状態であります。全国の六分の一の貨物を運ばなければならない状況にある北海道鉄道の悩みもまた深刻なものであります。そこで青函トンネルがどうしても必要になるわけですが、七百億円の事業費が必要と言われておりまするので、大いに研究をすべきものであると痛感をいたしました。
その他の詳細は、別冊の報告書に譲りまして、委員長におかれては会議録に掲載の措置をとられるようお願いをいたしまして、御報告を終ります。