永野護の発言 (運輸委員会)
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○永野国務大臣 去る八月十二日に全日空の飛行機が事故を起しまして、多数の皆様方に言いしれぬ悲しみの種をまきましたことは、何とも申し上げられない、実に遺憾千万なことだと存じております。あとに残られたる遺家族の方々の御愁傷はもちろんでありますけれども、一般日本国民全体にわたって飛行機交通に対する非常な不安の念を持たれたことは、実に残念千万に存じておるのであります。私はあらためて心から遭難者遺家族の皆様方に哀悼のお言葉を述べたいと存じております。
むろん私どもは、今後なおまだあるいは生存者がどこかの島にたどり着いておられるかもしれません、しかしおそらく大多数は遭難されておるのではないかと非常に心配いたしておるのであります。従いまして、ただいまのところでは全力をあげてその遭難者の救済あるいは捜索、これを継続して参りたいと存じます。全力をあげて尽したいと存じております。その後には、今度は再びこういう間違いを起さないように万全の対策を研究したいと思っております。今日、事件発生後いろいろな点で不十分な、特に遺家族の方々の御満足のいかない点があったと思いますけれども、われわれは全力をあげてその救難事業に尽したつもりでございます。従いまして、そのあとの対策を考える余裕がなかったというのが実情だと思います。あとをどうするかというよりは、目先に起つておりまする遭難事故を、少しでも一人でもまず救い出したいと考えておつたのであります。しかし遺憾ながら今日まで生存者をわれわれは救い出すことができませんでした。せめてもの心やりとして、遺骸だけでもぜひとも探し出したい、それに万全を尽したいと存じております。しかる後に、今度はどうして将来こういう悲惨事を再び繰り返さないようにするかという点にわれわれの努力をしぼりたいと考えております。
それには一番大切なことは、機体を探し出すということがその原因を探求するのに最も大切なことだと思いますので、何とかして機体を探し出し、それを引き揚げたいと考えております。しかる後に、われわれの技術陣を総動員いたしまして、どういう理由でこんな悲惨な事実が起つたかということを的確に把握いたしますとともに、それの対策を具体的に考えていきたいと存じておるのであります。この点は大体技術的の話でありますけれども、昨日の閣議におきましても、そういう技術的の問題のほかに、政治的にあるいは政策的に考えなければならぬ問題がたくさんあると思います。総理初め、この点は非常に関心を持って、その善後処置を考えておりますので、早急に飛行機事故の対策委員会というものを相当大がかりにこしらえまして、再びこのようなあやまちを起すことのないように研究いたすつもりでございます。
繰り返して言うようでありますが、単に技術面だけでなくて、その機構上、政治経済の運営上われわれとしては考えなければならない点があるのではないか。その研究を委員会に諮問いたすつもりでおります。こまかい技術的の問題で、飛行機事故が起る前の経過、それから事故が起りましてから後の救難作業がどういうふうに行われておつたか、さらに今後どういう方針でわれわれはこの捜索を続けていくかという過去と現在と将来にわたる具体的の対策は、事務当局から詳しく御説明させまして御了解を得たいと存じております。
最初に一言この遭難事故の多数の犠牲者の遺家族の方々に対して、心からなる哀悼の言葉をささげますとともに、日本全体の大衆に非常に不安な念を与えたことをいかにも申しわけのないことと存じますので、それを一言申し述べさしていただいた次第でございます。どうぞ御了承を願いたいと思います。