秋山俊一郎の発言 (農林水産委員会)

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○秋山俊一郎君 私は時間がございませんので、簡潔にお伺いをいたしたいのでありますが、御承知の通り新聞紙上にすでに報道されております、長崎県の五島沖合において、去る二十六日の未明に漁船に付属しております第二星丸、これは鮮魚の運搬船でございますが、これが韓国の警備艇に拿捕された事件についてであります。
 農林、外務、海上保安庁の方々に一括してお尋ねをいたします。この事件は、第二星丸と申しますのは、まき網小船団と申しますか、七そうをもって成っておりますまき網漁業の付属船でございますが、これが二十五日の夕方五島を出まして、そうして西方の海面において小アジの漁業をやっております際に二回漁業を――網を巻きまして、そうしてその漁獲物を第二星丸に積み込んだ。そうしてまさに根拠地である長崎港に向って出発しかかっておる際に、突然韓国の艦艇が、百五十トンぐらいと言われておりますが、後方から突然やって来ていきなり接舷して、そうして四名の韓国の船員と申しますか乗組員が拳銃及び小銃を持って飛び込んで来まして、操舵をしております船員に向って、船員の背中に拳銃を突きつけて、そうしていきなり電気の電源を切ってしまった。そうしてこれを拿捕したわけであります。そうしてその位置は、海上保安庁のいすず巡視艇が測定したところによりますと、まさしく李承晩ラインの外側でありまして、はっきりと位置も出ておりますが、北緯三十三度三分東経百二十八度十一分で、農林漁区の二百四十三区の中で拿捕されております。そうしてその船員のうち一名だけを残して、あと九名をその警備艇に移乗させまして、そうしてあとからついてこいというので、西方に向って走っておる際に、ちょうどその際に魚は六千五百貫ほど積んでおりましたが、デッキに積み残しがありますためにその整理をさすので、さらに日本のこの第二星丸の乗組員を三名あとへ戻しまして、この漁獲物の整理をさしておったのであります。その際にいすずがこれを見つけまして、あとから追つかけてきたようでありますが、接近しますというと、これに向って銃撃を加える。そのためにいすずはまたあとへ下ってしまった。そこでいすずが海へ飛び込んで逃げろということを……、その前に、その釈放方をサーチライトで信号し、あるいは大声をあげて呼んだようでありますけれども、一切聞き入れずに、かえって発砲してこれにこたえたというようなことで、いすずはあとへ下った。そういうようなことから、中へ乗っております船員も何とかしてのがれようとするけれども、四名の韓国船員が拳銃を持って見守っておりますために、のがれることができなかったのでありますけれども、すきをうかがって一人が海に飛び込んで、そうしていすずを目がけてのがれたのであります。またもう一人機関長があとから、これはいろいろいきさつはありますけれども、海へ飛び込んで逃げた。それを銃撃しております。こういうことはまことに人道上から見ても許すべきことではございませんし、しかもまた、その船員が語ったところによりますと、第二星丸を拿捕する前に、もう一そうの船をつかまえに行った。ところがその船は小さくて何も魚を持っていなかったために、それは接舷したままで拿捕せずに、魚の処理をしております、満船しております第二星丸をつかまえて、そうして君たちは魚を持っておったから不運だ、というようなことを公言して、そうしてその船に乗って飯を食ったり何かして引っぱって行った。
 こういうことがこの拿捕の概略でありますが、全くこの行為というものは官船のやる行為ではなくて、海賊的行為である、私どもかように考えております。しかもまた日本の艦船に向って銃撃をし、日本の巡視艇は銃撃によって後退して指をくわえて見ておったというような感じがいたすのでありますが、この点は私は海上保安庁の方にお伺いしたいのでありますが、こういうときにはただ全くの不法行為に対して、何らなすべき道はなくただこれを見守っておるというだけの行動しかできないのであるかどうか、この点をお伺いいたします。
 それからさらに、この第二星丸につきまして、関係者並びに九州方面の関係団体等から韓国の出先に陳情したようでありますが、新聞の報ずるところによりますと、第二星丸は釈放しないということを新聞に宣言したことが出ております。外務当局はこれに対してどういう措置をとり、どういうふうな状態に進行しておるのか、これを外務省当局にお尋ねをいたします。
 それから、この区域がすでにいわゆる李承晩ラインの外で、自由な公海において操業されておったものが拿捕された。元来、危険区域としまして漁船はこの危険区域には近よらないで、もっぱら安全な操業をせざるを得ないということで、自粛をしてやって参ったのでありますが、ちょうど漁期でもあり、しかもこの李承晩ラインのために西日本の漁船は非常な打撃を受けまして、倒産したものもおびただしい数に上っております。一時の盛んな時分から見ますと、まき網は半減以上に減じております。この際辛うじて自由な漁場で操業しておるものまでもかような措置を、不法行為を受けるということになりますと、一体日本の漁船はどうしたらいいか、全く方法がない状態になっております。これはさらにまた最近、日中漁業の問題も非常な暗礁に乗り上げておる際でありまして、西日本における漁業者は非常な心痛をしておるのでありますが、農林当局は、かように危険区域外において操業しておってすらもかようなうき目にあう、しかも日本の巡視艇はただ何らなすところがない、かような状態で日本の漁業者をどうして守っていくか、これについて農林当局はどういう方法をこれから講じようとしておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。

発言情報

speech_id: 102915007X00919580708_029

発言者: 秋山俊一郎

speaker_id: 12144

日付: 1958-07-08

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会