豊田雅孝の発言 (予算委員会)

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○豊田雅孝君 第二分科会に付託されました案件は、総理府のうち防衛庁、経済企画庁、外務省、通商産業省及び郵政省所管の昭和三十二年度一般会計、特別会計及び政府関係機関の歳入歳出予算であります。
 二十九日は宇田経済企画庁長官、井上外務政務次官、小瀧防衛庁長官より、また三十日には水田通商産業大臣、平井郵政大臣より各所管予算の説明を聴取し、詳細なる審査を行いました。以下それらの質疑応答のうち、若干のものにつき簡単に御報告申し上げます。
 まず経済企画庁の予算に関し、経済動向調査分析の経費一千八百万円では、いかなることを調査するのか、経費はこれで十分であるかとの質疑に対し、政府委員より、予算の額は十分とまでいかないが、最低額が確保できたので、機械受注調査を拡大するほか、新たに投資及び消費の予測調査、ディフュージョン・インデックスの作成など精密な調査計画を実施し、将来の景気動向を迅速かつ的確に把握したいとの答弁がありました。
 また、自立経済五カ年計画の修正作業の進捗状況、特にこの修正に取り入れられる新たな要因は何かという質疑に対しましては、宇田長官より、五カ年計画は国民所得の伸びを七%としたモデル作業を目下研究中で、九月完成を目途としておること、新たな要因としては欧州共同市場の成立、中共の第二次五カ年計画等であり、鉄鋼増産のための原料確保には特に留意したいとの答弁がありました。
 外務省予算につきましては、移住振興費七億九千六百万円の内容につき質疑がありましたが、明年度の移民は本年度より千五百名増の九千名で、中南米諸国を予定し、カンボジアなどアジア諸国への移民送出はまだ準備段階であること、農業移民のほかに工業技術移民も今後推進して参りたいとの答弁がありました。
 東南アジア貿易を振興させるためには、賠償問題の解決が重要な前提条件と考えられるが、その進捗状況いかんとの質問に対し、政府委員より、ビルマ賠償は実施細目年割額七十二億円が順調に支払われている旨、またフィリピン賠償については年総額九十億円で生産財五十億円、役務四十億円がフィリピンの会計年度七月までには実行できる見通しであるとの答弁がありました。
 防衛庁関係予算につきましては、明年度同庁の歳出総額千十億円は今年度に比し、わずか八億円の増加にとどまり、予算面からは防衛力漸増方式がストップないし変更せられたと解してよいのか、漸増方式を捨てていないとすれば、三十二年度に一年足踏みしたことは、三十三年度以降の膨張を急激ならしめるのではないか、三十三年度四〜六月期において陸上自衛隊を一万名増強することは、アメリカ側に約束しているかどうか、また明年度予算では航空自衛隊と海上自衛隊の増強が目立つが、防衛構想の変更とみるべきか、正式の防衛力増強計画に従って予算は編成されているのかどうかなどの質疑がございました。これに対し小瀧防衛庁長官より、陸海空三軍の均衡のとれた増強が望ましいが、国家財政の事情、防衛生産の能力、訓練の期間などを考慮して、三十二年度は空を大幅に増強することとした。陸上一万名の増強は、アメリカ側と約束した事実はないが、漸増の方針から増勢を行いたい。本予算は三十一年度予算に比し、八億円の増加にとどまっているが、防衛庁の当初要求は、千二百七十六億円であったが、財政事情や縦来の繰越額の消化に努めるという方針から、増勢分の経費の大半を、国庫債務負担行為に回した結果であって、漸増方針を捨てたわけではない。正式な防衛力増強計画は、国防会議を開いて早急に決定いたしたいとの答弁がありました。
 通商産業省関係につきましては、最近の貿易情勢、海外景気の動向に照らして考えると、政府の国際収支の見通しは甘過ぎるのではないか、輸入が増大するような場合、抑制措置をとるつもりであるか、また外貨予算はきまったかの質疑がありましたが、これに対し、水田通商産業大臣より、輸出は日本の国際関係が改善されているので、努力すれば先行きは悲観していない。輸入についても三十億ドルは支払いベースであって、物資では三十八億ドルくらいの輸入になり、これでまかなえると思う。この見込み以上に輸入が増加する場合も抑制措置はとらず、むしろ余裕のある輸入政策をとる。なお三十二年度上期の外貨予算は、物資で二十二億三千六百万ドルで、前年同期より三億ドル余の増加であるとの答弁があり、また中小企業対策については、中小企業の育成保護には組織法のほか、小売商振興法、中小企業振興助成法の三本立でいかなければならないのに、なぜ中小企業の組織法案だけ提案するのか、中小企業金融対策の眼目は金利を低くすることだと思うが、施策が不十分ではないかとの質疑に対しましては、小売商振興法案は今国会に提出すべく準備を進めている旨、中小企業振興助成法案は今国会に提出できないが、次の国会には必ず提案する。中小企業向き金利を引き下げることは必要で、本予算においても財政出資を増加して、貸付資金量の増加とともに金利の低下に努めている。信用保証協会に対する貸付は次年度は出資とするよう努力したいとの答弁がありました。
 最後に郵政省関係につきましては、電信業務の収支はどうか、赤字の理由は何か、広告電報、慶弔電報は廃止する意思はないかの質疑に対しまして、靱電電公社副総裁より、電報の業務収入は約七十億円、経費約百九十億円、赤字約百二十億円である。広告電報はこの四月から取扱いをやめることにした。年賀電報を続けるかどうかはもう少し研究するが、慶弔電報の廃止は考えていない。電報業務の赤字は人手や施設に遊びがあるからで、稼動率が上れば赤字は減る見込みである旨答弁があり、また日本と中共地区との郵便物、電信電話の関係はどうなっているか、通信上の諸障害を除去する意思はないかとの質疑に対しましては、郵政当局より、通常郵便物は一部香港経由で交換されておるが、この方法では不便が多いので、直接交換のできるよう先方と目下事務的折衝中である、電信については国際電電公社と中共側との業務協定で上海線が開通されておるが、電話は施設がないので開通しておらないとの答弁がありました。
 その他の質疑応答につきましては、会議録により御承知を願いたいと存じます。
 以上により本分科会に付託された案件全部の審査を終了いたした次第であります。以上御報告いたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 豊田雅孝

speaker_id: 6908

日付: 1957-03-31

院: 参議院

会議名: 予算委員会