関晴香の発言 (地方行政委員会)

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○参考人(関晴香君) 私どもの方に漁業者より、水が悪くて困る、会社側に善処方を望みたいという陳情がございましたのは四月二十三日に正式にございました。これは江戸川水系の九漁業権者から参ったわけでございまして、水産課及び私どもの方にございます内水面の漁場管理委員会というのがございます。この両方に要望書の提出がございました。
 次に、四月二十五日、委員会におきましてこれを取り上げまして、建築局の指導部長あてに善処方の要望書を提出いたしまして、さらに私どもは、私どもの水産試験場の調査を依頼いたしまして、さらに工場を調査しようということを決定したわけでございます。続きまして、五月八日には、内水面の委員の六名の方と、水産試験場員一名と、水産課の課員二名で工場を現地に視察いたしております。その結果見ただけでございますが、これは悪質排水と一応見たところ結論を下しまして、こういう施設ではまずいではないか、もっと害のないような設備を必要とするという旨を口頭でその足で工場側に申し入れをいたしました。しかし、これは見ただけの結論でございますので、五月十三日、十四日にかけまして水産試験場と水産課と合同の上で水質並びに生物試験を実施いたしました。その結果、十六日、先ほど指導部設備課長の言うように、その結果を報告したのは十六日でございます。
 その試験の内容は、結局、排水口付近並びにその下流二カ所におきまして水を取って参りまして、その水でアユ、コイとかを飼ってみまして、何時間あるいは何日たってそれが参る、死ぬというような実験がおもでございました。その結果やはり相当の悪質の水である。ただし下流に行くに従って、もちろん水量によって薄められますので、被害がゆだんだんなくなるのは当然な結果でございますが、一応排水口から相当下までには有害である。魚族は寄りつかないというのがはっきりわかって参りました。ただ、これが海水面までの影響ということは、そのときはまだ検討いたしてございませんでした。そこで私ども、そういう結果を指導部の方に連絡いたしましたので、指導部の方で先ほどのように会社側に連絡していただいたわけでございます。
 そこで、五月二十四日に千葉県の浦安並びに私どもの方の関係の漁民が工場に集団陳情いたしたわけでございますが、あくる日には会社側もその結果排水を中止して、相談に応じようというようなことでございましたが、これも直ちに排水停止はむずかしいというようなことで、漁民との間に話し合いがついておりません。
 五月二十六日以降三十一日までは、会社側が排水を停止して、組合側と折衝を開始したのでございますが、やはりその間の折り合いがつきませんで物別れになっております。
 三十日の日には、東京都側の組合側も、適当な時期に都で一つ中に入ってこれの解決にあっせんしてもらいたいという申し入れを正式に受けたわけでございます。私どもも時期を見て——やはりこれは時期がございますので、時期を見て当然私どもの立場から中に立って、漁民側の納得のいくように、また工場もこれで納得がいかして、成り立っていくように、時期を見て当然乗り出すべきであろうというような態勢で待っていたわけでございます。ところが、その組合側と会社側の交渉を見ておりますと、なかなか水をとめるという問題で話し合いがつかないうちに日がたったわけでございますが、あらためまして私どもも、先般の調査でできませんでした海水面の被害状況を調査しようということになりまして、六月四日に調査を実施いたしました。さらに六月五日には水産課、水産試験場、それから建築局の方と一緒に現地の視察も行なったわけでございます。
 その結果、やはり海水面にも影響があるということで、建築局に対しまして、会社側に操業停止をしてもらうようにお願いしたのでございますが、その後なかなか、出たりとまったりで、会社側がとめておりませんので、さらに建築局に頼みまして、会社側に対してとめるように要望いたしております。その後、やはりどうしても会社側の誠意が、とめるという誠意が疑われますので、これでは困るということで、公文書をもって、先ほど設備課長が言ったように、建築局あてに停止方を一つ命じてもらいたいという公文書で先に依頼したわけでございます。その結果、現在まで水がとまっているわけでございますが、工場といたしましては、現在ああいう排水をする以上、私どもの水産の方の立場から申し、保護の立場から申しますと、ああいう設備で、沈澱池も作らずに放流しておるということは非常に手落ちであるというような結論を下しておりますので、会社側では沈澱池を作っているようでございますが、沈澱池を作らないと、ああいうパルプ作業におきましてはこまかい繊維が流れ出ます。そうしますと、これが長期のうちには海面に停滞いたしまして、どうしても有機物でございますので、発酵いたしまして、貝類の生息に非常にこれは障害があるという結論で、この点も前々から施設の設置を申し入れたときにもそういうことを申し入れておったわけでございます。現在そういう線で会社側も沈澱池の設備を急いでいるようでございます。
 私どもは、ではそれだけで果して有害——魚族に被害を与えないかということにつきましては、まだこれは疑問がございますので、一応沈澱池その他の設備の改善ができましたならば、その暁にその水をもう一ぺん検査いたしまして、できれば、それは会社側並びに漁民側、ことにこれは千葉県、東京都、両方の漁場に関係がございますので、千葉県の方にも立ち会っていただいて、そこで公正なその水についての検査を行なって、これが有害でなければ操業を開始してもいい、もし有害ならば、それが除去されるまでは水をとめてもらいたいというような意向で、そういう検査を行いたいと現在考えておるわけでございます。
 これが私どもの水産資源保護の立場から考えますと、一応会社側といたしましては、海面まで達すれば非常に薄められて無害であるということは言っておりますが、そういうパルプの残滓の堆積による被害ということにつきましては、会社側も認めているようでございますので、沈澱池を今作りつつありますが、その他の面につきましては、これがやはり共同調査をいたして完全なものに持っていくためには、これはやはりもう一ぺん検査を立ち会ってやらなければならぬ、先ほど申しましたように、かように考えておりますが、もともと、この意見を申し上げますと、こういう工場の悪水の出る、これを防止するということにつきましては、東京都には先ほどの工場公害防止条例によりまして、一応は防いでいるわけでございますが、これだけでは不十分だと思っております。さらに私ども、水産資源の方には水産資源保護法という法律によりまして東京都では漁業調整規則を作っておりまして、それによって取締りもできるようになっておりますが、この取締りだけでは、工場側の施設が有害である場合に、その施設を改造または除去を命ずることができるわけでございますが、それに違反したところで大した刑罰もございませんし、罰金やわずかの刑罰であくまでも続けられるということになりますと、これは非常に不十分な規則でございますし、もっと徹底した、やはり一般の汚水防止に対します、もっと根本的な法律が出ますればやりいいんではないかというように、今般ことに問題になりましたので、いろいろ東京都の条例、それから水産資源保護法等について考慮しておりますが、なかなか十分ではないというふうに現在考えておる次第でございます。
 一応今までの経過と意見を述べさせていただきました。

発言情報

speech_id: 102914720X00319580620_005

発言者: 関晴香

speaker_id: 33473

日付: 1958-06-20

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会