菅家喜六の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○菅家喜六君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました社会党淺沼稻次郎君外四名提出にかかる加藤衆議院議長不信任決議案に対し、強く反対の意思を表明するものであります。(拍手)
 ただいま、提出者たる社会党代表の趣旨弁明を承りまして、まことに驚いたのでございます。本院に議長不信任案が第一回国会以来今日まで九回提出いたされておるのでございますが、今回のごとき理由によって不信任案が提出されたことはございません。まことに常軌を逸したる不信任案であります。(拍手)内容を点検いたしますると、ことごとくこれは自家撞着の弁でございます。(拍手)
 私どもは、この見地に立って、われわれの党は社会党に勧告をいたした。かつて、かくのごとき理由のもとに不信任案が提出されたことがないのであるから、国会の権威のためにこの不信任案を撤回せよと勧告をいたしたのでございます。しかるに、われわれのこの勧告に応ぜず、今この理由書と趣旨弁明を承りますと、第一に、突如、何らの根拠なく、正当な手続を経ずして、淺沼稻次郎君外三名を懲罰に付したというのでございます。社会党の諸君、速記録を調べてみたまえ。今日まで、第一回国会以来、議長職権による懲罰というものが四回行なわれておるのでございますが、第一回は、社会党の諸君が選びました松岡議長が、議長職権による懲罰を扱っておる。これは二十二年の十二月五日、各派交渉会において、松岡議長は、だれだれ君を懲罰に付しますということを宣言し、直ちに、本会議場において、当時の倉石君外二名を懲罰に付したではありませんか。また、第二回目は四国会、次は十国会、十九国会において議長職権による議員の懲罰が行なわれておりますが、いずれも、即刻、議長の職務権限において懲罰に付されておるのであります。いずれの場合を見ましても、むしろ、私の方から言うならば、議長の懲罰の宣言はおそきに失したと考えておるのでございます。(拍手)
 これ以上、正当なる理由――しからば、淺沼稻次郎君のとった議員としての行動が懲罰事犯に値しないか。諸君、十一月二十七日に本院に起きましたあの不祥事件――テレビ、写真、あらゆる問題によって、淺沼君が総指揮官になって、ここに入れているではないか。(発言する者多し)この事実を諸君が否定しようと思っても、この事実は否定することはできない。あらゆる証拠によって、淺沼君が総指揮官となって暴民を中に入れ、しかも、この構内を乱したるこのさまは、あらゆる事跡によって、これは明らかなのでございます。(拍手)これらの不祥事件を再び本院に招来しないために、議長は、あらゆる調査をしまして、慎重にこれを検討し、ついに議長職権によって四君を懲罰に付したことは、まさに私は正当なる方法であったといわざるを得ないのでございます。(拍手)
 一体、社会党の諸君は、自家撞着の議論に陥っておる。これを称して、世の中では堅白異同の弁というのでございます。(拍手)みずから放火をしておきながら、火をつけておきながら、その火を消しとめなかった消防が悪いからといって責めるがごときことが、この不信任案でございます。みずから暴力を働いて国会の内部を乱しておきながら、その責任が議長にあるというがごときは、まさに、これは牽強付会の言といわざるを得ません。(拍手)
 社会党の諸君は、国会の正常化を主張して審議権を放棄しているではないか。これが国会の正常化でありましょうか。(拍手)諸君は、議長の不信任案を出しておきながら、欠席をしておるではないか。(拍手)これが国会の正常化でありますか。こういうことは、国会の正常化とは言わない。諸君は、議会政治を守るといって暴力を排撃しながら、ことごとく暴力をやっているではありませんか。(拍手)これが今日の社会党の姿である。従いまして、諸君の政党は、心ある人は続々党を離れていっておるではないか。(拍手)諸君が今反省をしなかったならば、おそらく、明年の一月にはまた脱党者が出て、振り返ってみたときは、鈴木委員長のもと、淺沼稻次郎君ほか数名だけ残る政党になってしまうでありましょう。(拍手)
 まず、社会党は、今日の事態を強く反省すべきである。政党も政治家もみずからを反省せずして政治の進歩はあり得ない。諸君が、今日のごとく、すべての責任を他に転嫁して、みずから反省するところがなかったならば、政党の前途というものは崩壊を来たす時期が近いといわざるを得ないのでございます。(拍手)
 私どもは、この観点に立って、このたび加藤衆議院議長がとりました態度はまことに正当であったと考えるのでございます。私は、何ら加藤衆議院議長不信任の理由というものは存在いたさないと思うのでございます。しかも、昨年行なわれました両党党首会談の問題も、ここに出される何の関係があるのでございましょうか。両党首会談の主たる目的は何であったか。それは衆議院議長の権威を高めること、再び社会党のやる暴力をこの国会から払拭すること、これが両党首会談の主たる目的だったのでございます。この観点に立って、加藤議長は、正しく、正確にものを見、調査をいたして、許すべからざる罪を犯しましたる淺沼稻次郎君ほか三名を議長職権による懲罰に付したということは、議会政治を守る意味において、私は当然なる措置であったと思うのでございます。(拍手)
 全部の新聞、ラジオ、世論を静かに見たまえ。われわれは、憲法の与えましたる国民の請願権を否定するものではない。言うまでもなく、国民の請願権は尊重いたすのでありますが、しかし、その憲法の与えましたる請願権とは、正当な方法によって行なわれなければならないのでございます。(拍手)去る十一月二十七日、本院に行なわれましたあのデモ、請願・陳情は、正当なる方法による請願権の行使であったでありましょうか。諸君がいかに否定いたしましても、国民は、あの様子を見て、これが正当なる憲法による請願権の行使とは見ておらないのであります。(拍手)この請願権を不当に利用いたしまして、院内にあの醜態を演ぜしめたる社会党の責任はまさに重いものでありまして、この懲罰の前に、淺沼君のごときは議員を辞職すべきものである、と世論は言うておるのであります。(拍手)
 これを要するに、加藤議長のとりました今回の処置は、憲法、国会法、衆議院規則、先例、すべてに照らしまして、まことに正当なものでありまして、むしろ、加藤議長を信任こそすれ、不信任案のごときことは断じてこれは賛成するわけにはいかない、強く反対をいたすものであります。(拍手)私は、社会党の、この責任転嫁をして、その罪を議長に負わせんとするがごとき、この理不尽なる不信任案に強く反対の意を表明し、鎧袖一触、直ちにこれを葬り去るべきものであると考えるのであります。社会党の反省を促しまして、私の討論を終わる次第であります。(拍手)

発言情報

speech_id: 103305254X02219591221_007

発言者: 菅家喜六

speaker_id: 31752

日付: 1959-12-21

院: 衆議院

会議名: 本会議