伊能芳雄の発言 (予算委員会)

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○伊能芳雄君 自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和三十二年度予算補正三件につき、政府原案に賛成の意見を申し述べたいと存じます。
 今回の補正は、一般会計、特別会計並びに政府関係機関の三件にあたったものでありまして、いずれも本臨時国会において緊急に措置することを要するものと認められる事項であります。
 まず第一に、一般会計予算補正(第一号)は、国際復興開発銀行からの借款受け入れに関する交渉の進展に伴いまして、この借款受け入れに必要な予算措置として政府の行う債務保証の限度額等を定める条項を予算総則に加えようとするものであります。この借款によって受け入れられる資金は、日本開発銀行を通じて、鉄鋼及び電力の基幹部門の拡充に向けられるものであります。鉄綱及び電力の供給不足が産業発展の隘路となり、順調な経済発展を阻害したことはいまだ記憶に新たなところでございます。今次の借款による新鋭設備の拡充がこれら部門における供給の増強に役立つばかりでなく、生産性の向上による基礎物資の価格安定を通じて、今後ますます激化する国際輸出競争に打ち勝つ力を培養するものと確信いたします。特に投資の増加が国際収支の重大な負担となっておる今日において、この種の措置を講ずることは、真に時宜に適したものと申さねばなりません。
 第二に、特別会計予算補正(特第三号)は、輸出保険特別会計における輸出手形保険の契約限度額の引き上げに関するものであります。これは、国際的に輸出競争の激化によって支払い条件緩和の傾向に伴いまして、信用状なしの取引を保護することを目的とする輸出手形保険の契約額が急増して参りまして、既定の限度額では不足を来たす見込みとなったことによるものであります。輸出増進を至上の要請とする今日、この保険の契約限度額を引き上げて、輸出取引に支障なからしめることは当然かつ緊要の措置であると信じます。
 最後に、政府関係機関予算補正(機第二号)は、国民金融公庫及び中小企業金融公庫の資金源を拡充することに伴いまして、両公庫の借入金限度額を引き上げ、あわせて収支予算について必要な補正を行おうとするものであります。中小企業のわが国経済に占める重要性は、今さら申し上げるまでもないことでありまして、さきの国際収支改善緊急対策の実施に際しても、一般の金融引き締めが中小企業にしわ寄せされることのないよう、特に両公庫における財政資金の借り入れ予定計画を繰り上げて、中小企業向け貸し出しの拡充をはかったことは、真に当を得た措置と認められるのでありますが、政府は、今回この繰り上げ分を補てんするとともに、中小企業に対する年末金融等の万全を期するために、両公運を通じて合計百七十億円にのぼる財政資金を追加供給することとしておるのであります。現下、中小企業の重要性にかんがみまして、最も時宜に適した措置であると存じます。
 以上、三件を通じまして、いずれも今日最も適切かつ緊急を要する措置であると存じます。従って、政府原案に対し、全面的に賛成の意見を表明するものであります。(拍手)

発言情報

speech_id: 102715261X00519571112_003

発言者: 伊能芳雄

speaker_id: 30997

日付: 1957-11-12

院: 参議院

会議名: 予算委員会