田中角榮の発言 (逓信委員会)
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○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。正力国務大臣がどういう関連で発言をされたかはわかりませんが、マウンテントップ・マイクロウェーブ方式を考えておられることはこれは事実であります。過日閣議でもこういう話が出まして、とにかくこういうものを考えたがどうかとこういうことを申しておりました。またその基底になるものは、どうも日本は有線万能であって、もう少し無線というものを活用することによって、電話料や電信料の低減をはかられようじゃないかというような話がきっかけになってそういう構想が発表せられたようであります。その後、正力国務大臣の発議でと思いますが、内閣官房長官を中心にして何か一つ学者の意見を聞いてみょうということになりまして、八木秀次博士だと思いましたが、八木さんの話を一応関係省の事務当局で聞こうということで、一ぺん聞いたことがございます。省の電波監理局にもこの問題を直ちに私は話しまして、技術的に一体どうなのだということをただして調査を命じておりますが、省の技術当局としては、できないことではありません、また将来はできることでありますし、またやらなければならないことであるとは思いますが、多少時期的に早いのではないかというような話で過ぎておるわけであります。ただこの方式によって防衛庁、国鉄、警察等が電電公社及び国際電電等とは別に事業をやりたい、マイクロウェーブの設定をしてはどうか、特に電電公社の予算をふやすことは大へんだが、防衛庁によってマイクロウェーブをやるなら簡単にできるのではないかというような、しろうと論もなくはなかったようであります。私は当然電波の主管大臣でありますから、マイクロウェーブが設定せられることは、これは好ましいことであるし、大いに国策上やってもらわなければならぬことではあるが、郵政大臣から離れて各省大臣が適当にやられるということなんかは、遺憾ながら賛成できませんから、ということは明確にしておきました。
それからもう一つ、電電公社ではできなくて防衛庁ではできるということはおかしいのであって、防衛庁でできるなら、電電公社へ金を出してくれればわれわれの方で一向差しつかえなく、もっと合理的にやりますし、また電電公社が有線主義であって、無線に対して非常に関心度が薄いというならば、国策的に電電公社をしてもう少し無線の問題に対して業務を拡大せしめればいいのであって、これに手をつけないで、複雑多岐にわたる機構をもってすることは議論が存するところである、もっと慎重にやってほしいということを私としても話しておるところであります。私は防衛庁、国鉄、警察――現在国鉄でもやっておるようでありますが、これはどうも設置法を作るときにやれる、業務上必要なものはやれるというふうに書いてありますし、郵政大臣の認可を必要としない、こういうことでありますが、非常に複雑多岐になってくるものであるし、非常に高度なものでもあり、他との関連もあり、妨害というような問題も起るのでありますから、特に国際的に電波の問題に対しては相当きびしい制約を持っておるというほどのものであるので、これは当然郵政大臣の所管に統一すべきものだという強い考えを持っておるものであります。その意味で、この問題が実施をするにしても、また実施をせられるにしても、電電公社をしてやらしめたいという基本的な考えを持っておるわけであります。正力さんはその後御病気で倒れられましたので、現在までは引き続いては会議が行われておりません。いずれにしても八木博士の意見を聞いたっ放しになっておりますが、近くこういう問題も当然起ると思いますので、起きたときの準備のために、郵政省及び電電公社の間にも、これに対応できるような調査を命じてありますから、この問題が起る場合には、省側の意見を述べるとともに、混乱をせしめないという方向で進めて参りたいという考えでございます。