池田禎治の発言 (本会議)
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○池田禎治君 私は、社会クラブを代表いたしまして、ただいま上程されました衆議院議長加藤鐐五郎君不信任決議案に賛成の意見を述べんとするものであります。
ただ、この際明確にいたしておきたいことは、先ほど、提案者でありまする山花秀雄君から、加藤議長不信任案の趣旨弁明の中におきまして、デモ規制法を提案した、淺沼稻次郎君以下の懲罰を突如として正規のルールなくして行なった、この所見については、私は異にしておるものであります。なぜかといいまするならば、デモ規制法は、本日十一時五十五分、自由民主党が議員提案として行なっております。さらに、懲罰につきましては、これは、議長の行なったことについて、こういうことをやる前に、議長としてのとるべき道があるということを、わがクラブは早くより主張して参ったのであります。本来ならば、去る十一月二十七日の国会乱入事件につきまして、われわれクラブとしては、すみやかに衆議院議長は責任をとって、政治的責任を明らかにせよ、ということを主張して参ったのであります。(拍手)私は、明確に申しまするならば、あの乱入事件というものは、加藤議長の力をもって防止することはできなかったとは思います。けれども、今日、国民の殿堂としての国会を守るという議長は、この責任の所在を明らかにすることにおいて、すなわち、懲罰の事犯に対する刑量にあらず、政治家として、衆議院議長として、こういう自分の在任中にでかした不祥事件につき深く責任を痛感するということを議長みずからが感ずるならば、全議員が、この導入をした議員が、すべての国民が、国会の権威を守るためにこういうことが行なわれたということをひとしく銘記いたしまして、そういう乱入事件のごときを絶滅することができると思うのであります。(拍手)従いまして、議長みずからが責任の所在を明らかにせずしておいて、そうして、一方的に懲罰にかけて、私には責任がないのだというようなことをしておっては、口にいかに国権の最高機関である国会の権威を守ろうとしても、それは口頭禅に終わるのであります。しこうして、また、議長みずからがその責任をとることにおいて、社会党の人々はあの乱入事件には何らの罪もないということも、またこれは当然考えられてしかるべき道はそこに生じてくるであろうということを思うのであります。従いまして、こういう理由で加藤議長の不信任案ということでなく、衆議院議長としての大きな政治的責任をとってあなたはおやめになることが至当であるということを、われわれは、あの事件発生以来、主張して参ったのであります。
今回につきましても、私どもの原則は、懲罰に付してもって事が足りるとすることではない。法律をもってデモを規制することで将来ああいう事件の絶滅をはかるということではないのであります。その前に、口に民主政治を唱えるならば、民主政治家というものの政治的責任をお互いが痛感するならば、ああいう種類のことは将来なくすることができる、このことを全国民とともに体得をいたして、監視せしめなければならぬと思うのであります。(拍手)
従来、閣僚の不信任案がよく乱発されました。その閣僚の不信任案の中で、私どもは、その不信任に値しない、すなわち、内容の何もない人々を閣僚にしておいて、それが失敗をするから不信任案を出す。私は、個人として思うときには、不信任案を提出して一人前の閣僚として権威をつけることはまことに悲しき限りであるというので、よく反対をして参ったものでありまするが、今日、議長の不信任案がこういう形であろうとも出されたということは、確かに加藤議長みずからの不徳のいたすところであり、至らざるところが多々あることを痛感しなければならぬ。
さらに、逆なことを申しますると、この不信任案がもし否決をされると、加藤議長さんや、自由民主党の諸君は、信任されたといって、てん然としてで居直りを策するであろう。私は、数の政治を論ずる前に、ほんとうに多数決であれば何でもできるんだという考え方を、国民に与えてはならないと思うのであります。多数を持つといえども、誤ったことは、謙虚に、誤ったといって、国民の前にその意思を表明するならば、国民は長くこれを追及しないでありましょう。間違ったことをしておいても、間違わぬのだ、間違わぬのだと言っておると、しまいには、あきれ返って、そういう政治家に対して信頼の念をなくするであろうということを感ずるのであります。
かかる観点をもちまして、私は、本不信任案には、自由民主党の諸君といえども御賛同願って、全会一致で通過されるようにお願いをいたしまして、私の討論を終わります。(拍手)