瀬戸山三男の発言 (農林水産委員会)
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○政府委員(瀬戸山三男君) 次に、漁業制度調査会設置法案の提案の理由を御説明申し上げます。
わが国の漁業は、戦後の復興に伴い、次第に漁場が拡大されるとともに、漁業に関する政府の諸施策とも相待ちまして、急速な発展を遂げ、昭和二十七年度においては、その生産高において戦前の最高水準に復帰し、以来、世界有数の水産国の実をあげておりますことは、御承知の通りであります。
しかしながら、この間、沿岸漁場における漁業生産は、必ずしも十分な伸展を見せず、漁業経営体総数の八割五分を占める漁家層は、低い生産性と所得水準にとどまり、また、この漁場における漁業調整、特に沖合漁業との問題は、近来深刻化して参っているのであります。一方、近年におきましては、遠洋漁場において、沿岸国との調整をはかる必要が漸次増大するほか、水産資源の最高生産性を維持するための国際協調が進められ、漁業に関する諸条約が締結されまして、従来のように、漁場の拡大により、問題を解決する方途にも慎重なる態度をとらざるを得ない事態に至っているのであります。
このような事態のもとにおきましては、従来にも増して、一そう水産資源の維持培養をはかり、漁場を高度に利用し、漁業の調整に意を用いまして、漁業の生産性を向上し、漁業者の協同組織を整備し、その経営の安定を期して参らねばならないと思うのであります。従いまして、この時に当り、ただに従来とられております各種の漁業振興施策を強化するのみならず、現行の漁業に関する基本的制度も検討し、これが改善措置を講ずる必要があると存ずるのであります。
現行漁業法によりますと、昭和三十六年度におきまして、一部の漁業権につきましては、第二回目の、その他の漁業権につきましては、第一回目の更新時期に際会いたすことでもあり、この間の漁業事情の推移をあわせ考えまして、現行の漁業生産及び漁業者の協同組織に関する制度を検討し、一そうの生産性の向上と漁業経営の安定を期するために、現在これら諸制度の改善をはかる要緊切なるものがあると存ずるのであります。もとより、行政庁におきましても、かねて研究調査を重ねて参っているのでありますが、これら制度の改善に当っては、その影響するところも多く、また、これら諸制度は、相互に複雑な関連を有しており、専門的に深く検討する必要がありますので、この際、水産庁に漁業制度調査会を設置し、広く学識経験者の御参集を得て、慎重に審議を重ねていただくことが最も適当であると存じ、この法律案を提出する次第であります。
以下、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。
まず、本調査会の所掌事務でありますが、本調査会は、農林大臣の諮問に応じまして、漁業の許可、免許を初めといたしまして、漁業調整、水産資源の保護等、漁業生産に関する制度及びこれらの制度と密接なる関係を有しまする漁業協同組合等の漁業者の協同組織に関しまして、その改善の方途につき、重要事項を調査審議し、また、これらに関し必要と認める事項を、関係行政庁に建議することをその任務といたしたのであります。
次に、本調査会の組織でありますが、本調査会は、委員二十五人以内で組織するものとし、必要に応じ、十人以内の専門委員を置くことができるものといたしました。これら委員及び専門委員は、学識経験者のうちから、農林大臣が任命することとし、会長は委員の互選によって定めることといたしました。
このほか、この法律の制定に伴いまして、水産庁設置法の一部改正を行なっております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。