予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十四年二月二日(月曜日)
午前十時二十二分開議
出席委員
委員長 楢橋 渡君
理事 植木庚子郎君 理事 小川 半次君
理事 重政 誠之君 理事 西村 直己君
理事 野田 卯一君 理事 井手 以誠君
理事 小平 忠君 理事 田中織之進君
井出一太郎君 小澤佐重喜君
大平 正芳君 岡本 茂君
川崎 秀二君 上林山榮吉君
北澤 直吉君 小坂善太郎君
篠田 弘作君 周東 英雄君
田中伊三次君 田村 元君
綱島 正興君 床次 徳二君
中曽根康弘君 船田 中君
保利 茂君 八木 一郎君
山口六郎次君 山崎 巖君
阿部 五郎君 淡谷 悠藏君
石村 英雄君 今澄 勇君
岡 良一君 加藤 勘十君
勝間田清一君 北山 愛郎君
黒田 寿男君 小松 幹君
佐々木良作君 島上善五郎君
中崎 敏君 成田 知巳君
西村 榮一君
出席国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
法 務 大 臣 愛知 揆一君
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
文 部 大 臣 橋本 龍伍君
厚 生 大 臣 坂田 道太君
農 林 大 臣 三浦 一雄君
通商産業大臣 高碕達之助君
運 輸 大 臣 永野 護君
郵 政 大 臣 寺尾 豊君
労 働 大 臣 倉石 忠雄君
建 設 大 臣 遠藤 三郎君
国 務 大 臣 青木 正君
国 務 大 臣 伊能繁次郎君
国 務 大 臣 世耕 弘一君
国 務 大 臣 山口喜久一郎君
出席政府委員
内閣官房長官 赤城 宗徳君
内閣官房副長官 松本 俊一君
内閣官房副長官 鈴木 俊一君
法制局長官 林 修三君
大蔵事務官 石原 周夫君
(主計局長)
委員外の出席者
専 門 員 岡林 清英君
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和三十四年度一般会計予算
昭和三十四年度特別会計予算
昭和三十四年度政府関係機関予算
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時二十二分開議
出席委員
委員長 楢橋 渡君
理事 植木庚子郎君 理事 小川 半次君
理事 重政 誠之君 理事 西村 直己君
理事 野田 卯一君 理事 井手 以誠君
理事 小平 忠君 理事 田中織之進君
井出一太郎君 小澤佐重喜君
大平 正芳君 岡本 茂君
川崎 秀二君 上林山榮吉君
北澤 直吉君 小坂善太郎君
篠田 弘作君 周東 英雄君
田中伊三次君 田村 元君
綱島 正興君 床次 徳二君
中曽根康弘君 船田 中君
保利 茂君 八木 一郎君
山口六郎次君 山崎 巖君
阿部 五郎君 淡谷 悠藏君
石村 英雄君 今澄 勇君
岡 良一君 加藤 勘十君
勝間田清一君 北山 愛郎君
黒田 寿男君 小松 幹君
佐々木良作君 島上善五郎君
中崎 敏君 成田 知巳君
西村 榮一君
出席国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
法 務 大 臣 愛知 揆一君
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
文 部 大 臣 橋本 龍伍君
厚 生 大 臣 坂田 道太君
農 林 大 臣 三浦 一雄君
通商産業大臣 高碕達之助君
運 輸 大 臣 永野 護君
郵 政 大 臣 寺尾 豊君
労 働 大 臣 倉石 忠雄君
建 設 大 臣 遠藤 三郎君
国 務 大 臣 青木 正君
国 務 大 臣 伊能繁次郎君
国 務 大 臣 世耕 弘一君
国 務 大 臣 山口喜久一郎君
出席政府委員
内閣官房長官 赤城 宗徳君
内閣官房副長官 松本 俊一君
内閣官房副長官 鈴木 俊一君
法制局長官 林 修三君
大蔵事務官 石原 周夫君
(主計局長)
委員外の出席者
専 門 員 岡林 清英君
—————————————
本日の会議に付した案件
昭和三十四年度一般会計予算
昭和三十四年度特別会計予算
昭和三十四年度政府関係機関予算
————◇—————
楢
楢橋渡#1
○楢橋委員長 これより会議を開きます。
昭和三十四年度一般会計予算、昭和三十四年度特別会計予算、昭和三十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
小平君より発言を求められております。この際これを許します。小平君。
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小平君より発言を求められております。この際これを許します。小平君。
小
小平忠#2
○小平(忠)委員 ただいま委員長より宣言されましたように、ただいまから三十四年度の予算の審議に入るわけでありますが、予算の審議に入りますに先だちまして、私は特に委員長並びに政府閣僚に対しまして御留意願いたいことがあるのであります。
第一点は、御承知のように本年は参議院の通常選挙並びに各級地方選挙が行われるのでありますが、複雑な国際情勢に対処いたしまして、昨年来の経済不況を克服し、国民生活を安定させまして、国力の充実発展を期さなければならないきわめて重大な時期にあろうと私は思うのであります。このときに当って、予算の審議というものはきわめて慎重を期さなければならないと同時に、やはり論議を尽して、その完璧を期するべきであると私は思うのであります。ところが、従来この予算の審議に当りまして、われわれ委員もあらかじめ申し合せの時間は守るように努めているのでありますが、半面総理初め閣僚の答弁がややもすれば冗漫にわたりまして、委員長から非常に時間の制約等を受ける場合があるのでありますが、特に私はこの際総理並びに閣僚各位に申し上げたいことは、そつのない答弁よりもやはり実のある答弁を簡明率直にお願いしたいことが第一点であります。
第二点は、従来ややもすれば、大臣にかわって政府委員の答弁が質問者の意思に反して行われることが間々多いのであります。私は、政府委員の答弁なり政府委員の立場というものは、具体的な数字にわたりまする内容であるとか、あるいは大臣の答弁に対しまする補足説明を質問者の要請にこたえてやるというような場合が通例でなかろうかと思います。従いまして、大臣はいたずらに政府委員に力をかりてやるようなことのないように、特にお願いをいたしたいのであります。
最後に、三十四年度の予算の審議に当りまして、予算に関係いたしまする法律案は、一昨日官房長官の説明によりまして、すでに五十二件国会に提出されておりますことは、比較的順調に進んでいると思うのでありますが、しかし、まだ提出予定になっておりますもので、閣議の決定は見ましたけれども、目下印刷中で国会に提出されていないのが七件、さらに提出予定になっておりますが、閣議の決定をされていないものが二十九件、すなわち正式に国会に上程されていないのが三十六件に及んでおるのであります。予算の審議と並行いたしまして、やはり予算に関係ある法律案は、私はすみやかに提出をいただきたいと思うのであります。
以上の点につきまして委員長は確認せられまして、善処されんことをこの際要望いたしまして、私の議事進行の発言にかえます。
この発言だけを見る →第一点は、御承知のように本年は参議院の通常選挙並びに各級地方選挙が行われるのでありますが、複雑な国際情勢に対処いたしまして、昨年来の経済不況を克服し、国民生活を安定させまして、国力の充実発展を期さなければならないきわめて重大な時期にあろうと私は思うのであります。このときに当って、予算の審議というものはきわめて慎重を期さなければならないと同時に、やはり論議を尽して、その完璧を期するべきであると私は思うのであります。ところが、従来この予算の審議に当りまして、われわれ委員もあらかじめ申し合せの時間は守るように努めているのでありますが、半面総理初め閣僚の答弁がややもすれば冗漫にわたりまして、委員長から非常に時間の制約等を受ける場合があるのでありますが、特に私はこの際総理並びに閣僚各位に申し上げたいことは、そつのない答弁よりもやはり実のある答弁を簡明率直にお願いしたいことが第一点であります。
第二点は、従来ややもすれば、大臣にかわって政府委員の答弁が質問者の意思に反して行われることが間々多いのであります。私は、政府委員の答弁なり政府委員の立場というものは、具体的な数字にわたりまする内容であるとか、あるいは大臣の答弁に対しまする補足説明を質問者の要請にこたえてやるというような場合が通例でなかろうかと思います。従いまして、大臣はいたずらに政府委員に力をかりてやるようなことのないように、特にお願いをいたしたいのであります。
最後に、三十四年度の予算の審議に当りまして、予算に関係いたしまする法律案は、一昨日官房長官の説明によりまして、すでに五十二件国会に提出されておりますことは、比較的順調に進んでいると思うのでありますが、しかし、まだ提出予定になっておりますもので、閣議の決定は見ましたけれども、目下印刷中で国会に提出されていないのが七件、さらに提出予定になっておりますが、閣議の決定をされていないものが二十九件、すなわち正式に国会に上程されていないのが三十六件に及んでおるのであります。予算の審議と並行いたしまして、やはり予算に関係ある法律案は、私はすみやかに提出をいただきたいと思うのであります。
以上の点につきまして委員長は確認せられまして、善処されんことをこの際要望いたしまして、私の議事進行の発言にかえます。
楢
楢橋渡#3
○楢橋委員長 ただいまの小平君の発言はお聞き及びの通りでありますが、政府におかれましても、ただいまの御発言の趣旨を御了承の上に善処されますように、委員長より要望いたします。
これより質疑に入ります。船田中君。
この発言だけを見る →これより質疑に入ります。船田中君。
船
船田中#4
○船田委員 私は自由民主党を代表いたしまして、総括的な問題につきまして質問をいたしたいと存じます。第一は国際情勢の見通しとこれに対処する日本外交の路線の問題、国家の安全保障に関する基本政策についてお伺いをいたしたいと存じます。第二は経済並びに財政政策の概要についてお伺いいたします。第三には、政治の問題、すなわち現下内外の情勢に対応するわが国政治のあり方、こういうように大体大きな問題を三つに分けて質問申し上げたいと思います。
その第一、国際情勢の見通しと、これに対する日本の外交並びに国家の安全保障に関する基本方針と政策の大綱について、まず第一にお伺いいたします。
世界の情勢は、相対立する米ソ両国要人の相互の訪問とか、あるいは平和共存の呼びかけ、もしくは国連の平和確立への不断の努力というような幾多対立を緩和せんとする努力と計画が行われておるのでございますが、それにもかかわりませず、現在なお東西対立がいわゆる雪解け状態になっておるとは見られないのでございます。すなわち、現下世界の情勢は、自由、共産両陣営の複雑な対立的要素を主軸として大きく動かされているというのが現実の事実でございます。日本もまたその影響を免れ得ないと考えられるのでありますが、総理大臣は現下の国際情勢をいかに見通しておられるか、また、わが国の立場をいかに考えておられるか、その大綱についてまずお伺いをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →その第一、国際情勢の見通しと、これに対する日本の外交並びに国家の安全保障に関する基本方針と政策の大綱について、まず第一にお伺いいたします。
世界の情勢は、相対立する米ソ両国要人の相互の訪問とか、あるいは平和共存の呼びかけ、もしくは国連の平和確立への不断の努力というような幾多対立を緩和せんとする努力と計画が行われておるのでございますが、それにもかかわりませず、現在なお東西対立がいわゆる雪解け状態になっておるとは見られないのでございます。すなわち、現下世界の情勢は、自由、共産両陣営の複雑な対立的要素を主軸として大きく動かされているというのが現実の事実でございます。日本もまたその影響を免れ得ないと考えられるのでありますが、総理大臣は現下の国際情勢をいかに見通しておられるか、また、わが国の立場をいかに考えておられるか、その大綱についてまずお伺いをいたしたいと思います。
岸
岸信介#5
○岸国務大臣 現下の国際情勢は、米ソの対立を中心とした東西両陣営の対立の状態が根本をなしておる。しかも最近における軍事科学の非常な発達、大量破壊兵器が現われてきたというようなことに関連をいたしまして、この緊張を緩和しようとする動き、あるいはいろいろな現実の考えを実現するような計画が行われております。特に私はこのことの基礎をなすものは、やはり両陣営の間における不信を取り除いていくということが最も必要であり、またいろいろな緊張緩和に関する計画や、あるいはこれに関するところの会議その他のものが十分な成果を上げてない原因は、両陣営間におけるところの不信感がなお根強く現存しておるということが、その一番根底をなしておると思います。
こういう状態でありますけれども、日本は国連を中心として平和外交を推進する上において、この両陣営の対立、緊張というものをいかにして具体的に緩和するかということに対して、われわれは今後積極的な努力を払っていく必要があり、また今日までもそういうことを積み重ねてきておるわけであります。
そして、そういう状況に立って、それでは日本はどういう立場をとるか。われわれが共産陣営の、いわゆるソ連側の立場をとるものでないことは言うを待たないのでありますが、さらにわれわれが従来とってきておりました自由主義の立場、自由主義国との間の提携を緊密にして、世界平和を作り上げていこうという動きに対して、いわゆる両陣営のいずれにも属さない中立の立場をとるべきだという議論もございますけれども、私どもはあくまでも自由主義の立場を堅持して、自由主義国との提携の上に、この緊張緩和のためのあらゆる積極的な努力を重ねていって世界平和を作り上げていくことに邁進する、こういうのが私どもの根本の考え方であります。
この発言だけを見る →こういう状態でありますけれども、日本は国連を中心として平和外交を推進する上において、この両陣営の対立、緊張というものをいかにして具体的に緩和するかということに対して、われわれは今後積極的な努力を払っていく必要があり、また今日までもそういうことを積み重ねてきておるわけであります。
そして、そういう状況に立って、それでは日本はどういう立場をとるか。われわれが共産陣営の、いわゆるソ連側の立場をとるものでないことは言うを待たないのでありますが、さらにわれわれが従来とってきておりました自由主義の立場、自由主義国との間の提携を緊密にして、世界平和を作り上げていこうという動きに対して、いわゆる両陣営のいずれにも属さない中立の立場をとるべきだという議論もございますけれども、私どもはあくまでも自由主義の立場を堅持して、自由主義国との提携の上に、この緊張緩和のためのあらゆる積極的な努力を重ねていって世界平和を作り上げていくことに邁進する、こういうのが私どもの根本の考え方であります。
船
船田中#6
○船田委員 今直ちに核兵器を持ち、あるいは各種のミサイル、ICBM、IRBM、重爆撃機といったようなものをもってする第三次世界大戦が起る、あるいは近い将来に起るということはまず考えられないであろうというのが世界の常識であり、またただいま総理大臣も申されたように、東西両陣営の要人たちの間にも何とか平和を確立いたしたいという非常な努力を傾け、現に最近ソ連のミコヤン第一副総理がアメリカを訪問せられ、その効果もかなり上っておるというようなことも伝えられております。確かに今直ちに戦争が起るであろうというようなことはまず考えられないのでございますけれども、しかし昨年一年間の国際情勢の推移を見て参りましても、七月の半ばにイラクの革命が瞬時にして成功をし、またヨルダン、レバノンに対する米英の進駐、兵力をそこに投入をして、あの紛争の阻止をはかった、こういうような問題が起っており、かつそれを中心とする国連の安保理事会の二週間にわたる会議、また八月にはこの問題を中心といたしました国連緊急集会というようなものが開かれまして、幸いに国連の緊急集会におきましては、この中東問題が一応平和的に処理されたことになったのでございますけれども、その緊急集会が八月の二十二日に終り、直ちに翌日二十三日には、極東における台湾海海峡において火を吹く戦争が始まっておるこういう情勢でありまして、近い将来において全く部分的な戦争あるいは制限戦争が絶対に起らないと断言する者はおそらく何人もなかろうと存じます。
しかも第二次世界大戦が終了した後、この十数年間に起っておる世界の戦争あるいは内乱、そういうものを見て参りましたときに、そこに一つの特徴的な性格が現われております。それは何であるかと申しますると、内乱、内戦でありますけれども、その多くのものが東西対立の国際的な性格をそこにからみ合せておるというところに、非常に大きな特徴がございまして、これは第二次大戦前の小さな戦争あるいは部分戦争というものとは非策に違っておるのでございます。従いましてそういう国際情勢を見て参りましたときに、わが国の平和と独立を維持する安全保障ということを考えて参りまするときには、きわめて複雑な国際情勢に対応し得る、そうして現実の事実をはっきりつかみました上においての日本の安全保障ということを考えていかなければならぬと存ずるのであります。
最近ソ連及び中共におきましては、わが国に対しまして中立化を呼びかけて来ております。また御承知の通り最近におきまして、フルシチョラ第一書記が第二十一回共産党の大会におきまして、極東及び太平洋の非核武装地帯設定ということを提案いたしております。かようにわが国に対して中ソ両国が執拗に中立化政策を向けて来ております。ところが一面ヨーロッパにおける情勢はどうかと申しますと、ユーゴスラビアは御承知の通り共産圏に入っておりましたけれども、共産圏から離れて中立化政策をとっておる、これに対しましては中共の首脳者は口ぎたなくののしっておるという状況でございます。この中ソ両国のわが国に対する中立化政策の呼びかけ、こういうものは一体いえばいわゆる彼らの言っておる平和五原則にも反し、バンドン精神にも反することではないかと存じます。
そこで総理は、日本の安全を保障するために、またこういう中立化政策の呼びかけに対しまして、確固たる信念を持ってこれに対処していく必要があると存ずるのでありますが、この中ソ両国の中立化政策呼びかけに対し、いかなる処置をとられるか、またそういう御意思があるかどうか、これを伺っておきたいと思います。
この発言だけを見る →しかも第二次世界大戦が終了した後、この十数年間に起っておる世界の戦争あるいは内乱、そういうものを見て参りましたときに、そこに一つの特徴的な性格が現われております。それは何であるかと申しますると、内乱、内戦でありますけれども、その多くのものが東西対立の国際的な性格をそこにからみ合せておるというところに、非常に大きな特徴がございまして、これは第二次大戦前の小さな戦争あるいは部分戦争というものとは非策に違っておるのでございます。従いましてそういう国際情勢を見て参りましたときに、わが国の平和と独立を維持する安全保障ということを考えて参りまするときには、きわめて複雑な国際情勢に対応し得る、そうして現実の事実をはっきりつかみました上においての日本の安全保障ということを考えていかなければならぬと存ずるのであります。
最近ソ連及び中共におきましては、わが国に対しまして中立化を呼びかけて来ております。また御承知の通り最近におきまして、フルシチョラ第一書記が第二十一回共産党の大会におきまして、極東及び太平洋の非核武装地帯設定ということを提案いたしております。かようにわが国に対して中ソ両国が執拗に中立化政策を向けて来ております。ところが一面ヨーロッパにおける情勢はどうかと申しますと、ユーゴスラビアは御承知の通り共産圏に入っておりましたけれども、共産圏から離れて中立化政策をとっておる、これに対しましては中共の首脳者は口ぎたなくののしっておるという状況でございます。この中ソ両国のわが国に対する中立化政策の呼びかけ、こういうものは一体いえばいわゆる彼らの言っておる平和五原則にも反し、バンドン精神にも反することではないかと存じます。
そこで総理は、日本の安全を保障するために、またこういう中立化政策の呼びかけに対しまして、確固たる信念を持ってこれに対処していく必要があると存ずるのでありますが、この中ソ両国の中立化政策呼びかけに対し、いかなる処置をとられるか、またそういう御意思があるかどうか、これを伺っておきたいと思います。
岸
岸信介#7
○岸国務大臣 先ほど申しましたような国際情勢下において、ソ連を中心としての共産圏からのいろいろな働きかけを見ますると、自由主義陣営の国々に対して、あるいは中立政策をとることを強く要望しておる、しかも今おあげになりましたように、共産陣営から中立的な態度をとるものに対しては強く攻撃を加えておるというようなことを見ますると、要は中立化といい、いろいろな議論をしますけれども、東西両陣営の対立におけるところの自分たちの立場を強化していく、そうして自由主義陣営の協調なりあるいは協力を弱めていくという政策に出ているものだと思います。本来独立国がいかなる政策をとるかは、その国が自主的にきめるべき問題であることは言うを待ちません。また日本が自由民主主義の国としてこあくまでも人間の自由と人間の尊厳を基調としたところの理念に立って、その国の基礎を作っていくという立場から申しますと、私どもはあくまでも自由民主主義の立場を堅持して、この理想を同じくする国々と提携して、そうして世界の平和を作り上げる、同時に日本の安全を保障していくという基礎的な考えにつきましては、われわれが従来とってきておる政策をあくまでも堅持するものであります。
この発言だけを見る →船
船田中#8
○船田委員 ただいまの総理の御答弁によりまして、日本が自由陣営と協力をして国家の安全を保障していくという方針は大体了承いたしましたが、先ほど私があげましたように、中ソ両国の日本中立化政策というものはかなりしつこく行われてきておるのでございます。御承知の通り、ソ連外務大臣から門脇駐ソ大使に手交された一九五八年十二月二日の覚書を見ますと、この安保改定をめぐりまして非常に日本の意思を曲解し、あるいはことさら曲解しておるのではないかとすら考えられるのであります。そうしてしかもかかる公式な申し入れをするということは、これはあたかも日本の内政に干渉をするようなものだと私らは考えるのでございますが、その点はいかがでございますか。またこういうソ連の門脇大使を通じて手交されておるような申し入れに対して、政府はいかなる措置をとられんとするのでありましょうか。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#9
○藤山国務大臣 ソ連が安保条約改定をめぐりまして日本の国内政治問題についていろいろ呼びかけをしてきております。これはわれわれといたしましては、先ほど総理が答弁されましたように、全く自主的に日本がきめるべき問題でありまして、ソ連からのそうした指図を受けるべき問題ではないのでありまして、従って内政干渉に類似するものだとわれわれは考えております。そういう意味において数次われわれの態度を声明いたしておりますし、今後ともそうした呼びかけがありましたときに、われわれの態度をはっきり申して参りたい、こう思っております。
この発言だけを見る →船
藤
藤山愛一郎#11
○藤山国務大臣 今日までもすでに外務省として日本の態度を声明いたしておりますが、今後たびたびそういうときがありました場合に、これに対して応酬をする場合もありますし、あるいは聞き置く程度の黙殺をいたす場合もあろうかと思います。われわれとしては態度をはっきりして参ることだけは間違いなくやって参りたい、こう思っております。
この発言だけを見る →船
船田中#12
○船田委員 なお先ほど私が触れておきました第二十一回共産党の党大会におきましてフルシチョフ第一書記が、極東及び太平洋の非核武装地帯の設置ということを提案いたしておるのであります。結局これはソ連の日本に対する中立化の呼びかけと和呼応いたしまして、要するに日本を中立無防備の状態にしようという意図から出ておるものと考えられるのでありますが、この共産党大会におけるフルシチョフ提案というものに対しまして、総理はいかにお考えになられますか。総理の御見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →岸
岸信介#13
○岸国務大臣 フルシチョフ首相の演説の詳細につきましては、私どもまだ成文を手にしておりませんが、新聞の報ずるところによってこれを考えてみますると、従来ソ連がとってきておった考え方に別に新しいものを加えたものとも私どもは考えておりません。しこうして日本の安全保障については、日本自体が先ほど申しましたような意味において、自由主義の理想を同じくする国と共同して日本の安全をはかる。特に日本におきましては、アメリカとの間の日米安全保障条約を基礎として、日本の安全をあくまでも保障していくという考えをとっておるわけであります。ただ核兵器で武装するかどうかという問題については、すでに私がしばしば言明しておりますように、日本自体は核武装をする意思を持っておりませんし、また核兵器の打ち込みは、これを認める意思は持っておりません。ただアジア、太平洋にそういう地域を作るということは、ヨーロッパその他におきましてもそういう提唱がされておりますけれども、今日の東西両陣営の対立の状況から見ますと、現実の問題としては実現がむずかしい問題である。私はかように見ております。
この発言だけを見る →船
船田中#14
○船田委員 次に中共に対する政策についてお伺いをいたしたいのでございますが、中共との関係は、今さら申し上げるまでもなく、昨年の三月五日には民間代表が参り、その中には自民党の代長者も加わりまして、中共との間に民間貿易協定を締結いたしておることは御承知の通りであります。ところが、その後留任民氏の非常に悪意に満ちた対日声明があり、また一方的に民間通商協定を破棄いたしまして、そうして五月、総選挙に入りますや、長崎における国旗事件をとらえて、非常に日本に対する攻撃を始めた。日本に対するというよりも、むしろ岸内閣及び自民党に対する攻撃をしつこく繰り返され、そうして貿易は一方的に注文いたしたものも全部廃棄してしまう、こういうようなことになったことは御承知の通りであります。そうして、しかも岸内閣は中国を敵視しておる、二つの中国を作らんとする陰謀を企てておる、こういうようなことをしばしば繰り返して申しておるのでございます。しかしわれわれから見ますると、これはむしろ逆でありまして、日本を敵視しておるのは現在の中国大陸にある中共政権ではないかと考えられます。しかも日本周辺における軍事情勢を見て参りますと、ソ連及び中共は非常な軍術を整えまして、日本周辺をあたかも取り囲んで日本包囲体制を作っておる、こういうような実情でございます。むしろ日本を敵視しておるのは中共及びソ連ではないかという感じすら持つのであります。しかも中ソ両国は一九五〇年二月には明らかに日本を仮想敵国として三十年間の軍事同盟を結んでおる、こういう事実がございます。このソ連及び中共の日本敵視の政策に対して、かような声明に対して、日本はこれをただ黙って見ておるのか、むしろ中国、ソ連に向って、ああいう軍事同盟は廃棄したらどうか、そういうような申し入れをする御意思はありませんか、またこれに対してどうお考えになっておられるか、総理大臣の御所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →岸
岸信介#15
○岸国務大臣 日中間の関係につきましては、今船田委員の御質問のうちにもありましたように、昨年来きわめてわれわれとしては望ましからぬ状態になってきております。私はこれに対して当時静観をし、双方とも冷静に事態を観察して、そうしてここに誤解があり、もしくは理解の十分でないことがあるならば、これを十分に反省しへ合って、そうして両国の従来積み重ねてきておる貿易関係等をさらに復活するということを顧ってきたのであります。私は中共側から非難されているように、これに対して敵意を持ち、もしくは非常な悪意を持って対処するというようなことは毛頭考えておりませんし、また現実にそういう事実はないのであります。
私は施政演説にも明らかにいたしましたように、両国はその政治形態を異にし、おのおの社会、政治の理念を違えておりますけれども、お互いにお互いのそういう政治的立場は尊更し合って、いわゆるバンドン会議において採択された原則である内政不干渉、お互いがお互いの立場を尊重しながらわれわれは貿易その他の経済関係等を進めていくということをやることが両国のためであり、また両国がそういう立場に立って事を処理するならば、だんだん両方の間の理解の十分でなかったものも理解が進められ、そうして歴史的に見ましても、長い文化的な関係やその他におけるところの友好関係が打ち立てられていくということを私は心から望んでおるわけであります。決して中共側の非難するような態度や考え方を私は持っておらない。また同時に中共側のいろんな日本に対する従来の言動等に対して、われわれの方から何らかの批判をすることはこの際は慎しみたいということは、あくまでも両国の貿易、経済その他の文化交流等につきましては、歴史的、地理的また両国民の願望を尊重してこれを回復していくように努めることが望ましいことである、それには前提としては今言ったように両国のこの政治的立場については尊重し合って、これには干渉しないという原則をはっきりと打ち立てていくことが必要である、かように考えております。
この発言だけを見る →私は施政演説にも明らかにいたしましたように、両国はその政治形態を異にし、おのおの社会、政治の理念を違えておりますけれども、お互いにお互いのそういう政治的立場は尊更し合って、いわゆるバンドン会議において採択された原則である内政不干渉、お互いがお互いの立場を尊重しながらわれわれは貿易その他の経済関係等を進めていくということをやることが両国のためであり、また両国がそういう立場に立って事を処理するならば、だんだん両方の間の理解の十分でなかったものも理解が進められ、そうして歴史的に見ましても、長い文化的な関係やその他におけるところの友好関係が打ち立てられていくということを私は心から望んでおるわけであります。決して中共側の非難するような態度や考え方を私は持っておらない。また同時に中共側のいろんな日本に対する従来の言動等に対して、われわれの方から何らかの批判をすることはこの際は慎しみたいということは、あくまでも両国の貿易、経済その他の文化交流等につきましては、歴史的、地理的また両国民の願望を尊重してこれを回復していくように努めることが望ましいことである、それには前提としては今言ったように両国のこの政治的立場については尊重し合って、これには干渉しないという原則をはっきりと打ち立てていくことが必要である、かように考えております。
船
船田中#16
○船田委員 私も中国大陸に六億四千万以上の人間が住んでおり、そうして今総理大臣も言われたように、日本と中国大陸というものが地理的にも、また歴史の上においても非常に深い古い関係を持っておるこの事実、及び中共政権が確立されてすでに十年の歳月を経ておるこの事実も認識いたしまして、そうして中国大陸に対する関係を考えていかなければならぬ、これを軽視するものでないことは私も同感でございます。しかし今直ちに中共を、承認するということは、いやしくも日本が国連のー員になっており、また国連の安保理事国になっております以上において、そうして日本の外交路線の基本を国連中心ということに置いておりまする以上は、この国連の中共に対する決議のあるということをも無視して今直ちにこれと政治関係を結ぶということは、私はとうていこれは、許さるべきことではないと存ずるのでございます。従って政治関係を離れて経済及び文化の上におきまして中共との交流を盛んにするということは、私も決してこれを、反対するものではございません。
そこで昨年の五月以来中共との関係が断絶をいたしておりまして、そうしてこれに対しまして政府は当時静観と言っておられたのでありますが、最近におきましてはその静観はただ無為無策に日を過ごすということではなくして、積極的に向うに対して機会があればこの正常化を何とかしてはかりたい、こういうことで新聞の伝うるところによると、外務大臣はあるいは大使級の会談をする、こういうようなことも伝えられておるのでありますが、その対中共貿易再開についていかなる方針、またいかなる努力をされようとしておるのか、またその方針はいかなる点に重点を置いてなさらんとするのでありますか、政府の御所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →そこで昨年の五月以来中共との関係が断絶をいたしておりまして、そうしてこれに対しまして政府は当時静観と言っておられたのでありますが、最近におきましてはその静観はただ無為無策に日を過ごすということではなくして、積極的に向うに対して機会があればこの正常化を何とかしてはかりたい、こういうことで新聞の伝うるところによると、外務大臣はあるいは大使級の会談をする、こういうようなことも伝えられておるのでありますが、その対中共貿易再開についていかなる方針、またいかなる努力をされようとしておるのか、またその方針はいかなる点に重点を置いてなさらんとするのでありますか、政府の御所見を伺いたいと思います。
藤
藤山愛一郎#17
○藤山国務大臣 ただいま総理大臣のお話がありましたように、中共との貿易関係につきましては、昨年五月以来中絶をいたしております。私どもは当時の事情から見まして静観の態度を続けておったわけでありますが、静観ということは中共と貿易をしないという意味では当時からなかったわけでありまして、静観をしておりますこと自体が、将来貿易関係を打ち立てるために当時必要であったのではないかと考えております。そういう意味において、今日貿易再開の時期が参りますれば、政府としましては当然その適当な機会をつかみまして中共との話し合いをしてゆくということに考えておるわけであります。ただ今後貿易を再開いたします場合に、民間ベースでやるか、どういう形でやるかということにはいろいろそのときの事情があろうと思います。その機会のつかみ方その他によりまして、実際に問題を打開する方法論としてはいろいろな方法が考えられると思います。ただ過去の経歴から申しまして、民間協定と申しましても、民間だけが協定をいたしますこと自体については、交渉過程に若干無理が起るのではないかという感じもいたすのでありまして、政府といたしましては、やはり今後貿易再開に当りましては、民間協定の場合でありましても相当指導と申しますか、あるいは協力と申しますか、そういう道を開いていくのが適当ではないかと考えております。あるいは大使級の会談等が行われておる現実の事態もありますので、アメリカとソ連、中共とのそういう事態もありますので、あるいはそういう意味において大使級会談を持つ場合もあり得るかと思うのであります。それらの問題につきましては政府としましていかなる機会をつかまえていたすか、その機会の起っておりますような当時の事情等を考えて今後進んで参るということを考えております。
この発言だけを見る →船
船田中#18
○船田委員 ただいまの外務大臣の御答弁によりますと、今直ちに大使級の会談をするという計画を持ち、またその方針で日中貿易を再開しようとしておるのではない、こういうことですか。あるいは場合によっては大使級の会談をわが方から積極的に進めていこうと言われるのである。この問題は、私は、台湾にある国民政府との関係において、非常に重大な影響を及ぼすと思う。日本は、御承知の通り、台湾にありまする国民政府との間に平和条約を締結いたしております。国民政府は中国の正統政府なりとして、日本はこれと平和条約を結んでおる。ところが、事実中国大陸に中共政権が厳然として存在する。もしこれと大使級の会談をし、政治的に交渉を始めるということになりますと、日本と中華民国との間の平和条約というものには非常に大きな影響を与えてくる。国民政府のこれに対する反対ということも当然起って参ると存ずるのでございます。そういう点について、外務大臣はそれらの調整をいかに考えて、この対中共貿易を再開されんとしておるのでありますか、その点心についての御所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#19
○藤山国務大臣 日本が中華民国と正常な国交を回復しております事実というものはこれは明らかな事実でありまして、私どもそれをないがしろにするわけではございません。ただ今後中共とのいろいろな話し合いをして参ります場合に、たとえば郵便協定でありますとか、気象上の協定でありますとか、あるいは貿易におきましても、その機会あるいはそのときの情勢に応じては、あるいはそういう状態が起り得るのではないかということを申し上げておるわけでありまして、今直ちに大使会談をやると決定して、そういう方向で進んでおるわけではございません。
この発言だけを見る →船
船田中#20
○船田委員 私は、この中国との関係というものは非常にむずかしい問題がそこにあると思います。大使級の会談をするというようなことが新聞に出ますることは、これは国民政府としてはなかなか耐えられないことと考えておるようでございます。この貿易というものは、結局そろばんの問題。ところが、御承知の通り、共産政権というものは政治がすべてに優位しておるのでありまして、貿易も文化も、すべては政治優先ということによって、政治に支配されておるのであります。ですから、一体いえば、政治を離れて貿易をするということも非常に困難だとは思います。しかしながら、これは何といっても、あの中国大陸に六億以上の民衆がおり、そして古い関係を持っておるのでありますから、これと貿易をするということは、日本国民として決してこれを軽視することはできない。むしろできれば貿易をして参りたいのでありますけれども、しかし貿易はやはり経済の問題でありまして、数字を離れていたずらに原則論あるいは観念論でこれを律するわけには参らぬのじゃないか。中華民国とすでに相当経済交流をやって、片道八、九千万ドルの貿易をやっておる。ところが対中共貿易は、一番多いときでも六千数百万ドルにすぎない。対韓貿易でも年々六千万ドルをこえておる。こういう事実を無視して対中共貿易をやれば、日本の経済があすからでも繁栄するというような錯覚を持っておる人もかなり多いのでありますけれども、それらの点は、政府としては十分国民に納得のいくような説明を与えることが必要じゃないかと私は思う。いたずらに対中共貿易を急ぐために、あるいは大使会談をする、あるいは数字を無視して対中共貿易を急ぐというようなことは私は決して策の得たものではないと思う。通産大臣は周恩来首相にあてて私信で何か出されたとか、いろいろあるようでございます。しかし共産圏との経済文化の交流につきましては、これは、よほど慎重にやる必要があると存ずるのであります。ことに対共産圏、対中共との貿易促進のために、日本が平和条約を締結しておりまする台湾にある中華民国との間に、ちょうど昨年春起りましたような紛争を巻き起すことは、私は決して策の得たものではなし、また日本の経済の上から考えましても、台湾貿易は相当最近進んでおるのでありまして、それを無視して対中共貿易を急ぐということは、私は本末転倒ではないかと考えるのでありますが、それらについての政府の御所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#21
○藤山国務大臣 中華民国との経済関係は、御指摘の通りでありまして、円滑に協定のもとに進行いたしております。その事実りをわれわれも十分認識いたしておるつもりであります。従いまして、中共との貿易関係につきましても、いたずらに急ぐということをわれわれは考えておりませんので、静観の態度を続け、あるいは今後機会があればそうした道を開いていこうという立場をとっております。むろん中共との、中国大陸との貿易というものは、現在中共が共産主義的な体制をとっておりますので、果して戦前のような数量が出るかということは疑問だと思います。しかしながらこれを過大に評価するわけには参りませんけれども、もし友好的な立場において、しかも貿易の問題に限ってこれが話し合いがつくならば、やはり日本の経済の上にも影響を与えることでありますから、そういう機会がありますれば考えていくべきが当然であろうか、こう政府としては考えておる次第であります。
この発言だけを見る →船
船田中#22
○船田委員 私は、次に日韓問題についてお伺いをいたしたいと存じます。
日韓両国が、歴史上においても地理上においても、また民性の上においても非常に密接な関係を持ち、深い古い関係があるということは申すまでもございません、しかるに、戦争が済んで十三年余たった今日もなおこの最も近い隣国との国交が正常化しておらない、そして韓国の代表部は東京にありますけれども、日本の代表部は韓国の中にこれを設けることも許されておらない、こういう不自然な状態に長く放置しておくということは、これは日韓両国のために決して得策ではない。ことに日本が外交の路線としてアジアの一員であるということを申しますならば、この最も近い韓国なり台湾なり、そういう両隣と仲よくして、遠い方面にまただんだん手を伸ばしていくというのが当りまえでありまして、われわれの社会生活においても向う三軒両隣という言葉があります。その両隣とすらけんかをしておるというようなことで、どうしてこの国際社会の生活が円満にできましょうか。私は、これも政府は十分考えていただかなければならぬ問題だと思うのです。
伝えられるところによりますと、日韓交渉は昨年の四月十五日に再開をされて、そうしていろいろ紆余曲折はございます。しかしながら各委員会——基本条約の問題あるいは船舶返還の問題、請求権の問題、あるいは国籍処遇に関する問題等の各委員会がそれぞれ審議を進めておりましたが、しかしそれが昨年の年末になりまして自然休会に入りまして、今直ちに再開される見込みが立っておらない。そこへ持ってきて、最近在日朝鮮人の送還問題というものが起ってきております。これには、私の見るところによりますと、かなり幾多の謀略が行われておるということもうかがえるのです。また実情を知らない多くの日本の国民の間には、一部の朝鮮人が犯罪行為をやった、あるいは不逞な行為があったというようなことで、国民感情として、そういうものには早く帰ってもらいたい、こういう国民感情のあることも私は承知いたしております。また人道上の問題も、これも決してそういうことがないとは私は申しません。しかしながら、今日日韓問題の交渉が相当進んでおり、しかもこの問題をどうしても処理しなければならぬというやさきに、韓国側の最も好まないところの、北鮮人送還ということを軽々にここで処理するということになりますならば、おそらく日韓問題は相当な困難に当面してくるのではないかと考えられるのであります。この日韓交渉を今後どう進めていかれるのか。またその北鮮人送還ということがどの程度に進んでおるのでありますか。これにつきましては総理並びに外務大臣から詳細な御説明をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →日韓両国が、歴史上においても地理上においても、また民性の上においても非常に密接な関係を持ち、深い古い関係があるということは申すまでもございません、しかるに、戦争が済んで十三年余たった今日もなおこの最も近い隣国との国交が正常化しておらない、そして韓国の代表部は東京にありますけれども、日本の代表部は韓国の中にこれを設けることも許されておらない、こういう不自然な状態に長く放置しておくということは、これは日韓両国のために決して得策ではない。ことに日本が外交の路線としてアジアの一員であるということを申しますならば、この最も近い韓国なり台湾なり、そういう両隣と仲よくして、遠い方面にまただんだん手を伸ばしていくというのが当りまえでありまして、われわれの社会生活においても向う三軒両隣という言葉があります。その両隣とすらけんかをしておるというようなことで、どうしてこの国際社会の生活が円満にできましょうか。私は、これも政府は十分考えていただかなければならぬ問題だと思うのです。
伝えられるところによりますと、日韓交渉は昨年の四月十五日に再開をされて、そうしていろいろ紆余曲折はございます。しかしながら各委員会——基本条約の問題あるいは船舶返還の問題、請求権の問題、あるいは国籍処遇に関する問題等の各委員会がそれぞれ審議を進めておりましたが、しかしそれが昨年の年末になりまして自然休会に入りまして、今直ちに再開される見込みが立っておらない。そこへ持ってきて、最近在日朝鮮人の送還問題というものが起ってきております。これには、私の見るところによりますと、かなり幾多の謀略が行われておるということもうかがえるのです。また実情を知らない多くの日本の国民の間には、一部の朝鮮人が犯罪行為をやった、あるいは不逞な行為があったというようなことで、国民感情として、そういうものには早く帰ってもらいたい、こういう国民感情のあることも私は承知いたしております。また人道上の問題も、これも決してそういうことがないとは私は申しません。しかしながら、今日日韓問題の交渉が相当進んでおり、しかもこの問題をどうしても処理しなければならぬというやさきに、韓国側の最も好まないところの、北鮮人送還ということを軽々にここで処理するということになりますならば、おそらく日韓問題は相当な困難に当面してくるのではないかと考えられるのであります。この日韓交渉を今後どう進めていかれるのか。またその北鮮人送還ということがどの程度に進んでおるのでありますか。これにつきましては総理並びに外務大臣から詳細な御説明をいただきたいと思います。
岸
岸信介#23
○岸国務大臣 日韓の間のこの現状は非常に望ましくないから、早く国交の正常化の道を開かなければならないということは御説の通りであります。昨年四月半ばから始まりました日韓会談も、すでに七年になりますか、最初に行われた会談以来の経緯を見ますると、非常に複雑な幾多の問題がからまっておりますので、これが解決については非常に困難があることは御承知の通りであります。しかしながら、私はこれらの長い数カ年にわたる会談の経緯もありますけれども、ぜひとも両国の間の会談を成功せしめて、両国の間に国交を正常化していくということに努力をいたしたいつもりで今日まで努力をいたして参っております。その後、四月以降における日韓会談の内容は、いまだこれをもって満足する成功にまで至ってはおらないことは言うを待ちませんけれども、この間においていろいろと重要問題が論議され、両方の理解を進めた点も少くないと思います。従って、なおこの問題は根気強く会談を進めて、両国の国交正常化を作り上げるように努めたいと思います。
最近問題になっておりますいわゆる在日朝鮮人の帰国問題、特に北鮮の地域に帰りたい人々に対しての取扱い問題ということが、日本の、特にこれらの人々がたくさん居住しております九州あるいは中国地方方面から強く要望されております。お話のように、その背後にいろいろな動きもあることも想像できます。しかしながら、また純粋にこれらの在留朝鮮人が帰りたいという熱望のありますこと、またこれらの人々が居住しておる日本の各方面のこの希望を達せしめてやりたいという熱意というものも、無視することのできない状況であると思います。従いまして、私どもは純粋に人道的な立場、並びに国際通念として基本的人権の一つとして認められておる各人が居住地を選択する自由というものは、あくまでも尊重していかなければならない、こういう見地に立って、いろいろな希望もありますけれども、複雑な事情もありますので、その実情を国際赤十字社の関係において十分調査してもらいまして、われわれは純粋の人道的立場及び基本的人権を尊重する立場から、これらの問題を処理したい、かように考えております。
ただこれが日韓会談の上に悪影響を及ぼすおそれはないかという御懸念でありますが、現にこれに対して韓国側の要人等がいろいろな発言をすでにしておることも、新聞等が報ずる通りであります。しかしながらこの問題に関しては、私どもはあくまでも日本がそういう立場をとり、そういう問題を処理することが人道的の立場及び国際通念からきておることであって、日韓会談とは全然別個の問題であり、それに対する私どもの考え方を十分に韓国側にも了解せしめるような方法をとるべきことは言うを待ちませんけれども、しかし今日まで韓国側の要人が新聞等に発表されておるような見解に基いて、今言ったような人道的立場、国際通念に基くこの問題の処理をそれによって取り上げるというようなことは、私はすべきものではなくして、韓国側に、日本側がそういう取扱いをするゆえん並びにそうせざるを得ない事情を、よく冷静に理解せしめるように努力をすべきものである、かように考えております。
この発言だけを見る →最近問題になっておりますいわゆる在日朝鮮人の帰国問題、特に北鮮の地域に帰りたい人々に対しての取扱い問題ということが、日本の、特にこれらの人々がたくさん居住しております九州あるいは中国地方方面から強く要望されております。お話のように、その背後にいろいろな動きもあることも想像できます。しかしながら、また純粋にこれらの在留朝鮮人が帰りたいという熱望のありますこと、またこれらの人々が居住しておる日本の各方面のこの希望を達せしめてやりたいという熱意というものも、無視することのできない状況であると思います。従いまして、私どもは純粋に人道的な立場、並びに国際通念として基本的人権の一つとして認められておる各人が居住地を選択する自由というものは、あくまでも尊重していかなければならない、こういう見地に立って、いろいろな希望もありますけれども、複雑な事情もありますので、その実情を国際赤十字社の関係において十分調査してもらいまして、われわれは純粋の人道的立場及び基本的人権を尊重する立場から、これらの問題を処理したい、かように考えております。
ただこれが日韓会談の上に悪影響を及ぼすおそれはないかという御懸念でありますが、現にこれに対して韓国側の要人等がいろいろな発言をすでにしておることも、新聞等が報ずる通りであります。しかしながらこの問題に関しては、私どもはあくまでも日本がそういう立場をとり、そういう問題を処理することが人道的の立場及び国際通念からきておることであって、日韓会談とは全然別個の問題であり、それに対する私どもの考え方を十分に韓国側にも了解せしめるような方法をとるべきことは言うを待ちませんけれども、しかし今日まで韓国側の要人が新聞等に発表されておるような見解に基いて、今言ったような人道的立場、国際通念に基くこの問題の処理をそれによって取り上げるというようなことは、私はすべきものではなくして、韓国側に、日本側がそういう取扱いをするゆえん並びにそうせざるを得ない事情を、よく冷静に理解せしめるように努力をすべきものである、かように考えております。
藤
藤山愛一郎#24
○藤山国務大臣 日韓会談の経緯は、昨年四月開かれまして以来遅々として進みませんことは、皆様方御承知の通りであると思います。日韓会談の問題の核心は、李ラインの問題だと思います。これを取り扱います漁業委員会の代表が八月末に来まして、それ以後九月、十月に入りまして開かれた結果がおもな点かと存じております。李ラインの問題につきましては、日本の公海自由の立場から見つましても、また漁業の問題からいいましても、重要な問題でありますので、この委員会がある程度道を開き、妥結の方向に向いませんければ、韓国側が要求しております文化財の返還なりあるいは船舶の返還なり、それらの問題を日本側が軽々に応諾をして参るわけにいかないのでありまして、それらを並行しながら考えておるわけであります。漁業委員会におきましては、日本側といたしまして一つの提案を十月にいたしたのでありますが、その点につきましては韓国側の応諾を見なかったわけであります。従いまして、十一月の中ごろに、魚族保存の見地から一つの案を日本側といたしましては提案をいたしております。それに対しまして、年末に至りますまで韓国側から回答をよこしておりません。年末並びに年始等の事情のために休会をいたしたわけであります。先月の二十六日からさらに再開をいたすということにいたしておりましたけれども、韓国の代表の連中が帰国いたして日本に参っておりません。そういうことで二十六日再開の日取りが日延べになっておりますのが現状であります。ただいま申し上げましたように、この李ラインを扱います漁業委員会の問題が日本としては重大でありますので、これらが円満に進行して参りますように、日本側としてはできるだけ努力も払い、また日本の要望に沿いますように、円満に解決できるように、今後とも努力をして参りたいと思っております。
なお総理が言われましたように、北鮮帰国の問題と日韓会談の問題とは全然別個の問題でありまして、韓国側におかれても、これが別個の問題であるということを十分理解され、国際通念の上に立った日本の処置に対して理解を持って、そうして日韓会談はそれを越えて別に円満に話し合いを進めていくように、私どもといたしましては希望いたしておるわけであります。
この発言だけを見る →なお総理が言われましたように、北鮮帰国の問題と日韓会談の問題とは全然別個の問題でありまして、韓国側におかれても、これが別個の問題であるということを十分理解され、国際通念の上に立った日本の処置に対して理解を持って、そうして日韓会談はそれを越えて別に円満に話し合いを進めていくように、私どもといたしましては希望いたしておるわけであります。
船
船田中#25
○船田委員 私はもちろん韓国のいろいろな要求、主張のうちに、わが国でいれられないもののあることは承知いたしております。日本の権益を害し、日本の権威を失墜してまで隣国である韓国との国交正常化を進めろというようなことを主張するものではございません。しかしこの韓国との国交調整ということは、これは相当大きな視野、大局的な見地に立って考えるべき問題ではないかと存じます。日本の安全保障というような観点から見ましたときに、もし韓国が共産化されるというようなことでもございましたならば、これは日本にとってはゆゆしき大事でございます。そういう大きな観点から見ましたときに、韓国との国交調整をするということは、先ほど北鮮人の送還について人道上ということを言われましたけれども、私は人道上からもきわめて大切なことだと存じます。ことに韓国には今百三十数名の日本漁民が抑留されており、また拿捕された者もある。幸いに日韓会談が始まりまして、この夏以来というものは拿捕、抑留というようなことが行われておりません。一、二の例外はございましたが、大体において抑留、拿捕ということが行われておらない。ところが北鮮人の送還というようなことが強行されることになれば、それはなるほど理屈の上では別の問題だということが言えましょうけれども、しかし韓国人の考え方、また今までの交渉の経過から見ますると、これはなかなかむずかしい問題になってくることが懸念されるのであります。そこでそれらにつきまして、最終的には北鮮に送還するということにいたしましても、それの前にそれらについての韓国側の十分納得する説明と措置がないと、私はこの問題はかなり紛糾してくることではないかということを懸念いたしますので、くどいようでありますけれども、それらについての十分な御注意が必要ではないかというふうに考えるのでございます。
なお、抑留漁夫の返還ということについて政府は従来どういう措置をとってこられておるか、これもまたあわせて御説明を願いたいと思います。
この発言だけを見る →なお、抑留漁夫の返還ということについて政府は従来どういう措置をとってこられておるか、これもまたあわせて御説明を願いたいと思います。
藤
藤山愛一郎#26
○藤山国務大臣 北鮮帰国の問題につきましては、ただいま申し上げましたように、日本の意図としては決して日韓間の関係を悪化する意味でこれを使うわけでございません。全く居住地自由という国際通念のもとにわれわれは公正にこれを処置していくということでありますので、その点を十分に韓国側に理解してもらうことは必要だと思います。従って、それらについての努力は今後とも続けて参りまして、日韓会談にそれが支障を及ぼさないように努力することは当然のことだと思いますので、そういう点について努力して参りたいと思っております。
なお、抑留漁夫は現在百四十七名かと存じておりますが、これらの帰還につきましては、われわれとしても累次会議の席上もしくは会議の席上外においてもこれを申しておりますし、また残念なことに、半年ほど抑留、拿捕がなかったわけでありますが、一月二十二日に再び二十五名ほどの漁夫の抑留が、われわれとしては李ラインの外であったと考えておるのでありますが、起ったわけであります。それらについては直ちに抗議をいたしております。
この発言だけを見る →なお、抑留漁夫は現在百四十七名かと存じておりますが、これらの帰還につきましては、われわれとしても累次会議の席上もしくは会議の席上外においてもこれを申しておりますし、また残念なことに、半年ほど抑留、拿捕がなかったわけでありますが、一月二十二日に再び二十五名ほどの漁夫の抑留が、われわれとしては李ラインの外であったと考えておるのでありますが、起ったわけであります。それらについては直ちに抗議をいたしております。
船
船田中#27
○船田委員 次に、東南アジア開発に対する日本の協力ということについて、総理の抱負及び今後の政府の方針を伺っておきたいと思うのであります。
総理は一昨年二回にわたりまして東南アジアを訪問せられまして、その結論としてはいわゆる東南アジア開発基金構想を明らかにせられ、またアメリカに行かれましたときにもこれを携えていかれて、アメリカの協力を求めるというようなことになりまして、その結果か、ここに三十三年度の予算の中には約五十億円の基金が設定せられておるのであります。しかし、昭和三十四年度の予算を見ましても、東南アジア経済開発、後進国の開発に協力するということにつきまして、政府は一体積極的に具体的に何をやっておるのかと申しますと、その多くはまだ具体化されておらないというのが実情ではないかと存ずるのでございますが、その東南アジア開発基金構想という総理の構想及び今後どういう具体的な政策をもってこれに対処せられんとするのであるか、それらについて概括的な点を総理から御説明願いたいと思います。
この発言だけを見る →総理は一昨年二回にわたりまして東南アジアを訪問せられまして、その結論としてはいわゆる東南アジア開発基金構想を明らかにせられ、またアメリカに行かれましたときにもこれを携えていかれて、アメリカの協力を求めるというようなことになりまして、その結果か、ここに三十三年度の予算の中には約五十億円の基金が設定せられておるのであります。しかし、昭和三十四年度の予算を見ましても、東南アジア経済開発、後進国の開発に協力するということにつきまして、政府は一体積極的に具体的に何をやっておるのかと申しますと、その多くはまだ具体化されておらないというのが実情ではないかと存ずるのでございますが、その東南アジア開発基金構想という総理の構想及び今後どういう具体的な政策をもってこれに対処せられんとするのであるか、それらについて概括的な点を総理から御説明願いたいと思います。
岸
岸信介#28
○岸国務大臣 東南アジアを私が二回にわたって訪問をいたしまして痛感をいたしますことは、これらの地域における政治的経済的の不安定な状況というものは、一日も早くこれを安定せしめるようにすることが必要である、これらの地域におけるところの国民が、いずれも自国の独立完成に非常な熱意を持っておりますけれども、政治的にも不安であり、その根底はやはり経済的な不安ということがおおうべくもない状況であります。こういう際に、われわれがこれらの地域における経済開発をできるだけ早くやっていく、そうして経済の安定をし、繁栄の基礎を作ることが、独立の完成の上に非常に大きな力になるということを痛感したのでありまして、これらの地域における経済開発をやる上におきましては、これらの地域における開発をするについての技術が非常に欠けておる。またもう一つは資金が欠けておる。資金と技術が導入されることが、これらの地域の経済開発に最も必要であるということを痛感いたしたわけであります。われわれは、従来コロンボ・プランによって、技術的な援助というようなことも日本も国際的な一員となって協力をいたしております。しかし、またアメリカが個々の国々に対して援助資金等を出しておる事実もございますが、これらの地域におけるほんとうの開発というものは、政治的なひものつかない、真にこれらの地域の経済の基盤を強固にし、繁栄の基礎を強固にする、作り上げるという意味において各国が協力するという、政治的意図から離れた資金なり技術協力というものが、最も必要であるということを実は私、痛感をいたしたのであります。そういう点にかんがみて、日本が持っておる技術、あるいは経営の力等に関して、これらの国々における希望に応じてわれわれが協力するとともに、日本だけの力ではとうてい十分な資金的援助を与えるだけの国力がないということにもかんがみまして、やはりこれに対して、アメリカを中心として各国がそれぞれの応分な出資をして、基金を設けてこれが開発に協力することが望ましいと思ったのであります。今御承知の通り世界銀行というようなものもございまして、これらの未開発地域に対する金融その他の資金の協力もしておりますが、東南アジアの現状からいうと、まだバンキングの対象としては、ヨーロッパその他の先進国に比べて非常に劣ると私は思うのです。そういう意味において、銀行のシステムではこれらの地域における開発に必要な資金が回るということはなかなかむずかしい、ここに特殊な基金を作る必要があるのじゃないかという考え方をしたわけであります。御承知の通り、国際連合にもそういう意図のもとにおける考え方があるようでありますし、私の構想しているものを特別に別個に、私のいう通りに作るかどうかということについては、関係各国の十分な了解や理解を得る必要がありますので、そういう提案をいたし、日本としては、そういうものができる場合においては、これに出資をするために五十億円の資金を昨年度の予算に計上しておる。私どもは具体的に申しますと、この一年間において、コロンボ・プラン等によっての技術的な協力をやっている、また個々の賠償その他と結び合わしての経済開発についての具体的なプロジェクトに協力をしておる。それからさらにことしの予算案におきましてもある程度計上いたしておりますが、東南アジア諸国の中に技術センターを作って、そうしてこれらの国々の開発に協力するというような点においてのわれわれの考え方を具体的に示しております。もちろん三十四年度の予算に計上しておりますこれらのものが十分であるとは私ども考えませんけれども、しかし、私どもの考えておる、特に技術の面における協力、それから資金の面における協力については、今後において関係諸国との間に十分な理解を進めて、そういう基金制度を作り上げるように努力をしたい、かように考えております。
この発言だけを見る →船
船田中#29
○船田委員 次に、私は、わが国の安全保障の問題につきましてお伺いをいたしたいと思います。
わが国の安全保障ということを考えて参りますときに、先ほど来総理からも述べられたような国際情勢、ことに日本周辺の国際情勢と、特に軍事情勢から考えまして、わが国において民主政治を守り、国家の安全を保障するということのためには、内に最小限度の防衛体制を整えるということは絶対に必要でありまして、いわゆる無防備中立論というものは成り立たないのではないかというふうに考えられる次第でございます。
この国防の基本方針につきましては、一昨年五月、総理が渡米される前に、国防会議の議を経てすでに決定をいたしております。外部からの侵略に対しては、将来国連が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまで、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する、こういうふうになっておるのでございます。しかし、わが国の自衛体制は、すでに七年余を経まして漸次整備されてきております。もちろんこれだけの力をもって日本の安全が保たれるというものではございませんけれども、安保条約締結当時に比較いたしますると、諸事情が非常に違っております。すなわち、その当時は全く自衛の有効な手段を何一つ持っておらなかったということが前文にも出ておるのでありますが、今日は、約二十四万に及ぶ隊員、すなわち自衛隊が陸海空にわたって一応整備されつつある、そういう点において事情が違っておる。すなわち、今日は、日本の国土の防衛については日米両国が協力して防衛をするという体制が一応整ってきておる、こういう事情にございます。また安保条約締結後すでに七年を経た今日において、その他のわが国の経済状況も非常に変っており、経済建設も着々として進みつつある、こういう諸事情が変化しておるときに、安保条約の改定ということは、これは当然考えられることでございまするし、総理大臣及び外務大臣は、国会を通じてしばしば安保条約は合理的にこれを改定する、こういうことを言明されており、現に昨年の十月以来、外務大臣とマッカーサー大使との間に安保条約改定の交渉が進められておるのでありますが、その安保条約改定の、具体的にどういう点について改定をせんとしておるか、その方針の概略につきまして、総理及び外務大臣からその経過についてお話を願いたいと思います。
この発言だけを見る →わが国の安全保障ということを考えて参りますときに、先ほど来総理からも述べられたような国際情勢、ことに日本周辺の国際情勢と、特に軍事情勢から考えまして、わが国において民主政治を守り、国家の安全を保障するということのためには、内に最小限度の防衛体制を整えるということは絶対に必要でありまして、いわゆる無防備中立論というものは成り立たないのではないかというふうに考えられる次第でございます。
この国防の基本方針につきましては、一昨年五月、総理が渡米される前に、国防会議の議を経てすでに決定をいたしております。外部からの侵略に対しては、将来国連が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまで、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する、こういうふうになっておるのでございます。しかし、わが国の自衛体制は、すでに七年余を経まして漸次整備されてきております。もちろんこれだけの力をもって日本の安全が保たれるというものではございませんけれども、安保条約締結当時に比較いたしますると、諸事情が非常に違っております。すなわち、その当時は全く自衛の有効な手段を何一つ持っておらなかったということが前文にも出ておるのでありますが、今日は、約二十四万に及ぶ隊員、すなわち自衛隊が陸海空にわたって一応整備されつつある、そういう点において事情が違っておる。すなわち、今日は、日本の国土の防衛については日米両国が協力して防衛をするという体制が一応整ってきておる、こういう事情にございます。また安保条約締結後すでに七年を経た今日において、その他のわが国の経済状況も非常に変っており、経済建設も着々として進みつつある、こういう諸事情が変化しておるときに、安保条約の改定ということは、これは当然考えられることでございまするし、総理大臣及び外務大臣は、国会を通じてしばしば安保条約は合理的にこれを改定する、こういうことを言明されており、現に昨年の十月以来、外務大臣とマッカーサー大使との間に安保条約改定の交渉が進められておるのでありますが、その安保条約改定の、具体的にどういう点について改定をせんとしておるか、その方針の概略につきまして、総理及び外務大臣からその経過についてお話を願いたいと思います。