笹森順造の発言 (予算委員会)

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○笹森順造君 そこで問題は明確になったのでありまするが、戦後に新しく起りました勢力を、これを承認するか、あるいはまたそれと条約を結ぶかという問題が残ってくるかと思います。戦後において新しい勢力として台頭いたしましたのは、世界中各地にあるわけでございまするが、それがまだ国交ができておらない、条約ができておらないから、みんなこれは敵だという通念がもしもありまするならば、これは野蛮時代の通念であって、現代の国際法の上から、あるいは国際通念からは間違ったものだと私は判断するのであります。この点に今までの困難性があるのではなかろうか。そこでこの新しく台頭したのは、必ずしも中共に限ったわけではございませんが、これをどういう場合に原則的にこれを承認し、あるいはまた条約を締結するかということについて、これをお尋ねを申し上げなければならない。私の判断で申しまするならば、一つの勢力が起りました場合に、その勢力が主張いたしますところの領土全体において領土権を十分に発動し得る状態が必要、すなわちその領土内におけるすべての安定勢力でなければならない。もしもその間にお互いに紛争がありますものを残しておりまする場合には、これは承認する上において非常な困難性があると私は考える。このことがなければ、これは承認する一つの要素を欠くものでなかろうかと私は思うのであります。
 また第二には、そういう勢力を、これを承認するための国との間に利害が全く一致するということが必要である。もしもその間に利害の一致を見ないならば、その間はやはりその承認はしばらく差し控えて、情勢を見るというのが当然であろうかと思います。
 第三には、そういう国が承認されるには、相当な国際的な世論が起って、これを承認するという態勢がやはり国際理論上必要でなければならない、こういうものが備わらない間は、これはなかなか承認できないのではなかろうか、これは今後も他にも起るべき問題でありますので、私はそう判断しておりまするが、岸首相はどうお考えなさるか。そのほかに今後どこかの新しい勢力が台頭した場合に、これを承認し、あるいはまた条約を結ぶ上においての原則的なことをどうお考えになっているかを一応お尋ね申し上げたいと思います。

発言情報

speech_id: 103115261X01919590331_007

発言者: 笹森順造

speaker_id: 7101

日付: 1959-03-31

院: 参議院

会議名: 予算委員会