船田中の発言 (予算委員会)
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○船田委員 今直ちに核兵器を持ち、あるいは各種のミサイル、ICBM、IRBM、重爆撃機といったようなものをもってする第三次世界大戦が起る、あるいは近い将来に起るということはまず考えられないであろうというのが世界の常識であり、またただいま総理大臣も申されたように、東西両陣営の要人たちの間にも何とか平和を確立いたしたいという非常な努力を傾け、現に最近ソ連のミコヤン第一副総理がアメリカを訪問せられ、その効果もかなり上っておるというようなことも伝えられております。確かに今直ちに戦争が起るであろうというようなことはまず考えられないのでございますけれども、しかし昨年一年間の国際情勢の推移を見て参りましても、七月の半ばにイラクの革命が瞬時にして成功をし、またヨルダン、レバノンに対する米英の進駐、兵力をそこに投入をして、あの紛争の阻止をはかった、こういうような問題が起っており、かつそれを中心とする国連の安保理事会の二週間にわたる会議、また八月にはこの問題を中心といたしました国連緊急集会というようなものが開かれまして、幸いに国連の緊急集会におきましては、この中東問題が一応平和的に処理されたことになったのでございますけれども、その緊急集会が八月の二十二日に終り、直ちに翌日二十三日には、極東における台湾海海峡において火を吹く戦争が始まっておるこういう情勢でありまして、近い将来において全く部分的な戦争あるいは制限戦争が絶対に起らないと断言する者はおそらく何人もなかろうと存じます。
しかも第二次世界大戦が終了した後、この十数年間に起っておる世界の戦争あるいは内乱、そういうものを見て参りましたときに、そこに一つの特徴的な性格が現われております。それは何であるかと申しますると、内乱、内戦でありますけれども、その多くのものが東西対立の国際的な性格をそこにからみ合せておるというところに、非常に大きな特徴がございまして、これは第二次大戦前の小さな戦争あるいは部分戦争というものとは非策に違っておるのでございます。従いましてそういう国際情勢を見て参りましたときに、わが国の平和と独立を維持する安全保障ということを考えて参りまするときには、きわめて複雑な国際情勢に対応し得る、そうして現実の事実をはっきりつかみました上においての日本の安全保障ということを考えていかなければならぬと存ずるのであります。
最近ソ連及び中共におきましては、わが国に対しまして中立化を呼びかけて来ております。また御承知の通り最近におきまして、フルシチョラ第一書記が第二十一回共産党の大会におきまして、極東及び太平洋の非核武装地帯設定ということを提案いたしております。かようにわが国に対して中ソ両国が執拗に中立化政策を向けて来ております。ところが一面ヨーロッパにおける情勢はどうかと申しますと、ユーゴスラビアは御承知の通り共産圏に入っておりましたけれども、共産圏から離れて中立化政策をとっておる、これに対しましては中共の首脳者は口ぎたなくののしっておるという状況でございます。この中ソ両国のわが国に対する中立化政策の呼びかけ、こういうものは一体いえばいわゆる彼らの言っておる平和五原則にも反し、バンドン精神にも反することではないかと存じます。
そこで総理は、日本の安全を保障するために、またこういう中立化政策の呼びかけに対しまして、確固たる信念を持ってこれに対処していく必要があると存ずるのでありますが、この中ソ両国の中立化政策呼びかけに対し、いかなる処置をとられるか、またそういう御意思があるかどうか、これを伺っておきたいと思います。