栗山良夫の発言 (予算委員会)

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○栗山良夫君 第五班の視察につきまして御報告を申し上げます。
 第五班は、佐藤清一郎、林田正治両委員と私の三名をもちまして、六月の十七日から九日間にわたり、広島、山口、福岡の三県下を視察いたしました。
 まず、日程を申し上げますと、六月十七日夜、東京を立ち、十八日の午前中、広島県庁知事室において県当局並びに中国財務局及び広島通産局の各担当係官より、それぞれ県の財政事情及び管内一般経済状況の説明を聞き、午後は広島鉄道監理局におもむいて、管内の輸送状況を聴取したあと、キリンビール工場と東洋工業府中工場を視察し、さらに太田川、元安川改修工事の現地調査をいたしました。次いで十九日は、三菱レーヨン大竹工場を視察して、山口県に入り、山陽パルプと帝国人絹の岩国工場を視察し、翌二十日には、出光興産徳山工場を視察したあと、佐波川ダム工事の現場を視察、二十一日は、山口県庁において県財政事情の説明を聞き、次いで県立農業試験場と宇部興産の鉄工、硫安、セメント各工場を視察した上、関門国道トンネルを、現地当局の特別配慮によるジープに乗って通過し、その間工事現場の要所々々を調査して、福岡に入りました。次いで二十二日は、午前中福岡県庁において県及び北九州財務局、福岡通産局の各関係部課長より、県財政並びに管内における一般財政経済状況の説明を聞き、午後は安川電機黒崎工場及び旭ガラス牧山工場を視察し、こえて翌二十三日は、日曜日でもありましたので、貝島炭鉱大之浦鉱業所の視察のみにとどめ、二十四日には、三井鉱山三池鉱業所と三井化学三池染料工業所を視察したあと、三池干拓工事を現地について調査し、ここにおいて全日程を終了して、二十五日帰京いたした次第であります。
 以下、右調査の結果を御報告申し上げるのでありますが、時間の関係もございますので、ここではごく簡単に、重要な点を二、三申し上げるにとどめ、詳しい御報告は、別に報告書をもって提出いたしたいと存じますから、御了承願います。
 まず、中国地区並びに北九州地区の一般経済状況でありますが、両地区とも昨年来の好景気を反映して、現在までのところ比較的順調に進んでおります。これを鉱工業の生産で見ますと、中国地区では、本年三月の鉱工業生産指数は四一一、北九州地区のそれは、四月の指数でありますが、二八五・七となっており、ともに戦後最高の上昇ぶりを記録しております。ただしかし、最近の上昇のテンポを、過去一カ年余りのそれと比較しますと、やはり全般的傾向として、いわゆる高水準の横ばいぎみにあることが認められるのでありまして、この生産上昇の鈍化原因が何であるかにつきましては、広島通産局においても割切って説明することはむずかしいが、たとえば、鉄鋼、造船、セメント、石炭等の業種につきましては、設備の増設がない限り、これ以上の増産は望めなくなった反面、スフ、その他の繊維工業部では、需給関係から在庫増の傾向が見られ、すでに操短に入っているといった工合で、業種によって事情を異にしている点を注目しておるということでありました。北九州地区においても、生産拡大を反映して、設備投資計画を延ばしておるのは大手企業でありまして、下請企業では、最近の資金事情を反映して、むしろ縮小策をとっておる状況でありました。
 次に、広島、山口、福岡各県の財政状況について申し上げますと、広島県の財政は、昭和二十八年度までは赤字を出さずにきたのでありますが、二十九年度に七億三千万円、三十年度は五億四千万円と、実質赤字を生じたのであります。三十一年度におきましては、租税の増徴と諸経費の節約に努めました結果、単年度黒字見込額として三億六千万円を生じましたため、現在の赤字累計見込額は一億八千万円ということになっております。広島県では、現在、地方財政再建促進特別措置法の適用を受けておりませんが、何とか本年度末までには現在の赤字を解消する考えで、鋭意、財政再建計画を検討中でありました。
 山口県は、昭和二十九年度に六億四千万円の赤字を出し、三十年度に九億六千万円の累積赤字を生じたため、地財再建法に頼ることとし、現在その適用を受けておりまして、三十一年度の一般会計歳入歳出決算見込みでは約九百万円と、わずかながら単年度黒字を出しておりました。県当局の説明によりますと、おそらく三十四年度までは赤字財政で苦しいが、三十五年度から八年間にかけて、完全に黒字団体に戻すということで、財政再建の長期計画に真剣な努力を払っておりました。
 福岡県の財政状況は、昭和三十年度における実質収支がわずかに三千二百万円の黒字にとどまり、これに事業繰り越し等、財源操作によって翌年度に繰り越したものを差し引きますと、一億三千万円の赤字でありましたが、三十一年度の決算見込みでは、純繰り越し見込額として九千九百万円の黒字ということになっております。財政規模においては、全国四十六都道府県中、東京、大阪、北海道に次いで全国第四位にあるような大福岡県として、これではまことに心細い話でありますが、県当局の語るところによりますと、歳入中に占める一般財源の割合が四二・九%で、他の類似府県に比べて著しく低いため、現年度の歳入をもって現年度の支出をまかない切れないということでありました。
 まだまだ申し上げたい点があり、なお視察個所の調査の結果についても御報告をいたさなければならぬのでありますが、詳細は、別冊の報告書に譲りたいと存じます。委員長においてよろしく会議録に掲載の措置をとられるようにお願いをいたしまして報告を終る次第であります。

発言情報

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発言者: 栗山良夫

speaker_id: 24197

日付: 1957-10-31

院: 参議院

会議名: 予算委員会