社会労働委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十四年三月五日(木曜日)
午前十時五十九分開議
出席委員
委員長 園田 直君
理事 大石 武一君 理事 大坪 保雄君
理事 八田 貞義君 理事 藤本 捨助君
理事 小林 進君 理事 五島 虎雄君
理事 滝井 義高君
小川 半次君 亀山 孝一君
藏内 修治君 河野 孝子君
齋藤 邦吉君 志賀健次郎君
谷川 和穗君 中村三之丞君
中山 マサ君 古川 丈吉君
柳谷清三郎君 山下 春江君
亘 四郎君 伊藤よし子君
大原 亨君 岡本 隆一君
多賀谷真稔君 堤 ツルヨ君
中村 英男君 八木 一男君
吉川 兼光君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 坂田 道太君
出席政府委員
厚生政務次官 池田 清志君
厚生事務官
(大臣官房審議
官) 小山進次郎君
委員外の出席者
専 門 員 川井 章知君
—————————————
三月四日
社会福祉事業法の一部を改正する法律案(内閣
提出第六六号)(参議院送付)は本委員会に付
託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
公聴会開会承認要求に関する件
国民年金法案(内閣提出第一二三号)
国民年金法案(八木一男君外十四名提出、衆法
第一七号)
国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等と
の調整に関する法律案(八木一男君外十四名提
出、衆法第二六号)
————◇—————
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出席委員
委員長 園田 直君
理事 大石 武一君 理事 大坪 保雄君
理事 八田 貞義君 理事 藤本 捨助君
理事 小林 進君 理事 五島 虎雄君
理事 滝井 義高君
小川 半次君 亀山 孝一君
藏内 修治君 河野 孝子君
齋藤 邦吉君 志賀健次郎君
谷川 和穗君 中村三之丞君
中山 マサ君 古川 丈吉君
柳谷清三郎君 山下 春江君
亘 四郎君 伊藤よし子君
大原 亨君 岡本 隆一君
多賀谷真稔君 堤 ツルヨ君
中村 英男君 八木 一男君
吉川 兼光君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 坂田 道太君
出席政府委員
厚生政務次官 池田 清志君
厚生事務官
(大臣官房審議
官) 小山進次郎君
委員外の出席者
専 門 員 川井 章知君
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三月四日
社会福祉事業法の一部を改正する法律案(内閣
提出第六六号)(参議院送付)は本委員会に付
託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
公聴会開会承認要求に関する件
国民年金法案(内閣提出第一二三号)
国民年金法案(八木一男君外十四名提出、衆法
第一七号)
国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等と
の調整に関する法律案(八木一男君外十四名提
出、衆法第二六号)
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園
園田直#1
○園田委員長 これより会議を開きます。
この際、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。内閣提出の国民年金法案、八木一男君外十四名提出の国民年金法案、国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等との調整に関する法律案はいずれも重要な案件でございますので、公聴会を開き、広く利害関係者及び学識経験者などから意見を聴取し、委員会の審査の慎重を期したいと存じます。つきましては議長に公聴会開会承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
園
園田直#2
○園田委員長 御異議なしと認めます。よって公聴会開会承認要求をいたすことに決しました。
なお議長の承認がありました際、公聴会開会の日時、公述人の選定及びその手続等に関しましては、委員長に御一任願いとう存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
園
園
園田直#4
○園田委員長 次に内閣提出の国民年金法案、八木一男君外十四名提出の国民年金法案及び国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等との調整に関する法律案の三案を一括議題とし審査を進めます。
質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。八木一男君。
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八
八木一男#5
○八木(一男)委員 私は政府提出の国民年金法案について御質問をいたしたいと存じます。
社会保障制度が完成されなければならない日本の国におきまして、一番取り残されておりました年金制度について、これを国民全体に広めるべしという世論が高まって参りましたのを受けまして、政府におかれましても今回国民年金法案を提出され、またわが日本社会党においても国民年金法案、同関係法案四案を合せまして五案を提出するような運びになりました。この審議がこれから本格的に行われますことを私どもも非常にうれしく思うわけでございます。政府案につきまして十分に拝見をいたしたわけでございますが、その条文の各一項々々に、作られた方のいろいろの御努力の跡を見受けまして、その御努力に対しましては非常に敬意を表したいと思うわけでございまするが、国民年金制度に対する総体的な考え方、あるいはまたそれを実施しようとする心がまえ、そういう大きな問題点についても私どもの非常に失望せざるを得ない内容がたくさんあるわけでございます。そういう点につきまして忌憚なく私どもの意見を申し上げますので、その意見に対して政府の方の反応を示していただきたいと思うわけであります。私どもは国民年金制度をよくしたいという一念に燃えてこういうことを御質問いたすわけでございますから、何と申しまするか、政党間のいろいろのかけ引きというようなことは抜きにいたされまして、年金制度を国民全体のために進めるという立場で一つ率直に御答弁を願い、また私どもの質問の中に加わっております意見についても御参考にしていただきたいと思うのであります。
質問に入らせていただきまするが、政府案の国民年金制度の第一条に「国民年金制度の目的」という項目がございます。この項目は、読み上げますると「国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、廃疾又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」と書いてございます。この文言を拝見いたしまして私非常に喜ばしく存じたわけでございます。国民年金制度につきましてはこのような考え方でもって参らなければならないということにつきましては、私も全面的に賛成でございまして、政府がその目的の第一条にこのような目的を掲げられたことにつきましては、非常に敬意を表するものでございまするが、この目的をほんとうに実現するために、本腰にこの国民年金法を作るに当ってかかっておられたかどうか、一つその点につきまして所管大臣の坂田厚生大臣から御決意のほどを承わりたいと存じます。
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質問に入らせていただきまするが、政府案の国民年金制度の第一条に「国民年金制度の目的」という項目がございます。この項目は、読み上げますると「国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、廃疾又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」と書いてございます。この文言を拝見いたしまして私非常に喜ばしく存じたわけでございます。国民年金制度につきましてはこのような考え方でもって参らなければならないということにつきましては、私も全面的に賛成でございまして、政府がその目的の第一条にこのような目的を掲げられたことにつきましては、非常に敬意を表するものでございまするが、この目的をほんとうに実現するために、本腰にこの国民年金法を作るに当ってかかっておられたかどうか、一つその点につきまして所管大臣の坂田厚生大臣から御決意のほどを承わりたいと存じます。
坂
坂田道太#6
○坂田国務大臣 お答えを申し上げます。私もこの国民年金法案を提出いたしまして皆様方に御審議をわずらわすわけでございますが、ただいま八木委員から御質問がございましたように、私どもとしましても、現在の日本の置かれておりまする経済財政の許す範囲内において精一ぱいの努力をいたしまして、この法案を提出いたしたようなわけでございますけれども、しかしながら理想的なものということを考えました場合におきましては、十分満足をするということにはあるいはならないところもあるかとも思いますけれども、今後皆様方の御審議の過程を通じまして、御意見等を拝聴いたしまして、もし改められるところがあるならば改めていきたい。この国民年金制度というものは、一片の法律をもってこれが充実整備をし、また社会保障制度というものが国民全体に及ぶわけのものではなくて、長い期間におきまして、そして国民全体の御援助と御協力とを待ってこれが完成するものと私は考えているわけでありまして、法文の第一条の目的にそのような意味合いにおきまして、国民が老齢、廃疾または死亡によってその生活がそこなわれることを防止いたしまして、健全主な国民生活の維持向上に寄与することを目的とするということをはっきり打ち出したような次第でございまして、国民が生活に困窮する状態に陥りました場合には、その最低限の生活を保障し、さらに老齢、癈疾、死亡、疾病、失業等、国民に生活の困窮をもたらすような事故が起りました場合におきましては、あらかじめ何らかの手段を講じてそれを未然に防止いたしますことが、福祉国家として当然の責務である、このような考え方からそのような目的を明記いたしたような次第でございます。
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八木一男#7
○八木(一男)委員 今の厚生大臣の御答弁中に、いろいろな意見をいれて、特に野党の意見もいれてこの問題はどんどん進めていきたいというお話を承わりまして、非常にけっこうだと思うわけであります。今後とも野党の意見も、よいものは十分御参酌になりましてこの制度をよくしていただきたいと思うのでございます。まず憲法第二十五条の精神によってやるということでございますが、御承知の通り憲法第二十五条には、健康で文化的な最低生活を維持するということを規定してあるわけでございます。端的に申し上げますと、この国民年金法案の内容でございますが、根本的な拠出制度の方の一番完成した大きな額である老齢給付が、最高で月三千五百円、年四万二千円ということに相なっております。いろいろのデータをあげなくとも、月三千五百円の生活が健康で文化的な生活を維持できるものであると言えないことは明らかであると思いますが、それについて厚生大臣のお考えを承わりたいと思います。
この発言だけを見る →坂
坂田道太#8
○坂田国務大臣 お答えを申し上げます。もちろん御指摘になりましたように三千五百円で最低生活が得られるというふうには思いませんけれども、しかしながら三千五百円をもらわれることによって、やはり老後の生活に対して相当のゆとりを持って参るということは言えるかと思うのでございまして、この点につきましては、もちろん多いのにこしたことはございませんけれども、われわれといたしましては、現実に即した、そして実行可能な国民年金制度を打ち出すという意味におきましては、今度の場合におきましては、三千五百円というふうにいたしたような次第でございます。
この発言だけを見る →八
坂
坂田道太#10
○坂田国務大臣 その点につきましては、三千五百円で維持できる人も——別に俸給その他生業を営んでおられる方について三千五百円がおりる場合においては、やはりこれで健康で文化的な生活を営める方が大部分だと思うのでございますが、非常に貧しい方々において、これだけで健康にして文化的なということになりますと、やはりそういうことはなかなか今日の段階ではむずかしいのではないかというふうには考えております。
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八木一男#11
○八木(一男)委員 三千五百円で維持できないということがおわかりでございましたら、なぜ三千五百円をもっと、たとえば社会党案の七千円まではいかなくても、五千円とか六千円とか、そういう目標でもっと大きな努力をされなかったのでありますか。
この発言だけを見る →坂
小
小山進次郎#13
○小山(進)政府委員 三千五百円をもって現在の年金給付の場合の目標にいたしました事情を簡単に御説明申し上げたいと思います。
〔委員長退席、大坪委員長代理着席〕
ここ一、二年の国民の成人の平均消費支出は、大体月に直しますと四千円強程度になっております。従いまして現状において考えますならば、この程度が国民の平均的な生活水準、こういうふうに一応考えられるわけでありますが、このうち一般に老人その他の生活の実態を考えますと、いろいろ共通経費に属するものを、家族内で生活をするということになりますと、子供なりあるいはその他の者に依存することができる、こういうような前提を置いて考えますと、そのうちからおよそそういう共通経費として考えられるものをあげますと四分の一程度になりますので、それを控除いたしますと大体三千五、六百円というところが今日の状態における平均の消費支出の実額、こういうことになるわけでございます。そういうような事情からいたしまして、大臣も申し上げましたように、今日の生活の実態を前提にいたしまして、まずこのぐらいのところを目標にしてスタートする、かように相なったのでございます。
この発言だけを見る →〔委員長退席、大坪委員長代理着席〕
ここ一、二年の国民の成人の平均消費支出は、大体月に直しますと四千円強程度になっております。従いまして現状において考えますならば、この程度が国民の平均的な生活水準、こういうふうに一応考えられるわけでありますが、このうち一般に老人その他の生活の実態を考えますと、いろいろ共通経費に属するものを、家族内で生活をするということになりますと、子供なりあるいはその他の者に依存することができる、こういうような前提を置いて考えますと、そのうちからおよそそういう共通経費として考えられるものをあげますと四分の一程度になりますので、それを控除いたしますと大体三千五、六百円というところが今日の状態における平均の消費支出の実額、こういうことになるわけでございます。そういうような事情からいたしまして、大臣も申し上げましたように、今日の生活の実態を前提にいたしまして、まずこのぐらいのところを目標にしてスタートする、かように相なったのでございます。
八
八木一男#14
○八木(一男)委員 ただいま厚生大臣と小山審議官のお答えでございまするが、小山さんの御答弁ではっきり正直にさらけ出されたわけでございますけれども、今日の標準で、それも無理やりにつじつまを合せた統計を出してきて、それが三千五百円ぐらいだ。ところが政府の年金の完成は、これは言うまでもなく四十年後です。四十年後で、世の中が進歩する、あるいは生活が向上する、当然そういうことがなされなければならない。これは自民党内閣が何年続こうとも、社会党内閣が来年からとってかわろうとも、これは必ずそういうふうに世の中がよくなるように政治を進めて参る。そういうふうにいたしますと、これは最低限度の、ただ食うための、生きるための生活ではありませんで、憲法で保障されたのは健康で文化的な最低限度ということになっております。文化的ということが明らかに入っております。健康ということも、医療が進歩したら、金がかかってもその医療で病気になってもなおれるという要素も入っている。ただおかゆを食って、細々とやせ衰えながら数年間生きていくという生活ではないのです。健康で文化的な生活ということでありまして、それは発展しなければならない。四十年後まで発展がないという考え方では、これはもう実に情ない考え方であります。自民党といえども四十年間日本の国民生活をそういう健康的な点で、文化的な点で発展させないつもりで政治を動かすという考え方は毛頭ないと思う。その意味で三千五百円というのは、実に貧弱な内容だといわなければならないと思います。特に三千五百円のつじつまが現在なら合うような御説明をなさいましたけれども、これも計算上無理につじつまを合わされたのであって、現在の三千五百円がいろいろのデータをあげなくても、健康で文化的な生活であるとはだれも言えないわけなんです。そういうことではなしに、ほんとうにもっと健康で文化的な、憲法の精神に準拠するようなそういう程度まで引き上げるような努力をもっとよくされなかったか。この前、昨年の十月の上旬でございましたか、橋本さんにはそれをさんざん申し上げまして、厚生省第一次試案では国民年金の名前に値しない、だから職をなげうってでもそれを高めるような努力をしていただきたいということを申し上げたのですけれども、技術的なこまかい点の配慮はずいぶんなさっておられます。ですけれども、ほんとうの骨組みがしっかりなるような、骨組みが伸びるような努力は一向にされておらない。それについて坂田さんは、最近この職におつきになったわけでございますが、現在のこの国民年金法案の提出の責任者でありますから、最近の一番重大な責任を持っておられるわけです。なぜ三千五百円というような程度の低いものをもっと高める努力を強くされなかったか。もう一回坂田さんの御答弁を願いたいと思います。
この発言だけを見る →坂
坂田道太#15
○坂田国務大臣 私が就任いたしましたのは、すでに予算案がきまったあとでございまして、この点につきまして実は努力しようにも努力ができなかったことは八木委員も御承知の通りでございます。ただしかしこの出されました範囲の中におきまして、いろいろ手を加えたことはございます。しかしただいま御質問のございました憲法との関連におきまして、健康にして文化的な最低限を保障する、こういう憲法の精神というものは、単にこれは、もちろん所得保障の大きな柱ではございますけれども、これだけでもってこの健康にして文化的な最低限を維持するというわけ合いのものではないのではないかというふうに考えておりますし、これと並行いたしまして、やはりこの貧乏というものの中で一番大きないわば悪魔と申しますか、そういったものは病気でございますので、医療保障という面におきましても、つまり皆保険の制度によってこれを充実することによって、その最低限を保障していくという考え方も一面においてはあると思います。さらには日本の経済というものは、単に固定的なものではなくて発展的なものであるということは八木委員も御承知の通りでございまして、それにおきましてたとえば減税政策であるとか、あるいは失業対策であるとか、あるいは完全雇用の道であるとか、あるいはさらには基本的には経済基盤の強化というような一連の関連におきまして、やはりこの憲法の精神というものを満たしていくという努力をお互いにしていかなければならないのではないかというような考え方からいたしまして、ただいま提出いたしておりますところのいわゆる国民年金の額というものは、ただいま審議官から答弁をいたしました通りに、実は今日の段階では三千五百円というふうにいたしたような次第でございます。この点につきまして小山審議官から簡単に御答弁を申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →小
小山進次郎#16
○小山(進)政府委員 ただいま八木先生からおっしゃいましたように、およそ一つの年金制度を組み立てます場合においては、これに発展を持たせていかなければならぬという点は、もう基本的な問題でございます。私どももその点おっしゃる通りだと思っております。この発展の持たせ方については、これは八木先生自身が非常にお苦しみになった点でございますが、たとえば社会保障制度審議会のように、将来の三十年なり四十年なりを基礎といたしまして、年率を一・五%に押えるということも一つの方法ではございましょうけれども、一体三十年も四十年もの先について一・五%でいくんだという考え方は、個人の一つの意見としてならば別でありますけれども、国民的な規模の制度として考えます場合には、現在のところいろいろの条件からいって、それでよろしいとはなかなか言い切れない。その点はむしろきわめてすなおに、将来の発展は一応いろいろな角度から予測はいたしますけれども、経済の発展があり、国民生活の上昇がありましたならば、それに応じましてきわめて弾力的に年金の額を調整していく。そういう場合に調整しようと思っても、将来のいわば財源を先食いしてしまいまして、どうにもならぬというようなことに年金制度を置きましたのでは、当初の建前は非常に美しく見えますけれども、実際においてはもう国民の年金制度にならなくなっていく、かようなことが今回の政府案を先ほど申し上げましたようなものにさせているわけでございまして、むしろ政府案の発展を予想し、その場合にいつでもそのときの状態において必要な措置がそのときの国民の判断によってとり得る、こういうことにしているわけでございます。
この発言だけを見る →八
八木一男#17
○八木(一男)委員 御答弁者が二人ありましたから、一つ一つについて申し上げます。
結局、坂田厚生大臣が医療保障の点などについてお触れになりました。私もこれが非常に今脚光をあびているからといって、年金制度だけに夢中になって、ほかの医療保障をほったらかしにしていいとか「あるいは救貧政策をほったらかしておいていいとかいう意見は持っておりません。むしろ今までの防貧政策が不十分であったために、現在貧乏に陥っている人の救貧政策の方が至急にやらなければならないことだと思います。また医療保障の問題もその次に大事だと思う。たとえば今政府が非常に格段に生活保護の基準を上げる、あるいは医療保障を国民健康保険の二割五分平均というようなけちな案ではなしに、結核は全額医療費を国庫で負担して、結核以外のものは実質は五割、六割を担負する。国民健康保険の七割、八割、十割というようなりっぱな社会保障政策をとっておられるならば、年金制度はここ一、二年はこのくらでもやむを得ないというような考え方になるかもしれない。ところが医療保障はほったらかしであります。結核医療の全額国庫負担すべしということは、三年前に社会保障制度の医療保障勧告で明らかに出ておるわけです。それはほったらかしになっている。昨年は厚生省で結核医療費の、これは食費を除いたインチキなものでありますけれども、全額国庫負担という案を用意されたが、大蔵省の反対でつぶれた。本年はそれを百分の一くらいに縮小した案を出して結核対策をしているというようなことをいっている。そういうふうにほかの方をほったらかして、年金案をたくさんやるんだと宣伝して、年金の中身を見るとがらくたのような中身だ。そういうことではいかぬと思うのです。世の中を惑わすものである。医療保障や救貧政策をやるために、年金は今このくらいでいたし方ないというならば、医療保障全部十割給付という案を並行して出されればいい。また現在の貧乏な人のために、そっちの方が急務であると言われるならば、生活保護の基準をいきなり倍にするとか、そのくらいのことは考えて、それでこの年金案を並行して出されるならば、それについても異論はありますけれども、政府の御説明としてはある程度当を得たものと言えましょう。しかしそういう大事なことを全部ほったらかして、公約した年金の中身もがたがたで、それでそのがたがたの理由に、ほかのことをやらなければならないから、このくらいでがまんしてもらいたいということでは筋が通らないと思う。社会保障に関する限り、日本は一番進んでいかなければならない。われわれ社会党の国民年金法案というものでも、私は完全だとは思っておりません。非常に乏しい案だと思って、おる。しかし苦心して作った案を出すについて、医療保障も完全にする、救貧対策も完全にするということを並行してやることが前提であります。政府の方はわれわれの案よりも実質的に五分の一ぐらいの年金法案を出して、医療保障対策はほったらかす。救貧対策もほったらかす。実際上五%くらい上げるような答弁では、われわれ承知しませんから、そういうことはおっしゃらない方がいいです。そういうことでほったらかしておいて、この程度しかほかの関係があるからだめですというようなことではいけないと思う。これは坂田さんの責任でも、あるいは小山さんの責任でもないかもしれない。岸内閣自体の責任、大蔵省、大蔵大臣の頭を切りかえなければいけないし、大蔵省の主計局の頭を全部切りかえなければいけないし、岸内閣総理大臣にもっと活を入れなければいけないということになる。社会保障に関する限り、ほかの国より先行しなければいけない。日本の国は貧乏が多い、あるいはまた疾病が多い、あるいはまたこれから老人人口がふえていくという状態のもとにおいては、ほかの国よりもこういうような面に対しては進んでおらなければならぬ。ところが政府全体の考え方は、たとえば外車を自由に使用するというような点だとか、あらゆるぜいたくな点では世界の水準をはるかに破った世の中を許しておきながら、こういう問題になると、諸外国が百くらいの程度だったら、日本は国力がないから五十くらいでがまんしてもらいたいというのが政府の常套手段だ。それではさかさまなんです。貧乏な国は、貧乏な国に対する対策は、ほかの国が百なら二百も三百もやらなければならぬ。病気が多ければ二百も三百もやらなければならぬ。そういう根本的なはき違いがあるために社会保障が進まない。厚生省としては努力はしておられることは認めますけれども、しかし努力をしておられても、いかに良心的であっても、その方々自体の努力には敬意を表しても、世の中の貧乏人や、病気で苦しむ人や、年寄りはそれでは助からない。そういう衝に当られる方は、自分の今までのやりにくい伝統の中で一割ほど努力をしたということで甘んじてもらっては困る。世の中の大ぜいの困った人のことを考えて、勇気を持ってやってもらわなければならぬと思う。そういう点で坂田さんの医療保障関係に籍口した御説明は、これはちょっと困ると思う。ほかの問題を完全にやられたら、その理由によってといわれても、ほかの問題はほったらかして——就任間もない坂田さんに大きな声を出して失礼でありますけれども、しかし、ほんとうに結核対策というようなものは完全に後退しておる。大蔵大臣に前も申しましたけれども、一つ坂田さんから教育をしてもらいたい。大蔵大臣という人は財政を考える人だ。財政を考える人でも、〇・一くらいの近視眼的な見方で財政を考えてもらっては困る。結核対策は医療上完全になおる方策ができておる。ですから結核が根絶できない、なおり切らないのは経済的な理由であります。そこで全額国庫負担をほうり込んで、五カ年間でほんとうに結核がなくなるようにすれば、六年以後の結核に対する財政負担は激減するわけであります。そうすれば長期の観点よりすれば、財政的にもその方がいいわけです。医療保障対策もそうです。一部負担をとったり、いろいろの診療の制限をするというようなことをして診断がおくれるようになったり、診療が完全になおらないようにするから、病人があとまであとまで続く、病気がだんだん多くなってくる。そして医療保障の金をたくさんつぎ込まなければならぬ。財政的に見てもそういうものには一挙にたくさんほうり込むがいい。そういうことを大蔵省の人たちはわからない。佐藤君にそういうことをあなたからけんかごしでもいいから、どなりつけてもいいから教え込んでいただきたい。社会保障に大きな金を最初からつぎ込むことは、結局長い目で見たら財政方針にも合う。あなた方の小さな頭で考えるからいけないので、もっと大きく考えれば財政はもっとよくなるということで大蔵省の連中を啓蒙していただかなければならぬ。そういう考え方で今後の社会保障も年金も考えていただかなければならないと思うわけであります。
そういうことで、大へん大きな声を出して失礼いたしましたが、三千五百円ということを私はあっさり出した。ところが三千五百円というのは最高です。最高が三千五百円、二十五年しか保険料が払えない、あるいは免除期間がないという人は年に二万四千円くらいに下る。それ以下の人はまた下る。それ以下の人は年金ももらえないというようになっておる。最高が三千五百円、それでこの最高が今言ったような情ないものである。これは最高が六千円くらいになっておれば私はもっと声をやわらげますけれども、三千五百円で、しかもまだまだずっと下るようにできている。そうしたら下った人は一体どうなるのか。三千五百円でも健康で文化的な生活は維持できないということは、厚生大臣お認めになった通り。ところが今の政府案全部を見れば、免除規定は相当に過酷である。そうして免除がなくて、ボーダー・ラインは納めないからなまけ者だという言い分をなさるかもしれません。しかしほんとうに納められない人はたくさんある。納められなかったら年金額は減る。ですから実際に平均したら三千五百円でなしに二千円平均になってしまう。だから現在の生活保護の水準と同じように、下着が一年に一枚しか買えないんです。買ってはいかぬというような生活保護の基準と同じようなもので四十年後の文化的、健康的な生活が維持できる、そんなものではないはずです。そうなると三千五百円をここで思い切って少くとも社会党の七千円に上げればいいけれども、それができなくとも、六千円くらいまでは上げられなければ国民年金法案とは言えない。社会保障の一番の根本である所得保障制度とは言えないと思う。その点でもっと大きくなされなければならないと思うのですけれども、政府自体自民党にも働きかけて、現在の原案である三千五百円の組み立て——組み立てはいろいろ工夫してありますが、その骨を太らす、伸ばすということで自民党から修正案が出る、修正案が出せなかったならば社会党とも御交渉になって、われわれの知恵もおいれになって、そうしてこの年金案を成立させるときに三千円が七千円とか、少くとも六千円という案になさるというような御意向を表明していただきたい。
この発言だけを見る →結局、坂田厚生大臣が医療保障の点などについてお触れになりました。私もこれが非常に今脚光をあびているからといって、年金制度だけに夢中になって、ほかの医療保障をほったらかしにしていいとか「あるいは救貧政策をほったらかしておいていいとかいう意見は持っておりません。むしろ今までの防貧政策が不十分であったために、現在貧乏に陥っている人の救貧政策の方が至急にやらなければならないことだと思います。また医療保障の問題もその次に大事だと思う。たとえば今政府が非常に格段に生活保護の基準を上げる、あるいは医療保障を国民健康保険の二割五分平均というようなけちな案ではなしに、結核は全額医療費を国庫で負担して、結核以外のものは実質は五割、六割を担負する。国民健康保険の七割、八割、十割というようなりっぱな社会保障政策をとっておられるならば、年金制度はここ一、二年はこのくらでもやむを得ないというような考え方になるかもしれない。ところが医療保障はほったらかしであります。結核医療の全額国庫負担すべしということは、三年前に社会保障制度の医療保障勧告で明らかに出ておるわけです。それはほったらかしになっている。昨年は厚生省で結核医療費の、これは食費を除いたインチキなものでありますけれども、全額国庫負担という案を用意されたが、大蔵省の反対でつぶれた。本年はそれを百分の一くらいに縮小した案を出して結核対策をしているというようなことをいっている。そういうふうにほかの方をほったらかして、年金案をたくさんやるんだと宣伝して、年金の中身を見るとがらくたのような中身だ。そういうことではいかぬと思うのです。世の中を惑わすものである。医療保障や救貧政策をやるために、年金は今このくらいでいたし方ないというならば、医療保障全部十割給付という案を並行して出されればいい。また現在の貧乏な人のために、そっちの方が急務であると言われるならば、生活保護の基準をいきなり倍にするとか、そのくらいのことは考えて、それでこの年金案を並行して出されるならば、それについても異論はありますけれども、政府の御説明としてはある程度当を得たものと言えましょう。しかしそういう大事なことを全部ほったらかして、公約した年金の中身もがたがたで、それでそのがたがたの理由に、ほかのことをやらなければならないから、このくらいでがまんしてもらいたいということでは筋が通らないと思う。社会保障に関する限り、日本は一番進んでいかなければならない。われわれ社会党の国民年金法案というものでも、私は完全だとは思っておりません。非常に乏しい案だと思って、おる。しかし苦心して作った案を出すについて、医療保障も完全にする、救貧対策も完全にするということを並行してやることが前提であります。政府の方はわれわれの案よりも実質的に五分の一ぐらいの年金法案を出して、医療保障対策はほったらかす。救貧対策もほったらかす。実際上五%くらい上げるような答弁では、われわれ承知しませんから、そういうことはおっしゃらない方がいいです。そういうことでほったらかしておいて、この程度しかほかの関係があるからだめですというようなことではいけないと思う。これは坂田さんの責任でも、あるいは小山さんの責任でもないかもしれない。岸内閣自体の責任、大蔵省、大蔵大臣の頭を切りかえなければいけないし、大蔵省の主計局の頭を全部切りかえなければいけないし、岸内閣総理大臣にもっと活を入れなければいけないということになる。社会保障に関する限り、ほかの国より先行しなければいけない。日本の国は貧乏が多い、あるいはまた疾病が多い、あるいはまたこれから老人人口がふえていくという状態のもとにおいては、ほかの国よりもこういうような面に対しては進んでおらなければならぬ。ところが政府全体の考え方は、たとえば外車を自由に使用するというような点だとか、あらゆるぜいたくな点では世界の水準をはるかに破った世の中を許しておきながら、こういう問題になると、諸外国が百くらいの程度だったら、日本は国力がないから五十くらいでがまんしてもらいたいというのが政府の常套手段だ。それではさかさまなんです。貧乏な国は、貧乏な国に対する対策は、ほかの国が百なら二百も三百もやらなければならぬ。病気が多ければ二百も三百もやらなければならぬ。そういう根本的なはき違いがあるために社会保障が進まない。厚生省としては努力はしておられることは認めますけれども、しかし努力をしておられても、いかに良心的であっても、その方々自体の努力には敬意を表しても、世の中の貧乏人や、病気で苦しむ人や、年寄りはそれでは助からない。そういう衝に当られる方は、自分の今までのやりにくい伝統の中で一割ほど努力をしたということで甘んじてもらっては困る。世の中の大ぜいの困った人のことを考えて、勇気を持ってやってもらわなければならぬと思う。そういう点で坂田さんの医療保障関係に籍口した御説明は、これはちょっと困ると思う。ほかの問題を完全にやられたら、その理由によってといわれても、ほかの問題はほったらかして——就任間もない坂田さんに大きな声を出して失礼でありますけれども、しかし、ほんとうに結核対策というようなものは完全に後退しておる。大蔵大臣に前も申しましたけれども、一つ坂田さんから教育をしてもらいたい。大蔵大臣という人は財政を考える人だ。財政を考える人でも、〇・一くらいの近視眼的な見方で財政を考えてもらっては困る。結核対策は医療上完全になおる方策ができておる。ですから結核が根絶できない、なおり切らないのは経済的な理由であります。そこで全額国庫負担をほうり込んで、五カ年間でほんとうに結核がなくなるようにすれば、六年以後の結核に対する財政負担は激減するわけであります。そうすれば長期の観点よりすれば、財政的にもその方がいいわけです。医療保障対策もそうです。一部負担をとったり、いろいろの診療の制限をするというようなことをして診断がおくれるようになったり、診療が完全になおらないようにするから、病人があとまであとまで続く、病気がだんだん多くなってくる。そして医療保障の金をたくさんつぎ込まなければならぬ。財政的に見てもそういうものには一挙にたくさんほうり込むがいい。そういうことを大蔵省の人たちはわからない。佐藤君にそういうことをあなたからけんかごしでもいいから、どなりつけてもいいから教え込んでいただきたい。社会保障に大きな金を最初からつぎ込むことは、結局長い目で見たら財政方針にも合う。あなた方の小さな頭で考えるからいけないので、もっと大きく考えれば財政はもっとよくなるということで大蔵省の連中を啓蒙していただかなければならぬ。そういう考え方で今後の社会保障も年金も考えていただかなければならないと思うわけであります。
そういうことで、大へん大きな声を出して失礼いたしましたが、三千五百円ということを私はあっさり出した。ところが三千五百円というのは最高です。最高が三千五百円、二十五年しか保険料が払えない、あるいは免除期間がないという人は年に二万四千円くらいに下る。それ以下の人はまた下る。それ以下の人は年金ももらえないというようになっておる。最高が三千五百円、それでこの最高が今言ったような情ないものである。これは最高が六千円くらいになっておれば私はもっと声をやわらげますけれども、三千五百円で、しかもまだまだずっと下るようにできている。そうしたら下った人は一体どうなるのか。三千五百円でも健康で文化的な生活は維持できないということは、厚生大臣お認めになった通り。ところが今の政府案全部を見れば、免除規定は相当に過酷である。そうして免除がなくて、ボーダー・ラインは納めないからなまけ者だという言い分をなさるかもしれません。しかしほんとうに納められない人はたくさんある。納められなかったら年金額は減る。ですから実際に平均したら三千五百円でなしに二千円平均になってしまう。だから現在の生活保護の水準と同じように、下着が一年に一枚しか買えないんです。買ってはいかぬというような生活保護の基準と同じようなもので四十年後の文化的、健康的な生活が維持できる、そんなものではないはずです。そうなると三千五百円をここで思い切って少くとも社会党の七千円に上げればいいけれども、それができなくとも、六千円くらいまでは上げられなければ国民年金法案とは言えない。社会保障の一番の根本である所得保障制度とは言えないと思う。その点でもっと大きくなされなければならないと思うのですけれども、政府自体自民党にも働きかけて、現在の原案である三千五百円の組み立て——組み立てはいろいろ工夫してありますが、その骨を太らす、伸ばすということで自民党から修正案が出る、修正案が出せなかったならば社会党とも御交渉になって、われわれの知恵もおいれになって、そうしてこの年金案を成立させるときに三千円が七千円とか、少くとも六千円という案になさるというような御意向を表明していただきたい。
坂
坂田道太#18
○坂田国務大臣 ただいま八木委員から活発な御意見を承わりました。三千五百円では最低限の生活を保障できないんじゃないかというお尋ねでございますが、私が先ほどお答え申げましたように、実は単にこの年金だけで最低生活を保障するのではなくて、やはり医療制度なりあるいはその中におけるところの結核対策なりというものを推進することによって、健康にして文化的な生活を保障していく、こういう考え方には八木委員も少くとも御同意をいただけたと私は了解をいたしておるようなわけであります。ただ日本の貧乏というものの認識につきましては、確かに八木委員の御指摘の通りでございまして、私は予算委員会の席上におきましても、どなたかの御質問に対しまして答弁をいたしたわけでございますが、たとえばアメリカのような国民所得の多い、そして生活水準の高い国においてすら、一九四八年の調査でありますが、上院、下院の合同調査委員会において、アメリカのボーダー・ラインというものがどれくらいあるだろうかと調査したところが一二・六%もあるということを指摘をいたしておるわけでございます。
〔大坪委員長代理退席、委員長着席〕
しかもその一二%のボーダー・ラインとは称しながら、アメリカにおけるところの保護基準というものは実に驚くなかれ二千ドルという額である。しかも一般生活水準に対してその生活保護基準の定め方というものは、国民所得の生活水準に対して六割だということを聞いております。そうしますと日本におけるところの生活保護基準というものは、国民所得あるいは一般生活水準に対して二割あるいは三割にしかすぎない。しかもなお日本の国民所得とアメリカの国民所得を比較いたしますと、日本の国民所得はおそらく九分の一か十分の一ではないかと思います。そういたしますると結局貧乏の度合いというものは、同じ一二%というものが日本のボーダー・ライン層というふうにして、二百四十万世帯というものがあるというふうに厚生省で発表いたしておりまするが、かりに一二%のボーダー・ラインがあるといたしましても、その貧乏の程度というものは実に十八分の一かあるいはまた二十七分の一かの貧乏だということです。そこで結局貧乏の意識というものが非常に違う。アメリカにおいてならば、働こうと思えば大体働ける。そしてなおかつ貧乏に転落する者は、アメリカにおいてはなまけ者だということが一応言えるかもしれない。しかしながら日本の状態においては、働く意思があって、相当な才能があって、しかも五体がそろっておってなおかつ働けない実情にある。こういう国におけるところの貧乏の意識というものは非常に違う。そういう社会的現実があるということは八木委員が御指摘になります通り、私もこれを認識しておる一人でございまして、ここに日本の貧乏追放という、岸内閣が打ち出しております意義が、実は非常に重大なものを持っておると思うわけであります。そこでそういうような意味合いにおきまして、私どもといたしましては誠心誠意を持って国民皆保険の制度に乗り出し、さらにまた社会保障制度の所得保障であるところの国民年金というものを実は打ち出したわけなのです。従来はおそらく考えられなかったようなこういった一連の、ほんとうに国民生活に影響を及ぼしていき、充実していく、あるいはボーダー・ライン層を何とかして助けていこう、あるいは社会保障を何とかしてやっていこうという気持は、八木委員にしてもお認めいただけると思うのでありまして、その意味におきまして私は、国民年金というものは一年や二年で完成するものではないと思いますし、また一年や二年で完成すると思ったら大間違いだと実は思うのでございます。たとえばこの間ニュージーランドからナッシュ総理大臣が見えました。この方がかつてのニュージーランドにおけるところの社会保障制度を打ち立てたそのメンバーの一人であるということを聞いておるわけでございますが、ニュージーランドの歴史をひもといてみましても、おそらくこれは一九三八年に社会保険を始めておって、今日のようなりっぱな社会保障制度を打ち立てておる。少くとも第二次大戦前においてニュージーランドはこの問題についてやっておる。さらにイギリスにおいては、このニュージーランドの社会保障制度というものをつぶさに検討した上において一九四五、六年でございますか、第二次大戦が済みましてから社会保障に乗り出しておる。そうして十年の経過をして今日のようなりっぱな保障制度というものが打ち立てられておるわけでございまして、私どもといたしましては、この所得保障を打ち出したというこの意義だけは非常に高く御評価を願いたい。しかしながらその充実につきましては、まだまだ至らざるところもございまするので、冒頭に申し上げましたように皆さん方の御意見等も参考にいたしまして十分これから検討をいたしまして、ほんとうに国民の方々に喜んでいただけるような年金に仕上げていきたいというのが私の気持でございます。
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しかもその一二%のボーダー・ラインとは称しながら、アメリカにおけるところの保護基準というものは実に驚くなかれ二千ドルという額である。しかも一般生活水準に対してその生活保護基準の定め方というものは、国民所得の生活水準に対して六割だということを聞いております。そうしますと日本におけるところの生活保護基準というものは、国民所得あるいは一般生活水準に対して二割あるいは三割にしかすぎない。しかもなお日本の国民所得とアメリカの国民所得を比較いたしますと、日本の国民所得はおそらく九分の一か十分の一ではないかと思います。そういたしますると結局貧乏の度合いというものは、同じ一二%というものが日本のボーダー・ライン層というふうにして、二百四十万世帯というものがあるというふうに厚生省で発表いたしておりまするが、かりに一二%のボーダー・ラインがあるといたしましても、その貧乏の程度というものは実に十八分の一かあるいはまた二十七分の一かの貧乏だということです。そこで結局貧乏の意識というものが非常に違う。アメリカにおいてならば、働こうと思えば大体働ける。そしてなおかつ貧乏に転落する者は、アメリカにおいてはなまけ者だということが一応言えるかもしれない。しかしながら日本の状態においては、働く意思があって、相当な才能があって、しかも五体がそろっておってなおかつ働けない実情にある。こういう国におけるところの貧乏の意識というものは非常に違う。そういう社会的現実があるということは八木委員が御指摘になります通り、私もこれを認識しておる一人でございまして、ここに日本の貧乏追放という、岸内閣が打ち出しております意義が、実は非常に重大なものを持っておると思うわけであります。そこでそういうような意味合いにおきまして、私どもといたしましては誠心誠意を持って国民皆保険の制度に乗り出し、さらにまた社会保障制度の所得保障であるところの国民年金というものを実は打ち出したわけなのです。従来はおそらく考えられなかったようなこういった一連の、ほんとうに国民生活に影響を及ぼしていき、充実していく、あるいはボーダー・ライン層を何とかして助けていこう、あるいは社会保障を何とかしてやっていこうという気持は、八木委員にしてもお認めいただけると思うのでありまして、その意味におきまして私は、国民年金というものは一年や二年で完成するものではないと思いますし、また一年や二年で完成すると思ったら大間違いだと実は思うのでございます。たとえばこの間ニュージーランドからナッシュ総理大臣が見えました。この方がかつてのニュージーランドにおけるところの社会保障制度を打ち立てたそのメンバーの一人であるということを聞いておるわけでございますが、ニュージーランドの歴史をひもといてみましても、おそらくこれは一九三八年に社会保険を始めておって、今日のようなりっぱな社会保障制度を打ち立てておる。少くとも第二次大戦前においてニュージーランドはこの問題についてやっておる。さらにイギリスにおいては、このニュージーランドの社会保障制度というものをつぶさに検討した上において一九四五、六年でございますか、第二次大戦が済みましてから社会保障に乗り出しておる。そうして十年の経過をして今日のようなりっぱな保障制度というものが打ち立てられておるわけでございまして、私どもといたしましては、この所得保障を打ち出したというこの意義だけは非常に高く御評価を願いたい。しかしながらその充実につきましては、まだまだ至らざるところもございまするので、冒頭に申し上げましたように皆さん方の御意見等も参考にいたしまして十分これから検討をいたしまして、ほんとうに国民の方々に喜んでいただけるような年金に仕上げていきたいというのが私の気持でございます。
八
八木一男#19
○八木(一男)委員 坂田さんの御誠意は、人柄から感じとれるわけでございますけれども、御誠意はわかるとしても、岸内閣なり自民党の誠意は実はちっともわからないのです。それで困るのです。岸内閣が貧乏追放ということを掲げられたことは知っていますが、実際は何もやっていないと同然だと思う。貧乏の問題がほんとうに日本はひどいですから、これを解決するために社会保障制度を完成しなければならぬというのは国民的な世論になっておるわけです。国民的な世論になるまでは社会保障制度の拡充であるとか、完成であるとか、福祉国家の完成であるとか、そういうことは保守党の人はほとんど言われなかった。世論が無視できないような状態になったら、これはやはり選挙その他の関係もありますから、そういうことを言い始められた。おそくともいいです。言い始められて、おそくてもいいですから、それなら本腰に完全にやってもらえばかまわないのですけれども、あとから入って言い始めて、それで貧乏を追放する、社会保障を完成するというようなことを言って、ほんとうはしないとすると、社会保障というのは制度上非常に複雑な問題ですから、一つ一つについてこれは不十分であるということは身をもって体得しても、国民全部がけしからぬじゃないかという理論的な根拠を持って攻撃するまではいかないわけです。そういう状態に便乗して、やらないくせにやったようにする。そうすると国民の方は、そのうちにわかりますけれども、やってもらえるのかしらんということで、自民党を支持なさる。ほんとうの国民の願望である貧乏の追放とか、社会保障の完成は一向に行われない。それでは日本国民が悲劇だと思う。自由民主党の諸君が、私のこの言い方に憤激をされまして、しゃくにさわる、社会党の倍くらいの案を出してやろうということになって下されば国民の仕合せですけれども、幾らばり雑言しても、そうはなさらないで、今のところはこのくらいの程度だということでごまかして、社会保障は、ほんとうはこのくらいのスピードの傾斜でいかなければならないところが、このくらいになる。そうすると完成するまでがおくれた間の国民は、不幸なままで苦しんで死んでいかなければならぬ。社会党や自民党はどうなったってかまわないが、その間の国民の不幸というものは、政治を担当する者として黙っているわけにはいかない。そういうところは岸内閣の閣僚をしておられますからお芳しい立場なんですけれども、坂田さんの個人的な良心とは別に、岸内閣というものは、社会保障の看板だけ掲げて中身は何にもない。ほんとうの動きを、そのから看板のためにとめているということをはっきり御認識になって、そうして憤慨なさったならば、その憤慨は岸君か佐藤君に向けられて、それでほんとうによくなるようにしていただかなければ困る。こういう場で、岸内閣はこうやっているという御宣伝をなさいましても、どんな言葉で言われましても、私どもは断じてそれは承知をいたしませんから、今後岸内閣の御宣伝は、答弁中にはなさらない方がいいんじゃないかと思います。
それから一年、二年で完成するものじゃないということを言われました。社会保障制度、特に年金制度というものは長期間の問題だから、完成までに時間を要するわけです。それだから最初からりっぱな目標を持ってもらいたいということを特に申し上げたい。政府が全部無拠出年金に踏み切っておられるならば階段的でよろしい。ところが政府は拠出年金制度を根本にしておられる。拠出年金というのは、今から積み立てて、それから後にでき上る。一部賦課方式も採用しておられない。完全積立金方式でやっておられる。それだったら最初から完全な目標に進まなければ、途中で困ったことが起る。それを一切やめて、同じだけの財源を全部無拠出に出すという制度に変えられるならば、一部分そういうような階段的ということも理由が成り立つでしょう。積立金方式をとっておられて、拠出方式をとっておられる。それならば目標は完全に最初から定めておかなければ、そのままでとまってしまう。ニュージーランドやイギリスの例など右顧左眄する必要はない。ニュージーランドやイギリスは一九三八年ですか、そういうような二十年前にやったもので、これは時代おくれだ。イギリスが社会保障の完成した国家だと思い込んでいる方は、時代おくれの考え方なんです。イギリスがどうあろうとも、ニュージーランドがどうあろうとも、日本はそれ以上のものを、貧困の状態からして作らなければならぬ。しかも今の時点でイギリスかニュージーランドか、そういう制度を作ろうと決心したならば、そのニュージーランドやイギリスの今の制度よりもはるかに高いものが作られるべきだ。昔の古くさいイギリスやニュージーランドの例でそういうものを判断しては、社会保障はとまってしまいます。日本が今初めてこれを作るのですから、世界じゅうが日本の例にこれからならっていくのだ、そのような勢いで作らなければいけない。それに三千五百円が最終目標だ、しかもそれは完全に納めた人だけで、普通は二千円くらいの平均だ、納められない人は年金がない、労働者の年金はほったらかしておく、そんなような年金では話にならない。ですからこの国会中に——予算は通ってもかまいません。拠出年金の方は二年後に実施でしょう。二年後ではおそいから、来年くらいから実施してもらわなければなりませんけれども、予算案なんかというような形式的なことにこだわらずに、厚生省自体で動かれまして、厚生省で出し直すというのが面子上工合が悪かったら、自由民主党から出されてもよろしいし、社会党と共同提案でもよろしい。とにかく六千円や七千円の案で出される意思があるかどうか。いろいろな意見を承わりましたという意見があった以上、当然それについての御配慮があってしかるべきだと思います。それについての御意見を伺いたい。
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坂
坂田道太#20
○坂田国務大臣 今予算案は衆議院を通過したばかりでございまして、ただいまこれを変更するような法案あるいは修正というものを政府としては考えておらないような次第でございます。なおまた私がこユージーランドの例を引き、あるいはイギリスの例を引きましたのは、やはりこれらの先進国がなしとげて参りました一つの過程、経験というものは、日本が今日打ち立てようとする年金につきましては私は八木委員と違う考えを持っておりまして、十分検討をし、研究をして、これにおきまして取り上げるべきところがあるならば取り上げていくということでなければならないというふうに私は考えております。たとえばイギリスの最初の案で申しますると、フラット制で、つまり掛金も同じフラットでいく、それから給付も同じフラットでいくというようなことでございます。御承知の通りでございます。ところが最近になりまして、むしろそういう考え方では今日の実情に合わない、従ってある程度高い給付を考えるならば、やはり金に余裕のある人はそれだけ高い掛金を出すというような案に変りつつある。そういうことが労働党の中においてもあるいはまた保守党の内部においても考えられておる。むしろ私たちはこの経験を生かしまして今度の年金法を作っておるということを申し上げておきたいと思うのでございます。この点は八木委員も御了承をいただけるものと思いますし、ニュージーランドの場合におきまして、こんなけちくさい、というようなお話でございますけれども、私はニュージーランドが打ち立てたところの社会保障制度というものはけちくさいものではない、これは相当に見習うべき点があるというふうに考えます。しかしながらニュージーランドは御承知のように二百万の人口、しかも土地は日本と同じくらいで、しかも国民生活水準は高い、こういう国に比べて、人口が九千万から一億になんなんとするところの日本におきまして、どうやってこの年金法案を打ち出していくかというところのわれわれの苦心ということも一つはお考えをいただかなければならないので、ただいま提案いたしておりますところの法案というものは、それらの国々のいろいろ参考にすべき点を参考にし、しかしながら日本の置かれておるところの実情というものを見きわめ、あるいは財政状態、将来にわたるところの財政の伸びというようなものも考えまして今日のような法案に織り込んだような次第でござりいます。
この発言だけを見る →八
八木一男#21
○八木(一男)委員 今おっしゃった点、まあ三分の一くらいは了承してもいいのですけれども、あとは了承できないのです。さっきニュージーランドの例をあげられたときは、中の仕組みではなしに、程度の問題で申し上げたわけです。ニュージーランドでは二十年も前に作られた。それから社会保障というものが大事だということは認識されているのですが、程度の問題として、今発足するならばもっと高くなければならない。ところが、ニュージーランドが面積は狭いけれどもいろいろの国民生活が豊富であるという点はございます。これは政府は完全に計算済みでありまして、ほかの国はこうだ、日本の経済力はこうだから日本はこのくらいということを計算済みでやっておられるわけです。そういうことも頭に入れて、そういうように向うが豊かであるからこっちはこのくらいということだけをとられるのじゃなしに、ニュージーランドは二十年前にこのくらいの勢いでやったら、日本でこれから完成するときには、二十年たった進歩した世の中としてやっているわけですから、もっと高いものをしなければならない。そういうような国と国のバランスなんということは考えてはいけないことだけれども、政府は小さくするためにどうしたってお考えになるにきまっているのです。そういうことはいけないけれども、とにかく私の申し上げたのは時点です。二十年前にニュージーランドがあのくらいの元気でやった。だからそれといろんなバランスを考えられることはある程度いたし方ないとしても、二十年前にそれだけの元気でやったならば、今二十年後にやるときにはそれ以上の元気でやらなければならない。そういうことで、時点の問題をそういう問題にすりかえられては困る。
それからもう一つ制度の問題で、参考にするのはいいのです。しかし事情が違う点があるから、そのまま参考になりません。今おっしゃった例は逆なんです。収入の高い人にはたんさん負担してもらおうという考え方がイギリスの労働党にある。ところが政府の案は、保険料はフラットです。今の案は逆なことをやっている。そういうふうにニュージーランドやイギリスの例を都合のいいときだけ持ち出して、向うの進歩した点を入れなければならぬ点ははねのける。政府はいつでもそうなんです、外国の例を取り入れる場合は。そういうふうにニュージーランドやイギリスの都合のいいところだけをとって、都合の悪いところはほっといて、しかも向うは収入の高い人はたくさんとらせようという傾向にあるという例をあげて、出している法案はフラット、そんなことじゃ困るのです。ニュージーランドやイギリスはどうでもいいのです、日本の社会保障制度すですから。
そこで本論に入りますけれども、結局政府としては、ただいま案を差しかえる意思はないと一応言われました。坂田さんの良心的な点が現われた、ただいまという言葉をつけられた。それで政府の方でも、自民党にも熱心な方がおられる。それじゃ少いじゃないかという議論が出たら、当然、政党内閣ですから、閣議でやりかえるということもあり得る。また二年後の拠出年金ですから、一年くらいに早めてもらわなければならぬ、来年には必ず財政支出をするということを大蔵大臣が了承する、それならば今から法案を変えておこうということだってあり得るわけです。そういうことになったら閣議をやり面して、それで出されるということもあり得ると私は認識して進めたい、ただいまのところという御答弁ですから。自由民主党の方も当然修正される案を出されるとか、社会党案に全面的に賛成されて政府案を否決されるとか、そういうようなこともあり得る、そういう考え方で一つ坂田さんもお聞きになっていただきたいと思う。それからさっき小山さんがおっしゃいました、この前十月に橋本さんとやりとりの間に出た文言を利用してやられたんですが、社会保障制度審議会では十五%という経済伸張を考えてあの答申を出した。社会保障制度審議会というものは非常に権威のある審議会ということになっておりますが、この年金制度の答申に関する限り、私をして言わしめれば非常に間違った答申だ。とんでもない答申です。世の中の年金がりっぱにでき上る態勢を、あのとんでもない、いくじのない間違った答申でストップさしてしまった傾向がある。政府が社会保障制度審議会の答申を尊重するということは、設置法で内閣の義務なんです。ところが今まで制度審議会の通りぴちっとやった例は一つもない。特に医療保障勧告なんてものは十分の一もやっていない。そういうことはいけないことで、やってもらわなければなりません。しかし社会保障制度審議会の具体的な答申を上回ることを、やることは、答申の精神とは一つも背反しないのです。今まではそれを下回る、十分の一くらいのことをやっても、これでも尊重しましたなんということを総理大臣はぬけぬけと言って回っているような状態です。制度審議会を上回る案を出されることには一つも遠慮は要りません。そういう点で、制度審議会の案にとらわれる必要はない。制度審議会の方は経済伸張率を一・五%と見ておる。こんなものは小山さん言われました通り、とんでもない話で、これは社会保障制度審議会が自由民主党を、あるいは日本社会党を、あるいは日本の政治家全体をばかにし切った答申です。政府の方は、長期経済計画で六・五%という計画を進めておられる。ところが、おととしあたりにはちょっとへっこんだけれども、大体においてはそれに近いようなものができるということを方々で答弁しておる。社会党は来年度で、すぐことしでも政権をいただければ、計画経済をやって、政府の、今の自民党以上の経済伸張をやるつもりです。ところが今のところは自民党か日本社会党かどっちかが政権をとる態勢にある。〇〇党なんというのは政権をとる可能性がない。緑風会がとるとか、無所属がとるなんということは今のところあり得ない。そうすれば自由民主党か社会党ということになる。その両党とも、そのくらいの経済拡大をする意気込みでやっているわけです。それについては政府の方は企画庁の専門家が一生懸命計算をはじいて、それで理論闘争をして、それでこういった計画ができておる。大ぜいの知識のある人が全部やって計画をしているわけです。それを社会保障制度審議会で、社会保障だけに専念している人がそういうような根本的な問題を一・五と押えている。一・五と押えてあの答申が出ておる。これを四と押え、五と抑え、六と押えたらあんな答申は出なかった。それは制度審議会も、四と押えれば四が絶対できる、五が絶対にできるということで、根底において諮問を出し直したならば三千五百円なんて出てこない。一万円くらいに出てくる。そうすると社会保障制度審議会のほんとうの意思は、政府の経済拡大計画を根底にすれば、それ以上の社会党の拡大計画を根底にすれば、一カ月に少くも一万五千円くらいのものを全国民に保障するという意思があるのです。前の橋本さんは、制度審議会の意思を尊重したい、そればかり言っておられましたけれども、これは小山さんも、従って坂田さんもお読みになれば十分わかる。それですから保障制度審議会のほんとうの意思は、経済拡大率がこれ以上に上回った場合には、全国民に月一万円くらいのものを全部保障するという案でなければならない。ほんとうに制度審議会の意思を尊重するとすれば、三千五百円というものは非常に少い。その点で制度審議会の答申に固着した考え方を、これからでもおそくはありませんから捨てて、それで出し直す、また政府の面子があったら来年出し直すということを確約するというようなことをなさる必要があると思う。それについて坂田さんのお考えを承わりたい。
この発言だけを見る →それからもう一つ制度の問題で、参考にするのはいいのです。しかし事情が違う点があるから、そのまま参考になりません。今おっしゃった例は逆なんです。収入の高い人にはたんさん負担してもらおうという考え方がイギリスの労働党にある。ところが政府の案は、保険料はフラットです。今の案は逆なことをやっている。そういうふうにニュージーランドやイギリスの例を都合のいいときだけ持ち出して、向うの進歩した点を入れなければならぬ点ははねのける。政府はいつでもそうなんです、外国の例を取り入れる場合は。そういうふうにニュージーランドやイギリスの都合のいいところだけをとって、都合の悪いところはほっといて、しかも向うは収入の高い人はたくさんとらせようという傾向にあるという例をあげて、出している法案はフラット、そんなことじゃ困るのです。ニュージーランドやイギリスはどうでもいいのです、日本の社会保障制度すですから。
そこで本論に入りますけれども、結局政府としては、ただいま案を差しかえる意思はないと一応言われました。坂田さんの良心的な点が現われた、ただいまという言葉をつけられた。それで政府の方でも、自民党にも熱心な方がおられる。それじゃ少いじゃないかという議論が出たら、当然、政党内閣ですから、閣議でやりかえるということもあり得る。また二年後の拠出年金ですから、一年くらいに早めてもらわなければならぬ、来年には必ず財政支出をするということを大蔵大臣が了承する、それならば今から法案を変えておこうということだってあり得るわけです。そういうことになったら閣議をやり面して、それで出されるということもあり得ると私は認識して進めたい、ただいまのところという御答弁ですから。自由民主党の方も当然修正される案を出されるとか、社会党案に全面的に賛成されて政府案を否決されるとか、そういうようなこともあり得る、そういう考え方で一つ坂田さんもお聞きになっていただきたいと思う。それからさっき小山さんがおっしゃいました、この前十月に橋本さんとやりとりの間に出た文言を利用してやられたんですが、社会保障制度審議会では十五%という経済伸張を考えてあの答申を出した。社会保障制度審議会というものは非常に権威のある審議会ということになっておりますが、この年金制度の答申に関する限り、私をして言わしめれば非常に間違った答申だ。とんでもない答申です。世の中の年金がりっぱにでき上る態勢を、あのとんでもない、いくじのない間違った答申でストップさしてしまった傾向がある。政府が社会保障制度審議会の答申を尊重するということは、設置法で内閣の義務なんです。ところが今まで制度審議会の通りぴちっとやった例は一つもない。特に医療保障勧告なんてものは十分の一もやっていない。そういうことはいけないことで、やってもらわなければなりません。しかし社会保障制度審議会の具体的な答申を上回ることを、やることは、答申の精神とは一つも背反しないのです。今まではそれを下回る、十分の一くらいのことをやっても、これでも尊重しましたなんということを総理大臣はぬけぬけと言って回っているような状態です。制度審議会を上回る案を出されることには一つも遠慮は要りません。そういう点で、制度審議会の案にとらわれる必要はない。制度審議会の方は経済伸張率を一・五%と見ておる。こんなものは小山さん言われました通り、とんでもない話で、これは社会保障制度審議会が自由民主党を、あるいは日本社会党を、あるいは日本の政治家全体をばかにし切った答申です。政府の方は、長期経済計画で六・五%という計画を進めておられる。ところが、おととしあたりにはちょっとへっこんだけれども、大体においてはそれに近いようなものができるということを方々で答弁しておる。社会党は来年度で、すぐことしでも政権をいただければ、計画経済をやって、政府の、今の自民党以上の経済伸張をやるつもりです。ところが今のところは自民党か日本社会党かどっちかが政権をとる態勢にある。〇〇党なんというのは政権をとる可能性がない。緑風会がとるとか、無所属がとるなんということは今のところあり得ない。そうすれば自由民主党か社会党ということになる。その両党とも、そのくらいの経済拡大をする意気込みでやっているわけです。それについては政府の方は企画庁の専門家が一生懸命計算をはじいて、それで理論闘争をして、それでこういった計画ができておる。大ぜいの知識のある人が全部やって計画をしているわけです。それを社会保障制度審議会で、社会保障だけに専念している人がそういうような根本的な問題を一・五と押えている。一・五と押えてあの答申が出ておる。これを四と押え、五と抑え、六と押えたらあんな答申は出なかった。それは制度審議会も、四と押えれば四が絶対できる、五が絶対にできるということで、根底において諮問を出し直したならば三千五百円なんて出てこない。一万円くらいに出てくる。そうすると社会保障制度審議会のほんとうの意思は、政府の経済拡大計画を根底にすれば、それ以上の社会党の拡大計画を根底にすれば、一カ月に少くも一万五千円くらいのものを全国民に保障するという意思があるのです。前の橋本さんは、制度審議会の意思を尊重したい、そればかり言っておられましたけれども、これは小山さんも、従って坂田さんもお読みになれば十分わかる。それですから保障制度審議会のほんとうの意思は、経済拡大率がこれ以上に上回った場合には、全国民に月一万円くらいのものを全部保障するという案でなければならない。ほんとうに制度審議会の意思を尊重するとすれば、三千五百円というものは非常に少い。その点で制度審議会の答申に固着した考え方を、これからでもおそくはありませんから捨てて、それで出し直す、また政府の面子があったら来年出し直すということを確約するというようなことをなさる必要があると思う。それについて坂田さんのお考えを承わりたい。
坂
坂田道太#22
○坂田国務大臣 ただいま社会保障制度審議会の経済成長率の見方につきまして御質問があったわけでございますが、しかし何と申しましても、御承知の通り社会保障制度審議会のメンバーの方々というものは一流の方々であると思いますし、会長の大内先生はその方のいわば権威者だと思いますし、またその中には八木委員のごときりっぱな方もおられるわけでございますので、それらの答申というものは、私は非常に権威のあるものだというふうに承知をいたしております。やはりこれに対して十分これを尊重し、これを参考として政府案を組むということが、私はいわば行政をやっていく場合の心がまえでなければならないのではないか、その過程においていろいろの御議論があったということは私は承知をいたしております。しかしながら、出されましたところのいわゆる案というものに対しましては、やはりこれに対して尊重していくという建前が私は妥当な考え方ではないかというふうに考えておるわけでございます。しかしそれだからといって、それじゃ社会保障制度審議会できめられたものをコンクリートにして、全然動かすべからざるものであるというふうには私どもも考えておりませんので、多少事項等によりましては社会保障制度審議会の答申よりも上回ったようなことをやったこともあるわけでございまして、それらの点については、あるいはお尋ねがございますならば小山局長から御説明を申し上げたいと思う次第であります。
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八木一男#23
○八木(一男)委員 大きな声を出すのは控えまして、社会保障制度審議会は、年金特別委員会から総会から全部、私去年の四月の初めまでは出ておりました。その中で一番わあわあ言った方ですから、経過は全部よく知っております。そこでは、ほんとうは大内会長もほかの委員の人たちも、りっぱなものを作りたいという考え方があったのです。だけれども、岸内閣は医療保障勧告をあれだけ踏みにじって、十分の一もやらない。そういうような岸内閣では、これはしようがないという気分が横溢しているわけです。ですから岸内閣——今までの岸内閣ですよ。これから改心なさったら別ですが、せいぜい岸内閣が努力して最大限度のところがここらだという意見が相当多かったわけであります。そう出さなければいいものを、出したら医療保障勧告みたいに十分の一くらいでほったらかすだろうということで、社会保障制度審議会の本来の使命である学者的にほんとうに検討した意見を出すのではなしに、やや政治的に、岸さんというような社会保障に不熱心な人が政権をとっている以上は、それくらいに出しておかないと引き出しにくいだろうというところからあの答申が出たわけです。もし岸さんがそういう人でなくて、ほんとうに熱心な人であれば仕合せです。少くとも坂田さんはそういう学者連の批判よりもっと熱心だろう。そういう経過は明らかになっています。これは絶対にうそではありません。大内さんを呼んでも、今井さんを呼んでも、末高さんを呼んでも、だれを呼んでもけっこうです。そういうような空気の中で、岸内閣から引っ張り出すということであれが出た。現に岸内閣からあれが引っ張り出た。それはいいのです。その効果はあったわけです。それに近いものが引っ張り出たということです。ほんとうならば政党は学者にそんなにばかにされてはいけない。これくらいしかあれはやる能力がなかろうからこれくらいで出しておこうということで、学者に答申を出してもらっているのでは困る。それは学者が悪いのではなくて、今までの岸内閣が悪かったから——医療保障勧告をあれだけしても十分の一しかしないでほったらっかしておく、そういうことは改めなければいけない。形式的に社会保障制度審議会の精神に大体沿っているからというような御答弁をなさるとしたならば、これは社会保障に対する熱意がないと見る。もし岸さんがなさったら、この看板は偽わりであるということになる。ほんとうの事態を把握されて——これは八木委員がでたらめを言っていると思われたら、幾らでも参考人として社会保障制度審議会の委員を全部呼んでいただいてもけっこうです。明らかにそういう事情です。岸さんがばかにされ切ったわけです。自民党さんは怒ってしかるべきだ。何をなまいきなことをやる、政治はわれわれがやるんだ、ほんとうにやるべきことを答申したらいいじゃないか、やってみせるというような勢いで、参考人として呼んで追及されたらいいです。ですからあんなに限定された考え方をされてはいけません。
それからもう一つ、私は解散のとき委員ではありませんでした。がんばり抜いて、三千五百円ではいけない。少くとも六千円くらいにしなくちゃいかぬ。六十五才ではいけない、六十才でなければいかぬ。遺族や障害者がほったらかしにされてはいけない。労働者年金が入らなければ国民年金ではないというような根本的な点で突っ張っているときに解散になった。解散になってから六月の初めに答申が出た。私が社会党から推薦されて、当選したならばまた帰ってくることは大体において見通されたわけですが、そういうじゃま者がいない間に、ああいうインチキな答申が出された。社会保障制度審議会に関する限りは、答申については私は責任がないわけです。そういうことですから、とにかく社会保障制度審議会の答申に固着して考えないでほしいと思う。おまけに社会保障制度審議会の答申のいいところは省いておられる。減額年金は五年からしなければいけないというけれども、政府は十年からです。社会保障制度審議会の答申を尊重する、尊重すると言いながら、都合の悪いところはほったらかしにしておく、そういうことでは困ると思う。内科障害では障害年金をやらないといけないというのに、それを省く。さっきの外国の例でもそうです。政府の答弁はいつでもそうです。都合のいいところは全部とって、同じあれでも都合の悪いところは全部捨てておる。そういうことではほんとうの政治の動きはできないと思いますし、ほんとうの社会保障の伸展はできないと思う。足りないところは率直に足りないと認めて——政府がそうなったら自民党がそれでは承知できないということになるでしょう。政府がそういうことはできなくてこれがいいのだということになれば——自民党さんはもちろん聡明な方々でありますけれども、年金法を隅から隅まで全部読まれたわけではない。読んではおられるでしょうけれども、一条一句までそらんじておるわけではない。自民党の熱心な先生方はみな政府にごまかされておる。これでは国家のために困る。正直にこれをとられて、いい点はいい、なまけたところはなまけた、とった点はとった、とおっしゃればいい。いい点だけとったとおっしゃいましたね。よくない点もあります。そういうことで、ほんとうにもっとよくしていただかなければならないと思うんです。何回繰り返しても何ですが、これからほかの委員の方もそういうことを御追及になると思いますが。政府案に固着した考え方でなしに、今国会で法案を直す。財政との関係があれば——拠出年金は二年後になっておりますからこれは一年後にしていただかなければいけないけれども、それはことしの財政とは関係がない。無拠出年金については予備費その他もありますし、参議院で予算を直すこともでき得ます。そして衆議院に回ってくることもあり得ます。それですから固着しないで考えてもらいたい。少くとも来年から予算をふやすということは完全にできるわけです。法案を変えていくこともできるわけですから、法案をことしこのまま通してしまいましたならば来年、再来年は怠けてしまって——坂田さんが副総理大臣になられて、厚生大臣を離れられるかもしれない。岸内閣がぶつ倒れてどうなるかもしれないということになりますから、今の時点から直せるものはできるだけ直してよくやっていただきたい。さような御決意でやっていただきたいと思いますが、それについて坂田さんに御答弁を願います。
この発言だけを見る →それからもう一つ、私は解散のとき委員ではありませんでした。がんばり抜いて、三千五百円ではいけない。少くとも六千円くらいにしなくちゃいかぬ。六十五才ではいけない、六十才でなければいかぬ。遺族や障害者がほったらかしにされてはいけない。労働者年金が入らなければ国民年金ではないというような根本的な点で突っ張っているときに解散になった。解散になってから六月の初めに答申が出た。私が社会党から推薦されて、当選したならばまた帰ってくることは大体において見通されたわけですが、そういうじゃま者がいない間に、ああいうインチキな答申が出された。社会保障制度審議会に関する限りは、答申については私は責任がないわけです。そういうことですから、とにかく社会保障制度審議会の答申に固着して考えないでほしいと思う。おまけに社会保障制度審議会の答申のいいところは省いておられる。減額年金は五年からしなければいけないというけれども、政府は十年からです。社会保障制度審議会の答申を尊重する、尊重すると言いながら、都合の悪いところはほったらかしにしておく、そういうことでは困ると思う。内科障害では障害年金をやらないといけないというのに、それを省く。さっきの外国の例でもそうです。政府の答弁はいつでもそうです。都合のいいところは全部とって、同じあれでも都合の悪いところは全部捨てておる。そういうことではほんとうの政治の動きはできないと思いますし、ほんとうの社会保障の伸展はできないと思う。足りないところは率直に足りないと認めて——政府がそうなったら自民党がそれでは承知できないということになるでしょう。政府がそういうことはできなくてこれがいいのだということになれば——自民党さんはもちろん聡明な方々でありますけれども、年金法を隅から隅まで全部読まれたわけではない。読んではおられるでしょうけれども、一条一句までそらんじておるわけではない。自民党の熱心な先生方はみな政府にごまかされておる。これでは国家のために困る。正直にこれをとられて、いい点はいい、なまけたところはなまけた、とった点はとった、とおっしゃればいい。いい点だけとったとおっしゃいましたね。よくない点もあります。そういうことで、ほんとうにもっとよくしていただかなければならないと思うんです。何回繰り返しても何ですが、これからほかの委員の方もそういうことを御追及になると思いますが。政府案に固着した考え方でなしに、今国会で法案を直す。財政との関係があれば——拠出年金は二年後になっておりますからこれは一年後にしていただかなければいけないけれども、それはことしの財政とは関係がない。無拠出年金については予備費その他もありますし、参議院で予算を直すこともでき得ます。そして衆議院に回ってくることもあり得ます。それですから固着しないで考えてもらいたい。少くとも来年から予算をふやすということは完全にできるわけです。法案を変えていくこともできるわけですから、法案をことしこのまま通してしまいましたならば来年、再来年は怠けてしまって——坂田さんが副総理大臣になられて、厚生大臣を離れられるかもしれない。岸内閣がぶつ倒れてどうなるかもしれないということになりますから、今の時点から直せるものはできるだけ直してよくやっていただきたい。さような御決意でやっていただきたいと思いますが、それについて坂田さんに御答弁を願います。
坂
坂田道太#24
○坂田国務大臣 ただいまこの法案を出しておりますのに、これを修正をしろというようなお話でございますが、これは政府といたしまして国会に提出をしておるわけでございまして、これを国会がどういうふうにおやりになりましょうとも、私たちとしてはどうにもやりようがないわけであります。われわれ政府といたしましては、ただいまのところ遺憾ながら、非常に御熱心なお話でございますけれども、ただいまこれを修正するというような意思はないことをはっきり申し上げておきたいと思います。
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八木一男#25
○八木(一男)委員 私の説明の仕方が悪くて坂田さんにぴんときていないようですので、さらに私申し上げますが、ほかのもっと聡明な委員の御追及によって坂田さんがこれは間違った案であったとお考えになったら——ただいまはそうであっても、二、三日後にはそうお考えになられる余地が十分あるという理解のもとに、これから一生懸命申し上げたいと思います。
次に、そういうことをなさる方法として、政府がよくする方法で——やはり大蔵省あたりのいろいろの抵抗もあるでしょう、抵抗があってもそれを排除してよくやっていただかなければならないけれども、そのシステムを考えることによって、抵抗が少くてよくできる方法があると思う。これは坂田さんは十分御承知だと思うのですが、いわゆる賦課方式の採用であります。そういうことについて一つ坂田さんのお考えを伺わしていただきたい。
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坂
小
小山進次郎#27
○小山(進)政府委員 年金制度をどういうふうに組み立てていくかという場合に、先生がおっしゃるように賦課方式を取り入れますことが不健全な考えであるといったような考え方は、今日はもうだれも考えておりません。その意味合いにおきまして、積立方式と賦課方式をどういう関係に置くかということは、十分これは研究に値する問題だということを私ども十分承知した上で、今回積立方式をとったわけでございます。先ほど来お話がありましたように、やはり将来の発展を考えます場合はどうしても年金制度に相当な弾力性が残されていなければならぬというようなこととか、あるいはこれは八木先生よく御存じのように、積立方式に幾分の賦課方式を加えていくという発展は、これはきわめてなだらかに出て参るのであります。ところが無拠出方式なりあるいは賦課方式に積立方式を入れるというようなことは、これは発展ではなくして、年金制度としては、そのままに放置しておきますと破綻を生ずるおそれがある場合にやるというようなことになるわけでございます。それやこれやを考えまして、少くとも今日の日本で国民的な規模におけるむずかしい年金制度を発足させます場合においては、まず安全第一ということで制度をスタートさせたい。これが軌道に乗りまして、そのときの経済的な条件あるいは社会的な条件から見まして、そのときにまた考える余地が出て参りましたならば、そのときの事情においてそのときの国民に考えていただくようにしよう、こういうのが今回の政府案の考え方でございます。
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八木一男#28
○八木(一男)委員 厚生大臣に端的にお伺いしますので、小山さんでなしに厚生大臣にお願いします。方法は可能であって、現在の岸内閣の財政方針は直してもらわなければいけないけれども、その直す範囲も含めまして、そう最近の支出を変えないで制度がよくなることがあったら、これは厚生大臣としては検討を進められなければならないことだと思いますが、それについての率直な御意見を伺いたいと思います。
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坂田道太#29
○坂田国務大臣 御質問の趣旨がちょっと私にわかりかねたわけでございますけれども、しかしながらやはり年金制度というものをよくしていくという努力は絶えずやっていなければならないのではないかというふうに思いますし、もし現在組んでおります予算の範囲内においてベターな案がありましたならば、その点については、私はこれをベターなものにしていくということを努力するのにやぶさかではございませんし、また将来にわたりましてそのような賦課方式をとることがいいというような段階になりまするならば、やはりそのようなことはそのときの国民あるいは国民の代表である衆議院の人たちがおきめをいただくということになろうかと思いますけれども、現在はただいま提案をいたしておりますような積立方式を堅持をしていくということがいわば堅実な方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。
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