齋藤憲三の発言 (商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会)

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○齋藤小委員 別段私と資金課長との間に意見の食い違いはないと私は思っておりますが、ただこういうものは、他の鉱産物と違いまして、御承知の通り、石油資源というものは、深度を深めていかなければならぬ。これは開発探鉱というものは非常に困難であります。そこで、私の最初に申しました通りに、日本の地質調査及び探鉱は、えて不十分でありますけれども、その中で、一番の不十分なのは石油です。これは私、世界的にそうだと思うのです。今ごろになって西ドイツから年々三百万トンの石油が出たり、それからフランスから百万トンも出たり、イタリアの火山のどまん中のシシリー島を中心として石油の開発が行われる。そんなことは、今までの考え方から言うと、あるべきはずはないのです。それはなぜかというと、石油というものは、だんだん深度を増すことによって有望な油田が見出されておる。その深度を増すということは、民間の探鉱の力では、今まではとうてい行いきれなかったというところに、今あなたのいう油田開発が行われておる。それですから、日本の場合においても、それは他の鉱物の埋蔵量の探査ということも必要でしょう。しかし、これは御承知の通り、地方に往々にして、また大体にして露頭というものが出ておって、露頭を追究していくことによって、鉱物の状態というものはわかるのです。ところが、石油の背斜軸というものは、今ようやく行われておるところの地震探鉱とか、あるいは電気探鉱とか、そういうものによって大体の背斜軸をつかんで、それから五百メートル、千メートル、二千メートルへ三千メートルと掘り込んでいかなければ、ほんとうに背斜軸にぶつかるかどうかわからぬのです。そういうところに、今までの石油の開発がおくれていた原因があった。ようやくこの会社が二年間の苦心によって背斜軸をつかみ、あるいは新油田をつかんだ、今度は三年目だ、三年目がクライマックスなのです。そうして五年目には百万キロリッターを出す。大体それでもって会社の目的は達する、こういうことなのです。ですから、通産省からも、いろいろな角度から予算要求があるでしょう。私も経済企画庁と科学技術庁の政務次官をちょいちょいやってみると、大蔵省でも御承知の通り、各局各課からきそって予算要求が出てくる。しかし、その中から、やはり国策として通産省の地下資源開発の部分においては、何が一番大きく取り上げられて、徹底的にそれが遂行されれば国家の力を培養することができるかということは、大体見当がついておるのです。今、日本では、一体何を行うべきかということはわかるのです。早速にやって日本の国力の培養に一番プラスになるものはといったら、地下資源の開発の中においては、やはり石油を大きく掘り当てる、天然ガスを掘り当てる、そういうふうに大体常識的にきまっているのです。だから、こういう大きな国家の金を出してもらって、そして石油の開発をやる、それと同時に、日本にあるところの天然ガスの賦存状態を見れば、それはここでは三十七年までに三五〇%増の十四億三千万立方メートルを見込んでおる。なぜ一体この経済審議会でこんなに大きな見込みをやったかというと、これはもっとどんどん出てくる徴候が天然ガスにあるから、これだけを見込んでおる。十四億三千万立方メートルというと、大体、日本の天然ガスのカロリーは八千カロリーですから、石炭換算二百万トンですよ。二百万トンの石炭が増産されて、そしてそれがパイプ・ラインの形になってエネルギー源として各工場に供給され、あるいは化学製品の原料となるということになったら、これは大へんなことです。私が先ほど申し上げました通りに、一九五六年の北部イタリアの天然ガス開発は四十億立方メートル、それが九千カロリーでありますから石炭換算六百万トン、これは全部四千キロのパイプ・ラインによって、あるいは原料とし、エネルギー源として工場に供給された。それがイタリアを今世界の工業水準に持ち上げておるところの一番大きな原動力であります。日本では、そういう石油を掘れば出てくるし、天然ガスは至るところにあるという状態を見て、これに、もし徹底した予算が盛れないような大蔵省だったならば、私としては、その予算編成というものは、非常におかしなものじゃないかと思うのです。ですから、そういう点から、重点的に日本の力をどういうふうに予算措置によって増し得られるかということをお考え願ったならば、通産省からたくさんの予算要求が出ても、切るべきところは切り、増すべきところは増すという構想が出てくると思いますので、特にこの点を一つ御留意を願いたいと思うのであります。
 大蔵省の海堀主計官がお見えになりましたから、天然ガスの予算のことにつきまして、一つお願いを申し上げておきたいと思うのでありますが、昨年度通産省から天然ガス開発基本調査の予算を提出せられまして、われわれはその予算が通過するものであると考えておったのでありますけれども、不幸にしてそれはゼロに削られてしまった。従来の天然ガスの助成金、わずか二千万円ばかりはついたようでありますが、それと全然別個の天然ガスの基本調査費の予算要求であった。それで、私は数回にわたって通産当局の弱腰をも詰問し、また、大蔵省が何ゆえにこの重要な予算を削ったかということについても、御意見を伺ったのでありますが、名前は申し上げる必要はございませんけれども、その当時の担当主計官が、商工委員会でありましたか、科学技術特別委員会でありましたか、御出席になりまして、その予算を全部削除した原因は、従来何ら天然ガスに対するところの調査が行き届いてなかったから予算に盛るわけにいかなかったのだ。ところが、今度は調査がだいぶ行き届いてきたから、昭和三十三年度はその予算を盛るようにする、そういう御言明があったから、われわれもそれを了として、そうしていろいろな天然ガスの問題に対する推進方を考えておったのでありますが、私は全国的に天然ガスの調査がどれほどに進んでいるかということは知りません。が、昭和三十一年度の東北地方の天然ガス利用開発の調査はようやく最近でき上った。図面が全部ついて、調査報告書が出ておる。この部厚いものを見てみますと、これは従来の石油試掘と天然ガスの調査と、そういうものを一切総合しての日本の天然ガスの東北における実情の調査をやっておる。これによりますと、まあ東北は大体見当はついておるが、日本全国としてはどれだけの埋蔵量があるかわからぬ。けれども、まあ見当としては三千億立米以下じゃないだろうということになっておる。私は、日本全国でもって三千億立米なんて、そんなちっぽけな天然ガスじゃないと思う。関東平野だけだって、未開発であるけれども、これを試錐したならば、一体どれくらい出てくるかわからない。新潟周辺だけでも一千億立米ないし二千億立米といわれている。全く日本全体の天然ガスというものは、調査も何にもされないで今まで放擲されておったところの埋蔵鉱物である。ただ、従来の天然ガスに対しての非常に残念なことは、従来天然ガス開発の国策がきまっておらなかったために、石油会社が石油を掘って天然ガスが出てくると、全部伏せて通るということ。これはなぜかというと、天然ガスが出てきても、これを利用するという何らの考え方も国策の中になかったから、石油を試錐して、天然ガスが出てきて石油が出てこないと、じゃまものが出てきたといって伏せて通るのです。それがこの調査書を読みますと、どこで石油を掘ったときに、どれだけの天然ガスが出てきておるかという記録が全部残っている。そういうものを集めてみると、一体日本に何千億立米、何兆億立米の天然ガスが埋蔵されているのかわからない。どこを掘っても天然ガスが出てきている。ここは石油が出るだろうと思うところを掘って、天然ガスが出てこないところはほとんどない。ほとんど天然ガスが出てきておる。それを、今までは天然ガス利用の国策というものがないから、全部伏せておった。そういうのに対して、昭和三十二年度天然ガス開発基本調査費を三億円要求したら、大蔵省ではこれは不必要だとしてゼロに削るという。一体そういう国家資源開発に対する予算構成の感覚というものがあるかということで、それを非常に残念に思ったから私は何回も質問した。ところが三十三年度に盛るという話だから、三十二年度に削られた分を取り返す方法は補正予算しかないので、補正予算なんか組むようなめんどうなことをするよりは、三十三年度の予算で盛ってもらった方がすっきりしていいというふうに考えながら、私は今まで黙っておった。ところが、今度は三億何千万円。これは私から見ると、非常に少い金で、こんなことで日本の天然ガスを開発してやるなどということは、ちっぽけだと思うが、日本の財力から見てやむを得ないとしても、三億数千万円の天然ガス開発基本調査費というものを、今度は通産省から要求しているという。これに対して、担当主計官として、いかなる御構想をお持ちになっておるか、それを承わっておきたいと思うのです。担当主計官の御意見が、私の意見と一緒であれば、あえて大蔵大臣をこれから責める必要はないだろうと思うけれども、あなたの考え方いかんによっては、われわれも重大な決意をもって大蔵当局に迫らなければならない。でありますから、一つその前哨戦として、きょうは担当主計官の御意見を伺っておきたいと思います。

発言情報

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発言者: 齋藤憲三

speaker_id: 5780

日付: 1957-11-27

院: 衆議院

会議名: 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会