吉田萬次の発言 (予算委員会)
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○吉田萬次君 第一分科会に付託されました案件は皇室費、国会、裁判所、会計検査院、人事院を除く内閣、防衛庁、経済企画庁を除く総理府及び法務省各所管並びに他分科会所管外事項であります。本分科会は、二十九、三十及び三十一日の三日間にわたり、これら各所管の予算につきまして精細な審査を行いました。以下その質疑のうち若干のものについて簡単に御報告申し上げたいと存じます。
まず皇室費についてでございますが、仮宮殿の改装等に必要な経費として六千二百八十万円が計上されているが、本宮殿についてはどのような考えを持っているか、宮内庁は従来皇室関係の営繕にきわめて消極的であり、その日その日を糊塗しているにすぎないため、将来一時に巨額の予算を必要とするような事態に直面することとなると思うが、もっと積極的に国民の理解と協力の上に立った長期計画を策定し、それを逐次実現していくという行き方をとるべきではないかなどの質疑がありました。これに対し宇佐美宮内庁長官から、従来は確かに消極的であったが、仮宮殿の改装とは別に本宮殿の新営も考えなければならないので、三十二年度予算に調査費を計上し、二カ年間で基礎調査を行い、その上で方針を確立する計画で進んでいるとの答弁がありました。
次に国会所管につきましては、国立国会図書館は十分その機能を発揮していると考えるか、三十二年度の新営費四億円でどの程度の工事ができ上るか、科学技術庁に日本科学技術情報センターが設置されることとなったが、この施設は国立国会図書館と重複するのではないかなどの質疑があり、これに対し図書館当局から、図書館の機能はその建物と密接不離の関係があり、新館の建設が予算の関係等で遅延したため、機能発揮が十分でなかったことは遺憾である、三十二年度には、新館の書庫棟の鉄骨工事及び事務棟二階までの鉄骨工事ができ上る予定である、日本科学技術情報センターは、その業務を行うに際して、できる限り国立国会図書館の資料を利用することとなっており、これとの重複を避けながら図書館は図書館としての業務を行なって参りたいとの答弁がありました。
次に裁判所所管につきましては、裁判所の庁舎で新営を必要とするものはどのくらいあるか、総額七億三千万円の庁舎新営費で継続工事二十カ所、新規工事十八カ所というのはあまりに総花的過ぎるではないか、一体総工事費及び残工事費は幾らかとの質疑がありました。これに対しまして、庁舎新営工事の総工事費は三十九億円、三十三年度以来の残工事費は二十六億円である、裁判所庁舎で終戦後鉄筋に改めたものは約二万坪で、総坪数の一割見当にしか過ぎない。バラック庁舎、老朽庁舎等必要最少限度のものだけでも百二、三十億円の新営費を必要としており、三十二年度も三十億円を要求したが七億三千万円に削減された、との答弁がありましたが、このように新営費の要求額と査定額とがあまりにも開きすぎる点について、裁判所は独立機関であるから、財政法第十九条を活用して、必要な予算はこれを確保すべきではないかという質疑に対しましては、部内でそういう意見もないではないがなるべくその規定は乱用しないことにしている、との答弁がありました。
次に会計検査院所管でありますが、検査旅費が一千七十九万円の増額となっているが、これは人員の増加によるものか、そうでないとすればこれによって現在の一割前後の検査範囲をどの程度拡大できるかとの質疑に対し、検査旅費の増額は人員増加によるものではなく、検査機能向上のためのものである、これによって検査対象は多少増加するが、目に見えてふえるという程度ではない、なお実地検査の範囲は、要検査箇所全体の一割程度であるが、しかし重要な箇所についてみれば二割ないし三割近くに達しているとの答弁がありました。
次に法務省所管につきましては、公安調査庁における破壊活動調査費は十億円の要求に対して三億八千万円の査定となっているが、これで業務遂行上支障はないのかという質疑に対し、同調査費は前年度に比較すれば一億二千万円の増額となっており、不十分ではあるができるだけ努力して調査活動に万全を期したいとの答弁がありました。
なお刑務所、少年院等における食糧費、検察官署における通信施設、特に無線通信施設に必要な経費について質疑がなされました。
最後に内閣及び総理府所管につきましては、北海道開発庁は今までに約八百億円の開発費を使って果してどれだけの効果をあげたか、人口はあまり吸収できず、農家戸数はかえって減少するという実状で、ほとんど経済効果が見られないではないか。このように経済効果の上らないものであれば、三十二年度二百三十一億円のこの予算は、むしろ使わないで剰余金にした方がましではないかとの質疑がありました。これに対し、開発の効果についての具体的な資料を持ち合せていないが、第二次開発五カ年計画では、三十六年度において農業生産において四割、漁獲高において一割六分の増産を見込んでいるとの答弁がありました。
北海道開発庁のほか内閣官房、憲法調査会、総理府本府、警察庁、公正取引、土地調整、首都圏整備各委員会及び科学技術庁等につきましても、予算の各費目にわたり詳細かつ熱心な質疑が行われました。
その他本分科会所管各省の全体を通じまして、きわめて広範多岐にわたる質疑が行われたのでありまするが、その詳細につきましては会議録によって御承知を願いたいと存じます。
かくて本日をもちまして質疑を終り、第一分科会の審査を終了いたした次第であります。
以上御報告申し上げます。(拍手)