船田中の発言 (予算委員会)

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○船田委員 私は、この中国との関係というものは非常にむずかしい問題がそこにあると思います。大使級の会談をするというようなことが新聞に出ますることは、これは国民政府としてはなかなか耐えられないことと考えておるようでございます。この貿易というものは、結局そろばんの問題。ところが、御承知の通り、共産政権というものは政治がすべてに優位しておるのでありまして、貿易も文化も、すべては政治優先ということによって、政治に支配されておるのであります。ですから、一体いえば、政治を離れて貿易をするということも非常に困難だとは思います。しかしながら、これは何といっても、あの中国大陸に六億以上の民衆がおり、そして古い関係を持っておるのでありますから、これと貿易をするということは、日本国民として決してこれを軽視することはできない。むしろできれば貿易をして参りたいのでありますけれども、しかし貿易はやはり経済の問題でありまして、数字を離れていたずらに原則論あるいは観念論でこれを律するわけには参らぬのじゃないか。中華民国とすでに相当経済交流をやって、片道八、九千万ドルの貿易をやっておる。ところが対中共貿易は、一番多いときでも六千数百万ドルにすぎない。対韓貿易でも年々六千万ドルをこえておる。こういう事実を無視して対中共貿易をやれば、日本の経済があすからでも繁栄するというような錯覚を持っておる人もかなり多いのでありますけれども、それらの点は、政府としては十分国民に納得のいくような説明を与えることが必要じゃないかと私は思う。いたずらに対中共貿易を急ぐために、あるいは大使会談をする、あるいは数字を無視して対中共貿易を急ぐというようなことは私は決して策の得たものではないと思う。通産大臣は周恩来首相にあてて私信で何か出されたとか、いろいろあるようでございます。しかし共産圏との経済文化の交流につきましては、これは、よほど慎重にやる必要があると存ずるのであります。ことに対共産圏、対中共との貿易促進のために、日本が平和条約を締結しておりまする台湾にある中華民国との間に、ちょうど昨年春起りましたような紛争を巻き起すことは、私は決して策の得たものではなし、また日本の経済の上から考えましても、台湾貿易は相当最近進んでおるのでありまして、それを無視して対中共貿易を急ぐということは、私は本末転倒ではないかと考えるのでありますが、それらについての政府の御所見を伺いたいと思います。

発言情報

speech_id: 103105261X00219590202_020

発言者: 船田中

speaker_id: 17484

日付: 1959-02-02

院: 衆議院

会議名: 予算委員会