予算委員会

1957-03-26 参議院 全202発言

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会議録情報#0
昭和三十二年三月二十六日(火曜日)
   午後零時五十九分開会
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  委員の異動
本日委員木村篤太郎君、石坂豊一君、
泉山三六君及び久保等君辞任につき、
その補欠として佐野廣君、小幡治和
君、成田一郎君及び海野三朗君を議長
において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     苫米地義三君
   理事
           迫水 久常君
           左藤 義詮君
           小林 武治君
           安井  謙君
           吉田 萬次君
           天田 勝正君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
           森 八三一君
   委員
           青柳 秀夫君
           小幡 治和君
           小山邦太郎君
           佐藤清一郎君
           佐野  廣君
           柴田  栄君
           高橋進太郎君
           土田國太郎君
           苫米地英俊君
           仲原 善一君
           野村吉三郎君
           野本 品吉君
           林田 正治君
           前田佳都男君
           武藤 常介君
           内村 清次君
           海野 三朗君
           岡田 宗司君
           栗山 良夫君
           小林 孝平君
           佐多 忠隆君
           曾祢  益君
           中村 正雄君
           羽生 三七君
           松浦 清一君
           山田 節男君
           湯山  勇君
           加賀山之雄君
           梶原 茂嘉君
           田村 文吉君
           豊田 雅孝君
           千田  正君
           八木 幸吉君
  国務大臣
   内閣総理大臣
   外 務 大 臣 岸  信介君
   法 務 大 臣 中村 梅吉君
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
   文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
   農 林 大 臣 井出一太郎君
   郵 政 大 臣 平井 太郎君
   国 務 大 臣 宇田 耕一君
  国 務 大 臣 大久保留次郎君
   国 務 大 臣 小滝  彬君
   国 務 大 臣 田中伊三次君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   調達庁長官   今井  久君
   調達庁不動産部
   長       松木 豐馬君
   経済企画庁調整
   部長      小出 榮一君
   経済企画庁開発
   部長      植田 俊雄君
   外務省アジア局
   長       中川  融君
   大蔵省主計局長 森永貞一郎君
   大蔵省主税局長 原  純夫君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
   文部省社会教育
   局長      福田  繁君
   農林大臣官房長 永野 正二君
   郵政省電波監理
   局長      濱田 成徳君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
  説明員
   経済企画庁開発
   部参事官    浅田 重恭君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十二年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十二年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十二年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
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左藤義詮#1
○理事(左藤義詮君) ただいまから委員会を開きます。
 まず、委員の異動について申し上げます。
 本日久保等君が辞任され、その補欠として海野三朗君が指名されました。
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左藤義詮#2
○理事(左藤義詮君) 次に、本日の理事会で意見の一致した点を御報告いたします。
 それは三月二十八日中に、さきに各会派に割り当てた質疑時間の範囲内で一般質疑を終了することでございます。
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左藤義詮#3
○理事(左藤義詮君) これより昭和三十二年度一般会計予算外二件を議題といたします。
 質疑を続行いたします。
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松浦清一#4
○松浦清一君 私は外交に最も関係の深い日本の漁業問題全般について、外務大臣、農林大臣、大蔵大臣に若干の御質問を申し上げたいと思います。従って、全体の質問の要点が漁業問題におおむね限定をされておりまするので、御多忙中の農林大臣に出席を願うために、若干委員会の審議の時間をお待ちを願いましたことを、まことに恐縮に存じております。
 まずお尋ねをいたしたい第一の問題は、日ソ漁業委員会が、新聞等に報じられておるところによりますると、大体大詰めに近づいてきておる模様であります。今までこの委員会における質疑を通して断片的に問題となりましたけれども、系統的にその経過の御質問を承わっておりません。従って、この委員会が始まりましてから今日の段階に至りますまでの経過並びに現状について、外務大臣、農林大臣の御説明を願いたいと思います。
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岸信介#5
○国務大臣(岸信介君) 漁業委員会は、開催されましてから相当回数委員会を重ね、また小委員会においてそれぞれの両国の専門家の間に科学的な資料について検討をされたのでありますが、ソ連側におきましては、本年度のサケ、マスの漁獲高について十万トン、八万トンという昨年の五月にイシコフ、河野両大臣の間に一応の話し合いがあります。この数字にこだわって、それを強く主張しておったのでありますが、これは当時の状況から見まして、いろいろな条件のある数字でございまして、決してこれで本年度の数字がきまったわけでないというのがわが方の主張でありました。両方の主張が対立して、停頓した状況になりましたので、私はテボシャン大使を呼んで、せっかく両国の国交が正常化されて、今後ますますこの友好親善の関係を強めていかなければならないその当初に当って、漁業問題について根本的な意見の対立でこれが解決を見ないということでは、はなはだ将来が危ぶまれる状況になると思っておる。自分たちの考えでは、せっかく国交が正常化せられた今日において、また将来友好関係が深められようという際において、国交の正常化がなかった昨年よりも下回るような漁獲高になるということは、とうてい国民感情として了承できないことである。ソ連政府が大局的な見地からこの問題を一つ再考して、そしてこの問題の円滑なる解決をするように考慮してもらいたいということを申し入れまして、これに対してテボシャン大使は、ソ連の政府の意向をもたらして、ソ連政府としても大局的見地から一つの案を提案するという意味をもちまして、数字については、本年度は従来の主張であった十万トン、八万トンの数字にこだわらない一つの数字を提案して、またそれに関連してオホーツク海における漁業の制限問題を提案して参ったのでございます。これにつきましては、その後この提案について鋭意両国の委員の間に論議が重ねられて参りまして、今まだ結論を得ないというのが従来の大体の経過並びに現在の段階でございます。詳しいソ連側の最後の提案の内容や、あるいはそれについてのこちら側の意見等につきましては、今、両国の間に、委員の間に交渉が行われておる際でありますから、私が今申し上げました程度以上の詳細な事実は、まだ申し上げかねるというのが現状でございます。
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井出一太郎#6
○国務大臣(井出一太郎君) あらましは、ただいま総理から申し上げた通りでございますが、少しく敷衍をして申し上げまするならば、日ソ漁業委員会は二月の十五日から始まりまして、今日まで本委員会をすでに十二、三回開いております。その間、小委員会も七、八回に相なるかと思っております。当初わが方といたしましては、従来の統計的資料に基きまして、戦前約四十年間にわたって日本の漁獲高、これがはっきり把握されておりまするので、日本の沖取漁業というものが資源に悪影響を及ぼしておらない、こういう観点に立ちまして、本年が豊漁年ということから十六万五千トンという数字を提示いたしたのでございます。しかしながら先方は今総理が申し述べられましたように八万、十万という線を固執して、しかも本年は不漁年であるということをしきりに力説をいたしたのでございます。その間いろいろとやりとりはございましたが、最終的にはやはり本年は豊漁に近い年であろうという程度まで向うも認識を改めてきたわけでございます。しかし十万トンの線を一歩も上回ろうとしないままに一カ月を経過いたしました。その間わが方からも一つの調整的な考え方として、十四万五千トンという数字を示したことがあったのでありまするが、しかしながら先方はこれに反応を示してこないという状況で対立のまま約一カ月の日子が流れたわけであります。そこでこれはもう少し別な角度からという考えのもとに、総理とテボシャン大使との会談が行われ、これがたしか三月十五日であったかと思いまするが、それにこたえて、大所高所から日ソ国交回復第一年の初の問題であるこの漁業交渉を進捗せしめるという意味でございましょう。ソ連側から十二万トンという漁獲量を中心とする提案がなされたわけでございます。これに関してただいま鋭意折衝をいたしておるわけでございますが、一つはオホーツク海の制限、規制をさらに強化したいという問題、あるいは本年を暫定的な取りきめとするのであるが、しかし豊漁の年である、こういう認識の上に十二万トンというものが提示されている、こういうことでございます。今それらの問題を中心にして、実は私もきょう昼をクータレフ代表と会ったために、当予算委員会へおくれて参ったような次第でございます。目下そういう段階にあるわけでございます。
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松浦清一#7
○松浦清一君 今日までのこの予算委員会でこの問題の質疑が行われました際に、今外務大臣のおっしゃった河野イシコフ会談の際に八万トン、十万トンという話し合いがあったので、それが交渉の過程に非常に障害になったような御発言でございました。今までの総理としてのこの委員会における答弁ではそれが障害になっているような御答弁でもございませんでしたし、また河野君は八万トン、十万トンというような話し合いをイシコフとの間にしたことはない。きょうの新聞でしたか、その新聞にも談話としてそういうことを発表しておったように記憶をいたしておるのです。しかし今の御答弁によれば、これが障害になってなかなか交渉は困難であったと受け取れるような御答弁でございましたが、それが交渉の障害になったのかならなかったのか、その点を御明確にしていただきたいと存じます。
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岸信介#8
○国務大臣(岸信介君) これは今私がお答え申し上げましたように、向う側はそれを固執する一つの理由として、昨年五月にイシコフ、河野両相の間にそういう話し合いがあったということを根拠にいたしておるのであります。しかしその問題につきましては、すでに河野前農相が国会において答弁をいたしておりますように、また私どもが聞いておるところによりますというと、そういうはっきりした問題ではないのみならず、それにはソ連側の陸上における制限というものが付帯しておる問題でありますし、また一応の話としてそういう話が出ておりますが、あくまで本年度の漁獲高の問題は、漁業委員会においてきめることに条約上はっきりなっておるのでありますから、その問題が私どもは支障になっているという考えではなくて、ロシア側がそういう一つの主張に縁由しておるというのが実情でございまして、その点についてはすでにその問題に関する見方なり考え方が彼我両国の間に違っておるということを、私どももはっきりいたして参っておるわけでございまして、そういう問題でありまして、今度の交渉の支障になったかならぬかというふうな問題に関しましては、おのずからいろいろな見方もありましょうけれども、今申したようなソ連側がそういうことを主張する。八万トン、十万トンの線を固執する理由として彼らはあげておる。しかしその問題に関するわが方の解釈なりその当時の事情なり各般のところから申しまして、彼らが主張するところはこれは理由がないと、こういうふうに考えておるわけであります。
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松浦清一#9
○松浦清一君 交渉は相手方とするわけでありまするから、こちらの方でそれが障害にならない、こういうふうに自任をいたしておりましても、先方がこの漁業条約をきめまするときに、両国の代表的な立場にあった人同士の間で八万トン、十万トンという話し合いがあったということが、それがもとになって、漁獲量を決定しようとする委員会で話し合いがされておる。こういうことになりますると、やはり八万トン、十万トンの線を河野君が出したということが明らかに障害になっていると思う。しかりとすれば、河野君の責任はきわめて重大であると考えまするが、外務大臣のお考えを伺いたい。
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岸信介#10
○国務大臣(岸信介君) その旨に関しましては、今私が先に答弁いたしたことできわめて明瞭であると思いますが、私はこの問題について河野前農林大臣の責任を問う意思はございません。
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小林孝平#11
○小林孝平君 関連。今外務大臣の御答弁を承わっておりますと、私は非常に今後の外交交渉をやる上に、単に今回の漁業交渉だけでなく、非常に重大な問題があると思うのであります。それは今回のこの八万トン、十万トンという問題は日本側はそういう約束はしなかったと、向うは約束をしたと、こういうことでただいま言い争っておるのであります。これは双方いずれがいいか悪いかということは速記録もないのでありますから問題になりませんが、私はこれに関連いたしまして考えなけばならぬのは、先般数日前に総理大臣がテボシャン大使とお会いになりまして、翌日当委員会において経過を御説明になりました。その際に総理大臣はテボシャン大使は今年に限り特に十二万トンを許すという提案をされた、こういう御説明がありましたので、私は直ちに、本年に限り十二万トンということになっては大へんであります。これは問題ではありませんかとお尋ねいたしました。総理大臣は実は必ずしもそうでなく、これは来年はまた別なんだ、こういうふうに補足されたのであります。私はそのとき特に総理大臣にお言葉を返して恐縮でございますけれども、それは来年はやはり八万トン、十万トンの線になるのではないかと重ねてお尋ねしたのでありまするけれども、ただいまのような御答弁があったのであります。ところがその後やはり昨日の日ソ漁業委員会においてのソ連側の提案は本年に限り特に二万トンふやして十万トンにする。さらにオホーツク海海域における漁獲高の制限をするという提案をはっきりと出されておるのであります。こういうことを見ますと、先般総理大臣のこの御答弁とやはり食い違っておるのであります。私は、日本語は非常に表現が複雑というか、むずかしいので、同じことを言っても、いろいろにとれる場合があるのであります。そこでそういう点から考えると、今回のただいまの、非常に頭脳明晰をもって知られておる総理大臣の御答弁でも数日の間にちょっと疑問が出る、こういうことでありますので、この河野・イシコフ会談においていろいろ論議されたのは、この双方が自分の都合のいいように解釈したところから出発しているのではないかと思うのであります。そうしますと、私は今後日本がいろいろの外交交渉をする際にこういう事例がひんぱんと出てくるおそれがあるのではないか、こう考えるのであります。
 そこで私は外務大臣にお尋ねいたしますが、過去の日本の外交交渉において、このように双方が一つの問題について全然異った解釈をして、それがいろいろの交渉の重大なる支障になったという前例があるのかないのかという点を一点お尋ねいたしたいのであります。
 さらに第二点は、現実にどちらがいいか悪いかという問題は別といたしまして、こういう誤解が生じておる、これはイシコフ・河野会談の解釈の相違なのでありまするが、これを解決するために本国のイシコフ漁業相に、何らかの方法でもって河野・イシコフ会談の当時の模様を思い起してもらって、あれは河野全権の言っていた通りだというような措置が講ぜられないものかどうか。単に井出・クータレフ会談だけで押し問答しておったのでは解決しないと思いますから、そういう方法を講ぜられる意思があるのかないのか、またやられる必要があるのじゃないかと思うのでありますが、この点をお尋ねいたします。
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岸信介#12
○国務大臣(岸信介君) 国際交渉やあるいは条約等につきましていろいろな解釈の差異を起したり、あるいはいきさつ等についての見解を異にする場合もいろいろと国際的にはあるのでありますが、なるべくそういうことをなくするためにいろいろ議事録であるとか、いろいろなものを整備いたしまして、そういう疑念を生じないように努力をいたしておるわけであります。今かつてそういう例が具体的にあったかと言われることにつきましては、私としてはそういう事例を具体的には承知いたしておりませんけれども、そういうことは、一般的に論じますというと、ともするとあり得ることでございますので、十分に注意をいたしておるわけであります。
 第二の点につきましては、今ソ連側の提案について両国の委員で十分に検討し、これが妥結に現在努力いたして、おるわけであります。その途中でありまして、御提案のように、直ちにイシコフ漁業相にその意向なりあるいは当時の事情を確めるというような考えは、現在の状態においては持っておりません。
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小林孝平#13
○小林孝平君 農林大臣は本日もクータレフと会談されたのでありますが、あなたは直接交渉されまして、今回交渉が何らかの形において妥結するといたしましても、ソ連が、十二万トンは、これは今年限りのものである、今年は日ソ国交回復の初年度であるから、特別の計らいをもって二万トン増加すると、この線は譲られないだろうと思うのでありますが、あなたは交渉されまして、特に本日抗議を申し込まれたはずでありますが、その結果どういうふうにお考えになりますか。そういうことを除いてですね、八万トン、十万トンは全く白紙に還元してやられる自信があるのかないのか。またないとすれば、私はただいま外務大臣にお尋ねいたしましたが、あなたはその責任者として、何らかの方法でもってイシコフ漁業相に、その当時の問題を反省をしてもらうという努力をされる必要があるとお考えになるかどうか、御答弁を願いたいと思います。
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井出一太郎#14
○国務大臣(井出一太郎君) きょうただいまもクータレフ氏と会談をして参ったのでありますが、私といたしましては、今年限りというような条件を排除すると、こういうことのために努力いたしておるさなかでございまして、なお忍耐強く当らなければいかんと思っておるわけであります。
 それから先方漁業相との交渉を持ったらばいかがかというお問いでございますが、これは外務大臣ともよく御相談をいたしまして、そういう必要があるかどうかというような問題をも十分検討いたしたいと思っております。
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松浦清一#15
○松浦清一君 私どもが今までに得ておりまする情報によりますと、漁業委員会で、最初日本側から十六万五千トンという声がかかって、その次には、先ほど農林大臣おっしゃったように、十四万五千トンという線が出て、さらに十二万七千トンという提案をした。このように伝えられておるのですが、その十六万五千トン、十四万五千トン、十二万七千トンのそれぞれの漁獲量についての提出をしました具体的な根拠ですね、それを御説明を願いたい。
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井出一太郎#16
○国務大臣(井出一太郎君) その最後の数字の十二万七千トンというのは、これはどういうところから入手せられましたか存じませんが、それは全然ございません。十六万五千トンという数字は、先ほども申し上げましたように、過去の漁獲統計というものをつぶさに検討いたしまする際に、本年を豊漁年とみるならば、まず魚族保存の意味から申しまして支障がないであろう、こういうまあ考え方に立っておったわけであります。それを途中で十四万五千トンという線に切りかえましたのは、先方とのにらみ合せと申しましょうか、交渉過程におきまして、問題をより現実的に詰めてみるならば、昨年度の漁獲量等をもあわせ考えて、問題を詰めてみるならば、まずそのあたりかと、こういうような考え方に立っておったわけであります。
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松浦清一#17
○松浦清一君 今の十四万五千トンとしいうのは、ライン内といいますか、制限内といいますか、制限内だけですか。制限内外を通しての漁獲量をさしているのか、どちらですか。
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井出一太郎#18
○国務大臣(井出一太郎君) 制限の内外というよりも、もし十四万五千トンという数字を了承するならば、規制区域について若干の考慮をすることあるべし、こういうことでございますので、総漁獲量というものはそれ以上に上回る、こういう考え方でございます。
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松浦清一#19
○松浦清一君 交渉の過程で、その十四万五千トンという日本側の主張のくずれたところは、一体どういうところにございますか。つまり先方がそれを受け入れなかったという理由はどこにございますか。
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井出一太郎#20
○国務大臣(井出一太郎君) まだその当時先方としては、八万、十万にこだわっておった当時でございまして、やはり主として魚族保存という関係から、その漁獲量というものは過大である、こういう考え方の上に立って拒否いたして参った、こういうふうにみております。
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松浦清一#21
○松浦清一君 冒頭に詳細に交渉の経過の御説明を求めましたのは、一説によりますというと、日本側から十四万五千トン、つまり制限の内外を通して十四万五千トンという線を出したときに、しからばそれを主張される日本の資料を出してもらいたい、こういうことで、ソ連側の求めに応じて提出いたしました日本側の資料すなわち実績として、制限内十一万四千トン、制限の外二万八千トン、こういう線が出たと、このように伝えられているのですが、そういう事実はあったかなかったか。
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井出一太郎#22
○国務大臣(井出一太郎君) この海域における漁獲量というものは、松浦委員、御承知のように、母船式操業によりまするものは、これは的確に捕捉が可能でございますが、しからざる部分については、これは推定と申しましょうか、そういうものの入り込む余地が多いわけでございまして、大よその推定ということを前提にして、数字を示したわけでございます。
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松浦清一#23
○松浦清一君 昨年度の実績によりますと、母船式の方の独航船の漁獲量が合計九万三千トン、それから四十八度線以南の流し網の方の漁獲量が三万四千トン、これを合せると、大体制限線内の漁獲量が十二万七千トンとなる。これはむろん政府側から出た資料ではございませんが、十二万七千トンという線を出したのは、昨年度の実績が十二万七千トンであった、こういう資料を出したと、こう伝えられておるのですが、今、農林大臣の御説明によりますと、十二万七千トンという線は出しておらぬ、このような御答弁であったように思うのですが、これは間違いございませんですか。そうしますと、現に十四万五千トンという線で交渉が続けられていると理解してよろしゅうございますか。
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井出一太郎#24
○国務大臣(井出一太郎君) これは先方の拒否するところとなっておるのが現状でございます。
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松浦清一#25
○松浦清一君 そういたしますると、ソ連側から正式に回答をされておる、つまり回答といいますか、提案といいますか、十二万トンの線を中心として、それにくっついておる二つの条件をのむかのまないか、こういうところが今の交渉の焦点になっておるわけなんですか。そうしますと、十四万五千トンというものはソ連から拒否をされて、日本側はそれを放棄して、ソ連側提案による十二万トンを中心としての具体的折衝が続けられている、このように理解をする段階でよろしゅうございますか。
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井出一太郎#26
○国務大臣(井出一太郎君) まだ十二万トンというものをこちらが容認をしたという段階ではございません。それに付帯をしておる条件について検討をしておる、こういう段階でございまして、まあ自余の点は目下微妙な段階でもございますので、一応この程度で差し控えさせていただきたいと考えます。
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松浦清一#27
○松浦清一君 私はこのようなことを尋ねておりまするのは、この交渉の結果において、日本側が不利になるようなことを毛頭期待をしておらぬので、農林大臣、外務大臣と志をひとしくして、できるだけ有利な条件において、しかも日本とソ連との間に締結をされました諸般の条約等が、完全にその目的を達成することを希望いたしておるのであります。いうならば、政府側がソ連に対して交渉いたしまするその背景的な援助を与えたいと思っておりこそすれ、その障害になるようなことをお尋ねしようとは思っておりません。しかしながら、日ソ漁業条約、海難救助協定、日ソ共同宣言等が国会に承認を求められました際に、私どもは強力にこの交渉の経過においても支持を与え、そして積極的にこれに承認を与えてきたのでありまして、その結果、一番最初に開かれている漁業交渉の問題の経過については、障害になるから答弁ができないといって逃げられればこれはしようがないわけですが、障害において詳細な説明を求めるということは、これは私どもの義務であると同時に、答弁をする責任があなた方にはあるわけなんです。ですから、今までの御答弁によってまだ明確になっていない点は、十四万五千トンの線は捨てている、しかし十二万トンの話し合いに応じているというわけではない、こういう段階と理解をして、十二万トン以上に妥結をする場合もあり得ると了解してよろしゅうございますか。
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井出一太郎#28
○国務大臣(井出一太郎君) いかにして国益をより増大をするか、さような観点から建設的なお立場で御質問をいただいていることは、よく了承いたします。ただいまは主としてソ連側の提案を検討をしているさなかでございまして、御指摘のように、できるだけ有利に取りまとめたい、こういう所存で相当っている次第でございます。
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松浦清一#29
○松浦清一君 まだ明確になりませんけれども、十二万トンで妥結するにしても、十二万トンを上回る線で妥結をするにしても、その話し合いがまとまった後に残されている一つの問題がある。これは国内的な問題ですが、四十八度線以北の母船式独航船の漁獲量の問題、それから四十八度線以南の流し網の方の漁獲量の配分の問題が起ってくるわけです。その点については、おそらく今週中に交渉の方は解決がつくのではないかと想像されるのですが、すぐに、もう五月の初めになれば出漁をしなければならぬ、その話し合いがついたあとで、国内における四十八度線南北の独航船と流し網との間で問題が起って、もたもたしているというようなことでは、これは大へん困ると思う。あなたの水産行政の建前から、この配分についてはどのようにしようと今お考えになっているか、その点を伺いたい。
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