八木一男の発言 (社会労働委員会)
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○八木(一男)委員 大きな声を出すのは控えまして、社会保障制度審議会は、年金特別委員会から総会から全部、私去年の四月の初めまでは出ておりました。その中で一番わあわあ言った方ですから、経過は全部よく知っております。そこでは、ほんとうは大内会長もほかの委員の人たちも、りっぱなものを作りたいという考え方があったのです。だけれども、岸内閣は医療保障勧告をあれだけ踏みにじって、十分の一もやらない。そういうような岸内閣では、これはしようがないという気分が横溢しているわけです。ですから岸内閣——今までの岸内閣ですよ。これから改心なさったら別ですが、せいぜい岸内閣が努力して最大限度のところがここらだという意見が相当多かったわけであります。そう出さなければいいものを、出したら医療保障勧告みたいに十分の一くらいでほったらかすだろうということで、社会保障制度審議会の本来の使命である学者的にほんとうに検討した意見を出すのではなしに、やや政治的に、岸さんというような社会保障に不熱心な人が政権をとっている以上は、それくらいに出しておかないと引き出しにくいだろうというところからあの答申が出たわけです。もし岸さんがそういう人でなくて、ほんとうに熱心な人であれば仕合せです。少くとも坂田さんはそういう学者連の批判よりもっと熱心だろう。そういう経過は明らかになっています。これは絶対にうそではありません。大内さんを呼んでも、今井さんを呼んでも、末高さんを呼んでも、だれを呼んでもけっこうです。そういうような空気の中で、岸内閣から引っ張り出すということであれが出た。現に岸内閣からあれが引っ張り出た。それはいいのです。その効果はあったわけです。それに近いものが引っ張り出たということです。ほんとうならば政党は学者にそんなにばかにされてはいけない。これくらいしかあれはやる能力がなかろうからこれくらいで出しておこうということで、学者に答申を出してもらっているのでは困る。それは学者が悪いのではなくて、今までの岸内閣が悪かったから——医療保障勧告をあれだけしても十分の一しかしないでほったらっかしておく、そういうことは改めなければいけない。形式的に社会保障制度審議会の精神に大体沿っているからというような御答弁をなさるとしたならば、これは社会保障に対する熱意がないと見る。もし岸さんがなさったら、この看板は偽わりであるということになる。ほんとうの事態を把握されて——これは八木委員がでたらめを言っていると思われたら、幾らでも参考人として社会保障制度審議会の委員を全部呼んでいただいてもけっこうです。明らかにそういう事情です。岸さんがばかにされ切ったわけです。自民党さんは怒ってしかるべきだ。何をなまいきなことをやる、政治はわれわれがやるんだ、ほんとうにやるべきことを答申したらいいじゃないか、やってみせるというような勢いで、参考人として呼んで追及されたらいいです。ですからあんなに限定された考え方をされてはいけません。
それからもう一つ、私は解散のとき委員ではありませんでした。がんばり抜いて、三千五百円ではいけない。少くとも六千円くらいにしなくちゃいかぬ。六十五才ではいけない、六十才でなければいかぬ。遺族や障害者がほったらかしにされてはいけない。労働者年金が入らなければ国民年金ではないというような根本的な点で突っ張っているときに解散になった。解散になってから六月の初めに答申が出た。私が社会党から推薦されて、当選したならばまた帰ってくることは大体において見通されたわけですが、そういうじゃま者がいない間に、ああいうインチキな答申が出された。社会保障制度審議会に関する限りは、答申については私は責任がないわけです。そういうことですから、とにかく社会保障制度審議会の答申に固着して考えないでほしいと思う。おまけに社会保障制度審議会の答申のいいところは省いておられる。減額年金は五年からしなければいけないというけれども、政府は十年からです。社会保障制度審議会の答申を尊重する、尊重すると言いながら、都合の悪いところはほったらかしにしておく、そういうことでは困ると思う。内科障害では障害年金をやらないといけないというのに、それを省く。さっきの外国の例でもそうです。政府の答弁はいつでもそうです。都合のいいところは全部とって、同じあれでも都合の悪いところは全部捨てておる。そういうことではほんとうの政治の動きはできないと思いますし、ほんとうの社会保障の伸展はできないと思う。足りないところは率直に足りないと認めて——政府がそうなったら自民党がそれでは承知できないということになるでしょう。政府がそういうことはできなくてこれがいいのだということになれば——自民党さんはもちろん聡明な方々でありますけれども、年金法を隅から隅まで全部読まれたわけではない。読んではおられるでしょうけれども、一条一句までそらんじておるわけではない。自民党の熱心な先生方はみな政府にごまかされておる。これでは国家のために困る。正直にこれをとられて、いい点はいい、なまけたところはなまけた、とった点はとった、とおっしゃればいい。いい点だけとったとおっしゃいましたね。よくない点もあります。そういうことで、ほんとうにもっとよくしていただかなければならないと思うんです。何回繰り返しても何ですが、これからほかの委員の方もそういうことを御追及になると思いますが。政府案に固着した考え方でなしに、今国会で法案を直す。財政との関係があれば——拠出年金は二年後になっておりますからこれは一年後にしていただかなければいけないけれども、それはことしの財政とは関係がない。無拠出年金については予備費その他もありますし、参議院で予算を直すこともでき得ます。そして衆議院に回ってくることもあり得ます。それですから固着しないで考えてもらいたい。少くとも来年から予算をふやすということは完全にできるわけです。法案を変えていくこともできるわけですから、法案をことしこのまま通してしまいましたならば来年、再来年は怠けてしまって——坂田さんが副総理大臣になられて、厚生大臣を離れられるかもしれない。岸内閣がぶつ倒れてどうなるかもしれないということになりますから、今の時点から直せるものはできるだけ直してよくやっていただきたい。さような御決意でやっていただきたいと思いますが、それについて坂田さんに御答弁を願います。