小林孝平の発言 (予算委員会)
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○小林孝平君 関連。今外務大臣の御答弁を承わっておりますと、私は非常に今後の外交交渉をやる上に、単に今回の漁業交渉だけでなく、非常に重大な問題があると思うのであります。それは今回のこの八万トン、十万トンという問題は日本側はそういう約束はしなかったと、向うは約束をしたと、こういうことでただいま言い争っておるのであります。これは双方いずれがいいか悪いかということは速記録もないのでありますから問題になりませんが、私はこれに関連いたしまして考えなけばならぬのは、先般数日前に総理大臣がテボシャン大使とお会いになりまして、翌日当委員会において経過を御説明になりました。その際に総理大臣はテボシャン大使は今年に限り特に十二万トンを許すという提案をされた、こういう御説明がありましたので、私は直ちに、本年に限り十二万トンということになっては大へんであります。これは問題ではありませんかとお尋ねいたしました。総理大臣は実は必ずしもそうでなく、これは来年はまた別なんだ、こういうふうに補足されたのであります。私はそのとき特に総理大臣にお言葉を返して恐縮でございますけれども、それは来年はやはり八万トン、十万トンの線になるのではないかと重ねてお尋ねしたのでありまするけれども、ただいまのような御答弁があったのであります。ところがその後やはり昨日の日ソ漁業委員会においてのソ連側の提案は本年に限り特に二万トンふやして十万トンにする。さらにオホーツク海海域における漁獲高の制限をするという提案をはっきりと出されておるのであります。こういうことを見ますと、先般総理大臣のこの御答弁とやはり食い違っておるのであります。私は、日本語は非常に表現が複雑というか、むずかしいので、同じことを言っても、いろいろにとれる場合があるのであります。そこでそういう点から考えると、今回のただいまの、非常に頭脳明晰をもって知られておる総理大臣の御答弁でも数日の間にちょっと疑問が出る、こういうことでありますので、この河野・イシコフ会談においていろいろ論議されたのは、この双方が自分の都合のいいように解釈したところから出発しているのではないかと思うのであります。そうしますと、私は今後日本がいろいろの外交交渉をする際にこういう事例がひんぱんと出てくるおそれがあるのではないか、こう考えるのであります。
そこで私は外務大臣にお尋ねいたしますが、過去の日本の外交交渉において、このように双方が一つの問題について全然異った解釈をして、それがいろいろの交渉の重大なる支障になったという前例があるのかないのかという点を一点お尋ねいたしたいのであります。
さらに第二点は、現実にどちらがいいか悪いかという問題は別といたしまして、こういう誤解が生じておる、これはイシコフ・河野会談の解釈の相違なのでありまするが、これを解決するために本国のイシコフ漁業相に、何らかの方法でもって河野・イシコフ会談の当時の模様を思い起してもらって、あれは河野全権の言っていた通りだというような措置が講ぜられないものかどうか。単に井出・クータレフ会談だけで押し問答しておったのでは解決しないと思いますから、そういう方法を講ぜられる意思があるのかないのか、またやられる必要があるのじゃないかと思うのでありますが、この点をお尋ねいたします。