清澤俊英の発言 (農林水産委員会)
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○清澤俊英君 私は、少くとも百五十石くらい作るものなら一円かからぬのじゃないか、あれだけの一貫作業でやりましたら、一、三石でも二円五十銭はどうもおかしいと思うのだ。これは北さんとか農協の非常な堪能な人もおられますが、二円五十銭といったら最大だと思う。そこで、かりに四円五十銭の牛乳を農民から工場でとりまして、そしてそれに二円五十銭かけても七円、それが十二円ないし十四円くらいといわれている。五円ないし七円の中間経費というものが考えられる。そうしますると、今も堀本さんが言われまする通り、これを一体どうするか、これは非常に重大な問題だと思います。いろいろ、あまりもうけがあり過ぎるじゃないかというような話を牛乳会社等に私どもはしますと、何といいましても配達は二百五十本最大、距離によりましては二百本くらいの一人が配達量しか持たない、そこへもってきて約一割くらいのビンのこわれが出る、そういうものを計算すると、このくらいの中間の利益というものを持たなければ牛乳会社としてはやっていけない、こういうことを言うのです。そこで、われわれが考えますとき、昭和二十五年ないし六年にわたりまして、アメリカが戦争中に使ったんだろうと思いますが、脂肪と蛋白とそのほかのものを全部分離して固形品にして、それを横浜へ持ってきて、これをまた再び蒸留水をまぜて牛乳にして売り出す。その際持って参りましたのが、紙の袋に詰める道具を持ってきて、ぜひアメリカの方からこれを輸入してもらいたい、免税で輸入してもらいたい、こういうような事件が起りまして、ちょうど私らその時分大蔵委員をしておりましたので、今緑風会の森八三一君と二人で絶対にこれは反対して、とうとう入れさせずにしまいました。最近は、その後見ておりますと、森永等でちょっと販売しましたが、あまり成績を上げないで市場から姿を消しました。少くとも私は販売の経路において、そういうものを業者をして研究させる、あるいは国が経費を出して徹底的に研究をさせる等のことがまず私は第一のものじゃないか。中間経費をそうやってどこまで下げられるか、大体今も一番大事な加工費が完全にわかっておらないというようなことでは、これはそういうものまで改良する私は余地を持たないと思う。
その次に私は考えますことは、今も環境衛生局長が言われまする通り、いろいろの栄養的の価値あるいは牛乳の食品としての、日本人がとり上げていく上のことをいろいろ研究して、これこれの末端市場においてこれを飲ましていくということを言われますけれども、要は消費の拡大ということになりますから、これがどう普遍化するか、大体農林省として考えられておりますこと、国が酪農政策を農業の中へ取り入れて、さきにも言われます通り、私は少くともこういう消費拡大をやっていきますためには、もう少し研究と宣伝、使う方の宣伝にもっと金を何億と使ってみたらどうだと思う。それをするのには、大都市の方々へ、こういうところの牛乳の用い方をやってやればうまくいくじゃないかというようなことは考えられる。これは総合的に、私が前に二つの例をあげて申しましたことを、最近売り出されておりますヨーグルトで考えると、ヨーグルトは大体四円でできている。四円なら原価があがっている。それを十円なり十二円なりでやはり売っている。あまりもうけが多過場ぎるのじゃないか、乳酸菌が入っておって、非常に人間にいいとするならば、なぜ六円くらいにして、そして人間に食わせるようにして宣伝したらいいじゃないか。ということは、この委員会が一度林野庁の試験場に参りまして、林野庁に参りますと、イタヤからとりました糖蜜を、これをかけて食べせさるわけです、非常においしい。幾らでも私は食べられると思う。五つでも六つでも食べられると思う。あんなすっぱいものをそのまま出しては、だんだん使い手がなくなる、みずからなわをかけているのと同じだ。こういうふうにして、使い方によっては牛乳よりもっとずっとうまくいくと思う。かりに、つぶし麦なんかある。私は戦争時代、牛乳屋さんと非常に知り合いが多かった。埼玉あたりに出て参りますと、ちょうどコウリャンが配給になって、このコウリャンを食うようにといったって、なかなか食われません。ところが、牛乳の熱いのをあのコウリャンをたいたぼろぼろしたものにざあっとかけて、これをかき回して塩を入れて食べますと、これは実に、下手な御飯よりはずっとおいしく食べられる。そういうものを考え出して、徹底的な宣伝をして、消費増大をはかった方がいい。なぜそれをおやりにならぬのか。農林省のおやりになることは、給食に使ったらいいじゃないか――これも民間から出た言葉。それから今やっておりまする集団牛乳、安くして集団牛乳の販売方法、これも現に農協の方で酪農、そういうものを考えられて最近やっておられる。私は、これなどは今の場合ちょっと考えたらそれでいいようなことでありますが、果してそれでいけるのだろうかどうか。農林省はもっとはっきり考えてもらわなければならない。みんな市乳の方に走って、十円ということになりましたら、今、現在の計画において相当の原料乳が余っている。これは今の価格じゃ、今の買い入れ価格じゃとても間に合わないと弱っている。そうすると、市乳の利益でこれをカバーしていかなければならない。これは商業上の当然の私は成り行きだろうと思う。こういうようなことを考えた上で、全部が十円にまで下げてしまうなんということになったら、私は自分のからだを、酪農という一つの業態を縛るようなことになりはしないか、こういうことも考えられるが、その点をどうお考えになっておるか。私は、ただ学校給食をうんとふやしたらいい、あるいは奨励金を出してこうしたらいい、これは一番いいに違いないでしょうけれども、そんなことじゃ終局的な問題の解決にならないと思う。従って、さっきも堀本さんが言われる通り、大体日本人が牛乳をとって、そうして米の食糧をとっていくのと対比して、経済的にやっていけるというには、一体、牛乳をどれくらいにしたらいいのか、どれくらいにするならば、どういうところで、どういう方法をとったらこれが的確な乳価が得られるのか。私はこれを中心にやっぱり考えなければならぬ。適地適作ということは、そういうところから私は割り出されて考えられる。先般、今月の二十二日から、いろいろ兼松君のお世話で、私は広島県の硲谷に行って見て参りました。あそこらでやっているのは、おそらく二円五十銭で楽にそろばんが上る。乳価の値下げなんかびりっともしませんと言って、非常にがんばっております。そういうような点をどういうふうにお考えになるか。私はいま少し根本的に考えていただきたいことは、それは今の場合、学校給食もけっこう、徹底的にやって、今の場合つないでもらわなければならぬ。あるいは奨励金や補助金くらい出して、これもつないでもらわなければならぬ。同時に、私は、ただいま申しましたこの中間経費の削減という問題を、これは国も中心になり消費者も中心になり販売者も中心になって、徹底的に紙の袋でも何でもやったらいいじゃないか、何も一合びんじゃないといかぬということもあるまいし。こういうようなことを考えまして、三点について私は農林大臣のはっきりした考え方をお伺いしておきたいと思います。