中田吉雄の発言 (予算委員会)
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○中田吉雄君 わが党もしばしば発表していますように、共産主義とは一線を画しているわけであります。自由を愛し、民主主義を守るということについては、岸総理の立場と変りないと思う。ただ、わが国は、その際、考えてみねばならぬことは、その相対立するアメリカとソ連、この世界二大強国、特に共産主義諸国との接点にあるという問題であります。接触点にあるという問題であります。わが国が、カナダやアルゼンチンやボリビアの辺にあるのなら、そういう政策をとっても、断固たるといっても、そういう被害はないのですが、自由を守り民主主義を守るといっても、守り方において、共産主義諸国の接点にある、中ソ両国の対岸にあるという、こういう地勢的な配置というものを考えると、私は、相当この自由を守り民主主義を守るということからだけでも、アメリカに協力するということなしにでも、そういうふうにやるということですが、しかしです、私は、特にアメリカのこの一九四七年以来のトルーマン政策というものは、アメリカの原爆の独占を前提にして成り立った、原子爆弾をアメリカだけが持っている、広島で二十四万、長崎で七万、二発で無条件降伏をした。原爆をアメリカだけで持っておる、そういう際でありますなら、寄らば大樹の蔭で、アメリカに安全をまかせ、共同して自由と民主主義を守るという立場をとっても、そうあやまちはないかもしれません。ですから、そういう際に、原爆の独占を前提して、一九四九年の四月四日にNATO条約ができ、アメリカが独占している間は、この対ソ包囲政策というものは、自由と民主主義を守るという旗のもとに作られた、比較的安定したわけであります。しかし、ソビエトが一九四九年の十月に原爆を持ち、それから一九五三年、昭和二十八年にソビエトが水爆を持ち、一九五四年の三月一日にアメリカが水爆を持った。世界の米ソ両勢力が、しかも日本を取り巻く米ソ両勢力が、ともに絶対兵器といわれる原水爆を持った。その中にある日本が、私は米ソ両勢力をできるだけ、けんかをさせぬようにし、そうして我が国が平和を守るというのには、よほど慎重な配慮と、日本の置かれた特殊な地政学的な環境に合った政策をとらぬと、私は間違いが起きるじゃないか。アメリカのこのコンティンメント・ポリシイという政策が再検討をされつつあるのは、やはり原爆の独占が破れた、原水爆を米ソ両勢力が持ってきたというところにあると思うのですが、そういう際には、岸総理の基本的な考えも、これにもっと弾力性のある外交政策になら、ざるを得ないじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。