佐々木義武の発言 (商工委員会)

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○説明員(佐々木義武君) 原子炉の安全の審査の最中に、衆議院の科学特別委員会の方で、ぜひ政府で決定する前に公聴会等を開いて、広く各般の意見を聞いた上で、さらに問題があればつきつめてもらいたいというたっての希望がございましたので、この夏に公聴会を開催したわけでございますが、その際に非常にファーマー氏の論文が問題になりまして、わが方でもかねがねこの現況は知っておったのでございますが、何せ個人の発表の論文でございますので、むしろこの際このファーマー氏自体を——この方は英国の原子力公社の工業グループの原子炉安全部長でございますが、その方に直接来ていただきましてそして自分の研究した経過並びに結論等、技術的に詳しくローマでこの春発表した論文が基礎でございますけれども、その論文の上では真相が確かでありませんので、もっと深いデータをもって日本に来てもらいたいという交渉をいたしました結果、ファーマー氏も喜んで日本に参りまして、そして数日この問題でファーマー氏を中心に、先ほど申しました安全部会の専門の方たちが検討を加えていったわけでございます。その結果ファーマー氏の最終的な結論を申しますと、内容はあとで御説明申し上げますが、結論といたしましては、「東海村は適地である。決して不適当な土地でない。東海村は地点より七百メートル以内に樹木がなくて住宅もない。農業も行われていないので、この種の原子炉の発電基地として英国の地点よりすぐれている。安全性に関する基準を適用してもすぐれていて明らかに取り入れらるべきである。」というのが最終的な結論で声明が出たわけでございます。その出ました道行きを考えてみますと、ファーマー氏の論文というのは、大体三つが要点でございます。最悪的な事故が発生した場合、これはまあ非常にあり得べからざることでございますけれども、まああらゆる悪い条件を考えて、その事故解析をした場合に、核分裂生成物がどういうふうに放散していくであろうか、それが人口分布にどういう影響を及ぼすであろうかというのが、論文の中心テーマであったわけでございますが、そこで一つの点として、原子炉の地点より四百五十メートル以内はほとんど人の住んでいないのが一番望ましい。それから一マイル以内には五百人以上住んでいないことが望ましいというのが二番目でございまして、三番目には、五マイル以内に一万人あるいはそれ以上の人口の中心がないことが望ましい、こういうふうに載っておるわけでございます。そこで今の東海村を当てはめますと、第一の条件は全く問題はありません。第二の条件もほとんど問題がありません。第三の条件で久慈町がこの五マイル以内に入りまして、人口が一万を若干越しておるような関係になっておりますので、これが非常に今問題だというので、日本の新聞等ではそれを取り上げたわけでございます。そこでファーマー氏にいろいろ真相を確かめてみますと、決してこの第三の条件は危険だというための条件ではなくて、近くにそういう都市があった場合には放射線の管理上、いろいろ調査をしたり、あるいは通知をしたり等の管理の手数と申しますか、仕事がふえるので、できればそういう地帯にない方が管理上望ましいというので、決して危険というわけじゃないという点が非常に明瞭になったわけでございます。従いまして、その点を現地の方たちにも十分御説明をいたしまして、決して誤解のないようにということで、現在いろいろ御説明を申し上げ御納得をいただくように努力しておる最中でございます。

発言情報

speech_id: 103214461X00419591001_015

発言者: 佐々木義武

speaker_id: 8813

日付: 1959-10-01

院: 参議院

会議名: 商工委員会