吉田法晴の発言 (予算委員会)
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○吉田法晴君 小選挙区制に原則的に賛成だ、二大政党制のもとにおいては、その二大政党の判断を、いずれに政治をやらせるべきかという判断をするには小選挙区制がよろしい、こういう純理を言われた。純理を言われるが、実
際に去年小選挙区制を出された自民党の案は、これにゲリマンダーでもあったが、そのねらいとするところは、憲法の改正のために三分の二を得たいと、こういう意図に出ておりましたことは、これはもうはっきりしておる。それから憲法について、これは自主的な憲法でない、民主主義あるいは平和主義、人権の尊重というがごときはそれを否定するものではないけれども、憲法を再検討したい、こう言われるけれども、しかし、それも実際にはだんだん自衛隊を作って行き、そうしてその自衛隊が国際的にも十分働き得るために改正しなければならぬという運命に、だんだん自民党のあれでは運命に到達した。そこで憲法改正問題が起ったということは明らかである。それからもう一つ、その憲法改正問題については、自民党では従来そう考えられて参りましたけれども、昨年の参議院選挙で、衆参両院においても、日本の国民は憲法改正に反対である。改正すべきではない。自民党は自主憲法でないと言われるけれども、国民のための憲法としてこれを守るべきだという判断はこれははっきりしておると思う。しかしこの点は議論になりますから、議論はこの程度で遠慮をいたしますが、そこでその憲法問題の一番大きな問題の再軍備問題であります。あなたは憲法の言う民主主義には、憲法の言う平和主義には第九条のごとく軍備は持たない、あるいは潜在戦力さえ持たぬと、こうはっきり言明をいたして
おりますが、どうもその辺にまだあなたが前の考えを克服、止揚されておらぬという片りんがときどき見える。それを私ども心配をし、総理としてはその点について、岸総理としてははっきりせらるべきだと、こう考えるから御質問申し上げておるわけであります。例をあげますが、元技術院総裁をしてこれは陸軍中将であった遠藤三郎氏、この人が徹底的な平和主義あるいは再軍備反対であることも御承知の通りであります。それからこれはあなたは御存じないかもしれませんけれども、当時あなたの下で物動計画に参画いたしました高橋甫という人がおります。これは物動計画を推進をしたのでありますが、今日では徹底した平和主義あるいは再軍備反対論者に徹しておられる。で、戦争に再び巻き込まれないようにしたいという言明をしておられますが、自分で防衛をするのだ、自分で外敵の侵入に対しては防衛するのだ、そのために漸次防衛計画をふやしていくんだ、漸増する、防衛計画を完遂していくんだ、あるいは日米共同防衛という方針をとっていくということになりますと、これは少くとも憲法九条あるいは憲法のいいます徹底的な平和主義というものと矛盾してくる。抽象的に申しますと、これはそうじゃないと言われるかもしれませんから、最近の具体的な実例をあげて、あなたにお尋ねをいたしますが、これは高橋甫さんも言っておられることでありますけれども、原子兵器はすでに大小自由な規模で作り得るに至っております。で、今日ではすでに戦術兵器と戦略兵器の区別がなくなって、実質的な戦争——それは戦闘でないと言われるかもしれませんけれども、戦闘行為——局地戦と言われようとも、戦闘行為が
行われる場合には、原子兵器が使われる、必然的に使われるという状態になっておりますことは、NATOの演習あるいはSEATOの最近の演習に徴しても、これは明らかであります。それからまだ移っておらぬそうでありますけれども、御殿場に従来ありました富士学校においても、日本の自衛隊自身において対放射能の訓練をやっております。こういう事実は、私が申し上げますような戦闘、あるいは事実上の戦争が行われるならば、原子兵器が必らず使われるということを実際に証明しておる。原爆の実験については、先般院の決議があり、その方針に従って総理も努力する、こういう話でありましたが、原水爆の実験、保管、使用の禁止というものが事実上でき、徹底的な軍縮を実現するのでなければ、軍隊がなくなるのでなければ、戦争の危険というものはこれはなくなりません。そして過去の失敗にかんがみて、日本国憲法——日本の国民は軍隊は持たない、戦争はしない。その戦争あるいは軍隊に至る危険のものさえも持たぬという徹底した民主主義に徹する、平和主義に徹すると言われるけれども、しかし再軍備、自衛力を漸増していくという方針であり、あるいは対米協力で防衛に当る、こういうことになりますならば、その決意と言われるところと今後の実際の運命というものは、違って参ると思う。もし本当に日本国憲法の平和主義に徹すると言われるならば、憲法に違反しております自衛隊の漸増ではなくって、その廃止の方向に努力せらるべきだと私は思うのでありますが、岸総理の決意をお伺いいたしたい。