中田吉雄の発言 (予算委員会)

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○中田吉雄君 岸総理が原水爆の実験禁止等に対して御努力いただいている点は、野党のわれわれとしても感謝するものであります。しかし私は、米ソ両勢力が原水爆を持ち、しかも共産主義との接点にある。アメリカと数千マイル離れている。こういう際に、ほんとうに日本の今のやり方が安全になるかどうか。小瀧防衛庁長官に御質問しますが、防衛の責任者として、たとえばウォルター・リップマンのごときは、アトランテイック・マンスリーに、講和条約のあった年の五月号に書いていますが、「ドイツと日本は原子力戦争にはもう理想的な目標だ。われわれは日本をソビエトの原爆攻撃から守れない。守ることは不可能だ。だから、われわれのほんとうの同盟国に期待することはできぬ。しかしわれわれは日本がソ連の陣営に行くことも断じて承服しない。そういう点から、むしろ別個に安全保障があり得るはずだ。」こういうことをアメリカ切っての軍事評論家として高名な評論家ですが、そういうことを言っている。さらにくどいようですが、一九四九年の二月十六日、ロイヤル長官も、「第三次世界大戦が起きたら、もう日本をアメリカは守ることはできぬのだ。六十日基地だ。」そのころですら六十日基地だ、こう言っている。ハンソン・ボールドウィンですら、「なぜ沖縄を日本から離して、アメリカの領土としてアメリカは軍事基地を持つという形を取らなんだか。万一、米ソ戦争が起きたら、日本に長くアメリカ軍を駐留することはできない。グアムや沖縄へ行くために、やっぱりああいう別個の信託統治、その他アメリカの三権の及ぶようにしたのだ。」という、はっさりした戦略的な意図を言っているわけであります。そういう点から考えて、ほんとうに米ソ両勢力の間にはさまつている日本が、今防衛庁のとっておられるような、あちこちに飛行場を拡張したりし、誘導弾なんかを持ち込むことをやったりして、アメリカと一緒になって再軍備して、ソ連の勢力を仮想敵国にする方が安全であるか。私は絶対的な安全保障はないと思うのですが、どっちがほんとうに安全か、そういう点について基本的な考えを承わっておきたいと思うわけであります。

発言情報

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発言者: 中田吉雄

speaker_id: 23580

日付: 1957-04-24

院: 参議院

会議名: 予算委員会