農林水産委員会

1958-02-27 参議院 全68発言

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会議録情報#0
昭和三十三年二月二十七日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     重政 庸徳君
   理事
           柴田  栄君
           藤野 繁雄君
           清澤 俊英君
           鈴木  一君
   委員
           雨森 常夫君
           佐藤清一郎君
           田中 啓一君
           田中 茂穂君
           仲原 善一君
           堀  末治君
           東   隆君
           安部キミ子君
           江田 三郎君
           大河原一次君
           河合 義一君
           北村  暢君
           梶原 茂嘉君
           北 勝太郎君
           千田  正君
           北條 雋八君
  国務大臣
   農 林 大 臣 赤城 宗徳君
  政府委員
   農林政務次官  本名  武君
   農林政務次官  瀬戸山三男君
   農林大臣官房長 齋藤  誠君
   農林省農林経済
   局長      渡部 伍良君
   農林省蚕糸局長 須賀 賢二君
   水産庁長官   奧原日出男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業協同組合整備特別措置法の一部
 を改正する法律案(内閣送付、予備
 審査)
○臨時肥料需給安定法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○開拓融資保証法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○開拓者資金融通法の一部を改正する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○繭糸価格安定法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○漁業制度調査会設置法案(内閣送
 付、予備審査)
○農業協同組合法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○農林水産政策に関する調査の件
 (日ソ漁業交渉並びに国際漁業問題
 に関する件)
  ―――――――――――――
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重政庸徳#1
○委員長(重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 農業協同組合整備特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第六四号、内閣送付、予備審査、二月二十一日衆議院農林水産委員会において可決)、臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案(閣法第四四号、内閣送付、予備審査)、開拓融資保証法の一部を改正する法律案(閣法第六号、内閣送付、予備審査)、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案(閣法第六五号、内閣送付、予備審査)、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号、内閣送付、予備審査)及び漁業制度調査会設置法案(閣法第六六号、内閣送付、予備審査)を一括して議題にいたします。
 まず、提案理由の説明を求めます。
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本名武#2
○政府委員(本名武君) 農業協同組合整備特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の農業を振興いたすためには、農業協同組合の整備強化をはかる必要があることは、今さら申すまでもないところであります。従って政府といたしましても、農業協同組合の整備強化につきましては、鋭意努力を重ねて参っておるのでありますが、御承知のように、特に経営が不振な農業協同組合につきましては、すでに昭和三十一年度から農業協同組合整備特別措置法により、強力にその整備の促進をはかってきたのであります。
 ところで、本法により整備を行おうとする農業協同組合が整備計画を樹立しなければならない期限及び都道府県知事が農業協同組合に対し合併について協議すべき旨を勧告することができる期限は、いずれも、昭和三十三年三月三十一日までとなっているのであります。
 一方、経営不振な農業協同組合の現状から見まして、本法を適用すべき農業協同組合の数を、当初より若干増加する必要があります。しかし、本法の実施状況からいたしますと、これらすべての経営不振な農業協同組合につき、右の期限までに所要の措置をとらせますことは、困難な向きがありますので、右の期限を若干延長すれば、経営不振な農業協同組合の整備に遺憾なきを期し得ると信ずるのであります。従って、この際、この期限を一年延長することとし、第二条及び第十四条に所要の改正を加えたいのであります。
 以上が、農業協同組合整備特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 次に、臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、第十九回国会において制定せられました臨時肥料需給安定法に基き、昭和二十九年度以降毎肥料年度、肥料の需給計画の策定及び硫安の最高販売価格の決定等を行い、農業生産資材のうち、最も重要な肥料の需給の調整と価格の安定のため、格段の努力をいたして参ったのであります。
 特に肥料の需給計画の決定に当りましては、政府は、同法第三条第二項第四号の規定によりまして、需給調整用として国内消費見込数量の一割程度の保留数量を見込まねばならないこととし、そうすることによりまして、国内消費量が計画に織り込まれた消費見込み数量を上回る場合に備えて、需給計画に弾力性を持たせるようにいたすこととしておりますほか、さらに同法第六条の規定によりまして、農林大臣は、肥料の需給の調整をはかるため、その指定する団体に、肥料の種類、数量及び買い取りの時期を示して、需給調整用としての保留数量の範囲内において肥料を買い取るべき旨を指示するものといたしまして、毎肥料年度、一定量を保管団体に不需要期に買い取らせ、需要の最盛期に放出せしめ、それに対し、同法第九条の規定により、肥料の買い取りにより生じた欠損金の額に相当する金額を、当該団体に補助することとしているのであります。
 しかるに、最近における肥料の需給事情は、生産量が著しく増加して、需給に不安を生じない状態となっており、今後、生産の増加及び消費の増加の見込みからいたしまして、需給は相当緩和されるものと考えられますので、第三条の規定による需給計画には、今後も調整保留数量を計上して参りまして、内需の不測の需要に対処し得るよう措置すべきものと考えますが、第六条の規定による保管団体に対する買い取りの指示を必ず行うということについては、需給状況の改善の実情に照らしまして、今後は需給の調整をはかるため必要があると認めるときにのみ、この措置を講ずることができるものと改正することが適切でありますので、このたびこの法律案を提出いたした次第であります。
 以上が、臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 次に、開拓融資保証法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 戦後の開拓事業も、ここに約十年余を経ましたが、政府といたしましても、この事業の達成のために多大の努力を払っており、また、開拓農家もその営農の安定をはかるために、日夜精進して参り、その生産力も年々高まってきております。
 しかしながら、開拓農家の営農の現状を見ますと、一部には入植後数年ですでに既存農家の水準を越え、新しい農業経営の先駆者と認められる者もありますが、他面、不利な立地条件とたび重なる災害等のため、いまだに富農の基礎も確立できない不安定な開拓農家も少くないのであります。
 政府といたしましては、右の実情にかんがみ、今後の開拓者入植につきましては、開拓入植方式を刷新し、入植者の営農類型を改訂拡充しまして、これに基き、政府が各種の措置を講ずることとし、昭和三十三年度の新規入植はこの方針のもとに、ひとまず、営農の早期安定が確実と見込まれる地区において入植させることとし、その戸数は、二千五百戸にとどめる一方、既入植者の営農の振興に特に重点を指向し、第二十六国会において成立を見ました開拓営農振興臨時措置法等に基きまして、開墾建設工事については、残事業の促進をはかるほか、追加工事を必要とする地区に対し、新たに高率の補助により、開拓地改良事業を実施するため経費を計上し、また、営農資金については、開拓者資金融通特別会計から既入植者に対する貸付金の大幅な増額及び債務条件の緩和をはかる等、総合的に施策を実施する考えであります。
 一方、開拓農家の必要とする肥料、飼料、種苗等の購入に要する短期資金につきましては、農業手形制度の利用が困難なために、昭和二十八年七月開拓融資保証法を施行しまして、自後、中央及び地方に開拓融資保証協会を設立し、開拓農家の債務を保証し、農林中央金庫の資金の円滑な融通をはかって参りましたが、さらに、三十一年秋より中小家畜等の貸付期間三年以内の中期資金についても本制度にとり入れ、営農資金の拡充確保をはかってきたのであります。その後、この制度に対する開拓農家の加入も増加し、また、営農の進展に伴い、資金の需要も増大して参りましたため、現在の中央開拓融資保証協会の基金をもってしては、開拓農家の債務保証の要望にこたえられない段階に立ち至りましたので、政府は、主として既入植者の営農振興対策の一環として、さらに、昭和三十三年度一般会計から三千万円を中央開拓融資保証協会に対し追加出資して、その保証ワクの増大をはかり、開拓農家の必要とする肥料、飼料等の短期資金及び中小家畜等の中期資金の融通を一段と拡充円滑にし、もって開拓農家の農業生産力の発展と農業経営の確立を期待するものであります。
 以上が、開拓融資保証法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 次に、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明いたします。
 開拓者が未開の開拓地に入植し、営農の基礎を確立するためには、必要な長期及び中・短期の資金を要しますことは、言を待たないところでありますが、政府は、昭和二十一年度から開拓者資金融通特別会計を設置し、新規入植者に対し、長期低利の基本営農資金の貸付を行うこととし、昭和二十七年度からは、新規入植者に対する右融資のほか、さらに、入植後三カ年以上を経過したいわゆる既入植者に対しましても、中期の営農資金の貸付を行うこととし、もって開拓者の営農の発展に努めて参ったところであります。
 しかしながら、開拓者の営農の現状を見ますと、一部には、入植後数年で、すでに既存農家の水準を越え、新しい農業経営の先駆者となったと認められるものもありますが、他面、入植後相当の年月を経ても、不利な立地条件や、建設工事の遅延その他やむを得ない事由により、入植当時目標とした営農の基礎を未だ確立できず、また、たび重なる災害等により、過大な負債のため、経営の基礎が不安定な開拓者が、少くないのであります。
 政府といたしましては、このような既入植者の実情に照らし、極力各般の措置を講じ、特にその営農振興に力を注ぐことといたしておりますが、これがため必要な営農資金につきましては、まず、開拓者資金融通特別会計による貸付金の総額が、三十二年度は十九億円でありましたものを、三十三年度は二十八億円といたしました。そのうち、既入植者に対し融通する大家畜、農用施設、農機具等を取得または設置するための貸付金を、三十二年度の八億五千万円から、三十三年度は十六億二千五百万円に、相当大幅に増額しまして、これによりまして、一般開拓者に対し、いわゆる中期資金を、おおむね継続して融資するほか、特に、開拓営農臨時措置法に規定する不安定な開拓者に対しましては、重点を置き、貸付額の増加及び償還期間の延長をはかりたいと考えております。すなわち、償還期間が、従来八年でありましたが、特に、開拓営農振興臨時措置法の適用を受ける経営不安定の開拓者に対しましては、これを十二年といたしたのであります。これが、本改正法律案を提出した理由であります。
 これによりまして、開拓営農振興臨時措置法に基き、振興計画が適切に立てられた開拓者に対しまして、この貸付を行うとともに、別途行うこととなっております負債の条件緩和等の措置を、あわせ行いますと、おおむね五年後には、現在営農の安定のために、特別措置を講ずることが必要と認められる開拓者が、農業収入で生計費をまかない、自立安定した農家となり、さらに進んでは、自後、自力により拡大再生産を続けることになると考えるのであります。
 さらに、別途、中央開拓融資保証協会に対する政府出資の増額をいたしまして、その保証ワクの増大により、開拓者が肥料、飼料、中小家畜等を購入するための資金の融通の拡充円滑化をはかりますとともに、いわゆる天災による資金融通法により、比較的短期の経営資金を借り受け、これの償還が困難な開拓者に対しましては、開拓営農振興臨時措置法による振興計画に基き、その実情を検討の上、これを長期の営農改善資金として借りかえる等の措置を、あわせ講ずる所存でおります。
 なお、既入植地であって、特に振興を要すると認められる開拓地におきましては、開墾建設工事につきまして、さらに事業を促進して、残事業の圧縮をはかるほか、開拓地内の土地改良事業に対し、新たに高率の補助を行う等の措置を講じまして、総じて、開拓地における営農振興に資しようと考えております。
 以上が、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 次に繭糸価格安定法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明申し上げます。
 この法律案は、生糸の輸出の増進をはかるため、輸出適格生糸についての特別買い入れの制度を拡充するとともに、この制度による生糸の買い入れ及び保管の業務を行う日本輸出生糸保管株式会社を、法律に基く特別会社に改組して、繭糸価格安定制度の運営の円滑を期するための改正であります。
 以下、法律案の内容についてその概略を申し上げますと、
 第一は、生糸の輸出価格の安定をはかるため必要があるときは、輸出適格生糸について、一定数量の範囲内で、日本輸出生糸保管株式会社が買い入れ保管しているもののうち、所定の期間内に売り主から買い戻しの請求のないものについては、政府においてこれを最低価格に保管に要する経費を加えた価額で買い入れることができる旨の規定を新たに設けたことであります。
 次に、右の特別買い入れの業務を行う日本輸出生糸保管株式会社の事業の範囲及び同会社に対する政府出資等について規定するとともに、その業務の運営等について、所要の監督規定を設けることとし、その改正に伴い、現に存する日本輸出生糸保管株式会社を、法律に基く特別会社に改組するため必要な規定を設けました。
 なお、政府が保有している生糸について、買いかえを行う場合の規定を加えることにいたしました。
 以上が、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらむことをお願いする次第であります。
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瀬戸山三男#3
○政府委員(瀬戸山三男君) 次に、漁業制度調査会設置法案の提案の理由を御説明申し上げます。
 わが国の漁業は、戦後の復興に伴い、次第に漁場が拡大されるとともに、漁業に関する政府の諸施策とも相待ちまして、急速な発展を遂げ、昭和二十七年度においては、その生産高において戦前の最高水準に復帰し、以来、世界有数の水産国の実をあげておりますことは、御承知の通りであります。
 しかしながら、この間、沿岸漁場における漁業生産は、必ずしも十分な伸展を見せず、漁業経営体総数の八割五分を占める漁家層は、低い生産性と所得水準にとどまり、また、この漁場における漁業調整、特に沖合漁業との問題は、近来深刻化して参っているのであります。一方、近年におきましては、遠洋漁場において、沿岸国との調整をはかる必要が漸次増大するほか、水産資源の最高生産性を維持するための国際協調が進められ、漁業に関する諸条約が締結されまして、従来のように、漁場の拡大により、問題を解決する方途にも慎重なる態度をとらざるを得ない事態に至っているのであります。
 このような事態のもとにおきましては、従来にも増して、一そう水産資源の維持培養をはかり、漁場を高度に利用し、漁業の調整に意を用いまして、漁業の生産性を向上し、漁業者の協同組織を整備し、その経営の安定を期して参らねばならないと思うのであります。従いまして、この時に当り、ただに従来とられております各種の漁業振興施策を強化するのみならず、現行の漁業に関する基本的制度も検討し、これが改善措置を講ずる必要があると存ずるのであります。
 現行漁業法によりますと、昭和三十六年度におきまして、一部の漁業権につきましては、第二回目の、その他の漁業権につきましては、第一回目の更新時期に際会いたすことでもあり、この間の漁業事情の推移をあわせ考えまして、現行の漁業生産及び漁業者の協同組織に関する制度を検討し、一そうの生産性の向上と漁業経営の安定を期するために、現在これら諸制度の改善をはかる要緊切なるものがあると存ずるのであります。もとより、行政庁におきましても、かねて研究調査を重ねて参っているのでありますが、これら制度の改善に当っては、その影響するところも多く、また、これら諸制度は、相互に複雑な関連を有しており、専門的に深く検討する必要がありますので、この際、水産庁に漁業制度調査会を設置し、広く学識経験者の御参集を得て、慎重に審議を重ねていただくことが最も適当であると存じ、この法律案を提出する次第であります。
 以下、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。
 まず、本調査会の所掌事務でありますが、本調査会は、農林大臣の諮問に応じまして、漁業の許可、免許を初めといたしまして、漁業調整、水産資源の保護等、漁業生産に関する制度及びこれらの制度と密接なる関係を有しまする漁業協同組合等の漁業者の協同組織に関しまして、その改善の方途につき、重要事項を調査審議し、また、これらに関し必要と認める事項を、関係行政庁に建議することをその任務といたしたのであります。
 次に、本調査会の組織でありますが、本調査会は、委員二十五人以内で組織するものとし、必要に応じ、十人以内の専門委員を置くことができるものといたしました。これら委員及び専門委員は、学識経験者のうちから、農林大臣が任命することとし、会長は委員の互選によって定めることといたしました。
 このほか、この法律の制定に伴いまして、水産庁設置法の一部改正を行なっております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
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重政庸徳#4
○委員長(重政庸徳君) これらの法律案の審議は、日をあらためて行うことにいたします。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
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重政庸徳#5
○委員長(重政庸徳君) 速記をつけて。
 引き続いて、農業協同組合法の一部を改正する法律案(閣法第一〇〇号内閣提出、参議院先議)を議題にいたします。
 まず、提案理由の説明を求めます。
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本名武#6
○政府委員(本名武君) 農業協同組合法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 農業協同組合及び農業協同組合連合会の行う共済事業につきましては、昭和二十九年六月、第十九国会において成立いたしました農業協同組合法の一部改正により一応その整備を見たのでありますが、その後の共済事業の発展にかんがみて、特に共済契約者あるいは被共済者たる組合員の利益の保護と共済事業の健全な運営を確保する見地から最も重要な事項と考えられる責任準備金の積立、財産の運用方法の規制等につきまして、なお十分とはいえない点がありますので、現在、行政庁の承認を受けた共済規程の定めるところにより積み立てられている責任準備金につき、その積立義務を法定いたしますとともに、財産の運用方法につき、必要な規制を加える等の措置を講ずることにいたしたいのであります。
 次に、農業協同組合中央会の行う監査事業につきましては、当該事業の円滑な運営に資し、農業協同組合及び農業協同組合連合会の健全な発達をはかるという農業協同組合中央会の本来の目的の達成に寄与するため、農業協同組合中央会の監査事業関係の規定を整備し、監査の実施手続を明確にするとともに、監査事業に対する農業協同組合及び農業協同組合連合会の協力関係を明定することにいたしたいのであります。
 以上が、農業協同組合法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
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重政庸徳#7
○委員長(重政庸徳君) 続いて、本法律案の内容その他について、補足説明を求めます。
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渡部伍良#8
○政府委員(渡部伍良君) ただいま議題となりました農業協同組合法の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。お手元に農業協同組合法の一部を改正する法律案関係資料というもの、それからもう一つ、農業協同組合及び農業協同組合連合会の責任準備金の積立及び財産の運用に関する省令案要綱というのを追加してお配り申し上げておりますから、それをごらん願いながらお聞き取りを願います。
 まず第一点の、責任準備金の関係でありますが、これは法案の第十条の三から第十条の四まで規定しているのでありまして、その責任準備金の規定は、もともとこの共済事業をする性格からいたしまして、契約者、あるいは被共済者たる組合員の保護、この事業の健全な運営等を確保するための必要性からすると、事業の内容にわたりまして相当の法的規制を行うことが必要であるのでありますが、昭和二十二年に農協法の制定によって共済事業が行われまして、行政庁の行政指導でやっておりましたが、それでは不十分であるというので、昭和二十九年六月に農協法の一部を改正いたして共済事業を行う組合及び連合会の共済規程を行政庁の承認にかからしめる等、農協法の必要最小限度の事業監督規定を整備いたしました。そうしてそれに基きまして、農業協同組合及び連合会の共済規程に記載すべき事項を定める省令を制定しおります。さらに、農協共済事業指導要綱という通牒を出しまして、その運営に遺憾のないことを期しておるのでありますが、あとで資料について御説明申し上げますように、この事業が非常に急速に伸びてきておりまして、今まで程度のことでは不十分である、そこで、少くとも金を預っておるのでありますから、責任準備金の積み立ての規定あるいは単位組合における共済事業にかかる会計を、他の事業にかかる会計と区分して経理する規定、あるいは共済事業を行う連合会の財産の運用方法、そういうものについてはっきり法的な規定を置くことが、この際、必要である、こういうことで、この改正をお願いしておるのであります。で、ここにあります責任準備金は、省令案要綱でごらん願いますように、「省令の定めるところにより、」「積み立てなければならない。」、こういう規定になっております。その省令には、要綱でごらん願いますと、「責任準備金の積立」、「法案第十条の三の規定により農業協同組合又は農業協同組合連合会が積み立てる責任準備金の種類及びその額の計算は、次の各号によるものとする。」ということを規定いたしてあるのであります。すなわち、積立部分を有する共済事業の種類――これは養老生命共済、建物更生共済でありますが――は、次の額の合計額、すなわち(イ)共済掛金積立金、(ロ)未経過共済掛金、(ハ)特別危険準備金、こういう種類の積み立てであります。さらに積立部分を有しない共済、すなわち火災共済であります。これは、次の額の合計額、すなわち(イ)未経過共済掛金、(ロ)特別危険準備金、こうなっております。これの計算の仕方は、現にやっておる方法をそのまま省令で――今までは指導要綱でやっておるのを、特令に規定して、もっとはっきりしよう、こういうのであります。
 さらに、「財産の運用」、これは第十条の五であります。運用については省令で「農業協同組合の財産で共済事業会計に属するもの及び農業協同組合連合会の財産は、次に掲げる目的以外の目的に運用することができない」、こういうことを省令で定めることになっております。すなわち一は「信用事業を行う農業協同組合連合会、農林中金若しくは銀行への預金又は郵便貯金」第二は「国債証券、地方債証券、政府保証債券又は農林中央金庫若しくはその他の金融機関の発行する債券の取得」、三は「共済規程の規定による契約者に対する貸付」、これ以外には運用してはならない、こういうことを省令で規定しようとするのであります。これが責任準備金及び財産運用に関する規定であります。
 第二点は、中央会の監査事業に対する協力規定であります。農業協同組合の現状とこれをめぐる客観的な情勢を考えますと、その組織及び事業運営の刷新強化をはかることが大切でありますが、さしあたり協同組合の内部における事業監査機能を拡充しようとするのであって、このために三十三年度予算において農協中央会の監査事業に対する補助金約二千万円計上しております。これに伴って、法的にも中央会の監査事業関連の規定を整備するとともに、監査実施の手続を明確にしようとするわけであります。外からの会計検査とかあるいは非違を指摘するということのほかに、検査によって組合の事業の運営を向上していこうというのがねらいであるから、やはり受検の組合の協力は絶対必要であるから、そういう事項に関する規定もこの法律で明らかにしよう、こういうわけであります。
 法律の条文関係の説明は以上でありますが、配付資料について若干補足的な説明を申し述べます。
 農業協同組合の行なっている共済事業には、資料の第一ページの表でごらん願うと、養老生命共済、建物更生共済、農家建物火災共済、団体建物火災共済、職員退職共済、自動車共済、輸送共済、こういう種類の共済事業を行なっております。おもなものは生命共済と建物の共済であります。あとの職員退職共済あるいは自動車共済、輸送共済などは、普遍的ではないのであります。
 このやり方は、単位組合、県共連、全共連のいわゆる三段階によって行われているが、その事業の内容は、原則として単位組合は元受、県共連は再共済、全共連は再再共済の機能を果しております。その共済事業を行う組合の数は、単位組合が九千六百四十六、これは三十二年三月末現在。それから連合会は四十六、これは大阪だけができておらないが、ほかは全部できております。全国は一本、こういうことになっております。
 それからその次のページの養老生命共済は、共済契約者たる組合員から、共済掛金の支払を受け、被共済者につき、一定期間、五年、十年、十五年、二十年、二十五年、三十年内に生じた死亡及び当該一定期間の生存を事故とし、当該事故の発生により共済金を交付する事業、これは普通養老生命保険と同じであります。共済金額は、一契約当り一万円より百万円までとなっております。
 建物更生共済は、共済契約者たる組合員から共済掛金の支払いを受け、共済契約者またはその親族の所有しまたは管理する建物または建物内に収容されている動産であって、共済契約者またはその親族の所有し、または管理するものにつき、一定期間内に生じた火災及び当該一定期間の耐存を事故として共済金を交付する事業でありまして、これは、一契約当り五万円から百万円になっております。
 その次は、建物火災共済であります。これは、やはり共済契約者たる組合員から共済掛金の支払いを受け、共済契約者またはその親族の所有し、または管理する建物または建物内に収容されている動産であって、共済契約者またはその親族の所有し、または管理するものについて、一定期間、これは短期間内に生じた火災を事故として共済金を交付するのであります。これもやはり、一万円から百万円までになっております。
 それから、団体建物火災共済、これは共済契約者たる会員、すなわち組合連合会等の団体でありますが、それにつきまして火災事故について共済金を払うのであります。これは、一契約について五万円から三百万円、これは団体の建物でありますから、ほかは百万円が最高でありますが、三百万円を最高にしておるのであります。こういう種類のものをやっておるのです。
 あと、自動車共済とか職員退職共済その他ありますが、これはほとんど活発にやっておりませんので、内容は省略しております。
 そこで、実績を見ますと、その次の表をごらん願いますと、二十七年から三十一年までの実績を掲げております。相当急速に伸びてきておるのであります。
 それから共済事業を行う連合会の財務の内容であります。五ページの第四に書いてありますが、共済事業を行う連合会の財務の内容については、次の通りであります。つまり、単位組合は、共済責任のすべてを共済事業を行う連合会に再共済させておりますから、共済事業の財務の状況は、連合会の財務の状況と同じと見てもらえばいいのでありますから、連合会のやつを出しておるのであります。すなわち七ページの表を見ながらお聞きを願いたいと思うのでありますが、資産の総額は三十二年三月三十一日現在で百三十九倍になっております。三十年度末では六十八億でありますから約倍にふえておるのであります。このうち、預金が百十五億、有価証券が一億、両者の合計が百十七億になります。それから資本、負債の項目で見ますと、支払準備金が一億五千で、責任準備金が百二十四億ということになっております。これも前年に比べますと、急速に伸びておるのであります。
 以上が、共済事業の内容についての資料の説明であります。
 協同組合の監査事業の資料が第九ページ以下に載っておりますが、これは協同組合に監査士というものを置いておきまして、そうして自己監査をやっておるのでありますが、監査士は「農業協同組合監査士の選任資格を定める省令」、これは昭和二十九年に出ておりますが、それによりまして、資格試験合格者、あるいは無試験資格認定者という者で、一定の経歴のある者から無試験で中央会で認定している、この二つの種類があるのでありまして、その実際の人数は資格試験合格者が百六十五人、無試験資格認定者が三百五十二人で、五百十七人の資格者がありまして、その中から二百八十五人が現在選任されております。
 中央会の監査の実績でありますが、全国中央会の監査は、監査士が三十二年に四人おりまして、これを補助する者十一人、合せて十五人で二十の組合を監査しております。都道府県の中央会の監査の状況は、監査士が昭和三十二年で二百八十一人でありまして、それに補助者三百三十八人、合せて六百十九人が二千三百三十五の組合を監査しておるのであります。この事業をさらに推進しようと、こういうふうに考えておるのであります。
 以上、簡単でありますが、終ります。
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重政庸徳#9
○委員長(重政庸徳君) ちょっと速記をとめて。
   午前十一時三十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時二分速記開始
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重政庸徳#10
○委員長(重政庸徳君) 速記をつけて。
 これをもってしばらく休憩いたします。午後は、一時から再開いたします。
   午後零時三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十四分開会
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重政庸徳#11
○委員長(重政庸徳君) 委員会を再開いたします。
 引き続いて、農業協同組合法の一部を改正する法律案を議題にし、審議を行います。まず、質疑に入ります。御質疑の向きは御質疑を願います。
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東隆#12
○東隆君 この協同組合法の改正を通して、この中に隠れておる問題は、協同組合に課税をするという問題なんです。協同組合の事業に課税をするという問題が、ここに隠れておるのであります。そこで、根本にさかのぼって、私は、協同組合の非課税の原則ということを常に主張をいたしておりますので、その立場から伺いたいと思いますが、日本における以前の産業組合その他に対して、これは協同組合そのものが利潤を追求しない仕事であるために、おそらく協同組合の発足以来、協同組合の事業そのものに対しての利益、そういうようなものはないのでありますから、従って、それに課税をしない、こういうのが、これが基本の原則で、世界的にそういうことが行われておったと思うのです。それが第一次欧州戦争、ああいうようなものを契機にして、協同組合に対する課税が認められた。こんなようなことになって、日本においてもそういうような先例に従って税金をかける、こういうようなことになってきて、そうして現在に至っては、利潤を追求しない、しかも民主主義的な経営をやっておるところの協同組合の事業に対して課税をする。こういうことが平気で行われておる。こういうのが現状だろうと思うのであります。従って、協同組合法に強制規定があるなしにかかわらず、当然協同組合の事業に対して免除をするのが、これが本来からいって正しいことだとこういうふうに考えている。その点はどういうふうにお考えになっているか、これを一つお伺いしたいわけです。
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渡部伍良#13
○政府委員(渡部伍良君) 産業組合時代当時と現在の協同組合法との課税の状況が御指摘の通り違ってきております。しかし、これは世の中の経済機構なり、経済組織の変化からですね、お説のように、協同組合そのものについて、頭から課税をしてはならないという説で通してきていない実例があります。しかし、これはやはりこの協同組合の本質からいって、協同組合が一般株式会社等のごとく、資力のある者が寄って、その資本によって利潤を獲得する、こういうものとは違った本質を持っているような気がいたします、課税上の相当程度の差をつけることがいいということは、これは大多数の人がそう考えるのじゃないかと思います。そうしますと、結局どの程度の差をつけたらいいかということが、先ほど申し上げましたその当時の経済事情なり、経済組織、経済機構のもとで考えられるべきじゃないかというふうに考えられるのでございます。現在法人税あるいは所得税、登録税、印紙税あるいは地方税等につきましても相当程度の差はついておりますが、先ほどから申し上げますように、協同組合は、資力のある者もない者も一緒になって、相互扶助、共存同栄のために組織しておるんですから、もっと安い方がいいんだと、われわれはこういうふうに考えております。
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東隆#14
○東隆君 この共済関係の積立金そのものの内容ですね、これは、利潤を追求するために積み立てておるのかどうか、こういう問題ですね。これは決して利潤を追求していない関係で、かえって、大蔵省の方から考えてみても、積み立てをする、安全な経営をする、こういうふうなことから考えて、当然、こういう種類のものは、協同組合がやる場合には、免除をしなきゃならぬ、こういうことは当然に考えなきゃならない。そういうような場合に、農林省の考え方と大蔵省の考え方との間に非常に大きな食い違いがある。ただいまの非課税の原則というものを農林省が堅固に支持して、そして大蔵省と話し合いをする、こういうことによって、この問題は当然解決しなければならぬ問題ではないか。あえて法律を直さなくとも、こういう種類のものは当然免税さるべきものである、こういうことが確立されていかなきゃならない。ある協同組合の法律には強制規定があるから、そこで免税をする。それよりも長い歴史を持ってそしてやっておるところの協同組合は、強制規定でない、そのために課税をする。こういう考え方が、協同組合そのものの本質に立って折衝をしないところに起きてきておるのじゃないか、私は、こういうふうにも考えるわけです。私は、そういうような点で、協同組合そのものの考え方を、大蔵省にはっきりと一つ今回のこの機会に植え付けておかないと、これは将来いろいろな問題が起きてくると思う。単にこればかりじゃなくて、あらゆるものにこういうような規定をしなければ税金を取ると、こういうようなことになって、協同組合がこれから、組合員のためにやるところの仕事は、各般の仕事がある。それが進んでいけば進んでいくほど、強制規定がなければやっていけないと、こういうような形になっていって、そして、本来の民主主義の機構であるところの協同組合の中に、強制機構を持ってくることによって、協同組合そのものを非民主的なものにしていくおそれが多分にあるわけです。協同組合というものは、そういうようなものじゃなくて、組合員の総意によって決定をして、そうして、利潤を追求しない、こういう原則のもとに立っておるんですから、こいつを、法律を、あまり民主的な機構をこわさないような形でもって当然免税さるべきものであると、こういう形に持っていかなきゃならぬ。そういう点を、農林省の方は頭の中に入れてやっていかないと、常に、仕事をすればするほど、そいつに今度はからんできて、そうして税金を取り上げられる。これは、営利を目的とした仕事と全然違って、そうして、しかも、今回の場合のこれなんかは、積み立てをすることによって非常に経営が安全になっていって、そしてその協同組合以外の関係にも非常に好影響を及ぼすものである。そういうようなもので、これは当然もう免税をさるべきものなんですから、だから、そういうような場合に、規定を持っていかなければ免税にならぬと、そういうような考え方は、これは協同組合というものの本質が、税を取る方の側にはっきりしていないということなんです。私は、その点を強力に、一つこういうような機会に、推し進めていく必要があろう、こう考えるんですが、その点はどういうようにお考えですか。
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渡部伍良#15
○政府委員(渡部伍良君) お説の通りでありまして、一方からいいますと、各種の税金は、各種のそれぞれの法律に基いて規定されておるのでありますから、その中に、特別規定で落すということにならなければ、今のお話の本質論から、すぐは免税ということは出てきませんから、どうしても、こういう法人にはこれこれの税金は課すべきでないということを明確にする意味において、今度も法人税法の対象として法人税法によってかける法人から脱落さす、その目的で法律を改正しておるのでありますから、今後も引き続いて協同組合の本質、それに対する税法上の取扱いについては、私の方でも努力していきたい、こういうように考えております。
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北村暢#16
○北村暢君 今度の法律改正の目的が、今、東委員が指摘いたしましたように、税を免除するということに裏の目的があるようでありますが、農業協同組合法の第六条には免税の規定があるわけです。この規定は、組合員に剰余金の配当に対するものについて租税を課さない、こういう規定があるのでありますが、この条項と、従来農業共済事業を行っておりました法人に対する課税がなされておったということとの、何ゆえそういうような課税がなされておったか。今聞くところによるというと、法人税から、政令で除外するということのようですけれども、もっと早くこれはなされるべきでなかったかと思うのですがね。どういうことで今まで課税の対象になっておったか、この点について、ちょっと御説明をいただきたい。
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渡部伍良#17
○政府委員(渡部伍良君) ただいま御指摘の農業協同組合法第六条は、ここにありますように、「剰余金の配当に相当する金額については、租税を課さない。」これは、まあ会社でいえば利益配当の分について、事業分量割の部分については課さない、それだけでありまして、そのほかに、たとえば、法人税についてはどうする、所得税についてはどうすると、こういうことがそれぞれの法人税法、所得税法等で特例がまた別途にそれぞれの法律で置かれておるわけであります。その六条の分は、今の利益配当に相当する部分だけのことでありますから、ほかにたくさん税がありますから、それぞれ、たとえば、印紙税法等では、組合の発する出資証券、貯金通帳、積金通帳、積金証書、そういうものとか、あるいは組合または連合会の発する貯金証書で記載金額三千円未満のもの、あるいは系統組合及び連合会相互間の受取書、農業倉庫証券、そういうものは印紙税法で印紙税を課さない、同様な若干の例外が登録税にもありますし、所得税にもそれぞれあるわけです。この積立金の今度の改正の裏にある法人税を免除しようというのは、お話のように、元来これにかけるのはおかしいのでありますが、しかし、税の建前から、税の方で、そういうものをかけないといわなければ、性質上、取らなきゃいかぬ、取らなければ、何といいますか、税務担当者は法律違反になるわけですから、法律違反にならないようにするのは、法人税法の施行規則の中で、これはかけないのだということがいえるようにしておかなければならない、それをなぜ早くやらなかったのか、こういうのでありますが、御指摘のように、もっと早くやるべきであったのでありますが、これは先ほどお話がありまして、協同組合について、もっとほかのところにも改正すべき点があるのではないか、一諸にしたらどうかということが第一点と、それから協同組合の共済事業そのものに、先ほど私が説明したときに、もっと法的な規制を――ただ、一般の保険では、保険業法がありまして、これは非常にたくさんの人の金を預って管理するのでありますから、その管理がうまくなければ、関係者に非常な迷惑を及ぼすのでありますから、当然その管理についての規定があるべきだ、これも今準備中であります。金額が少いときには、たとえば、先ほども申し上げましたように、積立金がまあ百億をこしております。それは前年に比べて約倍になっております。三十二年度ではおそらく二百億、やはりことしの倍ぐらいになるのではないかと思います。そうしてきますと、小さいときであれば、この積立金の運用についても、相当の利回りに運用ができるわけでありますが、それがたくさんになってくれば、運用もむずかしくなってくる。これの管理について、はっきりした規定を置きたい、こういうので準備しておるのでありますが、その法的規制は、当然これを直そうとしておったのでありますが、それが手間取っておりまして、相当膨大な規制法律になりますから、それを待てない。この分だけは、予想以上に積金がふえてきておりますから、早く税金の対象から除外してもらいたい、こうなるのであります。大体ことしだと三千万円くらいの免税額になる予定でありますから、相当の金額になるわけであります。
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北村暢#18
○北村暢君 そうしますと、今言われましたように、この剰余金に対する配当に対してすら免税されるのですから、特に事業の一つとしての共済事業、その趣旨からいえば、共済事業なんですから、もちろん営利を目的としていない。税の減免措置というものが当然なされることが、理由としては成り立つものであったということですが、それが今日まで問題にならなかったというのは、その発足当初からいって、その額そのものが大した額にもなっておらなかった、そういう点もありましょうし、今ようやく三千万ぐらいに税額がなっておるということで、すみやかに減免措置をやることが当然だったと思うのですが、法律の不備からこういうことがあったと思うのですが、今仰せられましたように、いろいろほかの面についても検討を要するところがあるようでありますから、私は、非常に政府としては、これはやはり問題が水産協同組合の場合は、初めから除かれておった問題で、それとのバランスからいっても当然早く考えられるべきで、今まで出なかったということは、非常に怠慢であったのじゃないか、こういうふうに思うわけです。従って、これ以外のいろいろな問題についても、先ほど東委員が指摘いたされましたように、協同組合の事業の税の減免措置というものが、原則として営利を目的としない事業でありますから、私もそうあるべきだと思う。政府は、すみやかにそういう準備をやるべきである、こういうふうに思いますので、これは答弁は要らないと思いますので、要望をいたしておきます。
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東隆#19
○東隆君 私は、共済関係でもって蓄積された資本というものは、これは普通の協同組合の信用事業における資金のように短期の資金でなくて、将来これは長期の資金に当然運用していかなければならぬ筋合いのものである。これは農業保険が日本に一番初めに到来したときにペー・マイエットなんかが強力に主張をしておったことであって、農村金融のおそらく中心になるところのものは、農業保険を通して長期の資金が得られ、この資金を十分に農村に還元をして、そうしてこれを生かすことによって、初めて農村金融というものは完成をするものである、従って、早く農業保険をやるべきである、こういうのがぺー・マイエットなんかの明治二十年代ごろにおけるところの強力な主張であったのです。ところが、それが行われないでずっと続いておって、日本では保険事業というものはことごとく営利事業でなされてきた。従って、農村には長期資金を蓄積するところの機関が一つもなかった。そうして財政投融資というような関係でもって預金部資金が流れたりなんかして、辛うじて長期資金をまかなっておった。そのために農村は資本的に蓄積が一つもできなくて、そうして常に経済界の変動によって苦しめられてきた。こういうのが、私は日本の農村の姿であると思う。従って、この共済事業によって蓄積されるところの資本というものは、当然農村に還元されるべきものである。ところが、今お考えになっておるところの財産の運用のやり方は、非常にそういうようなものとはかけ離れた考え方になっておる。単に安全ばかりを考えて、そうして農村にこれが還元されていかない。ただ中金の余裕金として存在をする、あるいは国の債券や地方債券、そういうようなものに固定されて投資をする。農村の住宅の建設もできないし、土地改良も根本的にやれないし、それから農村におけるところの病院の建設なんかも私はできないと思う。厚生事業を進めていくために資金を借り出そうとしても、なかなかこれは容易じゃない。しかし、こういう積み立てられた資金こそ、農村厚生事業に投資してもいい資金じゃないか。あるいは農家の住宅を建設するためにこの資金を使っても、そして考えようによれば、この積み立てられた資金というものは、これは金利というものを、見ようによっては非常に安い金利のものに使えるところの原資金になるわけです。ところが、この考え方からいけば、これは単に預金として、その金利だけを利用するというような形に、これがなっておるために、共済事業をやるところの本来の大きな目的から、これは非常にそれてしまう。このやり方を、従ってもう少し道を開いて、たとえば農家の住宅を建設する資金のためにこれは使うことができるのだ、こういうふうにすれば、結局いい住宅に入れば衛生方面もなにいたしますし、それから生命が延びれば共済料金もたくさん入ってくる、拡大されていくわけです。火災関係の問題にしても、りっぱな家をこしらえれば、不燃質の家をこしらえれば、これは火災にかからないで済む。そして、しかも安い保険料でもってやっていく、こういうような非常に重要な農村の資金として、しかも長期資金として非常に重要なものを、それを変な方面にみんな使わなければならぬ、こういうふうに規定をするのは、これは農村金融本来のものを忘れてしまっておるところのやり方である。こういうように考える。この点はどういうようにお考えですか。
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渡部伍良#20
○政府委員(渡部伍良君) ただいま御指摘の点は、この制度ですね。非常に重要な問題じゃないかと思います。私どもも、考えようによっては、共済の目的を達すれば、この積立金は無利子で貸してもいいのじゃないか、安全に返ってくるならば。ところが、御指摘のように、共済の目的と、その積立金を利殖してその積立金をまた配当する、こういうふうに二重に使っていることになっているのです、現在。ところが、また別の方面からいいますと、現在までは金が比較的少いですから信連に預け、中金に預ける。これはほとんど現在までは百二十四億のうち百十五億は系統機関の預金になっております。有価証券その他わずか一億ぐらいになっております。これぐらいの金ならば、それで運用ができると思う。これが二百億になり五百億になるということになると、もう中金なり信連でも、そういう金を頂って、現在のように六分五厘とか七分で預ってはくれなくなる、当然。従って、これを御指摘のような農業生産の拡充の長期的な運用の方に向けなければならないということは、われわれもかねてからそういうことを関係者で相談して、ぜひそういう方法を確立したらいいじゃないか、また別の議論としては、これを長期に運用するとすれば、現在農林漁業金融公庫に預けて、農林漁業金融公庫の一つの長期資金として運用してもいいのじゃないか、いろんな案を今検討しております。しかし、根本はどうしてもこの積立金を有利に利殖して、そこでもうけるという考え方をやめて、共済でその財産を保護する。その積み立てた金は、もっと長期に農業生産を拡大する方向に用いるべきである。この方向は私ども全く同感でありまして、どうしてもそうしてもらはなければいかぬというので、今関係者で案を練っているのであります。ただいままでの、ただいま省令案としておりますのは、「共済規程の規定による契約者に対する貸付」、この中で一応やればできることになるのでありますけれども、もっと何と申しますか、根本的にそういう制度を、この共済事業の中で打ち立てていく必要がある、こういうふうに考えております。
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東隆#21
○東隆君 農業災害補償法による農業共済組合で、家畜の診療所をやっておる、これは割合に、よその方はわかりませんけれども、北海道なんかでは非常にスムーズにいって、なかなかいいのですが、そうして、かえって人間の病院よりも充実しているのじゃないか、農村においては。従って、そういうようなことを考えて参りますると、共済関係の、特に生命共済というようなものを中心にした場合、そこから上げられてきたところの積み立てられた財産は、私は当然農村における厚生事業、こういうようなものに投資をする道を開いておいた方が、これは将来のために非常に明るい資金の利用面になるのじゃないか、それで、これを関係をもし非常に困難なものにするならば、共済事業が付帯事業として厚生病院をやる、こういうような考え方も一応考えられる。それで、そういうような考え方でもって、当然あの事業を広げていかなければ、厚生事業というのは、どこの県もおそらくそううまくいっていないのじゃないか。しかし、あの仕事は非常に大切な仕事ですから、その方面に融資をする、こういう道を一つ、何らかこの際、開いておかなければいかぬ、こういう考え方ですが、この点、一つどういうふうにお考えですか。
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渡部伍良#22
○政府委員(渡部伍良君) これはもうすでに議題になっているのでありまして、今まではこの金は系統預け、国債、それから有価証券ということで、今お話いたしましたように、ほとんど全部が系統預けになっております。それを、お話のように、組合員に還元する方法で、直接信連を通ぜずに、この共済の単位組合から流した方がいいのじゃないか、こういう意見が出てきているのであります。私は、拡大的にやった方がいいというので盛んに中で議論しているのでありますが、ただ、今程度の金額であれば、二百億ぐらいであれば、全く系統預けでやった方が安全確実じゃないか、こういう意見の方が現在のところ強いのであります。しかし、お説は私全く同感でありますから、今度の省令をきめるときには十分そういう点も取り入れまして、ここにお配りしている省令案の、この内容については、十分そういう御意見が実現できるような方向で考え直していきたい、こういうふうに考えます。
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藤野繁雄#23
○藤野繁雄君 多年の懸案でありました農業協同組合及び農業協同組合連合会が行う共済事業の責任準備金の積み立て義務の法制化について、今回ようやく政府から法律の改正が提出されるに至りましたことは、おそきにすぎるうらみがあるのでありますが、この点については、政府の労を多とするものであります。私は、この機会に、農業協同組合及び農業協同組合連合会に関して、諸般の事項にわたって問題を究明し、政府の所見をただし、その誰処を求めたいのでありますが、責任準備金を積み立て義務の法制化は、法人税の取扱い等との関連において急を要し、従って、この法律のすみやかなる成立が要望されておりますので、農協の基本的な問題に関する審議は他の機会に譲ることといたしますが、ただ一言、本法案成立の上は、特別危険準備金は、他の例に見るように、所得の計算上損金に算入するよう取り扱われるものと期待し、その実現方について、農林当局の善処を求めるものであります。この法律案の提出までの経過から考えてみますると、農林政務次官は大蔵政務次官と十分な検討がなされておるのでありますから、この点について、農林政務次官の決意を承わりたいと思うのであります。
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本名武#24
○政府委員(本名武君) ただいま藤野委員の御意見まことにごもっともでございまして、われわれも本法案のすみやかな提出と、そうして成立を久しく期待いたしておったのであります。本日はここに御審議をいただきまして、さらにこの法案の本質的な目的と申しますか、われわれの念願いたしておりますところは、やはり責任準備金に対する課税の問題だろうと存じます。この点につきましては、大蔵当局とも完全な折衝をいたしまして、必ず御要望の通りの実現を期することを確信いたしております。従いまして、この点については何ら御懸念をいただかなくても、本法案の成立後において、ただちに法人税の政令の改正を行いまして、本年度内に実施いたしますことを、ここにはっきり申し上げて、お答えにかえたいと思います。
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重政庸徳#25
○委員長(重政庸徳君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
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重政庸徳#26
○委員長(重政庸徳君) 速記をつけて。
 他に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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重政庸徳#27
○委員長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御発言もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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重政庸徳#28
○委員長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。農業協同組合法の一部を改正する法律案を、原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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重政庸徳#29
○委員長(重政庸徳君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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